「しきかーん!おはよ!」
朝から自室の扉の前で目覚ましの如く声を上げるのはUMP9、小隊員を家族と呼ぶ陽気な人形だ
「しきかん?起きてる?」
隠しておくような事は特にないと思っている故に副官の人形へは自室への電子キーを渡してあり、副官は自室へ入ってこれるようにしてある、もちろん副官変更の度にセキュリティは弄る
「しきかん、寝てるね……そうだ」
ゴソゴソと周囲を漁ったりする音が聞こえる、ある程度分類しておきたい人間だから探してるものが見つかりやすいはずだが
「これで良し!」
ぎし……とベットが軋む、顔を近づけるUMP9の吐息が耳朶をくすぐる
「おーきーて?」
耳元で囁くその声に寝たフリが出来ないことを察して不承不承といった体で起きる
「おはよ!指揮官!」
起きると満面の笑みの彼女が、本当に笑顔が似合う人形だ
ㅤおはよう、今何時だ?
「6時半、ちょっと遅いかな?」
ハキハキと今日の予定を大まかに読み上げる声を聞いて改めて頭の中で整理する、その間に手は寝巻きから略式軍装へ着替えるように動く
「指揮官!ちょっと待って!」
ズボンに手をかけた辺りで制止の声がかかる、なぜかと思いながら彼女を見ると顔を手で覆い、指の隙間からこちらを見ていた
「そ、そういうのはまだ、ちょーっと速いと思う、よ?」
どうやら彼女は私の着替えの姿を見ないようにしてるようで、確かに人形とはいえ女性だったなと思い返した
「私、部屋から出てるね!」
風のように部屋から出ていき、扉の閉まる音だけが虚しく響いた
見られて困るような体つきじゃないけどなぁ
着替え終わり、寝癖を直して慣れ親しんだグリフィンの徽章の付けられてる赤いベレー帽を被る、髭は生えていない、そもそも剃っている、草臥れた目がネックだが、直しようもない。
これでどこからどう見ても勤務3年目のしがない指揮官だ
「指揮官準備出来た?」
後ろ手に組み、覗き込むようにこちらを見る
問題ないよ、朝飯ついでに他の人形との打ち合わせに行こう
「おー」
鼻歌が聞こえてきそうなほど嬉しそうな彼女を見ると毎度の事ながら目元が緩む
「指揮官、楽しい?」
楽しいと言うよりは、癒される、かな
「えへへー」
どんな時でも笑顔、というのは戦闘の時も、という訳だが、こんな殺伐とした世界で笑顔である、というのはひとつの魅力とも言えよう
「ごはんーごはんー」
軽く思案していたら食堂に着いていて、食券を購入する、気分はオートミールだ、合成食材の。
汚染された水よりも安いのがアルコールだと言うのが悲しいが何も飲まないのはミイラの仲間になってしまう
それじゃあ、仕事をするか。
みんな聞いてくれ、今日のシフト割だ、第1小隊は区域全体の見回りだ、第2から第5小隊までは拠点の防衛、6、7小隊は区域内の居住区の治安維持、8、9、10小隊は他司令部の方へ後方支援だ、さて、かかろうか。
基本的にローテーションでシフトを組んでいる、だが副官は別で、四六時中に近しいほど一緒にいる
「指揮官、こっちの書類は?」
それはこっちで頼む
「イチからの定時報告だよー」
異常がなければそのまま続行してくれ
午前までに片付けるべき山をひとつ片付け、小休止を取る
「指揮官なんか飲む〜?」
あー、泥水にするよ
「そんなこと言ってるとほんとに泥水にするよ」
それは困るな
執務室から行ける給湯室から両手にカップを持って出てきたUMP9をソファーに誘導して一息入れる
「隣、いい?」
どうぞ
人懐こい猫、と評すべきだろうか、懐に来たくなったらそっと入り込んでくる
「ね、指揮官、指揮官はさ」
なんだ
「指揮官は愛ってわかる?」
わかんねぇなぁ
愛とは何か、これは恋をして愛を知ってそれで初めてわかるものだと思う
「指揮官のこと、家族だって、そう言ったし、そう思ってたけど」
「
「あのね、指揮官のことを知りたいの、もっと、ずっと」
「どんなことが好き?お気に入りの
1度に聞かれても困る
「ごめんね、指揮官」
「でも、いっぱい、いっぱい、知りたいの」
すっと立ち上がり正面に回り込む彼女、彼女の目は複雑な心境で揺れていた
「指揮官……」
柔らかく、胸に抱きついてくる彼女は見た目相応の雰囲気を纏っている
「これが、愛なのかな……恋をしてるってことなのかな」
「人形が恋をしても、いいの……かな」
9……
「今は、今だけは……」
抱きつく力が強まり身体を押し付けられる、冗談だと言ってくれたらどれだけ楽になるか、冗談ならば笑って済ませられるのに
ナイン、お前
「冗談、じゃないから」
顔を上げてこちらを見る彼女、涙で滲むその両目にまるで吸い込まれるようだ
「ごめんね」
軽く触れるだけのキス、リップ音が鳴ならないほど短い時間の触れ合い、顔が近づいて来るからキスをする理解はしていたが、いざされるとなると、顔が熱い
「暖かい……」
彼女の顔は、いつもより綺麗に映った。
「きっと、この暖かさが好きって、恋ってことなのかな」
もう一度キスをする、今度は触れ合うだけでなく、リップ音するくらいに繋がる
「んっ……」
3度目は舌を絡めてのキス、これは彼女の意思でなく、こちらから仕掛けた、人とは違う、ざらついてない舌の感触を味わいながら彼女を貪る、彼女の顔は驚愕で彩られ、目の奥には一欠片には満たない拒絶、そして歓喜
「指揮……官」
蕩けた顔と、か細く囁くような声、しっかりと主張する胸部、固く大きくなるのもすぐだった
「あっ、指揮官」
「家族に、なろ?」
彼女は手早くズボンのジッパーを下ろす、甘く勃ちあがるチンコに軽く触れ、摩る、ストロークに比例するように固くなっていく
「もういいよね?」
キスをして、舌を絡めながら彼女は下着をずらしてこちらのを受け入れる
「んっ」
この状況に慣らす為に腰を動かさずに抱き合い、キスを繰り返す
「大丈夫、だよ」
「もっと繋がりたいから」
そう言って彼女は腰を振り始める、それに合わせて腰に回した手で彼女の動きをアシストする
「待って、これ、すご、んっ、やっ」
自分で動く必要が薄れた故かこちらに抱きついて耳元で甘い嬌声を流す
「うぁっ……あっ」
ぴくぴくと肩を揺らす彼女と同期するように収縮する膣内に果てそうになるも、踏ん張りながら揺らす間隔を長くする
「やめ……ないで……」
くっ
「あっそこっ」
高まる快感に意識が持っていかれそうになる、もう達するのも秒読みだ
出、そうだっ
「出していいよっ」
ナインッ
「指揮官っあっああっ」
とくんとくん、と消して多くはないが少なくもない量の精液が放たれる
「暖かい……これからは本当の家族、なんだね」
目尻に涙を湛えながら嬉しそうに顔を綻ばせる、いつものように綺麗な笑顔だが、張り詰めていたものが落ちたような笑顔だ
誓約、しようか
「指輪くれるの?もっと嬉しくて暖かいの貰ったのに?」
いらないならそれでいいけど
「貰うよ!だって指輪をつけてるってのは家族で、夫婦なんでしょ?指揮官の価値観だと」
ま、そうなるな
「じゃあ!私は指揮官の奥さんなんだね!」
気が早いな全く
「指揮官、45姉も、G11も416もよろしくね!」
ええっ?
「私が1番じゃなきゃやだけどね!」
そう言って勢いよく現状の嫁さんは抱きついてきた
タイトルはラブコネクションとでも読んでください(考えてない)