FATE/Walküre suko suko suki- 作:鹿島鹿
朝、ベットの上で通常より些か早く目が覚める。
いや、目が覚めるとは書いたが眠気の為に目は瞑ったままである。早朝の微睡みと布団の温さは人間を開眼させる事すら躊躇わせる一種の魔法だ。今日は急ぐ用事も無いしバイトも休みなので頑張って起きる必要もない。
しかしなら何故自分は惰眠を貪りきれ無いのか。それは仰向けに寝ている自分のマイサンにドッキングしてユサユサしている女神がいるからである。
身体と気分はそのまま昇天して成仏して葬式してもらった後墓に埋まる程度には良いが、これでは寝るのは難しい。
下手人は解っているのだが、3人の内の誰かはいまいち解らんので薄っすらと目を開ける。
いや、俺が超エロソムリエとかだったら「マイサンに伝わるこの感触とぬめりは○○だな! 」とか言えるのだろうがそんなエロゲー主人公の様な能力はない。
経験なんてこいつら位しかないから断定できないけど普通マイサンの感触だけで女性の見分けつく奴とか居らんよね? 居たとしたらハイパー槍ティンかよ。どこのグランドランサーだ。(暗喩)
脳内会議が盛り上がりつつ目を開けたら上で全裸で腰を振っているのは黒髪の女神、オルトリンデだった。
目が合えば真面目そうな目付きは若干熱に蕩けていてこちらの目を愛おしそうに見返して来た。
「おはようございます。んっ。マスター」
何でもない事の様に返しているが、白く美しい肌とこれまた美しい胸が興奮しているせいか、ピンク色に染まっているような気がする。
「おはよう。だが毎度言うけどこういう起こし方はやめて欲しい。自分が南の島の大富豪になってハーレムを築いていると錯覚しそうになる」
あと、人と話してる最中位は腰を止めましょう。礼儀に欠けているぞ。いや、瞳は真っ直ぐこっちを見てるし話も聞いてはいるから真面目なのか? いや、これを真面目と称した会話だと認めれば世の中は「失礼します!」と言って本当に失礼な格好で現れる対魔忍だらけの様な暗黒世界となってしまう。よってこの会話は真面目ではない。QED。
「勇士をこうやって、起こす、のも、私達の勤めっ、ですので」
どこの世界の務めなのそれ? エッチすぎかよ。
あと句読点毎に小さく「んっ」とか吐息洩らすのやめよう。こっちも興奮して達してしまいそうになる。
てゆーかもう出た。はい降参ー。試合終了ー。マイサンはもう終わりですね。
「んっ、健康の様で安心しました」
こちらの限界に気付くと打ち付ける様な腰の動きからオルトリンデの中で放射し続けてるマイサンを奥に擦り付けるような動きに替わったせいで刺激に腰が浮きまくってヤバイ。
こんな健康診断があったらこの国の少子化は無くなるのでは?
国の未来を想う若者を嫐った淫魔、もとい女神は薄っすらと妖艶さと純真さ、矛盾した美しさを含んだままこちらの胸に倒れ込んで来て、唇が触れるような距離で囁いた。
「このまま今日はずっと繋がっている事を提案しますが、どうしましょうか?」
これが聖杯戦争の勝者の特権か。これは皆聖杯欲しがりますわ。
あ~駄目になる〜。
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我は天才だった。産まれた時から圧倒的な能力があると自然に理解していたし、自らの力で切り開けない未来は無い事を赤子の内から理解したのだ。
そんな全能感ある幼子が、思うままに力を振るえば、正に怪物の誕生であり、即、周りのヒトによって排除されただろう。
しかし、我は天才であった故、そのように振る舞えばデメリットしか産まないことを即時に理解していた。無為な争いは優秀な我は好まない。
そう、必要な時、その暴威を振るえば良いのだ。
我はすくすく育っていった。
そんなある日の事、8歳の誕生日を迎えてすぐの事だ。お気に入りの裏山で自然を感じつつ寝転がっていると赤い長髪にジーパンを着こなした旅行カバンを持った女に出会った。
女は「星の端末」だとか「大地のバックアップを受けてる」とかブツブツ言っていたが、「邪気は無いけど取り敢えず殴っとくか」と支離滅裂な事を言い出し殴り掛かってきた。
無論、感じたスペックでは我が圧倒的だったのでハエを払うようにいなしていたのだが、途中から訳わからん殺しをされてボコボコにされた。
余りに容赦が無い殴り様に産まれて初めて涙が溢れそうになったが初めての怒りや恐れ、様々な感情がごちゃまぜになりいつか奴を今の自分の様に地に這い蹲らせてやるため、名前を問うた。
「私? 蒼崎橙子よ」
「蒼崎橙子……覚えたぞ!」
「うんうん覚えときなさい。怪我の見た目は派手だけど君なら直ぐに治るだろうし、また相手するのは疲れるからもう行くね。達者でねー少年」
なんという自己中心的な女なのだろうしかしこの日から俺様は慢心を控える様にした。この全能感があれど、この世の中は儘ならないのだ。
実力を鍛える事、隠す事を極め、いずれ来る報復の為に牙を研ぎ続けた。
そんな15の夜。盗んだバイクで走り出す必要もない程の速度で人気の無い裏山をランニングしていると、何か派手な格好をした体格の良い老人に出会った。
宝石を沢山身に付けているのが俺様の超感覚で解ったので親切心から「老人、お前のセンスは壊滅的だぞ」と忠告してやったが老人は爆笑したあと殴り掛かってきた。
無論容易く回避した。その拳が常人を遥かに凌駕する一撃である事は容易く理解できた。そも、老人がそこそこの強者である事は俺様の超感覚で解っていたのだ。
もしかしたらあの蒼崎橙子の様に恐ろしく強い可能性もあったが、この時の俺様はそれは無いと確信していた。
そう、この老人は衰えているのだ。
ここで老人なのだから当然だろうと思うのは凡夫の考えだ。
この老人の立ち回りは恐ろしく鋭いが、本人の思うように上手く動いていないのが俺様には良くわかった。
だが慢心はしない。全力を持って粉砕する。あの敗北から倍の年齢を生きた俺様に死角なし!
結論から言うとボコボコにされた。
また訳わからん殺しされたのだ。
自分が圧倒的だと思っていた力はなんと無意味だったのだ。
そこら辺にいる只人すら喧嘩を仕掛けたら訳わからん殺しされるかも知れないという恐怖が有り、他人が恐ろしくなった。お外怖い。
そして俺は引きこもった。聖杯戦争に参加する2年前の事である。
俺「一話目でワルキューレを出すとこまで行けない!どうすれバインダー!」
もうひとりのボク「逆に考えるんだ。SYUJINKOUの始まりを回想にしちゃえば良いんだって」
俺「!???!? そうか! お前天才だな!ラノベやエロゲーでめちゃくちゃ使い古されたその手法を採用する!」
もうひとりのボク「おああああぁぁぁぁぁ!」
もうひとりのボクは自爆発言による自己嫌悪により消滅したのだ。
ついでに作者も対消滅した。