FATE/Walküre suko suko suki- 作:鹿島鹿
霊体化しているスルーズは今回は矢面に立っていないが常に警戒をしていた。いつ予想外の攻撃をアーチャー・インフェルノが仕掛けてくるかも解らず、また、他のサーヴァントが乱入してこないとも限らないからだ。
しかしランサー・クソカワユスとは一体……自分の番が来た時妙な名前が付かない事を祈りつつ私は警戒を続けた。
マスターの命名から一瞬の静寂の後、いまいち緊張感にかけた空気を破ったのはアーチャー・インフェルノだった。
「では、いざ尋常に勝負といきましょう」
宣言と共に開戦の火蓋は切って落とされた。
瞬時に矢を抜き放ち、発射するアーチャー・インフェルノ。それを盾や槍で弾きながら接近を試みるオルトリンデ。マスターの護衛を気にしなくて良い事と、素のステータスが相手より上な事、何より近距離での弓を使い戦うと言ういかに弓の名手たるサーヴァントでも起こりうるほんの僅かなタイムラグによりオルトリンデが常に優勢の様だ。やや安堵のような感情が溢れるが、作戦会議で教えた念話がマスターから私とヒルドに入り、気を引き締める。オルトリンデに対して聞こえない様にするのは戦闘に集中してもらう為だろうか。
『ヒルド』
『ん? 何?』
『相手が弓以外の近接攻撃を仕掛けてくると思うから間に合う様に準備をしてくれ』
『? 相手、アーチャーみたいだけど』
『向こうは弓使いなのに態々近付いて来たんだぜ? 正々堂々が好きな場合もあるかも知れないが、それ以上に白兵でも自信があるという可能性の方が高い。何かしら接近戦に対抗する手段が有るんだろう。相手の守りを崩したオルトリンデが大振りの攻撃をする時辺りを狙うはずだからその時直ぐに援護を出来るよう準備を。多分それが最善手だろ』
『なんか今までと違って真面目なんだね…了解! 指示通り動けるようにしとくね』
『普段から真面目で全力全開なんだが…頼むぞ』
意外な事に、マスターの言葉は理に適ったものだった。
聖杯戦争、ましてや魔術の知識すらない一般人の見解とはとても思えない。横顔を見てみても今までと変わらず無表情のままだ。
『マスター。随分、先程までと雰囲気が違いますがこういった事は馴れているのですか?』
『まさか。スルーズ。俺は人生で本気の喧嘩をした事なんて2度しかないし、2戦ともボロ負けだった。オタクで鍛えた…書物とかの賜物だ』
『……なら何故こんな指示を的確に? 怖くはないのですか』
『怖いさ。だが俺には頼りになるサーヴァントが3人もいるからな』
『そう……ですか』
おちゃらけている様で、戦場に立てば凛々しく指示を出す姿はまるで勇ましい指揮官の様。
ひょっとしたらマスターも勇士の資質を兼ね備えているのかもしれない。そう思うと、何故かは解らないが頬の筋肉が若干緩むようなエラーを感じた。
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戦闘は始終此方が優勢でした。相手方も英霊として呼ばれる程の見事な腕前ですが、単純な力と速度。そして武器と距離。超常たる存在のサーヴァント同士の対決ではあるが原始的とも言える要因が今の有利を呼び込んでいる。これが聖杯戦争というものかも知れません。
僅かに自身には縁無いと思えた高揚感を感じさせるけれども、宝具を使わせる暇も与えず勝利を得る為迅速に槍と盾を振るう。
かの小さな勇気を持つマスターの安らぎの為に。
思考にノイズの様にあの臆病なマスターの事柄が走ったが戦闘に支障など出るはずも無く、詰将棋の如く相手の弓が間に合わない速度、間合いに至り、全霊の刺突を放った。
「――なっ!?」
「一手、こちらに理があったようですね」
交差した言葉は一瞬。
美しく翻った長髪に掠った槍が空を裂けば、眼前には弓兵の赤い刀が迫る。
アーチャーと名乗った事も、今までの戦い方も計算されたものだと漸く気づく。神性として造られた身である自身の経験の足りなさ。
この反省を活かしたいが、自分はこの一太刀で絶命するだろう。
小さな勇士である彼に付き添えないのは残念だけれど、二人が直ぐに彼女を討ち果たすでしょう。
冷静な分析と諦観が刹那の内に思考を駆け巡る。
だが、刹那の所でアーチャー・インフェルノの赤い刃は自身の黒髪をかすり、ほんの僅かに裂くだけで済んだ。致命の一撃となる筈だった一閃は、自身と同じ神鉄の盾を操るヒルドによって払われたのだ。
「ッ――なんと!? スキル? いえ、ステータスや魔力量がほぼ同等の分身を作る宝具ですか!?」
どちらもハズレだが、教える意味もない。
驚愕したアーチャー・インフェルノは直ぐにヒルドの猛攻に対応出来ず肩を裂かれる。我に返った自身も慌てて再度戦闘に加わる。『何故助かったのか』と言う思考がどうにも抜けないが、ステータスが上の2騎に攻められてはアーチャーも身動き取れぬ様で、防戦一方かつ、次々と傷を負う。
そして、徐々に追い詰めいく中ヒルドが放った切り払いでアーチャー・インフェルノの刀は空を舞う。すかさず私が無防備な腹部へと槍を突いたが、槍の穂先が空を切る。アーチャー・インフェルノの姿が一瞬にして掻き消えたのだ。魔力の増加を感じたが、令呪か、はたまた宝具か。姿を現さない敵マスターから察するにおそらくは前者な気はしますが。
一度不覚を取ったのでヒルドと共に警戒を緩めず、数刻待つが追撃や不意打ちは無い様で構えを解いた。
「助かりました」
「ううん。お礼ならマスターに言いなよ。この状況を完璧に予測してたみたい!」
何故かヒルドが自分の事の様に嬉しそうに言う気持ちをなんとなく解るのは同位体だからでしょうか。
しかし、マスターがこんなにも戦略に長けていたとは。
驚愕や疑問はありますが、やはり
あの時感じた輝きは気の所為では無かったようです。
「無事か。二人共」
近付いて声をかけてくれたマスターからは出会った時の様な無表情だけれど、少し気遣う様な雰囲気を感じられて。
「ぁ……はい!」
今は翼を顕現していないのに、何故か私の身体は羽根の様に軽く感じた。
作者「くぅ~疲れました! これにて初戦終了です」
もうひとりのボク「え? なに普通に聖杯戦争してんの? 濡れ場は? ハイパーヨーヨーしてる場合じゃないよ?」
作者「いや、部屋掃除したら出てきたヨメガ・ランサーがねほらFate的な・・・ワルキューレの心を開いてくきっかけ的な」
もうひとりのボク「いいじゃんマジカルチ○ポでほのぼのレ○プで」
作者「(´・ω・`)なにいってんだこいつ」
もうひとりのボク「えぇ・・・」