そこから先は、もはや蹂躙だった。
最強と呼ばれたセルカに勝ったフレイヤに、勝てる奴隷などいなかったのだ。
一瞬でフレイヤは勝ち進み、決勝ですらも一太刀で決めた。
この闘技場ににある賭けのシステムで、フレイヤの賞金はぐんぐん昇り、しまいには金貨三枚なんて高額がついた。
優勝したので賞金ももらい、さらにはセルカ達との戦いで俺の貯金を全額フレイヤに賭けたので、ウハウハである。
「良くやった。俺が思う最高の闘いだった」
「恐悦至極」
闘技場を出て、次はカジノに向かう。
うまくいけば、闘技場の倍程も稼げる───のだが、アレには裏がある。
カジノのやつらはちょくちょくイカサマをしていて、当たりを取らせないようにしているのだ。
一回目は勇者がそれで破産していたな。
「いらっしゃいませ~!ご自由にお楽しみください!」
バニーガールに連れられて入ったのは庶民スペース。
このカジノは階級が定められており、庶民、貴族、VIPの順だ。
他のスペースに入るには、専用のカードを見せてガードマンに囲まれた扉をくぐらなければならない。
俺は影に入り込み、自由に移動できるスキルがあるので扉など関係ないのだが。
ある程度の金をチップに替え、うろつく事30秒。
「そこの人、ポーカーなどどうですか?」
なんともお早い誘いである。
「よしやろう、稼がせてもらうぞ」
目の前の男がニヤリと笑った気がしたが、俺をカモだと思い込んでいるのだろう。
だが奴は知らない。
イカサマは、どこか必ずボロが見える物。
そしてイカサマは、誰にでも出来るということを。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
むしりとった。
庶民スペースの色んな所からむしりとった。
さらに言うならむしりとった上でイカサマに気づきそうな素振りを見せ、VIPまで行けるようにしてもらった。
絶対に気づかせまいと慌てる従業員の顔が面白かった。
窓の外を見れば、気がつけば夜に差し掛かっていた。
テンポが良くてよろしい。
「よし、このぐらいでいいか」
「随分と稼ぎましたね。この調子なら、もっと続けても構わないのでは?」
「明日は奴隷を買いに行くからな。大枚
フレイヤが納得したように頭を下げる。
そんなフレイヤに耳打ちをし、この時間帯に帰る真の理由を告げる。
「それにだなフレイヤ。一般人がここまで稼いだんだ、カジノ側が見過ごす訳がないだろう?」
「…襲撃、ですか」
「そうだ。それを返り討ちにするか、逃がしてもいい。とにかく襲撃にあって、こちらが力を持っていることを知らせるんだ」
「…わかりました」
そんな訳で、カジノから出てわざと裏路地に入る。
思った通り「有り金おいてけー」な奴らが出てくるのだが、フレイヤがピンポイントで全員の髪の毛だけを散らせると、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
これで、俺がカジノに拒否をされる事も無くなり、したようにも無くなるだろう。
財布からはみ出た硬貨の重みに満足しながら、俺はホテルに帰るのだった。
その頃の勇者
勇者「ドコダー『影』ドコダー」
聖者「仲間を増やしましょう!」
魔導師「近接が良いわね」
勇者「じゃあ獣人がいいかな。早くてすばしっこくて強いし(ネコミミ!キツネ耳!もふもふ!ハーレム!ふーー!!)」
魔導師「なら獣の里ね。そこなら色んな獣人が集まるわ」
聖者「行きましょう!」
シェイがいないぶん、タミィをパーティーに加えるのが早くなっていた