「それで、お前が奴隷になった理由を話してもらおうか?」
「う、うん…。えーとね────」
その話は、俺が読み取った記憶と大差無かった。
狐獣人は獣人の魔法スキル【妖術】が上手く扱える上、素早いスピードで相手を追い詰めたりなど、近距離も遠距離もこなす最強の種族と呼ばれていたこと。
狐獣人の一人が見回り中に人間が里に襲撃をかけて奴隷を増やそうとしている事を知り、それぞれの族長達に報告したことetc。
要は、最強の種族である狐を恐れていた族長達は人間と手を組んで狐を奴隷として売り飛ばし、さらにはちょくちょく獣人を人間に売って薄汚い平和を築いている、と。
「思ったよりクソだな」
「…。」
決めた。ていうか決めていた。
コイツと一緒に里まで行き、ボコボコに殴り倒す。
けど、一つ気になることがある。
「なんでお前は、復讐しようと思ったんだ?」
「え…?」
「いや、単純な疑問なんだがな。別に復讐しなくても狐獣人は全員族長達のもとから消えたんだろ?だから、わざわざ復讐しなくても良いんじゃないかと思ってな」
こればかりは、本人に聞くしかないのだ。
「なんでって…。だって、かわいそうでしょ?」
「え?」
「ボクみたいに売られちゃう人がかわいそうだもん。そうなる前に、助けてあげなきゃ」
「…なるほどな」
予想外の答えで、思わず笑ってしまった。
なるほど、【かわいそう】か。
そうかそうか。
「─────甘いな」
甘い。
甘すぎる。
狐獣人そのものが甘すぎるせいで、奴隷になっていると言うのに。
俺はチヨの首輪を掴み、顔の近くまで持っていく。
「甘い。どうしようもなく甘い」
「えっ、シェイ?」
「他人の為にやって、なにが復讐だ。そんなのはただの自己満足に過ぎないし、最初に復讐しにいったときも殺そうとはしなかったんじゃないのか?」
「えっ…そうだけど?殺しちゃったらかわいそ───」
俺は左手に持っていた空のコップを地面に叩きつけた。
カシャァァァン、というコップの割れる音にチヨはビクリとすくむ。
「かわいそうだぁ?殺したくないだぁ?甘ったれんな!
「ぐあっ…でも…」
「復讐ってのは!!もっと濃厚で!難しいもんだ!考えてもみろ!売られた狐獣人はどうなった!?俺はこの国で、狐の尻尾のマフラーをした人間を多く見たぞ!」
チヨの呼吸が早くなる。
顔が青くなる。
それでも俺は怒鳴るのを止めない。
「殺されてんだよ!狐獣人は!無駄な殺生はしない?バカか、てめぇは!」
「し、シェイ…」
「泣き叫ぶまで、命乞いをしてくるまで続けるのが復讐だ!反省なんて言葉、口からなら幾らでも言える!それでも命は奪わないってんならぁ!」
チヨの子宮辺りに手を伸ばし、服の上から淫紋をつける。
俺の魔力と【憎しみ】の感情を流し込み、チヨをそこらに放る。
「それで一度考えな。行くんなら鎖も離す。奴隷も解放だ。一緒に渡した魔力だって好きに使え」
「・・・」
「お前に【憎しみ】の感情を流し込んだ。覚えろ。それが復讐の気持ちだ」
鎖を魔法で外し、奴隷の首輪も外す。
俺の魔力は体に循環させれば一時的に身体能力が上昇する魔法として発動するようにセットしたのを流した。
うつむくチヨに背中を向け、フレイヤを残して俺は外に出ていった──────
天華百剣-斬-の天下五剣がでないよぉぉぉ!鬼丸に750喰われた…