※この作品はR-18です。

影法術士は月に笑う   作:翠晶 秋

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影法術士は復讐にでかける

チヨは表情を硬くし、手甲のある辺りを触る。

 

「これから、始まるんだね」

「そうだ。だがその前に、作戦を練らなきゃいけない。以前挑んだ時はどう負けた?」

「ボクに殺す気が無いのがわかったとたん、妖術の炎で囲み始めた。それと、単純にボクに武器が無かったのが敗因かな」

「種族の王に徒手空拳で挑んだのか、アホだな」

 

チヨがぶーっと頬を膨らませる。

しかし、意外と簡単そうだ。

今のチヨは殺気に溢れているし、武器だって持っている。

妖術だって、俺かフレイヤが邪魔をすればなんとかなるだろう。

 

「行動は夜。それまでに作戦を練るぞ」

「わかった。シェイ、フレイヤさん、よろしくね」

「私は主様についていくまでです。自惚れないように」

 

とりあえず方針が決まったので、俺はチヨの頭に手を乗っけ、ぐしぐしと撫でる。

 

「…?どうしたのシェイ、くすぐったいよ」

「んー、チヨ、良いことを教えてやる」

「良いこと?」

 

俺は言いたかったが中々言えなかったこの言葉を言うことにした。

 

 

「追い込まれたキツネはドラゴンより凶暴なんだよ」

 

 

あぁすっきりした。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

フクロウの声が聞こえる。

そろそろ出発時か。

 

「準備はいいな、お前ら」

「バッチリだよ!」

「こちらも、出来ています」

 

服装こそ変わってないものの、マスクや手袋など、所々が変わったフレイヤ達。

俺はその返事で満足すると、窓を開けた。

部屋の灯りを消し、窓に足をかける。

 

「行くぞ。3.2.1…」

 

窓から身をのりだし、周りに警備がいないことを確認。

そして…。

 

「0!」

 

一斉に窓から飛び出した!

三人とも違う家の屋根に飛び乗り、そのまま走る。

向かうは少し離れたところにある大きな屋敷。

そこに族長全員がシェアハウスしているらしい。

屋根を跳び、軽々と屋敷についた俺達は、屋敷の屋根に飛び乗る。

もちろん、玄関から『こんにちは、死ね!』などというバカな事はしない。

一人一人、じっくりといたぶっていくのだ。

 

「まずはフレイヤの影と俺の影を繋いで、チヨと二人で降りる。その後は…」

「覚えています。私が下へ跳べば、主様がキャッチしてくださると」

「よし。行くぞ、【シャドウ・バインド】」

 

一回目もロープとして使った【シャドウ・バインド】で下へするすると降りていく。

鍛練を積んだお陰か、前回と違って影の伸縮は自由自在だ。

チヨを抱えて屋根のベランダに着地し、チヨを降ろしてから跳んできたフレイヤを下で受け止める。

窓の内側のカーテンの影を操り、鍵を抜く。

 

「良いな。この部屋、影があるってことは人がいるって事だ。フレイヤ。入ったら直ぐに制圧しろ」

「承知しました」

 

窓に手を添え、勢いよく開けて中に転がり込む。

刹那、白い閃光が部屋を走り、俺達の侵入に驚いていた虎獣人の女性を押さえつけた。

俺はすぐさま持ってきた布で口を塞ぎ、部屋の状況を確認する。

この女以外に人はいないようで、床に落ちた本を見るに読書でもしていたのだろうか。

 

「むむむーむむー!?」

「フレイヤ、そのまま少し待て。【シャドウ・バインド】」

 

虎獣人の体が拘束される。

チヨはマスクをしっかりとつけ直し、荒ぶる呼吸を落ち着かせていた。

 

 

なんにせよ、まずは一人(獲物)を捕まえたわけだ。

復讐(ショータイム)の始まりである。

 




『追い込まれたキツネはドラゴンより凶暴』。
え?なになに?パクリ?パロディ?
うるせぇメタルギア好きなんだよ!
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