※この作品はR-18です。

影法術士は月に笑う   作:翠晶 秋

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影法術士はローレルを出る

 

あのあと、取り調べが行われた。

結果は勇者が悪いということになり、勇者は銀貨5枚の賠償金を支払うことになった。

勇者の情報はなにも掴めなかったが、その仲間、タミィの情報は手に入った。

どうやら、猫獣人の村長が暗殺されたらしい。

暗殺者は死体すらも消していき、タミィはその暗殺者を狐獣人だと考えているんだとか。

ついでとにと警兵隊に話しているのを聞いた。

それで、解放された俺たちはと言うと。

 

「ねぇシェイ、家があるって本当?」

「あぁ、本当だ。知り合いが譲ってくれると言ってくれた」

 

ラプターにまたがり、また道を走っていた。

最近こんなのばかりだな。

いい加減慣れたもので、俺が乗っているラプターはアクロバットや無指示操縦が出来るようになってきた。

乗っているのは俺とフレイヤ、後ろについてくるラプターにチヨと荷物が乗っている。

 

「おい、見えたぞ」

「主様。ご報告いたします。近くに同じ速度のラプター、我々に隠れるように走行しています」

「わかってる、後でしばくか」

 

俺を探ろうとしている者だ、許せるわけがない。

男なら即抹殺、女なら…ぐへへ。

そうこうしている内についたのが、エルフォードという名の国。

ここは設備がしっかりしており、どんな職業の人間でも働けるようになっている。

早々に門を通り、記憶にある地図から家の在処を探す。

少し地形が変わっていて苦労したが、無事に家を見つけることができた。

できたのだが…

 

「でけぇな」

「ボクの家とさほど変わらないんじゃない?」

「……」

 

家ではなかった。屋敷だった。

圧倒されつつも、ポストの中から合鍵をとりだし、玄関の鍵をあける。

蜘蛛の巣がまだ残る屋敷を進み、大広間へと出る。

 

「とりあえず、掃除をしなきゃな【影空(かくう)】、からの淫紋発動っと」

 

死体を影から取りだし、淫紋を発動させる。

淫紋は本来はヤるためにあるのだが、設定をいじればゾンビ…もとい、操り人形として利用することができる。

獣人の操り人形を見たチヨが、顔をしかめる。

 

「…なんか嫌なイメージ」

「逆に考えろ。コイツらはずっと下働きするんだぞ?」

「…なるほど」

 

無表情のまま蜘蛛の巣やら煤やらを取っていく死体達。

その間、俺たちは家の探索をすることにした───

 

◇

 

シェイ達が屋敷についたその近く。

 

「むむ、あそこは…手付かずなのにずっと置いてある謎のお屋敷。これは…」

 

したなめずりをする少女が短いツインテールにしている髪を揺らす。

手にはこの時代では高価な物である【魔導(まどう)カメラ】が収まっていて、マナで動くその液晶には、シェイが玄関に手をかけている画像が浮かび上がった。

 

「面白くなってきたぞぉ♪」

 

糸目の少女は自らが狙われていることに気づかず、屋敷に入っていったシェイを追ってホイホイ潜入するのだった。

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