「おい、おい!」
うるさいなぁ。誰だ?人が気持ちよく寝ていると言うのに。
「起きろって!おい!」
「んにゃ…誰だ?」
「シェイ!寝ぼけんなって!」
俺は瞼を擦りながら辺りを見渡す。
あれ?三年前の職業を決める時に来た会場だ。
自分の体に目を落とせば、小さな小さな子供の姿。
「ああ…なるほど」
「何が『なるほど』だ!もう少しで俺らの番だぞ!?何で今のタイミングで寝れんだよ!」
「あぁ、ごめんね、ヒュウリ君。昨日、楽しみで寝られなかったんだ」
そんな軽い言い訳をし、無事職業を開花。
今回は職業を【魔術師】と偽り、勇者ルートを回避した。
「魔術師かぁ!おいシェイ、俺と組もうぜ!」
「…ごめん、ヒュウリ君。僕には、会いにいかなきゃいけない人がいるんだ。職業が開花した今、少しでも早く旅立ちたい。…ごめん」
「んー…わかった。会ってこいよ。それで、時間が余ったら一緒に組もうぜ!」
「うん、約束だよ」
拳を合わせあう。
俺にとっては二度目だが、ヒュウリにとっては初めてだ。なるべく過去をなぞる。まぁ職業を魔術師と偽った時点で過去とはかけ離れているのだが。
それから、貯金を使って装備を揃えた。
過去に貰った装備と同じ物を買った。
最初は恥ずかしかったが、三年も経つと慣れてくるし、さらにはこれじゃないとしっくりこないようにまでなってきた。
「さて…行動を始めるか」
テント等のサバイバルセットを購入。
魔力の残量とマナの容量の確認。
全て終わらせた。
現在は夜。
後は、家から出て、旅立つのみ。
俺の家には姉しかいない。
姉の職業は【調理師】だから、一人でも生きていけるだろう。
『旅に出ます。探さないでください』
と書き置きと、財布の中から銀貨を二枚出し、手紙の上に置く。
ステータスを見ながら外に出ると、月明かりが俺を照らした。
「ふふっ。こんなにも明るかったっけか」
勇者と一緒に行動してから、月なんてみる暇も無かったからな。
「決めた。月を憎しみの塊に見立てよう。そうすれば、俺は目標を失わないでいられる」
目標、勇者と神を殺す事。
そのためには、配下を増やさねば。
確か、森の神殿に天使がいたはず。
勇者の光魔法も効かず、さらには空を飛ぶという厄介な相手。
確か、俺の影魔法が相性が良く、たまたま勝ったんだったか。
「おし。行くか」
最初の獲物を決め、俺は走る。村からでて、一礼。
今まで、お世話になりました。
「【シェイド】」
俺が飛ばした魔法が直撃、兎の形をした魔物がやられる。
現在はレベルを上げている。
森の神殿はレベルが15以上でないと入る事が出来ない。
よって、スキルの上達がてらに、レベルを上げているのだ。
現在のステータスには、『シェイ LV16』と表示されている。
これで、森の神殿に入る事が出来る。
LV15になったときに、もう一つ体に影響があった。
なんと、新しいスキルを三つも覚えたのだ。
70になっても覚えられていないスキルが。
きっと、前の代の彼らの仕業だろう。
だって、【
ネーミングセンス。
多分先代、二代目、八代目、十四代目、の順だろう。
まぁ使える事には使えるので、ありがたく頂戴するが。
「森の神殿、もう目の前だな」
俺が視線を少しずらせば、おごそかな雰囲気漂う、大きな神殿が見える。
「せっかくだし、もう殺ってしまうか」
そうして俺は、かる~い気持ちで中へ入るのだった。
次の次くらいかなぁ、エッチシーン…ごめんねぇ