※この作品はR-18です。

影法術士は月に笑う   作:翠晶 秋

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影法術士は目覚める

「おい、おい!」

 

うるさいなぁ。誰だ?人が気持ちよく寝ていると言うのに。

 

「起きろって!おい!」

「んにゃ…誰だ?」

「シェイ!寝ぼけんなって!」

 

俺は瞼を擦りながら辺りを見渡す。

あれ?三年前の職業を決める時に来た会場だ。

自分の体に目を落とせば、小さな小さな子供の姿。

 

「ああ…なるほど」

「何が『なるほど』だ!もう少しで俺らの番だぞ!?何で今のタイミングで寝れんだよ!」

「あぁ、ごめんね、ヒュウリ君。昨日、楽しみで寝られなかったんだ」

 

そんな軽い言い訳をし、無事職業を開花。

今回は職業を【魔術師】と偽り、勇者ルートを回避した。

 

「魔術師かぁ!おいシェイ、俺と組もうぜ!」

「…ごめん、ヒュウリ君。僕には、会いにいかなきゃいけない人がいるんだ。職業が開花した今、少しでも早く旅立ちたい。…ごめん」

「んー…わかった。会ってこいよ。それで、時間が余ったら一緒に組もうぜ!」

「うん、約束だよ」

 

拳を合わせあう。

俺にとっては二度目だが、ヒュウリにとっては初めてだ。なるべく過去をなぞる。まぁ職業を魔術師と偽った時点で過去とはかけ離れているのだが。

それから、貯金を使って装備を揃えた。

過去に貰った装備と同じ物を買った。

最初は恥ずかしかったが、三年も経つと慣れてくるし、さらにはこれじゃないとしっくりこないようにまでなってきた。

 

「さて…行動を始めるか」

 

テント等のサバイバルセットを購入。

魔力の残量とマナの容量の確認。

全て終わらせた。

現在は夜。

後は、家から出て、旅立つのみ。

俺の家には姉しかいない。

姉の職業は【調理師】だから、一人でも生きていけるだろう。

『旅に出ます。探さないでください』

と書き置きと、財布の中から銀貨を二枚出し、手紙の上に置く。

ステータスを見ながら外に出ると、月明かりが俺を照らした。

 

「ふふっ。こんなにも明るかったっけか」

 

勇者と一緒に行動してから、月なんてみる暇も無かったからな。

 

「決めた。月を憎しみの塊に見立てよう。そうすれば、俺は目標を失わないでいられる」

 

目標、勇者と神を殺す事。

そのためには、配下を増やさねば。

確か、森の神殿に天使がいたはず。

勇者の光魔法も効かず、さらには空を飛ぶという厄介な相手。

確か、俺の影魔法が相性が良く、たまたま勝ったんだったか。

 

「おし。行くか」

 

最初の獲物を決め、俺は走る。村からでて、一礼。

今まで、お世話になりました。

 

 

 

 

「【シェイド】」

 

俺が飛ばした魔法が直撃、兎の形をした魔物がやられる。

現在はレベルを上げている。

森の神殿はレベルが15以上でないと入る事が出来ない。

よって、スキルの上達がてらに、レベルを上げているのだ。

現在のステータスには、『シェイ LV16』と表示されている。

これで、森の神殿に入る事が出来る。

LV15になったときに、もう一つ体に影響があった。

なんと、新しいスキルを三つも覚えたのだ。

70になっても覚えられていないスキルが。

きっと、前の代の彼らの仕業だろう。

だって、【影羅万象(えいらばんしょう)】に【影幻(えいげん)の実体術(じったいじゅつ)】。【影血(えいけつ)の生成術(せいせいじゅつ)】に【シャドウ・イルミネーション】だぜ?

ネーミングセンス。

多分先代、二代目、八代目、十四代目、の順だろう。

まぁ使える事には使えるので、ありがたく頂戴するが。

 

「森の神殿、もう目の前だな」

 

俺が視線を少しずらせば、おごそかな雰囲気漂う、大きな神殿が見える。

 

「せっかくだし、もう殺ってしまうか」

 

そうして俺は、かる~い気持ちで中へ入るのだった。




次の次くらいかなぁ、エッチシーン…ごめんねぇ
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