神殿は白を基調とした、神秘的雰囲気漂う建物。
ただし、神に祈る場所以外、部屋がひとつもない。
俺が狙っている天使は、神様の像の前で剣を目の前に突き刺し、目を閉じて立っていた。
白い髪の毛、整った顔立ち、人並みに育った双房。それらを包むバトルドレス。
【天使】、または【ヴァルキリー】と呼ばれるに相応しい見目だった。
俺の気配を感じ、その真紅の瞳を開き、こちらに向ける。
「武の気配。汝、未来を担う者と見える」
「まぁ目標は持っているな」
この天使、最初に来たときもレベルを聞いて来たな。
きっと決まり文句なんだろう。
「汝、この先に進む覚悟があるか」
「もちろん。あんたを倒し、この先の秘宝を手に入れる」
狙いは秘宝ではなく天使なのだが。
ちなみに、この神殿には勇者のみが扱える剣がある。
一回目は戦力アップのため、真っ先にこの神殿に来たんだっけか。
それで、勇者が苦戦しているから援護になるかと全力の【シェイド】を背中に撃ったら、弱点属性で2発で沈んだんだったな。
と、そんな事を考えていると天使は剣を引き抜き、純白の翼を羽ばたかせて高らかに口上を放った。
「我はフレイヤ。神が使い、聖剣を守る【
俺は手に【シェイド】を纏う。
それを見てフレイヤが目を丸くする。
「俺の職業が何かって?ただの【
「…笑止ッ!!」
フレイヤは大きく羽根を羽ばたかせ、空を舞う。
マナを練り上げ、魔法の連発の準備。
今回は相手に勝利するだけではなく、無力化して配下にしなければならない。
全力は危険だ。相手の体力がどれくらいかも知れない。
「いぃぃやぁぁぁぁぁああ!!」
フレイヤが剣で空から斬りかかってくる。
左手のシェイドで弾き、さらに右手で肉薄する。
自らの危険を察知したフレイヤは翼を使ってバク転すると、俺の後ろへ回り込む。
見えているのは、影を使って相手の位置を把握しているから。…さすがに影なだけあって、高度は分からないが。
即座にしゃがみ、刺突攻撃をかわす。
フレイヤの体が俺に重なるようになり、剣の影が俺の右手辺りに来る。
すかさず俺は、覚えたてのスキル、【
「フッ!!」
「───!!」
返し手で剣を振るう。
素早く反応したフレイヤは翼を大きく展開し、急に空へ上昇した。
【
更に、軽く鋭い。つおい。
そうこうしている間にも戦いは続き、それももう終わりに迫っていた。
「ハァッ、ハァッ。【
フレイヤが空中で剣を振るうと、光の刃が次々と飛んでくる。
普通にシェイドで打ち消し、さらに一発だけフレイヤに当てる。
「ああああああああッ!!」
蝕む闇に耐えられなくなり、フレイヤが煙をあげながら落っこちて来る。
「淫紋、発動っと」
すれ違い様にフレイヤの子宮に重なる位置辺りに触れ、スキルを発動させる。
フレイヤは地面に衝突し、そのまま二、三回転がると、やがて肩で息をしながら動かなくなった。
戦闘終了。誰が見ても明白だった。
戦闘の荒さは許して。俺だって次話を早く書きたいんだよ!