かつて、結城明日奈という伝説の女性が、桐ヶ谷和人の周囲を支配していた。その圧倒的な嫁力により、かえってその一帯は統率が取れていた。
そんな明日奈が、夫の周囲で頭角を表しつつあった女性達を取り込むべく掲げた協定を《SWORD協定》という。
《SWORD協定》への参加を表明した者達の間に階級や立場の差は無い。発起人の明日奈ですら他のメンバーと同じ立場にあり、仮に何かを協議の議題に上げる際には、多数決によって可否が決定される。
だからこそ、だろうか。『誰が、どうやって、キリトの寵愛を得るか(あるいは与えるか)』――そんな緩やかな競争意識は常に存在し、彼と彼女らの関係をより濃密に深めていくためのスパイスとして作用していた。
こぞって妍を競いこそすれ、それが険悪な方向に向かないのは、お互いに強い仲間意識があることが大きい。皆が皆、数多くの苦難を共にしてきた仲間同士なのだ。今更誰かを排除するというのもナンセンス極まる。
そんな彼女らとキリトが拠点としているのが、キリトが自宅サーバマシン内に構築したプライベートVR空間だ。
一部の面子から『ヴァーチャル九龍城塞』、『決戦無軌道増殖都市』、『ドラゴン&ダンジョンズ』、『戦乙女だらけのヴァルハラ』、『ろくでもない円卓』、『Vault/ver.K』、『色々な意味でアンダーワールド』、『キリト帝国』――などと、適当かつ好き放題に揶揄されつつあるこの空間にログインできるのは、管理者であるキリト本人か、ログイン権限を持つ者に限られている。
当然、『ログイン権限を持つ者』ニアリーイコール『キリトの
元々、ユイがいつでも使える遊び場としても作られているこの空間は、キリトの涙ぐましい努力(主にサーバーシステムの多重化&冗長化&高性能パーツへの換装などその他諸々)によって、基本的に24時間365日稼働している。故に、たとえキリトがログインしていなくとも、ログイン権限さえ持っていれば誰でも好きなときに遊びに来る事ができる場になっていた。
「――お兄ちゃん、いつ頃戻ってきますかねー」
「そうね……メカトロ部の人達からの呼び出しって言ってたから、結構かかるんじゃないかなあ」
そんなVR空間の一角。天蓋付きの大きなベッドが配置された、良く言えば『寝室』、悪く言えば『ヤリ部屋』の中。
愛する者と快楽を共有した後の幸福な気怠さに全身を包まれながら、結城明日奈――もとい、アスナは呟く。
「寝ちゃってもいいよ、リーファちゃん。キリトくんが来たら起こしてあげるから」
「ありがとうございます、アスナさん……。そのときは、お願いします……ぁふ……」
アスナの体の上にうつ伏せに倒れ込んだままどうにか欠伸を堪えるリーファは、今にも睡魔に負けてしまいそうな顔をしていた。
アスナ、そしてアスナ同様に《SA:O》のアバターでログインしたリーファ、そしてキリトを交えた3人で、劣情の赴くままに肌を重ね、頭の中が真っ白になるほどたっぷりと愛しあったのは今から少し前の事だ。
言うまでもなく底無しであるキリト本人はもちろん、帰還者学校の試験や実家絡みの諸々で『そういうこと』をする機会がなかったアスナや剣道の対外試合を数日前に終えて昂ぶっていたリーファが溜めていた欲望を、獣の交尾じみた激しさで一旦充足させ、さて次は少しだけスローテンポに褥を共にしながら互いの身体を味わい尽くそう――メカトロ部からキリト宛に急用を告げる連絡が入ったのは、そんな雰囲気になった矢先だった。
「……お兄ちゃん。『ユウキのプローブ絡みの件なんだ。大急ぎ……じゃなくて、全力で終わらせてくる』って言ってましたよね」
「うんうん。『手は抜かないから心配するな』って言ってくれたみたいで、嬉しかったなあ」
「最近のお兄ちゃん、気合入ってますからね。
『AR技術を併用すれば、遠隔プローブシステムを次の段階に進められるかもしれない』って」
「そうそう。キリトくんが次はどんなサプライズをみせてくれるのか、すっごく楽しみ」
「あたしもです」
キリトの妹――とどのつまり自身の未来の義妹を胸元に抱き寄せたまま、アスナは彼女の金色の髪を優しく撫でる。
事後の余韻のまま少々はしたなく開かれた股座からは彼女の兄が放った白濁汁が溢れ出し、アスナの脚の間からあふれた同じ男の精と混ざりあってベッドシーツを汚す。到るところに飛び散った体液は、もはやアスナのものかリーファのものか判然としない。
キリトが多くの女性と関係を結ぶようになって以来、女性陣複数名とキリトによる交わりは自然発生的に増えていった。当然、アスナ自身もその例外ではない。キリトを共有する――あるいはキリトに囲われた――面々とは一通り閨を共にしているが、回数として特に多い面子を挙げるならユウキやリズ、そして今ここにいるリーファというあたりになるだろうか。
「キリトくんが戻ってきたら、またいっぱい気持ちいい事しようね……リーファちゃん?」
「はーい……アスナさん、大好きです……♡」
「私も、リーファちゃんのこと、大好きだよ……♡」
蕩けた声を零しながら、半ば夢心地のリーファはいずれ義姉となる女の胸元に顔を埋める。甘え上手な未来の妹を抱き止めながら、アスナは彼女の背中を指先でゆったりと撫で続ける。
「……前に、バーストリンカーの皆さんが未来から来た時にも話しましたけど……。あたし、アスナさんみたいな素敵な人がお姉ちゃんになってくれるかも……って事が、すっごく嬉しいんです」
「『なってくれるかも』じゃなくて、『なる』んだよ。
それにね。私も、リー……ううん、直葉ちゃんが私の妹になってくれる日が来るのが、今から待ちきれないよ」
「えへへ……♪」
照れたように笑いながら、リーファはアスナの胸元から鎖骨、首筋、頬へと昇る道筋に、ついばむようなキスの雨を降らせていく。恋人同士のキスより遥かに軽く、しかし友人への親愛を表すキスより遥かにエロティックな、戯れじみたキス。
そんな睦み合いに心地よさを覚えるのは、胸の内に温かく宿る温かな感情のせいだろう。アスナがリーファに対して、そしてキリトの閨に傅く他の女性達に抱くその感情は、同性愛でもなければ姉妹愛とも違う。リーファの方もそれは同様だ。
言うなればそれは、世間一般の道徳性や倫理感に少しだけ背を向けた者だけが得られる甘やかな官能。同じ男の腕の中で激しい悦楽に浸るはしたなさを共有した者同士だからこそわかる、共犯関係にも似た重く濃密な仲間意識。互いに感じる不思議な愛おしさは、そんな間柄だからこそ生まれるのだろう。
――そしてたった今、この部屋の扉を開けた彼女もまた、アスナ達と同じ共犯関係を結んだ者の一人だ。
「キリト、はっけーん――って、あれ?」
本来そこに居るべき男の姿がないことに困惑し、太陽を思わせる明るい髪色をしたトレジャーハンター・フィリアは、入り口をくぐってすぐの所で脚を止めた。
今日は《SA:O》用のアバターでログインし、白いバスローブに身を包んでいるフィリアの視線が、ベッドの上であられもない姿を晒すアスナとリーファの方を向く。
「あれ、二人だけ? キリトは?」
「メカトロ部の人に呼ばれて、今ちょっと落ちちゃってるの。ね、リーファちゃん?」
「そうですそうです。なんでも、ユウキさんのデバイス絡みの大事な話らしいですよ」
「そっか。それなら仕方ないね」
納得したように頷きつつ、フィリアはバスローブを脱いで一糸まとわぬ姿になり、そのままいそいそとベッドの上に昇る。
この部屋にいる間、女性陣は基本的に服を着ない。衣服を着る事を許されるのはキリトただ一人。いつの頃からか自然と決まった不文律だが、異を唱える者は誰もいなかった。なにせ、こんな部屋は他にいくつでもある。今更その一つや二つに文句をいうのは愚の骨頂だ。
それに何より、こういう場所がある事自体が都合がいい。恥や外聞といった現実のしがらみを捨て、貪欲に悦楽を求める淫らなオンナとして振る舞えるのだから。
「そ・れ・で。わたしがいない間、キリトとずいぶんお楽しみだったみたいだね。お二人さんは」
「そうなんですよー。お兄ちゃん、今日もすっごく激しくて……ほんと、途中で何回失神させられそうになったか……」
挑発的に笑うリーファは、アスナの首筋に軽いキスを何度も落としつつ、そのまま彼女の隣へ滑り落ちるようにして身体を横たえる。
部屋のストレージから大きなクッションをオブジェクト化したフィリアは、それを抱きかかえるようにしながら、アスナを挟んでリーファの反対側へに腰を下ろした。
「あーあ、いいなー。私も混ざりたかったなあ……」
「大丈夫ですよ、フィリアさん。お兄ちゃんならその内戻ってきますし、まだ全然満足してなさそうでしたから。
ね、アスナさん?」
「うん、そうそう。昔からほんと底無しだし、キリトくん」
「『昔から』って……さっすが、2年プラス200年間、キリトのお嫁さんしてる人は言うことが違うなあ……」
「ふふん、でしょー?」
得意満面な顔で頷いてみせるアスナに、フィリアは呆れたような笑みを返す。
そんな二人の光景を横目に見ながらアスナに頭を撫でられていたリーファは、ふと何かに気づいたように上半身を起こした。
「前から聞こうと思ってたんですけど……アスナさんとお兄ちゃんって、普段はどんな風にえっちぃことしてるんですか?」
「い、いきなりすごい質問してくるね。リーファちゃん……」
「だって気になるじゃないですか。ねー、フィリアさん?」
「確かに。すっごく気になる。聞かせてほしいなー、アスナがどんな風に、『昔から底無し』のキリトに愛されちゃってるのか……じ~~~~っくりと」
興味津々といった様子の二人に挟まれたアスナに、逃げ場は無い。助け舟を出してくれるホワイトナイト――彼の場合はブラックナイトと言うべきだろうが――は、現実世界で奮闘中だ。
観念したようにため息を付きつつ、アスナは呼び出したコンソールを片手で操作し、ベッド上方の空間に大型モニターを呼び出す。ちょっとした家庭用スクリーン並の大きさを持つモニターが起動するのを待つ間に、アスナは手元のコンソール画面をスワイプし、何十個もの動画ファイルを収めたフォルダにアクセスする。
バイオメトリクス認証などを含む三十数層のセキュリティによって厳重に保護されているフォルダの名前は――『プレイログ』。
「私が説明するより、見てもらった方が早いわよね。それで、どれがいい? リーファちゃん」
「うわっ……すごっ……」
「そう? リーファちゃんだって、こういうのこっそり録画して残してるでしょ?」
「いえいえ、そっちじゃなくて。全部の動画にちゃんとサムネとタイトルつけてるのが几帳面なアスナさんらしいなあって……。
あたしなんて、適当に『1』とか『2』とかつけてそのままにしてますし……」
この空間内の様々な場所で行われてきた『プレイ』の『ログ』――わかりやすく下品な言い方をすれば『ハメ撮り動画コレクション』の数々を眺めながら、リーファは感心したようにほうほうと頷く。
撮影日時が新しい順にソートされた、『パパとママによる愛娘の前で保健体育生実践』、『休日お籠り混浴温泉旅』、『素人ウンディーネ・ガチ危険日生中出しAVデビュー』、『街ナカ露出お散歩・特別ゲスト《絶剣》さん』、『たのしい捕虜尋問・《GGO》編』などの実に胡乱なタイトルに彩られた様々な動画ファイルを眺めること暫し。
一つの動画に目を留め、リーファはコンソールに指先を伸ばした。
「じゃあ……これにしようかなー。この『血盟騎士団副団長による《黒の剣士》監視記録』っていうの」
「これ? これはちょっと……みんなに見せるには、恥ずかしいやつかなーって……」
「逆に聞きますけど、恥ずかしくないやつあります?」
「……うん、無いわね」
どうしようもない事実に頷いたアスナは、リーファが指定した動画を選択し、空中に浮かんだ大型ウィンドウへと転送する。動画ファイルのローディングは一瞬で終わり、コンソールには『再生』を示す三角マークが表示されたボタンが描画されている。
そのボタンを押す直前で手を止め、アスナは横に控えるリーファ、そしてフィリアに視線を向けた。
「リーファちゃん。分かってるとは思うけど……私のが終わったら、次はリーファちゃんがキリトくんと恥ずかしいことしてる動画、たっぷり見せてもらうからね」
「はーい♪」
「もちろん、フィリアもだよ?」
「わたしも? まあ、それは別にいいけど……」
「じゃあ、これで交渉成立ね。じゃーあ、そんなとこ居ないで、フィリアもこっち来たら?」
「いいの? それじゃあ、閃光のアスナ様のお隣にお邪魔しまーす……♪」
アスナの招きに応じたフィリアが、リーファのちょうど反対側の位置に体を横たえる。
二人の視線が空中の大型ウィンドウに注がれていることを確認した後、アスナは再生ボタンに指先で触れ、映像の封印を解き放った。
旧《SAO》第61層・セルムブルグ。
『地中海を望むリゾート地』とも形容されるその一帯は非常に広く、人は少なく、開放感がある。故にその地価と住宅価格は高い。部屋と内装に凝り始めれば、数百万コルがぽんと飛んでいく。
もっと低階層にある
そんな高級住宅街の一角に、結城明日奈の――《閃光》のアスナの居室は存在していた。
75層でキリトがヒースクリフを撃ち破った後、突如として発生したバグによって『76層以上』と『75層以下』のフロアで相互通行ができなくなって以来、その部屋を訪う者は途絶えたままだ。そして《ALO》に旧アインクラッドが実装されてしばらく経つ今でも、セルムブルグ自体が高階層に位置することが災いし、その状況は変わらない。
故に、あの部屋を訪れる手段は現状どこにも存在しない。
キリトのプライベートVR空間の一角に、かつての家主が”記憶”を頼りに再現した、この部屋を除いては。
「――ねえ、キリトくん。私達が初めて会った日のこと、覚えてる?」
「第一層のボス攻略会議の時、だよな」
キリトが即答してくれた事に嬉しさを覚えつつ、アスナはこくりと首を縦に振った。
恋を知り、色を知り、そして今や愛を知る彼女の顔に浮かぶ笑みは、野の花も恥じらい俯く程に眩しく、そしてどんな傾国の美女よりも蠱惑的だ。
部屋にはソファが用意されているが、そこに座っているのはキリト一人だけ。どんなオスの理性も吹き飛ばし獣に変えてしまう微笑みを湛えるアスナは、キリトの膝の上を椅子代わりにして独り占めしながら、そっと彼の腕の中に体を預けた。
「キリトくん、『俺と組まないか』って誘ってくれたよね」
「ああ。ボス攻略までの暫定措置のつもりだったけど……一応、パーティとして登録もしたよな。
あの時は、アスナがまさか本名でプレイしてるとは思わなかったけどさ」
「もー、仕方ないでしょ。MMOなんてほとんど初めてで、何も知らなかったんだから。
……今にして思えば、最初に私に構ってくれたのが下心の無いキリトくんで本当に良かったわ」
「アスナ様のお褒めに預かり恐悦至極。
まあ、あの時の俺に妙な下心があったとしても、アスナならすぐに見抜いてどうにかしてたと思うけどな。それにほら、倫理コードだってあるし」
「うーん……それは、ちょっと怪しいと思うよ?」
体と体を密着させるようにして距離を縮めたアスナは、キリトの耳元に唇を寄せる。最近また大きくなったバストを押し当てながら、甘く蕩ける声音を愛する者の聴覚へダイレクトに送り込み、キリトの内に眠る欲望の火に燃料を注いでいく。
「あの頃の私、不安と焦りでどうにかなっちゃいそうだったから……。
そんな時、初めて優しくしてくれたキリトくんの言うことだったら……何を言われても、無条件に信じちゃったかも」
「……たとえば、『倫理コードを解除するといいことがある』とかでも?」
「うん♪ もちろん、もっとえげつなーい、えっちなことでも、なんでも……♥」
腰を支えていたキリトの手に籠もる力が、僅かに強まった事をアスナは感じる。
優しい恋人の身の内より立ち上る気配の中には、既にどろりと黒く濁った劣情の色が混じりはじめ、その事実そのものがアスナの興奮を更に掻き立てる。
「きっと、何も知らない
《はじまりの街》にある、どこかの宿屋の狭い部屋の中で『はじめて』を奪われて……そのまま何日も何日も、優しく、激しく、頭の中が真っ白……ううん、
そして
「いいのか? いくら《閃光》サマでも、俺みたいな《ビーター》と長いこと一緒にいたら、皆の信用を無くしそうで……心配だな」
「そこはほら、仮にも血盟騎士団の副団長ですから。ちょっぴりいい加減なビーターさんが真面目に攻略してくれるように、毎晩自宅でお説教しています――って言えば、疑う人なんて誰もいないよ」
勿体つけるように一度言葉をきったアスナは、キリトのこめかみに軽くキスを落とし、そのまま彼の耳たぶに唇を触れさせる。艷やかな唇で吸い付き、舌先でつんつんとつついて刺激した後、かぷりと甘く噛みついてたっぷりと愛撫する。
キリトの意識を、耳に――聴覚に集中させ、自分の言葉をはっきりと聞かせるために。
「だってそうでしょ? 皆の信頼を集める《閃光》のアスナが、実は最初からキリトくんに完全屈服してて、ステータスやスキルどころかリアルの名前も住所もぜーんぶ公開済みで……♥
しかも、《黒の剣士》様の強さをベッドの中で教え込んでもらいながら、毎晩毎晩無責任
明日奈自身の言葉で《閃光》のアスナを貶め、キリトの為の雌に堕としていく。自らのアイデンティティを、愛する者の為だけに黒く塗り替えていくたび、アスナの脳髄に自虐的で歪んだ快感が電流となって駆け抜けていく。
そんな真似ができるのは、ここがデスゲームとは全く縁のない様々な意味で安全なVR空間であるからだ。そして何よりも、たとえアスナがどれだけ自らを堕落させようとキリトならしっかり受け止めてくれるという甘えにも似た信頼と、キリトがその信頼を裏切らないという強い確信があるというのが大きい。
「そうだな……。確かにそんな話、俺だって『実際にやってみないと信じられない』かもな」
――実際、キリトが信頼を裏切った事は一度として無い。
今宵の糧となるであろう獲物を追い回し、ついに落とし穴の真上に誘導することに成功した狩人のような嗜虐的な声音と共に、キリトはわざとらしい程にはっきりとアスナを誘導する。
無論、そうするように仕向けたのは――狩人の為に罠をしかけたアスナ自身だ。焦がれるほどに待ちわびていた愛する者の手による最後の一押しを心で受け止めながら、アスナは自ら仕掛けた悦楽と被虐の罠へと堕ちていく。
「も、もう……急にそんな事言われても……。私だって、別にそういう事がしたいわけじゃないのよ?
――で、でも……『キリトくんがどうしてもっていうなら、仕方ない』……よね?」
「ああ。今からアスナがすることは全部、『俺が言うから仕方なくしている』だけなんだ。
だから……『アスナが何をさせられたとしても、それは全部俺のせい』だからな」
キリトの言葉は、アスナが心の中に最後まで残していた理性の枷を砕くには十分すぎる威力を秘めていた。
名残惜しさと感謝の意を示すように頬と頬を触れ合わせたあと、アスナはキリトの膝の上から下り、そのまま彼の前に立つと、装備品管理ウィンドウを呼び出す。乙女の白い指先が伸びる先にあるのは、『装備全解除』の文字が描かれたボタン。ごくりと唾を飲み干して覚悟を決めた後、アスナはそのボタンを押した。
途端、聞き慣れたサウンドエフェクトが響き、アスナの衣服、そして下着が次々に解除されていく。本来そのままストレージに入るはずの布達は、事前にキリトに仕込んでもらったシステム的な介入によって、アスナのすぐ側の床へと再配置される。
綺麗な折り目の入ったプリーツスカートと清楚さを醸し出すトップスは丁寧に折り畳まれた状態で重なり、その上に白いニーソックスが一組配置される。そして、汚れなき純白色のブラジャーとショーツが、まるで見せびらかすように一番上に配置されたのと同時に、アスナは一糸まとわぬ姿へと変わっていた。
起伏豊かなれども絶妙に均整の取れた理想的なプロポーション。若さという特権が作りだす白くきめ細やかな肌。アスナが羞恥に頬を赤く染める中、大きく張り出した胸を飾る桜色の先端部は、固く屹立しながら彼女の興奮を隠しようもない程にはっきりと示している。
「――すごく綺麗だ、アスナ。ほら、こっちに」
「うん……ぎゅってして、キリトくん……」
夫婦の指輪一つを除いては何も身に着けていない姿となったアスナは、最愛の男に招かれるまま、キリトの腕の中に収まる。
裸身のアスナを抱きしめながら、キリトは彼女の後頭部へ手を伸ばし、左右一房ずつ編み上げた丁寧なクラウンハーフアップを慣れた手付きで解いていく。それが、今からアスナをたっぷりと辱め、そしてそれ以上に濃密に愛する事を示す合図である事を知っているのは、キリトとアスナの二人だけだ。無論、そうと察している者は意外といるだろうが。
自分だけが一糸まとわぬ姿であるという事実に密かな被虐欲求が満たされ、そして更に高まっていく心地よさを感じながら、アスナは愛する男をそっと胸元に抱き寄せる。
「キリトくん、わかる? 私の心臓……すっごくドキドキしてる。
キリトくんに全部見られて、これから気持ちいいことをするんだって……もっともっと『キリトくん離れ』ができない女の子にしてもらえるんだって期待してる、あなたのお嫁さんのココロの音……♥」
「ああ、よく聞こえるよ。それに俺だって、アスナ以上に心臓がバクバクしてる」
「心拍モニター……は、こっちにはまだ無いんだっけ。そのうち実装してね?」
「実装予定リストに入れておくよ。……ところで、アスナ」
「うん。またちょっと、大きくなっちゃったみたい」
《SAO》時代と比較するのもおこがましいほどに豊かさを増した白い双丘。その柔らかな質量と共にキリトの頭を抱きかかえながら、アスナは上質な蜂蜜のようにとろりとした声音で事実を告げる。
このプライベートVR空間にログインするためのアバターは、各MMOからコピーした各人のアバターデータを流用している。アバターに大幅なカスタムができないのは常識だが、それはあくまでゲームの仕様上そうなっているに過ぎない。
キリトの支配権限が及ぶこの空間内ならば、アミュスフィアによる再スキャンを活用し、リアルに発生した差異をアバターに反映させたり、アバターそのものにある程度カスタマイズをかける事ができる。
アスナのアバターデータに差異が――即ち、成長が見られるのも、前者の機能を使ったためだ。
「キリトくんのせいなんだからね。いろんな世界で、私を好き放題弄んでくれちゃって……」
面目ないとでも言いたげな渋面を作るキリトの頬を軽くつねってやったあと、アスナは唇と唇を重ねる。それは、初心な恋人同士が初めてするような軽い口づけ。過去に幾度となく繰り返してきたその行為は、常にアスナの心を暖かく満たし、そして新たな欲望を芽吹かせる。
「んんっ……♥ さーって、今日の装備は……これにしちゃおっかなー♥」
キリトの腕の中に体を預けているのをいいことに、空中に装備品管理ウィンドウを再度呼び出したアスナは、自分の体に新たな装備をまとわせていく。
装備者自身を販売アイテムとして設定し、価格を1コルに強制決定する【浅ましき淑女のための白いロンググローブ】。下品な振る舞いをすればするほど興奮を覚えるようになる【高貴なる端女の白いニーソックス】。
その二つを装備したことでセット効果が起動し、アスナの下腹部には受精確率と妊娠願望を300%アップさせる【繁殖用家畜の烙印】が、舌にはキリトの肉棒と体液の味を極上の美味と感じるようになる効果を持つ【精液中毒者の刻印】が發現する。下腹部に現れた淫猥なピンク色の烙印は、複数のハートに蝶が組み合わさった複雑かつエロティックなデザインをしており、舌上に現れた刻印を見識ある者が見れば、双剣のディティールを茨の中に忍ばせた黒い薔薇の姿を描いていることが分かる。
――言うまでもない事だが、安全性第一主義のアミュスフィアに、使用者の肉体や神経へ洗脳じみた効能を発揮させるような危険機能はない。仮にあったとしても、キリトはその機能を使用することはない。故に、アスナが今装備しているアイテムが持つ効果は全て
血を思わせる深い紅色に染め上げられた革で作られた【黒金鎖が繋ぐ永遠の結婚首輪】を左手に、球状パーツが十数個連なった先にふわふわとした犬の尻尾がくっついた【躾けられた雌犬の尻尾】を右手の中にオブジェクト化したアスナは、キリトの目を真っ直ぐに見つめながら微笑む。
「これと、これは、キリトくんの手で直接つけてくれると嬉しいなー……って♥」
女神の如き清廉さと夢魔の如き淫靡さを兼ね備えた微笑と共に、ぺろりと舌を出して黒い刻印をはっきりと示しながら、アスナは自らを飾る最後の二つをキリトへ恭しく差し出す。
「まったく。しょうがないなあ、アスナは」
二つの装備品を受け取ったキリトは、ソファの近くにあったテーブルの上に首輪を置くと、空いた左手でアスナの体を強く抱き寄せて位置を固定。同時に、右手の中にある尻尾をくるりと逆手に持ち替え、球状をした先端部をアスナの臀部へ充てがう。
もちろん、狙う先は生殖行為の為の部位――ではなく、もう一つの穴。
現実空間とは違い、VR空間に於いては使用されることのない部位めがけて、キリトは球状パーツの先端部をぐいと力強く押し込む。抵抗を感じるのも束の間、最初の一つが押し開いた道の後を、二つ、三つと続く球体が貫いていく。
「~~~~っっ♥♥♥ あ゛、っ、はひゅっ、んひいぃっぅ……! キリトくん、キス、キひゅして……♥
こえっ、出ちゃうぅ……!」
「ダメだ。ちゃんと全部できるまで、お預け。ほら、もう半分だぞ。頑張れ頑張れ」
「んみゅううっ! い、じわる……ほんとに、意地悪なんだからぁ……ふあああっ♥」
――現実空間における『不便さ』『不都合さ』を無視できる都合の良さは、VR空間の良いところだ。現実世界で『こういうこと』をする場合、当然諸々の下準備が必要となってくるが、VR空間であればそういった面倒な部分を一切省略できる。それになにより、現実世界とは比べ物にならないほどに安全だ。
獲物の心臓にナイフを突き立てるような残酷さの中にたっぷりの愛情が込もるキリトの手が、アスナの肛内に【躾けられた雌犬の尻尾】の
球状部分はさほど大きくない上に、体内に入る直前に潤滑液を放出するように設定されているため、アスナが痛みを覚えることはない。故にアスナは、ただ愛するものに蹂躙される悦びと、排泄器官を弄ぶ背徳的な快感に身をくねらせ、艶めいた声を挙げ続ける。
「よーし、これが最後の一個だぞ――そらっ!」
「――んぎいひぃいいいいいいいっ!!」
ずぶり、と音が立つ程の勢いで押し込まれた最後の球体がアスナの体内に飲み込まれて姿を消す。今やその臀部から伸びるのは、アスナの髪と同じ色をした雌犬の長い尻尾だけだ。
このアイテムには、ケットシーのプレイヤーに生える尻尾と同じ仕組みが搭載されている。その仕組み自体はキリトがシリカやシノン、それにアリスの協力を得ながら進めて実装したもの。そして、尻尾そのものはリズが手ずから作成したものだ。
「よく頑張ったな、アスナ。偉いぞ。ほら、約束のご褒美だ」
「えへへ……んんっ――♥」
発情と興奮で頬を真っ赤に染め、蕩け堕ちた瞳から熱い涙を零しながら、アスナは心の底より待ちわびた口づけを味わう。恋人同士の、夫と妻の、主人と奴隷の、《黒の剣士》と《閃光》の――数多の思いと熱を積層させながら、唇と唇をゆったりと重ね合わせる。
その首元で、かちりと小さな音を立てて――紅の首輪の留め金がはまる。直後、黒く染まった金鎖がオブジェクト展開時の微光を伴いながら生え伸びていき、キリトの手の中へ迷いなく収まった。
「……ベッドに行こうか、アスナ」
「うんっ♥」
黒金の鎖と共に己の命運を握った男に導かれるまま、アスナは寝室を目指す。両手を床につけつつ尻を高く上げた、跳躍する寸前の蛙を思わせる屈辱的な姿勢を誰に言われるでもなく取り、さらに両足を左右に大きく広げる。
秘すべき股座を露わにしながら腰をくねらせ、愛の蜜を床に落としながら、たっぷりと慰み者にされる未来の為によたよたと歩く。理性ある人の歩みではなく、本能に支配された獣の歩みで。
何年かの後、白く美しい花嫁衣装を着て歩むヴァージンロードとは何もかもが真逆の――しかし同じ結末を迎える道を、アスナは興奮に吐息を荒くしながら歩む。腸内に挿入されたアナルパールは不規則な振動と共にアスナを刺激し、突き出した尻を撫でるキリトの手と相まって官能を導く。
リビングから始まったごく短い道筋の中で幾度となく達しそうになりながらも、アスナはどうにかこうにかベッドルームに辿りつく。
かつて、はじめてキリトと夜を共にし、そしてプロポーズされたあの部屋と寸分違わぬように再構成された寝室。その部屋の大半を占めるベッドの縁に腰掛けたキリトの脚の間に四つん這いの姿勢ですり寄ったアスナは、そのまま彼の股座に顔を寄せ、愛おしげに頬擦りしながら自らの熱と興奮を伝える。
「ねえ、キリトくん。私ね、今日はとってもとっても、
左右反転した『装備全解除』の文字が映るウィンドウ――つまりはキリトが自分の装備管理ウィンドウを呼び出し、そして全ての装備を解除するボタンを押す光景をウィンドウの裏側から見つめながら、アスナは実にわざとらしく警告する。
直後、指輪以外の一切の装備がキリトの体より排除される。
とっくの昔に臨戦態勢となっていたキリトの男根は、邪魔な装備から解放された事を喜ぶように勢いよく飛び出ると、ぺしりと音を立ててアスナの頬を打擲する。
その勢いに「ひゃんっ」と小さな驚きの声を上げつつも、アスナはキリトの股座から顔を離そうとはしない。精緻な人形のように整った顔をグロテスクな肉棒に擦り寄せながら、反対側には白い指を添えて挟み込む。
「ふふふっ、あっつぅい……♥ 私を……ううん、沢山の女の子をオンナに変えちゃった、キリトくんの凶悪ち●ぽ……♥
こ~んなに太くて、固くて、おっきな、キリトくんのおち●ぽを奥までずぷずぷ~って押し込んで……♥ ゼリーみたいに濃ぉい精液を私の子宮に好き放題射精しまくって、ユイちゃんに弟か二人目の妹を作っちゃおう――なんて考えたら、絶対にダメなんだからね?」
「わかった。気をつけるよ。
――でも……もし俺が、『嫌だ。絶対にアスナを孕ませる』って言ったら?」
「どうしちゃおっかなー……♥ STR値じゃキリトくんの方がずっと上だから、どうにもできないかも♥」
脈打つ剛直に頬を滑らせながらキリトの股座から距離を取った後、アスナは自分の顔を肉棒の先端と向き合う位置に移動させる。張り出した亀頭とアスナの顔を隔てる空間は、今やほんの数センチにも満たない。
立ち上る濃密な雄の臭いを深々とした呼吸と共にたっぷりと吸い込みながら、アスナは心底嬉しそうに微笑む。
「ふふっ♪ 匂いだけでわかっちゃうよ♥ 『早く外に出たい』って言ってるキリトくんの熟成濃縮精子が、この中にい~~~っぱい溜まってるの……♥
こんなの、もしナカダシされちゃったら……危険日じゃなくても一発で受精しちゃう♥ お腹をおっきくした腹ボテ騎士にしてもらえちゃう♥
《閃光》のアスナが、《黒の剣士》様の優秀な子種に蹂躙されて喜ぶ膣内射精大好き肉便器だって、みんなにバレちゃうよぉ……♥♥♥」
「なんだか、そうされたがってるように聞こえるのは……俺の気のせいかな。アスナ」
「気のせい、気のせい♥ あ、もちろんキリトくんの赤ちゃんなら親子でボスレイドが組めるくらい欲しいなーとは思ってるけど、今は、まだ……だーめっ♥
差し込まれた尻尾をふりふりと揺らし、飢え乾いた雌犬のようにだらしなく口を開けたまま、アスナははあはあと発情の吐息を零す。
【浅ましき淑女のための白いロンググローブ】を装備した両手を見せつけるように差し出し、肉棒に触れる10本の指先をゆったりと前後させながら、期待に満ちた眼差しと共にキリトを誘う。そのアイテムに付随する
「……しょうがない。アスナがそこまで嫌がるんじゃ、諦めるしかないか」
「――え? えっ?」
「あ、いや、違う。間違えた。最後の手段を使わせてもらうしかないか……」
愕然とした表情で固まりかけたアスナの様子を見て焦りを覚えつつ、キリトは物品購入用のウィンドウを呼び出すと、そこに並ぶ賞品を値段の安い順にソート。結果、一番上に来ることとなった商品価格『1コル』のアイテム――『《閃光》のアスナ』を選択し、購入する。
ちりん、という軽いSEと共に、アスナのストレージに1コルが振り込まれる。それは、今この瞬間、アスナの全てがキリトの物になった事を意味していた。一切合切、アスナの望むままに。
「ふう、危ない危ない。
アスナを買い占めた手で、アスナの髪を、頬を、肌をさらりさらりと撫で回しながら嘯くキリトの声音は、どことなく棒読みだった。そんなキリトの様子すら、今のアスナには愛おしく思えてしまう。
「あーあ。
ねえねえ、キリトくん。早速だけど……ユーザー認証をさせてもらっても、いい?」
「もちろん」
「ありがと。それじゃあ……♥」
キリトの許可が出た直後、アスナは両膝を揃えて床に座り直す。育ちの良さが垣間見えるぴしりとした所作で正座し、姿勢を美しく整えなおした後――床に頭が着くほど深々と上半身を前方へ倒した。
それは所謂、『土下座』の姿勢だ。
「お買い上げいただきありがとうございます。今この瞬間から、私の身体も、心も、全てがキリトくんの所有物となりました。
《閃光》なんて呼ばれていきがってるくせに、たったの1コルでキリトくんに人生まるごと売り渡して心底喜んじゃってる被虐嗜好騎士を、どうかキリトくん専用ち●ぽケース&性処理ホールとして、どうぞ飽きるまで好き放題ご利用ください♥
毎晩毎晩キリトくんの事を想いながらオナニーしないと眠れないムッツリドスケベお嬢様のアスナを、キリトくんのおち●ぽで完全屈服させて、《黒の剣士》様専用子宮に赤ちゃん孕ませていただく栄誉をお授けください♥♥♥」
淫靡な誓いの言葉と共に隷属を示すアスナの背で、雌犬の尻尾がゆらりゆらりと愉しげに揺れる。やがて、ゆっくりと面を上げたアスナの顔には、喜びと興奮が入り混じった妖艶な笑みが浮かんでいた。
もう後戻りはできない、そして後戻りするつもりもない。愛しい雄のためだけに存在する雌として、アスナはどこまでも深く堕ちていく。
「じゃあ、アスナ。最初はどうしたらいいか、分かってるよな?」
「うん、もちろん♥ キリトくんが新鮮な精子をい~っぱい作れるように、溜まってる分をすっきりさせてあげるんだよね。
私の――お・く・ち・で♥」
双剣戴く黒薔薇の刻印を見せつけるように舌を出し、アスナは自らの唇をぺろりと一舐め。
艷やかに濡れる反射光をまとう唇を、まるで永遠の愛を誓う花嫁のように突き出し、キリトの肉棒の先端へ口づける。
「――んぅっ……♥」
挑発的な上目遣いの視線でキリトと見つめ合いながら、アスナは密着させたままの唇全域を擦り付けるように、ゆったりとした動作で顔を動かしていく。キリト以外の男を知らず、そして今後も知ることはない唇に、興奮する雄の汁を刷り込み、匂いを移していく。
夫であり飼い主であるキリトの肉棒にまとわせるための唾液を口内にたっぷりと溜め込みながら、アスナは淫靡な口づけを捧げ続ける。そんなアスナを制するでも急かすでもなく、キリトはただ彼女のしたいようにさせ続ける。
「そうだ、アスナ。この間のあれ、少し改良したんだ。使ってみるか?」
「んっ♥ んっんっ♥」
「よし。それじゃあ……」
肉棒の先端から唇を離さないアスナの横で、コンソールウィンドウを呼び出したキリトは何某かのプログラムを起動させる。
準備完了の合図代わりにぽんぽんと頭に振れるキリトの手の感触を堪能したあと、アスナは以前教わったように、意識を喉元に集中させた。
『――あ、あー。マイクテスト、マイクテスト。聞こえてますかー、キリトくん』
「よく聞こえてるよ、アスナ。どうだ、この間より音質がよくなってるだろ?」
『うんうん! それに、トーンも自然になってるし……すごいね、キリトくん』
「いや、俺がすごいっていうわけじゃなくてさ……実は、レインとセブンに、ボイスエンジン周りの調整と、テストを手伝ってもらったんだ。
アスナの方こそ、この間より簡単に喋れてるじゃないか」
『キリトくんの教え方が上手だからだよ。腹話術みたいで、まだちょっぴり変な感じはするけどね』
そう語るアスナの唇は、相変わらずキリトの一物にぴったりと密着したまま。そんな状態で、腹話術の心得の無いアスナがまともに言葉を紡げるはずもない。
加えて、二人の耳に届く『アスナ』の声からは、肉声とはほんの僅かに異なる部分――例えて言うなら、上質なノイズキャンセリング・ヘッドホンを通したかのように、肉声には付き物のごく僅かなゆらぎが排除された、独特の調子を感じ取る事が出来た。
『これ、私の考えてることをスキャンしてる――わけじゃないんだよね? キリトくん』
「ああ。さすがに『思考』を『出力』するみたいな真似、俺にはできないし……。できたらできたで、考えてることが丸聞こえになるのは流石に、な。
これは単に、《ALO》の『沈黙』デバフと、《SA:O》の『呪いの料理』の仕組みを応用してるだけだよ」
『《SA:O》の呪いの料理って……食べると変な語尾が勝手に付くって噂の、あれだよね?』
「ああ、その通り。あの料理、食べたプレイヤーの音声を解析して、それに近い合成音声をその場で作ってるみたいなんだ。
そして《ALO》の沈黙デバフは、プレイヤーの声帯に送られる電気信号をアミュスフィアが解析して、ゲーム内で音声エンコードされないようにしててさ。
あとは、まあ、その二つの仕組みをごにょごにょと……」
『――つまり。私が喋ろうとした事を声帯への信号から読み取って、それを合成音声に喋らせているってこと?』
「さすがアスナ。大正解だ」
よく出来た教え子を褒めるような手つきで、キリトの手が指通り滑らかな髪を優しく撫でれば、アスナは褒められた喜びを尻尾をぶんぶんと振ることで表す。亀頭全体にキスを重ね、唇を触れさせきったアスナは、そのまま顔を少しずつ前に進めるようにしながらキリトの肉棒をゆっくりと口内に収めていく。
『それじゃあ……キリトくんのおち●ぽ、いただきまーす……♥
溜め込んじゃった作り置きザーメン、ぜーんぶ私の口の中にぶちまけて……好きな時に射精していいからね♥』
「うぉっ……アスナの口の中、すごいな……。温かくて気持ちいいよ」
『でしょ? キリトくんが気持ちよくなれるように、頑張って温めておいたんだからね』
合成音声システムを使って会話しながら、太い雄の象徴を口いっぱいに頬張ったアスナは、肉棒の根本に向けてその端正な顔を近づけていく。
絡ませた舌で舐め回し、溜め込んだ唾液を丁寧にまとわせ、時折頬の内に肉槍の先端を擦りつけながら、ゆっくり、ゆっくりと進んでいく。榛色の瞳でキリトを見つめながら行われる口腔奉仕には、射精を促すような性急さは無い。それはまるで、極上のディナーを味わう時のように、キリトの味と匂いを味覚と嗅覚にしっかりと覚え込ませているかのようだ。
そうして、敵との間合いを油断なく詰める剣客のようにじりじりとした速度で肉棒を口内に納め続けたアスナの唇は、ようやくその根元部分へとたどり着いた。
『ふぅっ、やっと、全部入った……♥ キリトくんので、口の中いっぱいになっちゃった♥』
「苦しくないか、アスナ?」
『大丈夫だよ。息なら鼻からできるし……それに、息を吸う度にキリトくんの匂いがいっぱい広がるから、頭の中がふわふわして気持ちいいくらい♥』
淑女らしからぬ荒い鼻息を幾度となく繰り返すアスナは、情欲と興奮、奉仕の喜びに満ちた瞳でキリトをじっと見つめる。
アスナの首に鎖を片手に握ったまま、もう片方の手で彼女の髪を撫でるキリトの手付きは、そのどこかサディスティックな雰囲気とは相反するものすら感じるほどに優しい。
『ねえ、キリトくん。そう言えばさっき、ボイスエンジンの調整とテストを手伝ってもらった……って、言ってたよね』
「ああ」
『そのテストの内容って……もしかして、いま私がしてることと、一緒だったりする?』
「……さすがだよ、アスナは」
『やっぱり……♥』
レインこと、枳殻虹架。そして、セブンこと、七色・アルシャービン。
幼い頃、数奇な運命に翻弄されて離れ離れとなり、《ALO》を舞台に繰り広げられた『クラウド・ブレイン』騒動を経て再会した心優しき姉妹。《ALO》ではアイドル的な存在として認知されている二人も、アスナ同様にこの空間へログインする権限を持っている。
レインはアイドル活動で、セブンはVRテクノロジー研究で忙しい日々を送ってはいるが、暇を見つけてはちょくちょくここを訪れ、キリトを気安く伴っては日頃のストレスを解消している。
それが何を意味するかは――まあ、今更言うまでもないだろう。
『どうせキリトくんのことだから、テストと言いつつ、二人ともめちゃくちゃにしちゃったんでしょ?』
「て、テストは真面目にやったぞ! ……まあ、めちゃくちゃにも……したけど」
『もー、やっぱりそんな所だろうと思ったよ』
キリトの腰に両腕を回し、抱きつくようにして身体を支えながら、アスナは肉棒への本格的な奉仕を開始する。
粘ついた吸引音を響かせながら、雄の象徴の根本に口づけていた唇を後方へゆっくりと引く。久しぶりに外の空気に触れたキリトの肉竿は、ねっとりとしたアスナの唾液によってくまなくコーティングされており、天井から降る光を反射してぬらぬらと妖しい輝きを纏う。
『まだ1●歳のセブンちゃんの、小さなお口を……こーんなえっぐいサイズのち●ぽとディープキスさせて、男の味を覚え込ませちゃったり……♪
レインさんの大事な
「否定すべきなんだろうけど……全部事実だから、どうにも……」
『ふふっ、まあしょうがないよね。二人とも可愛いし、私と同じでキリトくんのこと大好きだし……♥
それに、お嫁さん達の
語るべき言葉を全て合成音声システムに投げ渡したアスナは、本来発声に使用されるべき己の口と喉をただ肉棒へ奉仕するためだけの器官として使い続ける。
可憐な唇を常に肉棒のどこかに触れさせ続けたまま、瞳と瞳で見つめ合いながら披露されるのは、夫に仕込まれた淫らなテクニック。
唇の端よりじゅぷじゅぷと水音を上げて、肉棒の先端から根本を何度も行き来する濃密なディープ・スロートを、騎乗位で腰を振っている時のように不規則なリズムで繰り返しながら、アスナは一心不乱に肉棒をしゃぶり続ける。時折、亀頭だけを口に含んでは、敏感な鈴口を舌先でつついて悪戯したかと思えば、顔がキリトの股座に触れるほど根本まで深々と咥え込んだ状態で動きを止め、片手でキリトの陰嚢を揉みほぐし、優しくマッサージする。
『ここに、いっぱい溜まってるんだね……。みんなが欲しくてたまらない、キリトくんの赤ちゃんの素……♪
――みんな、いい子にして待っててねー。今日は、キリトくんのお嫁さん一号が、キミたちをそこから出してあげるからねー……♥ もちろんその後は……仲間はずれがでないように、一滴残らずごっくんしてあげる♥
《閃光》のアスナが《黒の剣士》様のオンナだって匂いだけではっきりわかっちゃうくらい、雄臭ぁい熟成汁で体内まるごとマーキングしちゃおうね~♥』
合成音声であってもそうとわかるほどに媚びた声音でキリトの陰嚢に語りかけながら、アスナは肉棒を舐め上げる速度を少しずつ早めていく。繰り返される水音は否が応でもボリュームを増し、唇に弾かれるようにして肉棒からこぼれ落ちたアスナ産の唾液が床の上へ飛び散っていく。
尻を高く上げた四つん這いの姿勢となり、アスナは更に深いピストン運動を続ける。その前後する動きに連動する形になった豊満な胸が肉のぶつかり合う音を奏で、肛門に挿入されたアナルパールから伸びる尻尾がふりふりと揺れる。
口も、喉も、全てを肉槍に奉仕する為のツールとして用い、溢れる先走りの汁を丹念に舐め取りながら、アスナはただひたすらにキリトの放精を煽る。その時が近いと、身体が覚えているが故に。
「あ、アスナっ……! 俺、そろそろ……!」
『うん、うんっ♥ きて、キリトくん♥ キリトくんの好きなだけ、思いっきり射精してっ♥』
「じゃあ、遠慮なく――うっ、で、でるっ!!」
身体ごと前に突き出すような体勢で、キリトの肉棒を根本まで深々と飲み込んだ直後。
ただでさえ太い肉の槍が、アスナの口内で一際大きさを増し――解き放たれた精液の奔流が、アスナの喉を襲った。
子種が渋滞をおこす程に詰まりきった濃密な精液は、当然その勢いも苛烈。食道を蹂躙し、胃袋を直撃するような激しい射精の衝撃に目を見開かされながらも、アスナはごくりごくりと喉を鳴らし、愛する者の体液を懸命に嚥下していく。密着したキリトの肌の匂いと飲み干す精の匂いに支配された嗅覚が、快感を示す信号を伴いながらアスナの本能を刺激する。
『んふっ、んんっ……♥ キリトくんのせーえき、どろどろで濃すぎるよぉ……♥
びゅーびゅーって、すごくて……喉の中に絡んで……。こんなの、幸せすぎてクセになっちゃうよ……♥』
射精が終わるまでの時間は、実際には長くても一分程度だったのだろう。しかしアスナにとってみれば、それはもはや永遠に続く快樂を与えられたに等しい。
あまりの勢いと量に飲み干しきれなかった精液をどうにか口内に押し留めたまま、アスナは射精を終えたばかりの肉棒をいたわるように唇を這わせる。そうして、最初に咥え込んだ時の動きを逆回しにしてトレースするかのような動作で肉棒を口の中より引き抜いた。
射精を終えたばかりだというのに相も変わらず屹立したままのキリトの雄々しい肉槍には、自らが放った白濁液の痕跡は一切残っていない。それが、引抜かれる際にアスナの唇と舌によって丁寧に舐め取られたおかげであることは言うまでもない。
大きく口を開き、中に溜まった白濁液の量をたっぷりと見せつけたあと。アスナはしばしの間、濃厚な精液を舌の上で転がし、にちゃにちゃとした音をわざと立てながら咀嚼する。
『んーっ♥ 濃くて、苦くて、粘っこくて……すっごく美味し……♥
キリトくんの『お前は俺の物だ』っていう意思が、伝わってくるみたいで……なんだか、飲み込むのがもったいないよ~』
「ははっ。アスナが欲しくなったら、またいつでもご馳走するよ」
『ほんと? じゃあ……』
目と口を閉じたアスナは、舌を器用に動かし、口内に溜まっていた精液を全て絡め取り、舌の上に集める。そうして感触と味を愉しみきったあと――ごくりと喉を鳴らして、一滴残らず飲み干した。
「――ごちそうさまでした♥ いっぱい出してくれて、ありがとう」
射精後の肉棒への労りを込めて、鈴口にもう一度口づけを捧げたあと。アスナはアイテムストレージ操作ウィンドウを呼び出し、【妖精牧場で絞ったシルフのミルク】を選択して実体化。グラスに入った白いミルクを一息に呷る。
ミルクをまとった舌先で自らの唇を舐め回したあと、口内全体にたっぷりと行き渡らせてから、こくこくと小さな音と共に飲み干した。
「お待たせ~♪ お掃除完了したよ、キリトくん。
本当なら、女の子同士でシェアしながらキレイにするのが一番いいんだけど……今日は私一人だから、これで許してね?」
「許すも何も、むしろ、そこまで気を使わせちゃって悪いくらいだよ。アスナ」
「いいのいいの。私がしたくてやってることだし。
それより……お口の中、リーファちゃんの味になっちゃったから……キリトくんの味で上書きしてもらえたら、嬉しいなー……?」
アスナは膝立ちになり、親鳥からの給餌を求める雛のように顔を上に向ける。
望んで雌に堕ちた女剣士の身体を、キリトの両腕が抱え上げ――同時に、その唇を奪う。それは、アスナが願った通りの、強引にして強権的な口づけだった。
導かれるままに挿し込まれたキリトの舌が、口内に残ったミルクの痕跡を刮げ落とすように力強く暴れまわる。そのまま背中をベッドに押し付けられ、逃げ場を失ったアスナに向けて一方的に送り込まれるキリトの唾液が、アスナの口内を己が物とせんとばかりに塗り込まれていく。
「キリトくん……んんっ♥ きりひょぅん♥♥」
僅かに残っていたリーファのミルクの後味が、キリトの味に塗り替えられて久しいが――それでも口づけは終わらない。下腹部に当たる固い一物の感触に期待を昂ぶらされつつ、アスナは愛する者と唇を重ねる心地よさにただひたすら酔い続ける。
唾液と唾液が混ざり合うくちゅくちゅという水音に混じり聞こえる、キリトの熱い吐息。先程までの激しさから一転して、アスナの口内を丁寧になめ尽くすかのようなゆったりとした舌の動き。体に回される固く力強い腕の感触。その全てがアスナを狂わせ、愛欲に溺れさせていく。
キリトが悪漢の罠にはまり、命を落としかけたあの日。アスナを守るため、キリトが人を殺したあの日。キリトに唇を奪われた、あの日――あの日以来、アスナはキリトと交わす口づけの虜になった。それよりずっと前からキリトの虜だった心に、身体がようやく追いついたあの日以来、アスナはずっとキリトの虜であり続けている。
――結局、長い口づけが終わりを迎えたのは、時計の秒針が十度は回りきったあとのことだ。
「アスナ。脚、広げて」
「うん……」
ふわふわとした夢心地に包まれた意識の中、アスナはおずおずと両脚を広げる。尻穴への刺激と肉棒への奉仕、そして目眩くキスに酔わされたアスナの身体は既に雄を迎え入れる準備が整っている。
水でもなければ汗でもない、ねっとりとした粘り気を帯びた分泌液をだらだらと溢れさせる秘所に、キリトの視線が突き刺さり、それが更にアスナの官能を刺激する。
「すごいな……。触ってないのに、もうどろどろだ……。そんなに興奮してくれたんだな」
「き、キリトくんだって……♥ 興奮してるくせに……」
「ああ、してるよ。……っていうか、この状況で興奮しないわけないじゃないか」
アスナの上から覆いかぶさるようにして身体を寄せ、キリトは巧みに彼女の逃げ場を断つ。その股座で雄々しく反り返る肉棒の先端部が、アスナの下腹部に触れ、今から為される行いの意味を知らしめる。
「溜まってた分を飲み干してくれたお礼、たっぷりさせてもらうからな……覚悟しておけよ、アスナ」
有無を言わさぬキリトの口調に、アスナは期待に満ちた表情と共にこくこくと首を縦に振る。
乙女の下腹部から脚の間へつながるセクシーなラインの上をマーキングするかのように、キリトの亀頭がゆっくりと滑り進む。やがてその太い肉槍の先端は、愛蜜を溢れさせるアスナの性器、その入口へとたどり着く。
人が人たる以前より続いてきた生殖行為。番う相手の子を孕まされる本能的な予感に命じられ、アスナは恥じらいを捨てて大きく脚を開き、キリトを迎え入れる準備を整える。
「行くぞ」
「はい……♥」
蜜壺の入口に幾度となく軽いタッチを繰り返し、溢れる愛の印しを肉棒の先へまとわせたあと。両腕に力を込めてアスナの身体を固定したキリトは――己の分身を、アスナの膣内へ力強く押し込んだ。
「あっ――っ、ぁあああっ……! んんっ、きゅううううっ♥♥♥」
最奥までを一息に貫く、遠慮も何も無い抽送。処女ならば今頃痛みのあまりに悲鳴を上げているような行為であるが、200年以上もの永きに渡りキリトに貪られる愉悦を味わい続けてきたアスナの膣は、何の支障も無いまますんなりと肉棒を迎え入れる。
正常位の体勢で密着した腰と腰の間で、アスナの蜜壺から溢れ出した愛液がぐちゅりと淫靡な音を立てる。強烈な交合の快感に支配され動けないでいるアスナの体を、キリトの両腕が固く抱きしめる。
「ここで……《SAO》のあの部屋で、アスナを初めて抱いた時も、こんな感じだったよな」
「ううん……全然、違うよ……。ん、んんっ……あの時のキリトくん、もっと初心で、優しかったもん……」
「そ……そうか?」
「そ・う・で・す。
――なのに、今じゃすっかり女の子特攻スキルビルドで固めちゃって……『夜』の方も大変手慣れたご様子で……一人だけレベル上げちゃって、ずるいよ」
わざとむくれることで逆に雄の歓心を得ようとするアスナの誘いに乗りながら、キリトは彼女の髪を手ぐしで二、三度梳き、深く繋がったままたっぷりと口づけを交わして機嫌を取る。
初めてアスナを抱いた時は無我夢中だったキリトも、今ではこうして繋がったまま軽口を叩きあえる程度には大人の余裕というものを身に付けている。踏んだ場数と閨に引き込んだ相手の数を考えれば、余裕が身につかない方が不思議かもしれないが。
「まあ、今更あの頃には戻れないからな……。
せめて、アスナには今の俺を、たっぷり堪能してもらうとするか――そぉらっ!」
「――んんんっ……やああ、あんんっ!」
アスナを腕の中に納めたまま、キリトは本格的な抽送を開始する。
ゆっくりとした動きで、アスナの胎内から肉棒を引き戻し、亀頭が膣穴から抜けるぎりぎりまで深く腰を引く。シンプルなその動きだけで、アスナの体中を快樂が蹂躙し、切ない嬌声を上げさせる。そして、その快樂が頂点を越え、ほんの少しだけ退いたタイミングを狙いすまして突きこまれるキリトの肉棒が、さらなる悦楽をアスナの体に刻み込んでいく。
「ふうっ、んんっっ♥ やっ! あっ、ああっ、あ゛っ、あっあっあっぅ、やっ、やあああ゛ああっ♥♥♥」
破城槌のように激しく、寄せては返す波のように際限なく。快樂を以て悦楽を引き寄せ、悦楽を以て官能を呼ぶピストン運動が行われる度、アスナはより高い刺激に翻弄され、より深い性感の中に溺れていく。
アスナの弱点はもちろん、感じる場所やタイミング、触れて欲しい場所、聞きたい言葉――これまでの経験から得てきた情報を最大限に有効活用しつつ、キリトはひたすらにアスナを責め立てていく。
「おっ、お゛っ♥ おく、奥の方ぐりぐりってするのずるいよおっ……♥ だめ、だめだよこれ、じゅるいよぉっ♥ こんなの、憶えたら……ひぅっ♥ い゛っ、イキ癖っ、ついちゃうからああぁああっ♥ んひっ、おふぅううぅぁぁっ♥」
「あのなあ、アスナ……そんな可愛いこと言われると、もっとイジメたくなるだろ」
呆れたような顔でピストン運動を続け、アスナのGスポットに的確な刺激を与えつつ、キリトは管理者用コンソールを起動。アスナが装備している【躾けられた雌犬の尻尾】の装備情報に割り込みをかけると、『疑似抽送モード』を起動させる。
システムよりの命令を受け取った直後、アスナの肛内に収まる球体の一つ――犬のそれを模した尻尾部分との境目にある一番手前の球体が、一気に膨らんで大きさを増す。その直径は、ちょうどキリトの一物のそれと一致していた。その一つ目を皮切りに、アスナの腸内奥部に挿し込まれた球体部分へ膨張は次々に伝播していく。
一番浅い部分から奥へと連鎖的に続く膨張が、まるでキリトの肉棒とアナルセックスをしているかのような錯覚をアスナに与える。無論、脊髄を駆け抜ける背徳的な快感と共に。
「んひっ――あっ――あ゛ーっ♥ ああ゛ーっ♥♥ お゛っ、おし、お尻に……ごりゅごりゅきでるぅううう♥
キリトくんので、前も、うし、っろも♥ お゛っ、はひゅっ♥ ぱんぱんってされるの、きもちぃっ、よすっ、ぎ――おおほおおおっ♥♥」
「おおっ、これは、かなり……思ってた以上に、こっちにも伝わってくるな……」
根本から先端まで膨張を連鎖させたアナルパールは、今度はその動きを逆回しにするように、先端から根本へ順々に収縮していく。その動きが、肉穴から一物が引き抜かれる時に近い感覚を及ぼした直後、再び膨張。
膨張と収縮が織りなす擬似的な肛門抽送に、蜜壺を貫く太い肉棒によるピストン運動が重なり齎される快樂の渦が、アスナの感覚神経を蹂躙し、理性の軛をいともたやすく粉砕していく。
熱に浮かされた頬を真っ赤に染め、口の端から唾液を零しながらキスをねだり、キリトの肉槍で一突きされる度に交合部から愛液を溢れされる今のアスナの姿には、普段の清楚な雰囲気は一切残っていない。
「ふーっ、ふーっ♥ あ゛っ、やぁっ、あっ、あ゛ーっ♥ はひゅっ、ふぅっ♥ んんっ゛、やあ……っっっ――♥」
「おいおい、いいのか《閃光》サマ。こんな時分勝手なビーターに、好き放題やられっぱなしで」
「いっ、いいのぉっ♥ おっ、はあっ、はあっ――んんんっっ♥
好きな、人らから……キリトくんだからぁ、い゛っ、いい、のぉ……♥ キリトく、んんっ、だからぁ……あひぃっ♥ めちゃくちゃに、されたいのぉっ♥ ――あっ♥ また奥、ぐりゅってされ――ーあ゛ぁああっ、んゃああああああっっっ♥♥♥」
今や一匹の雌の獣となったアスナは、本能的な喘ぎ声の中にどうにかこうにか人の言葉を紡ぎながらキリトの問いかけに答える。
扇情的な旋律を耳にしながら、キリトはSTR値――つまりは膂力の差と、上から覆いかぶさるような正常位体勢の優位性をフルに活用。アスナから一切の逃げ場を奪いつつ、杭打機のように力強い肉棒抽送を以て、アスナの肉壷を支配する者が誰かを大胆かつ丁寧に教え込んでいく。
生殖に特化した大型サイズの雄の象徴に、自らの弱い所を的確に攻撃され続けるアスナは、結合部からはしたなく愛液を吹き散らしながら幾度となく達する。恥も外聞も何もなく、いずれ番い子を成す相手より与えられる肉体的快樂に酔い痴れ、いつか己を娶り妻と為す相手より与えられる愛情に溺れ続ける。
「はひゅっ♥ あぅ゛っ♥ あっあっあっ……っっ♥ やっ、だぁ、だめぇ♥ も、やぁっ――ああああっ♥」
「アスナ。キスしようか、ほら」
「するぅ、キスするう! あ゛っ、あっ、っんん、ふうっ――んんっっ……♥♥」
キリトの手が、紅い首輪に繋がった鎖をぐいと引き寄せる。有無を言わさぬその誘いに導かれるまま、アスナは愛する夫と唇を重ねると同時、ほぼ無意識の動作で彼の首に両腕を回して強く抱きつく。
ベッドとキリトの間に挟まれ身体を動かす自由すら捧げて快楽に浸りながら、アスナは口内に挿し込まれるキリトの舌を貪るように激しく吸い付く。
肌の上に浮かぶ玉のような汗によって滑らないよう、愛妻の身体に腕を回して今まで以上にしっかりと固定したあと――キリトは肉棒を出し入れするペースを、徐々に加速させていく。
「このまま、中に全部出してやるからな……アスナ……! 泣いても、何しても無駄だから、覚悟しておけよっ……!」
「うん、うんっ♥ はひゅ、あ゛っ、キリトくんのぉ、ああっ♥ ぜぇっ、全部、ナカに欲しい……♥
おっおっお゛ぅ、ぉふーっ♥ あひぃっ♥ そ、のままっ、濃いの、いっぱい出して……んんぅううっ♥
……あ、赤ちゃん、つくっちゃお……♥♥♥」
息も絶え絶えなアスナによる、精一杯の誘惑。その誘惑に対し、キリトは言葉を返さず――ただ、今までは見せなかったハイペースのピストン運動を以て答えとする。
「――んんんんっ!! おほぉっ♥ あ゛っ♥ やぁ゛っ♥ まっ、まりゃ、いっぎゅ♥ いぎゅのおおおおおっ♥♥ やあっ♥ おっおお゛っ♥ んやああああああああああっ♥♥♥」
十分に温まりきっていたアスナの体が、ここにきて更に速度と威力を増した肉棒の連続抽送攻撃に耐えきれる道理などどこにもありはしない。
避妊など微塵も考えず、ただ目の前にいる女の胎内に己の精を放つ――繁殖欲求という、生物が持つ根源的な欲望を満たさんがため、そして己の下腹部に渦巻く欲望を解き放つため、キリトはただひたすらに深く重く早い抽送を叩きつけていく。
そうして、幾度目かの突きこみの後。
陵辱じみた激しい性交に咽び泣く膣肉によって締め付けられ続けた肉棒、ついに我慢の限界を迎えるコンマ数秒前――アスナの最奥部まで貫かんとばかりに、キリトは己の一物を奥の奥まで押し込んだ。
「アスナ……アスナ! でっ……ぐうっ、射精るっ!!」
――そして。
アスナの子宮口を力づくで抑え込んだキリトの亀頭から、白濁した液体が一気に解き放たれた。
「~~~~~~~ッッッ! あっ、やあああああああっ♥♥♥ いいっっ、くゅううううう♥♥♥ あっ、あ゛ーっ♥♥ ……あ゛、はひゅ、やああああっ、あ゛、あ゛あーっ……♥♥♥」
どくりどくりと脈動する雄の象徴から放たれる、白濁した大量の精液。
子宮口に密着した、女を孕ませる為のゼロ距離射精。その量、そして濃さは、それが本日二度目の射精である事を忘れてしまいそうなほどの域に余裕で到達している。
止めどなく送られてくるキリトの精子が、その量と質を以て子宮全体を実に容易く征服してのける中。それによって齎された至福の感覚が、快樂を意味する信号となってアスナの脳髄を駆け上り、深い絶頂を刻み込んでいく。
「う、おおっ……アスナの中で、絞り、取られる……」
背中を弓なりにのけぞらせ、脚の間からぷしぷしと愛液を吹き出すアスナの体を抱え込みつつ、キリトは陰嚢で生産したばかりの新鮮な精液を一切の遠慮無く吐き出していく。
濃密な雄の種汁を受け取る度、アスナの下腹部に刻まれた淫紋が妖しい光をうっすらと放ち、キリトの精子以外では受精できないように子宮を書き換える。愛しい男に心を捧げ、体で服従する、少しばかり歪んだ喜びがアスナの胸を満たし、深い官能の味となって魂を侵食していく。
「んっ……♥ あぅ……んん……♥ キリト、くん……♥」
「アスナ……」
事後の悦楽に狂わされ、半ば忘我の境地にあるアスナは、とろけた声で口づけをねだる。
彼女の体に膣内射精を叩き込んだ時と同じ体勢のまま――つまりはアスナに覆いかぶさるような正常位体勢のまま、キリトは再びアスナと口づけを交わす。貪り合うような激しいものではなく、互いの唇に触れ合うだけの、軽く甘やかな口づけではあるものの、その唇と唇はずっと触れ合わせたままだ。
『――なあ、アスナ』
例の合成音声システムを使用し、キリトはキスをしたままアスナへ呼びかける。
『どうしたの、キリトくん?』
『その……したばっかりで本当に申し訳ないんだけどさ……もう一回、いいかな』
『もちろん♥ 二回でも、三回でも……キリトくんがしたいだけ、いっぱいしようね♥
あ、でも……。できたらでいいんだけど……次は、キリトくんともっとイチャイチャしたいなあ……ダメ?』
『ダメだ――なんて言う理由を探す方が、難しいな』
二度の射精を経て未だ硬度を喪わない肉槍で繋がったまま、キリトはアスナの体を手繰り寄せるように動かし、そのままゆっくりと引き起こす。
快感と共に訪れた気怠さが未だ残るアスナは、キリトの体に半ばより掛かるようにして体重を預けつつ、彼の脚の間に腰を落とすようにして少しだけ体勢を整える。
「キリトくん……ぎゅーっ、って……」
「ああ、分かってるよアスナ。ほら、おいで」
「ふふっ……あったかぁい……♥ お腹の中も、外も……キリトくんでいっぱいだね……♥」
所謂『対面座位』の姿勢で繋がったまま、キリトの両腕がアスナの体を優しく抱きしめる。
榛色の瞳を愛情と快樂に蕩かし、キリトの腕の中に収まったアスナは、キリトの肌にキスの雨を幾度となく降らせながら、新たな睦み合いの中に自らを溺れさせていった。
「――へー、アスナって、普段はこんな感じでキリトに甘えてるんだ……」
「なんかちょっと意外かも……アスナさんって、もっとSっ気強いと思ってました」
空中に浮かんだウィンドウに流れる、アスナの痴態。対面座位で繋がったままぐにぐにと腰を動かし、自らの性器で肉棒に奉仕し始めたアスナの録画映像を眺めながら、フィリアとリーファは思ったままに感想を呟く。
「ふふっ。だって、しょうがないじゃない。キリトくんには、私の弱い所全部知られちゃってるし……♥
それに、キリトくんってどっちかっていうとSな人だから……責めてもらった方がお互い気持ちいいっていうか……ね?」
「「はいはい、ごちそうさまでーす」」
アスナの色気づいたのろけ話に息を合わせて返答し、くすくすと笑い合うフィリアとリーファにつられ、アスナもまた相好を崩す。
ごく限定的な部分においては、既に二人とも――というか、《SWORD協定》に与している女性全員がアスナの妹のような存在である。同じ雄の寝所に侍るような間柄で無ければ、自分のはしたない姿をキリト以外の誰かに見せることなど永遠に無い。
一糸まとわぬ素っ裸の状態で川の字に並んで寝転びながら、揃ってそんな映像を見上げる日が来るなど、普通では考えられなかっただろう。
「……ねえ、アスナ。ところでなんだけど」
「なあに、フィリア?」
「さっき、途中で『リーファの味がするミルク』飲んでたよね? あれって、いったい……?」
さっきまで見ていた映像の内容を思い返しながら、怪訝な表情を見せるフィリア。彼女の問いに答えたのはアスナではなく、ミルクの生産元――つまりは、アスナの隣に寝転んだリーファその人だ。
「フィリアさん。森林エリアの真ん中あたりに、白い教会があるのは知ってます?」
「うん。知ってる知ってる」
「実はですねー。あの教会、地下に隠し扉が用意されてまして。そこにある秘密の通路が、秘密の妖精牧場に繋がってるんです」
「隠し扉に、秘密の通路……!」
トレジャーハンターとしての血が騒ぐのか、期待と興奮に目を輝かせるフィリアが、リーファの話に食いつく。
「その妖精牧場を管理しているのが、おに――げふん、
「ど、どうなったの……?」
「そんなの……決まってるじゃないですか♪
力づくで牧場に連れ込まれて、ち●ぽとお薬でいーっぱい躾けられて……
特におっぱいは念入りに弄ってもらって……おかげで、今じゃホルスタインよりたくさんミルク出せるようになっちゃったんです♪」
どこか誇らしげにそう語るリーファの瞳には、キリトの肉棒を目にした時のアスナと同じ、本能に忠実な雌の情欲がありありと浮かんでいる。陶然とした笑みを湛え、自らの豊満な胸をさわさわと弄るその様子からは、リーファに行われた苛烈な調教の片鱗が見て取れる。
驚きと興奮に圧倒されて息を呑むフィリアに、アスナはしっとりとした視線を向けた。
「――それでね、フィリア。今度その牧場に潜入して、牧場主のスプリガンを倒してリーファちゃんを助け出すための作戦を立ててるんだけど……協力してもらえない?」
「もちろん! 私の大事な友達を家畜にして、あんな
それで、アスナ。どういう作戦でいくつもりなの?」
強い口調とは裏腹に、フィリアはまるで遠足を来週に控えた小学生のように、実に楽しげな雰囲気を放っている。そんなフィリアを優しく抱き寄せ、アスナは彼女の耳元に唇を寄せる。
「真正面から行くのは危険だから……潜入作戦にしようと思うの」
「具体的には?」
「まず、リーファちゃんの紹介で訪れた搾乳家畜志望者のフリをして、牧場に入り込むの。
そうしたら、リーファちゃんを一発で家畜に堕としちゃった薬物調教が始まると思うから……相手を警戒させないようにその調教メニューを全部こなして、完璧な家畜になるの。
特に、《ALO》のフィリアは牧場主と同じスプリガンでしょ? 同じ種族の子が、おっぱい絞られることと、ち●ぽハメられることしか頭にない雌畜に堕ちたら、相手だってきっと油断するわ」
「いいね、それ。それでそれで?」
「調教が完了して、私達の身も心もキリ――その
「なるほど、完璧! さっすが、《閃光》のアスナの二つ名は伊達じゃないって感じだね」
くすくすと笑みを零しながら、アスナはフィリアと共に『絶対にうまく失敗するための』作戦を立てていく。もし、この作戦がアスナの目論見通りに
「それじゃあ、アスナ。妖精牧場でちゃんと家畜に成れるように、キリトが戻ってきたら、
「うん、そうだね♥ じゃあ、リーファちゃんには、私達のサポートをお願いしてもいい?」
「もっちろんです! 先輩家畜として、手取り足取り、なんでも教えちゃいますからね♥」
ベッドの上で裸を晒した女三人は、互いの肌に緩く触れ合いながら、たった一人の男に溺れてどこまでも堕ちていく為の算段を巡らせる。
心はともかく、体のつながりはVR空間内限定。とはいえ、そう遠くない未来、現実空間でも同じ男の腕の中で、VR空間同様に乱れ悶える事は確定しているのだ。ならばその未来に向け、仮想世界で刺激的なプレイに励み、体を慣らしておくのはむしろ必要なことと言って差し支えない。
身の内をじりじりと焦がす劣情の火を分け与えるように、自身と同じ竿に貫かれた二人の妹の肌へ、アスナは濃密な口づけを落とした。
――そして、十数分後。用事を片付けてVR空間に帰ってきたキリトが、彼女らの