※この作品はR-18です。

おそらくはありふれた究極的なやりかた   作:Hastnr

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 リーファが洗脳されたり、アナルに媚薬大量注入されてボテ腹にされたり、妄想の中で露出したりする話です。
 そこら辺の描写はそんなに濃くないですが、苦手な人は読まない方が良いです。




14-8.(リーファ)

 とある島。とある地下。スポットライトの光だけが照らし出す、ステージの中央。

 黒く染めた革とエナメル素材で作られたボンデージスーツに、スポットライトの光を艶めかせながら、薄紫色の髪の少女が一礼する。

 

「――本日は、スペシャルプログラム『人間廃業ショー』をご覧くださり、誠にありがとうございます。

 本日のショーの司会進行を務めます、ストレアです」

 

 ストレア――どこかバニーガールめいた形状をした彼女のボンデージは、豊満なバストを下から盛り上げ、更にその大きさを際立たせている。ばっくりと開いた背中側は交差する黒紐で編み上げられ、白い肌とのコントラストを演出しつつ緊縛されているような錯覚も生み出す。そして、二の腕半ばから指先までを覆うロンググローブと太股半ばから爪先までを包むロングタイツが、スーツとの間に危険な絶対領域を生み出していた。

 ゆっくりと顔を上げたストレアは、正面に用意された客席(ベッド)に向けて、いつもと同じ朗らかな笑みを向けると、片手でステージの袖を指し示した。

 

「それでは早速、本日のゲストに登場していただきましょー。張り切ってどうぞー!」

 

 ストレアが示す先に、もう一台のスポットライトが光を当てる。ステージと袖を切り分ける幕の内側から出てきたのは、金色の髪をポニーテールに束ねたシルフ族の少女――リーファ。

 いつもと同じシルフィレザーをまとった彼女は、ライトの光を浴びながらステージ中央に歩み出てくる。一歩下がったストレアが場所を空けた所で、リーファはステージ中央に立ち、先程のストレア同様に一礼してみせた。

 

「改めまして……こんにちは、リーファです。

 今日は、あたしの『人間廃業ショー』を見に来てくれて、ありがとうございます」

 

 半円形のステージ――客席がある正面以外を取り囲むように十数台の撮影・中継用ドローンが浮かび上がり、リーファの姿をレンズに捉える。

 ショーの準備が整ったことを確認し、ストレアがリーファの横へと進み出た。

 

「それじゃあリーファ。まずは、リーファがどうして人間やめちゃおうと思ったのか……教えてくれる?」

「はい。まあ、ありきたりな話なんだけど、少し前にあたしの好きな人……ぶっちゃけた話、お兄ちゃん。そのお兄ちゃんに、少し前に彼女さんができたんです。

 それでこの間、その彼女さんに『自分がちんぽ奉仕できない時に、代わりにお相手してくれるお手軽まんこ穴が欲しいんだけど、良さそうな子がいたら紹介して欲しい』って相談されちゃって」

「なるほどー。それで、リーファが立候補したんだ」

「はい。他にも何人か候補はいたんですけど、同じ家に住んでるあたしなら、お兄ちゃんが抜きたくなったら即セックスできるので最適だと思って。

 それで、せっかくならちゃんとした生体ラブドールに生まれ変わろうと思って、人間廃業ショーに応募しちゃいました」

 

 リーファの志望動機を聞いて、ストレアは満足そうに頷く。

 

「さっすがリーファ、お兄ちゃん想いの素敵な決意表明、ありがとう。

 それじゃあ早速だけど……リーファがどんな風になりたいか選んでもらえるかな?」

 

 空中に一枚のコンソールウィンドウを表示したストレアは、それをリーファへと手渡す。

 それと同時に、ステージの背景に仕込まれていた大型モニターが起動し、リーファへ渡されたウィンドウと同じ画面を表示する。そこに映し出されたのは、何十個もの入力項目が設定されたリストだった。

 人間廃業後の肉体の所有権をどうするかという項目に始まり、身体・精神改良の有無など、多種多様な設定が可能になっている。

 

「へー、色々あるんですね……。えーっと、とりあえず【肉体所有権保持者(オーナー)】は『お兄ちゃん』に固定して……色々あって目移りしちゃうなあ」

「焦らないで、ゆっくり選んでいいよ。リーファが自分をどういう風にしたいのか、みんなそれを見るのが好きなんだから」

「ありがとう、ストレア。じゃあ、これと、これと……」

 

 時にはチェックボックスにチェックを入れ、時には詳細なテキストを入力しながら、リーファは自分の末路を決定していく。

 【味覚変化:精液嗜好化】でザーメンを至上の味わいと感じるように舌を改造し、【男尊女卑思考(最大レベル)】、【男根崇拝】、【隷属思考】、【被虐趣味】、【被飼育趣味】、【奉仕主義】で所有者に仕えやすい人格を構成していく。

 一瞬、【爆乳化】項目を選択しかけた所で『これ以上大きくなったら生活できなさそう……』とでも思ったのか、それを選択する代わりに【母乳体質】を選択し、更に『分泌量』を指定するオプションで『最大』を選ぶ。これで乳牛(ホルスタイン)並の母乳を絞れるようになる。

 

「へー、【ふたなり化】なんてあるんだ……。これ選んだら、おちんちん生えちゃうんだよね……?」

「うん、そうそう。おちんちんのサイズとか射精量も選べるよ。ちなみに一番人気は『最小サイズ』で『濃度極薄・最小量』」

「そうなの? こういうのって、大きくてすごい方が人気みたいなイメージあったからちょっと意外」

「基本的に『オーナーさんのでかちんぽと比べられて嗤われたい。もし自分がオスだったとしても絶対に勝てないことを理解させられたい』っていう子向けのオプションだからね。小さい方が人気あるんだよ」

「そんな風に使うんだ……奥深いなあ……。まあ、あたしは遠慮しとこ」

 

 自らの知らない領域に素直に感嘆しつつ、リーファは新たに【露出趣味】を選択する。人前で裸になることを喜ぶ性癖だ。

 そして更に項目を選択しようとした所で、不意に指を止めた。

 

「ねえ、ストレア。この【人格排泄】と【捏造記憶による人格再構成】って、両方選んだらどうなるの?」

「えーっと、ちょっと待ってね。この場合だと……。

 まず、今のリーファの人格と記憶をコピーした『サブ人格』を作って、そっちに捏造記憶を入れて調整するの。

 人格排泄で引っ張りだされるのは今のリーファの人格だけだから、綺麗にまっさらになったリーファの意識にサブ人格が上書きされて、より完璧な性処理人形になれるって感じかな」

「うわっ……それ、面白そう! せっかくだしやってみようっと」

 

 指先を動かし、リーファは【人格排泄】と【捏造記憶による人格再構成】を選択する。

 更に【人格排泄】のオプションとして、『排泄タイプ:アナルパール内封入』、『記憶・感覚・人格維持』、『一方的感覚共有(本体→人格)』『排泄後人格の再加工(オナホール)』を指定。

 もう一方の【捏造記憶による人格再構成】のオプションは、追加したい記憶を詳細に記述できるらしい。スクリーンキーボードを呼び出したリーファは、新たな己に刻み込むべき記憶をキーボードで打ち込んでいく。

 

「えーっと……『初めてお兄ちゃんとセックスしたのは8歳の時』、『お風呂はいつもお兄ちゃんと一緒』、『趣味はAV見ながらオナニーしたり、お兄ちゃんとセックスすること』、『10歳の頃からヌード写真集やDVDをいっぱい発売』……」

 

 己の過去を恥辱と性欲とセックスで彩り、そして濃すぎるほどに濃い白濁色に塗りつぶしていく。

 己を使うオス専用のセックス・ドールであり、幼い頃から男の欲望に満ちた視線を受け続けてきたメスとしての半生を書き上げたリーファは、最後の仕上げとして何個かの項目に追加でチェックを入れてウィンドウを閉じた。

 

「――よーっし、これくらいで十分かな。できたよ、ストレア」

「ありがとう。どれどれ…………うん、項目の抜け漏れも無し。完璧だよ!

 それじゃあ、次は――裸になってくれる? リーファ。

 リーファの人間時代の最後のヌード、みんなにしっかり見てもらわないとね」

 

 ストレアが『裸』と口にした瞬間、ステージの周囲に浮かんでいたドローンが改めてリーファの方を向いた。カメラレンズの近くについたサブランプは『録画中』あるいは『生中継中』を示す赤いランプが煌々と光っていた。

 正面の特等席でリーファの姿を眺めるグループを含め、不特定多数の視線に晒されてることを思い出しながら――リーファは『装備全解除』ボタンを押した。

 

「んっ……♥」

 

 甘やかな吐息と共に、シルフィレザーが光の粒子へと代わりながらストレージに格納されていく。その他の装備も同様だ。

 故に、最後に残されるのは、まっさらなリーファの裸体ただ一つ。

 若さという特権。日頃の鍛錬。そして遺伝子の奇跡が創り上げた、起伏豊かなグラマラスボディ。素顔も秘所も全て曝け出したまま、リーファは無数の視線の前に立つ。

 

「ほーらリーファ、回って回って。みんなにもっとよく見てもらわないと」

「う、うんっ」

 

 ストレアに促されるまま、リーファはその場でくるりと回ってみせる。ブロンドヘアが靡き、カメラから死角になっていた背中とヒップがレンズに記録されていく。

 

「どう? リーファ。世界中にいるたっくさんの人に自分の裸を見られてる気分は?」

「めちゃくちゃ恥ずかしいに決まってるでしょ……。

 ……まあ、でも。これが人生最後って考えると……悪くない、かも」

「そうこなくっちゃ。えっと、あとは……リーファ、ちょっとシステムの調整をしたいから、脚を開いて腰を落としてくれる?」

「オッケー。こんな感じかな……? 

 い、いぇーい、リーファでーす……♥ あたし、今から自分をただの肉便器オナホにしちゃいまーっす……♥」

 

 ステージ正面を向いたまま、リーファは言われるがままにポーズを取る。露わになった秘所と肛門を狙い、一台の小型ドローンがリーファの下側へと潜り込む。秘すべき穴が全て、余すところなく映像に納められ、リアルタイムに世界中に送信されていく。もちろん、その存在に気付かないリーファではない。

 そっと手を下腹部に伸ばしたリーファは、両手で股穴の媚肉を左右に割り開き、ピンク色をした肉襞をカメラに晒す。続けて尻肉を掴み、アヌスがよく見えるように引っ張る。自分の顔と名前と裸、そして隠すべき秘所の全てをインターネットに垂れ流し、不特定多数の視線を浴びる――その快感に酔い、恍惚の溜息を漏らす。愉しんでいる証拠に、こっそりとピースサインを添えて。

 ストレアがシステムの調整を終えたのは、それから十数秒ほどしてからのことだった。同時にリーファの脚の間に潜り込んでいたドローンがするりと移動し、ステージの周囲へと戻っていく。

 

「よーし、準備かんりょー! じゃあ早速、リーファの改造をはじめちゃおう!

 リーファ、両手をばんざーいって感じで上に伸ばしてくれる?」

「はいはーい」

 

 ストレアの指示に従い、リーファが両手を上に伸ばす。

 それを合図に、リーファの周囲に四カ所の穴が開いたかと思うと、そこから四本のロボットアームが飛び出してくる。最初の二本が、百合の花のつぼみのように膨らんだ先端部を開き、リーファの両肘から先を包み込む。そしてしっかりと固定すると、リーファの身体を50センチほど上に引っ張り上げた。

 

「えっ、ちょっ、ストレア!?」

「だいじょうぶだいじょうぶ。リーファはそのままリラックスしてくれてるだけでいいから」

「そ、そういう事なら……」

 

 突然の事にリーファが驚いている間に、下方から潜り込んだもう二本のロボットアームがリーファの両膝から下を包み込んで拘束。

 完全に自由を奪われたリーファは、両腕と両脚をX字に広げたポーズで素っ裸の身体を晒したまま空中に固定されていた。隠れているのは、アームの先端部によって包まれている両肘・両膝から先の部分だけだ。

 身動き取れないリーファの姿を見ながら、ストレアは満足げに頷いた。

 

「よしよし。これで、改造中にリーファがどれだけ動いても大丈夫! 安心して気持ちよくなっていいからね、リーファ」

「そっ、そうなんだ……ありがとう……。あのさ、ちなみになんだけど……この後どうなるかって教えてもらえる?」

「あれ、説明してなかったっけ?

 このあと、リーファに肉体改造用特製アタッチメントと、精神改造用のヘッドセットを付けるでしょ。そしたら、調教用ドラッグカクテルに全身しっかり漬け込んで、内側と外側から完璧なファックドールに改造しちゃうの!」

「へ? それは聞いてな――」

 

 リーファが問い直すより早く、ステージの天井部から音も無く降りてきた透明な管が、ロボットアームごとリーファを内側に格納する。リーファの身体が浮いている部分の直下にある床が変形し、その管を受け止めると、太いロックボルトを自動で締めてしっかりと密閉する。管の上部にある機械製の蓋も同様の動きを見せ、リーファの逃げ場を完全に奪った。

 

『ちょっと、ストレア! ストレ――』

消音(ミュート)システム起動」

 

 四肢の自由を奪われ、更に管の内側に閉じ込められたリーファが何か叫んでいたが、ストレアが音声コマンドを実行した途端に何も聞こえなくなる。

 そんなリーファの様子は気にも留めず、ストレアは正面にある客席(ベッド)に向けて改めて一礼。そして、コンソールウィンドウを呼び出し、機器の操作を始めた。

 

「膣内再調整用ディルドタイプアタッチメント起動。

 腸内開発用ボールタイプアタッチメント起動」

 

 ストレアがソフトキーボードを叩くと、筒の底部から新たなアームが二本持ち上がる。アーム部の形状は今までのモノと同様だが、先端部の形状はそれぞれ異なっている。

 少し先に持ち上がった『膣内再調整用』と思しきアタッチメントの先端部には、『ディルドタイプ』というだけあって明らかに男性器を模したとしか思えないシリコン製の物体がついている。色は、黒。その形状は汎用品とは一線を画す生々しさを携えており、明らかに特定の誰かの男性器が完全に勃起した際の角度、太さ、長さを再現していた。

 

「こちらの膣内用のアタッチメントは、オーナー様のおちんぽ様を模した特製の逸品です。形状に関してはオーナー様の奥様の全面監修を受けております。

 もちろん単なるディルドではなく、アームとアタッチメントを介して、リーファの子宮に特殊な薬品を充填する機能を持っています」

 

 自社のプレゼンを行うスタートアップ企業の広報担当のような口調で、ストレアはアームの機能を解説していく。これでビジネススーツでも着ていたらどこかの企業から送り込まれたプレゼンターにしか見えないが、生憎彼女が着ているのはスーツはスーツでもボンデージスーツだ。

 リーファの雌穴、その数センチ手前にスタンバイしているディルドを片手で指し示しながら、ストレアはプレゼンを続ける。

 

「膣内に埋め込んだまま薬品を流し込むことで、内部形状をオーナー様のおちんぽ様にぴったりフィットするよう改良する事ができます。これにより、オーナー様とのセックスではこれまで以上の強烈な多幸感を得ることが可能になります。

 また、薬品は特殊なナノ遺伝子フィルターを子宮内に構成する効果も持っており、これによりオーナー様の精子でのみ受精・妊娠が可能な肉体に変化することになります。そのため、オーナー様以外の男性には一切の性的魅力を感じなくなります。まあ、女の子は子宮でモノを考える生き物ですから……仕方ないですよね。

 当然、これらの変化は不可逆です。つまりオーナー様に捨てられた時点で、メスオナホとしての存在価値を全て失い、モノとして完全終了するという事になります」

 

 ベッドの上で複数名の女に傅かれ、絡みつかれながら、ストレアとリーファのショーを見物している『オーナー様』。そのオーナー様と、ついでにカメラ越しに見ている観客達に語りかけながら、ストレアはもう一方のアームを操作する。

 遅れて起動した『腸内開発用』の先端部には、ゴルフボール大の透明な球体が十数個、一繋ぎになって真っ直ぐ伸びている。その緊張具合はコントロールできるらしく、今まで斜めの直線を描いていたかと思えば、次の瞬間には先端から緩い放物線を描いて垂れ下がり始めた。

 

「こちらのボールタイプアタッチメントは、膣内用アタッチメント同様、特殊な薬剤を体内に流し込む機能を持っています。

 注入される薬剤には特殊な弛緩剤が含まれており、本来であれば数ヶ月かかるアナル開発を超短時間で可能にします。また排泄機能を排尿に一本化する効能もあるため、最終的に肛門をアナルセックス専用の器官として作り替えます。

 ボールタイプアタッチメント自体にも収縮・膨張・振動・形状変化などの機能が備わっているため、リーファのアナルを徹底的かつ機械的に陵辱し、開発し尽くします」

 

 ステージ背景の大型モニターに、腸内開発用アタッチメントと人体を模した簡易な3Dモデルが映る。アタッチメントはそのまま人体の3Dモデル内に差し込まれ、先端部から薬剤を流し込む――その様子が映像として表示され、ストレアによって解説されていく。

 

「現在のリーファを構成する人格――仮に『メイン人格』としますが、こちらのメイン人格は人間として成長する過程で様々なノイズによる干渉を受けているため、ファックドール用の人格としては不適当であり、無価値です。

 そのため、先程の薬剤に加えもう一つ、人格排泄を促進する効能を持つ薬品も注入します。

 この薬品によってメイン人格を分離・形質変換後、アタッチメント内部に設けられた空洞内に格納して体外に強制排出します。

 その後メイン人格をコピーし、調整を施したサブ人格に切り替えることで――完璧な性処理便器として生まれ変わらせます」

 

 モニターに映った人体の3Dモデル内部から抽出された、人格をイメージしていると思しき何らかの物体が球体内に集められて、そして引き抜かれる。それは言うまでもなく、リーファに待ち受ける末路に他ならない。

 

「器官開発用と人格排泄用。こちらの二種類の薬品を1リットルずつ、計2リットルをリーファに注入します」

 

 無慈悲にそう告げつつ、ストレアはストレージから薬品の入ったカートリッジを一本ずつオブジェクト化する。同時に、ボールタイプアタッチメントに繋がったロボットアーム部分が変形し、カートリッジを差し込む為の開口部(スロット)を二つ開ける。

 リーファが納まる管の中にオブジェクト化された二本のカートリッジは、アーム部にできた二つの開口部(スロット)にがっちりと接続された。

 不幸なことに、その光景はリーファの視界にも入っている。

 今から自らの体内に流し込まれる薬品の量に恐れを成したのか、リーファは唯一自由になる首をぶんぶんと横に振って拒否の意志を示す。開閉する唇の形から察するに『そんな量、入るわけないって!』とでも叫んでいるようだが、その声は誰にも届かない。

 まあ、仮に届いたところで止めてくれる者もいないのだが。

 

「さらに」

 

 ストレアがさらりと付け加えた一言に、リーファがびくりと反応する。その表情に浮かんでいるのは、明らかな怯えの色だ。

 

「オーナー様の奥様より、最高級調教用媚薬・濃縮原液2リットルのカートリッジをご提供いただきました。

 本来なら2000倍に薄めて使用するものですが……今回は贅沢に、原液をそのまま使用したいと思います」

 

 先程オブジェクト化された薬品のカートリッジに比べて、倍は大きいサイズのカートリッジがオブジェクト化され、ロボットアームが新たに用意した開口部に接続される。

 

「また、オーナー様と奥様の共通のご友人の方々からも、同じ品をご提供いただきました」

 

 その言葉の意味を理解した途端、リーファの体が再び震えた。

 

「リーファの親友であるトレジャーハンター様から、2リットル」

 

 大型のカートリッジがオブジェクト化される。

 

「奥様の親友である無敵の剣士様から2リットル」

 

 ずっしりとしたカートリッジがオブジェクト化される。

 

「オーナー様の愛妾であるアイドル姉妹様達から1リットルずつ、合わせて2リットルご提供いただきました」

 

 ハーフサイズのカートリッジと、ハーフサイズのカートリッジが、仲良く揃ってオブジェクト化される。

 淡々と、機械的に、無慈悲に、容赦なく――オブジェクト化された4つのカートリッジが、次々に新たな開口部に接続されていく。

 最終的に、ロボットアームには1リットルタイプのカートリッジが4つ、2リットルタイプのカートリッジが3つ接続された。

 

「薬品も含めた注入予定量の合計は、これでちょうど10リットルですね。

 さすがに量が量ですので、一時的にお腹が大きく膨れてしまいますが……最終的に薬品は全て体内に吸収されるため、()()()元に戻ります。オーナー様の所有物となるモノの商品価値を下げるようなことはありませんので、どうぞご安心ください」

 

 準備を整えたロボットアームが持ち上がる。その様は、さながら鎌首を擡げた毒蛇の如し。

 その光景を見つめながらリーファはぱくぱくと口を開閉させるが、最早そこから声は出ていないのだろう。自らを待ち受ける恥辱と陵辱に恐怖するその姿は、まさに蛇に睨まれたカエルだ。

 

「それでは、消音(ミュート)システム、停止。アタッチメント先端ユニットの形状を、薬液注入モードに設定。

 対象ロックオン」

 

 複数連なったボール状アタッチメント、その先端にある一つの形状が円錐形に変化する。機械特有のスムーズな挙動で持ち上がったロボットアームが、その先端部をリーファのアナルにそっと押し当てる。

 

『ひぅっ!? うそ、やだ、やだあっ!!』

「ふふっ。リーファ、お尻の穴を締めて抵抗しても無駄だよ? この子、そのくらいは簡単に突破しちゃうから。

 それじゃあ……突撃~っ♥」

『ひぐ――!!』

 

 先端が小さく、底面は広く。狭い隙間に潜り込み、そこを押し広げて後続への道を開く事に適した円錐形が、リーファの懸命な抵抗を物ともせずアナルへと押し込まれる。

 

『あっ――くぅううぅうっ!!』

「もう何個か入れるよ-。しっかり固定しとかないといけないからね」

『待って、まっ゛――』

「ごめんねリーファ。それは無理」

 

 先頭がこじ開けた道を通り、球体が後に続いてリーファの肛門へ押し込まれていく。二個、三個、四個――痙攣するリーファの身体にある程度の数が入ったところで、ストレアはロボットアームの前進を止めた。

 もちろん、それはリーファの懇願に心打たれたからではなく、単に次のフェイズを実行する為に他ならない。

 

「これくらい入れれば外れる心配も無いかなー……それじゃあ、薬液注入ルートの固定と貫通を確認」

『やだっ、うそ! やだあっ!!』

「薬液カートリッジ全解放。圧力設定・最大レベルに設定。注入開始から全量注入完了まではオートモードに切り替え設定完了」

『なにこれ、中で動いてる!?』

「チャンバー内に薬液充填」

『――っ!?』

 

 かしゅん、という微かな音と共に、接続されたカートリッジ内から薬液が解放され、ロボットアーム内の導水管へと流れ込んでいく。複数の薬液達が混ざり合いながら辿り着く先は、リーファの尻に突き刺さったまま停止している、アーム先端ユニット内部。

 一繋がりになった透明な球体の内部にダークブルー色をした混合液が完全充填されるまで、ほんの数秒しかかからなかった。

 完全に準備が整ったことを確認したストレアは満足そうに頷くと、コンソールウィンドウを操作した。

 

「アタッチメント先端ユニットの形状を、注入モードに変更。

 ――全量、注入開始」

 

 リーファの中に最初に入った円錐形のアタッチメントが、誰にも見えないリーファの体内でその形を変え、アタッチメントの先端に穴を開ける。

 邪魔なストッパーを失い、進むべき出口を得た大量の薬液は、圧力に押し出されるまま勢いよくリーファの腸内へ流れ込み始めた。

 

『ひやっ! なにこれ、つめた――――――――ひぃ゛っぎぃいい゛いぃい゛いぃいいいいっ!!!』

 

 拘束されたリーファの身体が、びくんっ、と大きく跳ねる。

 その反応の大きさは、アタッチメントを肛門に挿入された時の比では無い。背中を弓なりに反らし、むき出しになった股座をがくがくと揺らすその様は憐憫を覚えるほど滑稽だ。

 

『に゛ゃぁ゛ぁああぁあ゛っ!! ひいっぐ♥ ひ――っっっぃいい゛ぃ゛ぃいいっ♥♥

 おなか、や゛けぇ゛っ、やげるっ――――ぅううぅううぅぅぅぅ!!』

 

 直腸粘膜から吸収された媚薬の薬効成分がリーファの肉体と神経を容赦なく苛む。口の端からぼたぼたと唾液を零しながら、リーファは圧倒的な快感に悶え続ける。

 またそれと同時進行で、リーファの腹部がどんどん膨らんでいく。勢いよく注入される大量の薬液が、その圧倒的な質量によってリーファの肉体を内側から押し広げていく。水道の蛇口に繋がれた水風船のように下腹部が大きく膨らみ、引っ込んでいた臍が圧力に負けて突き出る。人並み以上に大きなバストが、膨らんだ下腹部に乗って押し上げられる。

 

『ひゅぎひぃっ!! ひい゛い゛っ゛!! とめ゛っ、とめてへぇっ!! い゛っ、いっぱい! もう゛いっぱいだかりゃあ゛ぁああっ!!』

「リーファったら遠慮しちゃって。お薬はまだまだあるから大丈夫だよ。

 そうそう、残ってるボールも全部入れちゃうねー」

『む゛り゛っ! むりぃ――いい゛ひいいぃいいいぃっ♥♥』

 

 くすくすと笑いながらストレアがコンソールウィンドウを操作すると、薬液注入の為に静止していたロボットアームが再び動き出し、アタッチメント部を押し込み始める。

 

『おひっ♥おひりぃ゛っ♥♥ お゛っ、お゛ぉおっ♥♥ だめっ♥やだぁあっ♥♥ はいって、こにゃい゛でぇっ♥♥』

 

 アタッチメント部を構成する球体が、ずんっ、ずんっ、と一つ一つ力強く押し込まれる度、リーファはまともに意味を成さない喘ぎ声を吐きながら身体を震わせる。そしてもちろん、その間も薬液の注入は続いている。

 四肢をがっちりと拘束され、尻穴に異物と液体を突っ込まれながら、リーファは大きくなったお腹ごと必死に身体を揺らす。しかしその動きは拘束から脱出する為のものではなく――。

 

『お゛っ♥ おぅ゛っ♥ これ゛、これなんで、なんでえっ!

 ふーっ、ふーぅうっ♥♥ きもぢいぃ、きもちいいのにぃいっ!! に゛ゃんでえぇえっ!??!?』

 

 粘着質な雌汁をだらだらと垂れ流しながらも一切弄ってもらえない雌穴から昇り来る、どうしようもない疼きを鎮めるための動きであることは誰の目にも明らかだった。

 

「リーファ。すごいでしょ、このおクスリ。頭の中がぐっちゃぐちゃで、神経がぜーんぶ焼き切れてぶっ壊れちゃいそうになるのに……おクスリの効果だけだと絶対にイケないように調整されてるの。

 ほらほらがんばってー。もーちょっとで念願のおちんぽ(ディルド)に届くよー」

『ふっ♥ふううっ♥♥ はやく、はや゛く届いてぇええっ♥♥』

 

 今や臨月の妊婦並みに膨らんだ腹を揺らし、たった数センチ先、しかし絶対に届かない彼方にあるディルドを求めてリーファは必死に身体を揺らす。股穴から溢れた愛液が、管の底や側面に飛び散って滴へと変わる。

 そんな哀れな姿に思わずくすくすと笑みを零しながら、ストレアは告げる。

 

「そんなにイキたいの? 本当はこのまま一週間くらい放置して、じっくりじっくりオクスリを染み渡らせてからイかせないと……リーファが完全にぶっ壊れちゃうんだけど……」

『ストレア、すとれ゛あ゛っ!! はやく、はや゛くぅううう!!』

「ま、いっか。どうせ新しい人格と入れ替えちゃうんだもんね。それじゃあ――」

 

 ストレアがコンソールウィンドウを操作すると、ディルドタイプのアタッチメントをつけたロボットアームが動き、リーファの膣穴目掛けて狙いを定める。ディルドの先端が掠っただけでも――いや、吐息を吹きかけられただけでも絶頂しそうな程に興奮し、愛液をだらだらと垂れ流すリーファの穴。

 そこに太いディルドを突っ込みやすくするため、両脚を拘束するアームが動き、リーファの股を更に開かせる。

 

「――バイバイ、リーファ♥」

 

 薄ピンク色をした媚肉が露わになった瞬間――ロボットアームが動き、黒光りするディルドを根元まで一気に押し込んだ。

 

『い゛っ――――』

 

 太いディルドが雌穴を貫き、子宮口を押し上げる。

 待ちに待った強烈な挿入。それを受け止めたリーファの身体は、びくんっ、と一際大きく跳ね――。

 

『――イ゛っ、ぅぐう゛うう゛うううぅううぅう♥♥♥ あ゛ぅぅううううっっっ♥♥ あ゛っ♥いっぐ、い゛っ――っぎゅうぅうううぅうううううっ♥♥♥♥♥』

 

 全身の筋肉をぴんと張り詰めさせたまま、リーファは念願の絶頂を迎えた。

 高濃度の媚薬によって昂らされきっていた雌穴からは大量のイキ潮が噴き出し、リーファを囲む透明な壁にびちゃびちゃとぶつかっていく。

 たった一突きで陥落したリーファに、ストレアは更に容赦の無い責めを加えるべくコンソールを操作し、アナルパールの振動機能を起動させた。

 

『ふぴ――ぃいぃ゛いい゛いぃい゛ぃいい゛ぃいぃい♥♥♥ イグっぅううっ♥♥ いぐ、ごわれり゛ゅぅうう♥♥ おなかのな゛か、ぐちゃぐちょになってイぐいぐイぐうううううぅううううっ♥♥』

 

 絶頂の中に重ねられる絶頂。幾度も痙攣を繰り返す肉体。リーファの瞳孔は散大し、開きっぱなしになった口からは舌が出しっぱなしになり、唾液をぼたぼたと零し続ける。

 

『おっ♥お゛ぉおおっ♥♥ いっぐ♥♥ イっ――っぎゅっぅうう゛ぅうう゛っ♥♥』

 

 透明な管の中で痴態を晒すリーファ。その様子に当てられてか、観客席にいた女達も達する。ある者は男の足に口付けながら。ある者は射精していただいた精液で口の中をいっぱいにしたまま。ある者は乳房を乱暴に揉み拉かれながら。

 興奮し、発情し、絶頂した女特有の気配で満たされた部屋の中でストレアは微笑み――ディルドが接続されたロボットアームに命令を下し、ずんっ、という力強いストロークでリーファの膣奥をもう一度突いた。

 

『――ん゛お゛っほお゛ぉおぉおおぉおおぉおおおおおおおおおっっっ♥♥♥』

 

 絶頂の高みに登り詰めさせられていたリーファの意識が、ほんの少しだけ戻ってくることができそうになったまさにその刹那。ストレアの悪戯によって子宮口を抉られ、リーファは再び獣のような喘ぎ声を上げて高みに登り詰めさせられた。

 

『お゛っぉっお゛ぅっぅうううう゛ううっ♥♥』

 

 全身の痙攣や潮吹きは言うに及ばず。機械と薬品が与える無慈悲で無遠慮な快感に揺さぶられるリーファの意識は、嵐の中に漂う小舟が如し。口から零れる言葉は最早意味を持たず、ただ只管に快楽だけを表した鳴き声になる。

 そうして何度も身体をヒクつかせたあと、ついにリーファはぐったりと脱力した。

 

『お゛っ――おお゛っ……♥♥ くひぃっ……♥♥』

 

 だらりと突き出された舌は戻らず、一切の力を失った肉体は拘束によって吊り下げられたまま、時折痙攣する以外にはなんの反応も示さない。まるで操り手を失った操り人形のように、ただただ空中にその身を投げ出していた。

 リーファが抵抗する力も術も全て失った事を確認し、ストレアは頷く。

 

「よしっ。そろそろいいかなー」

 

 ストレアがコンソールウィンドウを操作すると、リーファを閉じ込める管の天井部分から新たなアームが伸び、リーファの顔にゴーグルのような物体を装着する。細いケーブルが繋がったそのゴーグルは、VRという言葉にまだ『フルダイブ』という枕詞が付かなかった時代に登場したVRデバイスを思わせる。

 

「リーファの意識が真っ白になって、精神のタガが緩んだところで……この洗脳・記憶改竄デバイスを使って頭の中を徹底的に書き換えて、生まれながらの肉便器に作り替えちゃいます。

 まあ、本当ならサブ人格の方だけ改造すればいいんだけど……せっかくだしメイン人格の方も徹底的にぶっ壊しちゃってもいいよね。

 ついでに洗脳中はオクスリ入りザーメンジュースに全身漬け込んじゃって……っと」

 

 ストレアはコンソールを操作し、リーファの記憶改竄を開始する。脳内を直接書き換えるそのやり方は、手法の凶悪さと相反して静かに進んでいく。リーファの脳内で何が起きているかはリーファ以外にはわからず、自らの意識の根幹を成す部分を弄くられる苦しみを――あるいは悦びを――口にするには、今のリーファは消耗しすぎていた。

 

 そして、管の底から湧き上がり出すのは、どろどろに濁りきった大量の精液。言うまでもなく、リーファのオーナーとなる男の精液を複製して作られたものだ。

 何億何兆という精子が獲物を求めて蠢くその白濁液は、ぼこり、ぼこりと泡を吹き出しながら、リーファの四肢を拘束するアームごと彼女の身体を飲み込んでいく。白く美しい肌に、輝くような金色の髪に、そして体中の穴という穴を通って体内の全てに至るまで――オスの精液でしっかりとマーキングし、所有物であることを全身の細胞全てに理解させていく。

 オーナーの所有物であると刻み込んでやる、ストレアなりのサービスである。

 

「おっと、危ない危ない。リーファが溺れちゃわないように……っと」

 

 天井部分から伸びる、新たなアーム。先端部のアタッチメントは、リーファの鼻と口を覆う形状をしており、どこか人工呼吸器のマスクを思わせる。

 実際のそれと決定的に違うのは、口元に繋がるのであろう位置に、リーファがまさに今この瞬間、女性器に咥え込んでいるモノと全く同じ長さと太さと色をした突起物――黒光りするディルドが生えているという点だけだ。

 

「はーいリーファ。リーファの大好きなおちんぽだよー♥ お口開けてー」

「……ぉ゛っ゛……はへっ……♥♥」

「あははっ。これだけアヘ顔してるなら、そのままいれても大丈夫だね」

 

 ディルドの先端が近づいた直後にリーファの口が緩んだのは、快楽によって脱力したためか、条件反射によるものか。どちらにせよ、あるいはそのどちらでなくても構わない程に開きっぱなしになった口の中へ、ストレアはディルドをそっと挿し込む。

 舌は異物を排除するどころか、むしろディルドに傅くように裏筋部分にひれ伏し、喉奥へ素通りさせる。そして、リーファの口と喉は、初めから性交に使うために作られたのではないかと思えるほどの容易さで、ディルドを深々と咥え込んだ。

 マスクがリーファの鼻と口周辺を覆い、空気を送り込み始める。もちろんその空気もただの空気ではなく、オーナーの肉棒・陰嚢の香りに精液臭をミックスし、濃縮した匂いをたっぷり含ませてある。肺の奥底まで主人のものとしてマーキングするためだ。

 

「これでよーしっ!

 それじゃあ、リーファ。洗脳が終わったらまた会おうねー♥」

 

 胸が精液の海の中に沈み、鎖骨が沈み、首が沈み、顔が沈み、頭が沈み――そして、リーファの全てが精液の中に沈む。事前に見ていなければ、管の中にリーファがいることなど誰にもわからないだろう。

 底から蓋の部分までの全てが、一分の隙も無く白い濁りに覆われきった管の隣に立ち、ストレアはカメラドローンの一台に向き直った。

 

「――それでは、皆様。

 リーファがファックドール、肉便器、オナホ、あるいはそれらに類するちんぽご奉仕用の道具に生まれ変わるまで、しばしの間お待ちください。

 なお、ライブ中継をご覧の皆様には特殊な偏光フィルターを通して内部のリーファの映像をご覧いただけるサービスもご用意しております。また、リーファの洗脳・記憶改竄に使用しているセックス映像もAVとしてご覧いただけますので、よろしければそちらをご覧になってお待ちください」

 

 ストレアはカメラに向かって丁寧に一礼し、そのままステージを降りる。

 動く物の無くなったステージの上に残ったのは、白い胴を抱えて中央に屹立する柱と、時折ごぼりと音を立てて泡を揺らす濃厚な精液の音だけだった。

 

 

 


 

 

 

 脳髄の内側に刻み込まれていく、体験したことのない新しい記憶。

 ねじ曲げられていく常識と価値判断。

 そう感じた次の瞬間には、大切な過去の思い出として、あるいは守るべき社会通念として認識してしまう精神(こころ)

 まだ十数年しか生きていないというのに、叩き込まれる情報の総量は優にその数倍以上。それを理解できていても、違和感の欠片すら抱けない。

 白濁液の中に浸かる彼女が抱くのは、ただただ純粋な喜びだけ。ただただ純粋な幸せだけ。

 

 ――自らが書き換えられていく。その感覚は、意外なほど心地よい。

 

(――――あはっ……♥♥)

 

 ごぼり、と響く気泡の音を聞きながら、リーファは一人微笑む。

 視界は何らかの機器によって塞がれ、四肢もまた拘束具のようなもので固定されているらしく自由に動かせない。

 普通なら不安に泣き叫んでいてもおかしくない。リーファがそうせずに済んだのは、口と喉を貫く太い物体――慣れ親しんだ形と太さを持つ――のおかげ。そして全身はもちろん、喉を通って胃の奥底までを満たす、濃厚な精液の味と重さと温かさのおかげだ。

 

(あー……いい匂い……♥♥ お兄ちゃんちんぽしゃぶりながらお兄ちゃんちんぽハメてもらえるなんて、幸せすぎでしょ……♥♥

 あたしだけこんないい思いしてていいのかな……?)

 

 自由に動く舌と口を使って、リーファはディルドにしゃぶりつく。何もしなくても精液は不定期に流し込まれるし、本物の肉棒ではないが、それでも兄のそれを模して作られているのだから礼を尽くすのは当然である。

 ただ一つ解せないことがあるとすれば、今感じている快楽や味などの感覚全てが、まるで絹の薄布一枚で作ったフィルターを通して与えられているかのようにどこかぼんやりとしていることだけだ。

 

(うーん……なんなんだろ、これ。なーんか変な感じ……。

 あーでも、またイっちゃうなあ、これ……。お兄ちゃんちんぽの偽物(おもちゃ)、強すぎでしょ……。ケツ穴に入ってるボールみたいなのも容赦ないし……)

 

 振動と伸縮を繰り返すアナルパールと、不定期に動いては膣内を穿つディルドによって与えられる絶頂に溺れる肉体(からだ)

 それら全ての感覚を、リーファの意識はどこか客観的に眺めている。ほんの一歩か二歩、離れたような場所で。

 

(あー、ダメだねこれ。あたしの身体、イクの我慢しようとしてるけど……無理っぽい。

 そもそも女の子はちんぽに勝てない生き物なんだってのに、なにしてるんだか……。

 ほーら、イーけっ、イーけっ。とっととイけ。ほらイけ、イっちゃえ。

 『全身ザーメン漬けにしていただいてありがとうございます。マゾブタリーファ、全力でイキます』って敗北宣言しながら潮ぶちまけちゃえ、あたし)

 

 自分で自分を煽った直後、リーファの身体がびくり、びくりと二度跳ねる。背中を弓なりに反らせながら噴き出した雌汁と、絶頂に至った雌の鳴き声は、濃密なザーメンの中に溶けて混ざり合っていく。

 

(うっわ、ほんとにイってる……ちんぽに弱すぎでしょ、あたし……。この雑魚ちょろマンコ、何回イってんのよほんと……。

 それとも、お兄ちゃんのちんぽが強すぎるのかな?)

 

 脳内に溢れ出した快楽物質が神経を飽和させ、抵抗力と理性を弱めた直後――洗脳装置から送り込まれた電気信号が、再びリーファの精神と記憶を掻き回していく。

 

(きたきた……♥ はやく、はやくこわして♥ もっといっぱい……あたしのこと、ぐちゃぐちゃにして♥♥)

 

 既に刻み込まれた記憶のフラッシュバックと、新たに叩き込まれる記憶の奔流。主観的な体験と客観的な映像が区別できないほどに混ざり合い、渾然一体の情報濁流と化し、リーファの全てを犯しながら再構築していく。

 

 たとえばそれは、ファーストキスの記憶。

 近所に住んでいるアスナおねえちゃん、お友達のフィリアちゃんと一緒に、お兄ちゃんのぶっといおちんぽにキスをした大事な大事な思い出。大きなおちんぽにファーストキスを捧げる――世界中の女の子に共通する憧れ、それを叶えた日の事は今でもはっきり覚えている。

 もちろん、初めてセックスしたのもその時だ。お兄ちゃんのちんぽは腕よりも大きくて、全部挿入れられる子は誰もいなかった。一番深くまで挿入できたアスナおねえちゃんですら、半分入れるのがやっと。

 けど――それでも皆で必死に頑張って、最後は揃ってマーキング顔面射精してもらえた。次の日は三人揃って学校をお休みしたのもいい思い出だ。

 

 たとえばそれは、初めてのアルバイトの記憶。

 バイト先は、アスナさん――いや、アスナ()()()に紹介してもらった。交通費・制服支給で高時給、ボーナス付きの――高級ストリップクラブでのショーガールのアルバイト。

 バイト先を探していたシノンさんと一緒に――そして、時々はアスナお姉様も一緒に――紳士淑女の皆様方の前で己を晒し、裸を晒し、恥を晒し続けた。

 最初の演目は、いつも名物のポールダンス。冷たいポールに絡みつきながら、娼婦ご用達のセクシーな下着や紐と変わらないマイクロビキニで身体をくねらせる。お客様が集まってきたら、お待ちかねのストリップタイム。もちろん、脱いだ衣装はキスマークを添えて、チップを一番弾んでくれたお客様にプレゼント。

 その後の演目はその日次第。ザーメンジョッキ早飲み対決や、ペニスバンドや両頭ディルドを使ったレズセックスショー。ガニ股公開放尿ショーの披露や、お客様の方にケツを突き出して性器を思いっきり晒す撮影タイム。はしたない言葉をたっぷり歌詞に入れた変態ソングを熱唱したり、私達女の子(メスブタ)は男性様にまんこ穴を捧げるために生まれてきたのだと変態スピーチで高らかに宣言したり。

 そうしてバイトが終わったあとは決まってお兄ちゃんに迎えにきてもらい、そのままシノンさんのお家で仲良くセックスする。いつのまにかそれがみんなのルーティーンになっていった。

 

 たとえばそれは、《ALO》の記憶。

 選んだ種族はシルフ。最も速く空を飛べる種族であり、先の大戦でスプリガン・ウンディーネ連合軍に敗北し、奴隷として支配されている種族だ。

 キャラメイクを終えてログインしてみれば、スタート地点はどこかの暗い地下室に用意された牢屋の中。もちろん初期アイテムは『奴隷の首輪』一つきりで、ほとんど素っ裸と同じ。牢屋の中には同じシルフ族の奴隷・ルクスがいて、奴隷としての振るまい方は全てルクスが教えてくれた。だからお兄ちゃんが地下室に様子を見に来てくれた時も、礼儀正しく裸土下座の体勢でお出迎えすることができたし、忠誠を誓う奴隷口上を噛まずに言い切ることもできた。

 その後も、お兄ちゃんがスプリガン領をうろつく時はいつも同伴させてもらった。もちろんルクスも一緒だし、もちろん素っ裸のまま。街で他のスプリガン男性に出会った時は自分たちがどれだけ愚かでちんぽの事しか頭にない雌豚であるかを強調しながら自己紹介し、人前でもどこでも発情した時はまんこを弄くり、浅ましくお兄ちゃんのちんぽをおねだりした。

 よく躾けられた淫乱な雌奴隷を従え、コレクションする。それがスプリガン男性にとってのステイタスになる事を知っていたから。

 

 たとえばそれは、剣道の記憶。

 『女の剣道は土下座に始まり土下座に終わる』という格言からも分かるとおり、女性の剣道とは『主と定めた殿方に、いかに美しく、華麗に、そして自然に敗北するか』を追求する武道である。

 もちろん、リーファにとって敗北すべき相手は兄である。残念なことに兄は剣道を辞めてしまったが、自宅に道場があるおかげで兄と試合をする機会は確保できている。

 特に最近では、兄の後輩であり同じく剣の道を志すロニエという友人ができたおかげで、自然と試合をする頻度も増えた。

 時に二人がかりで兄に挑んで敗北し、壁尻肉便器として自らを差し出して命乞いをする。時に相手を裏切り、兄への供物として捧げ、オスが強姦を楽しむ手伝いをする。時にその場にいない女達をどうやって陥れ、オナホールにするかを企みながら、兄の肉棒を舐めしゃぶって奉仕する。

 メスとしての礼節を学びながら、己を磨いていく。その日々が楽しくないはずがない。

 

 たとえばそれは、たとえばそれは、たとえばそれは――。

 

 絶頂の度に壊され、犯され、作り直され、それが更なる絶頂を呼ぶ。

 洗脳工程は最早数え切れないほどの回数繰り返され、リーファを徹底的に作り替えていく。 

 幾度も、幾度も、幾度も。繰り返し、繰り返し、繰り返し。

 

 新しく、穢れなき、そして完璧な――肉便器(リーファ)を創り上げるという崇高な目標を叶えるために。






続く
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