※この作品はR-18です。

おそらくはありふれた究極的なやりかた   作:Hastnr

8 / 39
05-1.Hollow Delusion (フィリア・シノン)


 

 ――その話をフィリアが持ちかけてきたのは、特にいつもと変わらぬ水曜の夜。

 《GGO》に大型アップデートが入り、雪原フィールドが実装される数週間前の事だった。

 

「……曜日限定の新ダンジョン?」

「そうそう」

 

 キリトのプライベートVR空間の一角に設けられた、汎用型のベッドルーム。窓から差し込む満月の光が、夜の昏さを中和して作り出す心地よい薄闇に包まれたその部屋の中には、当然だがベッドが存在する。

 体重をしっかりと受け止める分厚いクッションと、その上に敷かれた滑らかなシーツ。遡ること600秒ほど前まで行われていた行為の残滓を受け止めたシーツの上には、薄灰色の痕跡がいくつも染み込んでいる。

 『純白』という言葉をシーツから奪った首魁――キリトは、ベッドの上に仰向けに寝転びながら再び口を開いた。

 

「《GGO》にデカいアップデートが入ったなんて話は聞かなかったけど、いつのまにそんなのが実装されてたんだ……?」

「それがね、キリト。……どうも『実装された』わけじゃなくて、『元々あった』みたいなの」

「……? どういうことなんだ、フィリア?」

 

 小さなクッションと、そこに乗ったキリトの右腕をまるごと枕にしながら寝転ぶ少女――フィリアの視線が、怪訝な顔をするキリトの瞳とぶつかる。

 外ハネの癖っ毛が可愛らしい薄小麦色の髪と、透き通る碧緑色の瞳が特徴的なそのアバターは、フィリアが《GGO》で使用しているものだ。ぱっと見ただけでは《SA:O》のアバターと大きな差は無いが、《GGO》仕様の方が僅かに瞳の色が濃い。こうして至近距離で見つめる事ができれば、その差異に気づくことは可能だろう。

 尤も、吐息が混じり合う程に近い距離でフィリアと見つめ合う事を許される者は少ない。ましてやそれが男性ともなれば、そんな権利を持つ者はこの世にたった一人しかいないのだが。

 

「キリト。ジャンクヤードエリアの端の方に、ジャンプするクジラみたいな形をした宇宙船の残骸があるのは知ってる?」

「クジラ……? ……ああ。あの、艦首が地面から斜めに突き出てるでかいやつか」

「当たり。よくわかったね、キリト」

「なんとなく思ったんだよ。フィリアなら、あの残骸をそう言うかも……って」

「えへへ……。なんだか、嬉しいなあ」

 

 満面の笑みを見せるフィリア。視線ともどもキリトの方へと向けたその体を包むのは、男女の秘め事の余韻を除いた他は何も無い。

 交わりの熱冷めやらぬフィリアの肌と、そこから立ち上る雌の香りがキリトの本能を刺激し、そしてその中に入り交じる雄の精臭が支配欲を満たす。

 この部屋に来てからそれなりに時間が経っているが、精を放ったのはわずか七回ほど。今すぐにでも彼女に襲いかかって続きに取り掛かってもいいのだが――月明かりが照らす薄闇の中、こうしてただ寄り添い寝転ぶ時間の心地よさは、キリトの内なる獣性を抑える理由としては十分だった。

 

「それでね、キリト。この前、その残骸の近くで、メタルグランドワームとプレイヤーが戦ったみたいなの」

「メタルグランドワームって言ったら……地面を掘って進んでくる中型Mobだよな。……まさか、ワームが宇宙船の壁に穴を開けたとか?」

「それがね……どうも違うみたいなの。

 噂だと、逃げ回るワームにキレたプレイヤーが、ワームが掘った穴に手持ちのグレネード弾をありったけ叩き込んだらしくて……その爆発で地面がえぐれて、土の中に埋まってた入口の扉が出てきたんだって」

 

 ほうほうと頷きながらフィリアの話を聞くキリトの脳内に、一瞬、髪留め代わりにナックルガード一体型ナイフを刺した小柄なグレネーダーの姿が浮かび上がる。

 益体もない発想を振り払うため、髪をかきあげでもしたいところだが、生憎と両腕は共に動かせない状態にある。頭を軽く振ることで代用としたあと、キリトは改めてフィリアの方を向いた。

 

「で、その扉の向こうにあるのが……曜日限定の新ダンジョンってわけか」

「その通り。調べた限り、日本時間の金曜日になると扉が開いて、それ以外の日は何をしても開かないんだって」

「……もし、金曜の23時59分に突入して、そのまま土曜日になったらどうなるんだ?」

「それ、もう試した人がいるみたい。0時になると同時に、外へ強制転移させられたんだって」

「おおう、そんな仕掛けまであるのか。いよいよもってただの残骸とは思えなくなってきたな……」

「でしょ? 私の勘がね、あの宇宙船の残骸にはきっとものすっごいお宝が眠っているに違いないって言ってるの!

 だからね、キリト。明後日の夜、《GGO》でトレジャーハントに協力してくれない?」

 

 興奮に目を輝かせたフィリアが、両腕を支えにして上半身を起こす。

 一端のトレジャーハンターの顔つきをしたフィリアの碧緑色の瞳は、『もちろんだ』と快く首を縦に振るキリトを捉えたあと、そのままキリトの左腕方向へ視線を滑らせた。

 

「シノンも、よかったら一緒にどう? 《GGO》の事なら、やっぱりシノンが一番頼りになるし」

「――そうね」

 

 少しばかり高い位置にあるフィリアの視線が見下ろす先。キリトの左腕を枕代わりに寝転びながら文庫本のページを捲っていた《氷の狙撃手》――もといシノンは、個人ストレージに本をしまいこみ、フィリアへと視線を合わせた。

 今のシノンが、フィリア同様に一糸まとわぬ姿であることは言うまでもないだろう。白い肌の上に浮かぶ幾筋かの汗と、首筋と胸元、そして下腹部に残るキスマークへ無意識に指先を這わせるその姿は、彼女もまた先程までの行為に加わっていたことを如実に示していた。

 

「新しいダンジョンには興味あるし、喜んで協力させてもらうわ。フィリア。

 ……でも、そうね。私とヘカートⅡを駆り出すっていうなら、タダってわけにはいかないかな」

「じゃ、じゃあ、獲得したドロップ品と、お宝の金額分を山分けで……」

「大丈夫よ、フィリアから弾丸一発分だって取る気は無いから。……ねぇ、キリト?」

 

 氷のように透き通ったターコイズブルーの瞳が、何かを期待するような雰囲気と共にキリトを見つめる。

 

「…………銀座でケーキがご所望でしょうか。《GGO》最強のスナイパー様」

「気持ちだけ受け取っておくわ。ユウキのドローンやサーバのパーツ代で、今月厳しいんでしょ?」

「なっ……!? ドローンはともかく、パーツの件は誰にも言ってないと思うんだけど……一体どこからその情報を……?」

「この間、ユイちゃんが『パパがSSDとHDDを増設してくれたおかげでミラーリングが捗ります! UPSも最新の物に切り替わったのでますます安心です!』ってはしゃいでたのよ。

 システム的なことはよくわからないけど、ここに関わるパーツってことは……安い買い物じゃないんでしょ」

 

 シノンの言う通り、実際安い買い物ではなかった。サーバの性能向上と保守に取り掛かる度に高確率で発生する、ゼロが4つつくレベルの出費は、ごく普通の学生であるキリトにとっては中々に厳しい。それに見合う収入源は無くもないが、死んだはずのあの男とその関連機関の被検体(モルモット)になる回数はあまり増やしたくない。

 眉根を寄せたまま、なんとも気まずそうに頷くキリトの様子に、シノンはくすくすと笑みを零した。

 

「あのお店のケーキはすごく美味しかったけど、お財布には優しくないものね……。

 代わりと言ってはなんだけど……次の『SJ』、私の相棒として一緒に出てくれるだけでいいわ」

「『SJ』? 『BoB』じゃなくて?」

「そ。もし、第三回『BoB』優勝者タッグ兼『HSGC』初代優勝者チームが、『SJ』まで制覇したら……とっても面白いと思わない?」

「――それは確かに、面白そうだ」

「じゃあ決まりね。契約料は……これで、ね」

 

 そう言ってシノンは両腕をキリトの首に回し、上から覆いかぶさるようにして有無を言わさず男の唇を奪う。今日何度目となるかわからない口づけの主導権をシノンに握らせたまま、キリトは空いてしまった手を彼女の腰に回し、シノンがキスしやすいようにそっと支える。

 

「ん……もっと、ぎゅっとして……♥」

 

 シノンは裸身をぴったりと密着させ、唇と唇の間から水音が溢れる程に情熱的な口づけを貪る。舌を絡ませ、口内全てを愛しい男に捧げるその振る舞いを見て、《氷の狙撃手》と呼ばれるスナイパーと彼女が同一人物であると理解できる人間がどれほど居ようか。

 普段のクールな雰囲気とはかけ離れた彼女の背中――より正確に言うなら、今まさにキリトの手が伸びている、腰と尻の境目よりほんの少しだけ上のエリアには、蜘蛛の巣に絡め取られた蝶を思わせる大ぶりのタトゥーが、黒黒した色で彫り込まれている。

 ――ただ、遠目に見ただけでは気づけないだろう。その蝶の羽が、曲線的に戯画化された弓を組み合わせたデザインで構成されている事も。そして、蝶を囚える蜘蛛の巣、その糸の中に、まるで遥か彼方の銀河系を描いたSF映画に出てくるような細身の剣が一振りだけ描かれている事も。

 《GGO》など、アバターのパラメータを書き換えることでタトゥーを入れられるゲームは珍しくない。ただし、この空間に実装されているのは、既存のアバターの肌の上にタトゥーのグラフィックを描画しているというだけの単純なものだ。

 当然、元になっているアバターデータを変更しているわけではないため、ここで入れたタトゥーを他のVRMMOに引き継ぐことはできないが――それが逆に気軽さとなり、日替わりでタトゥーを入れたり、デザインを別のものに変更したり、あるいは消したりするのも今では珍しい光景では無くなっている。

 そしてその描画システムは、また別の形でも役立っていた。

 

「――ねえ、キリト。見て見て」

 

 ベッドの上にぺたりと座り込んだフィリアがキリトの名を呼んだのは、口づけをたっぷりと堪能したシノンが元の位置に戻るのとほぼ同じタイミングだった。

 

「これね。この間、《GGO》でドロップした『アファシス』用の防具なんだけど……」

 

 空中に呼び出したアイテムウィンドウをフィリアが操作すれば、聞き慣れた装備アイテムオブジェクト化SEが響く。直後、フィリアの爪先に光の粒子が集まり出す。その粒子が、爪先から頭部方向へ駆け上っていくのと同じタイミングで、フィリアの体が徐々に装備をまとっていく。

 夜の薄闇とは一線を画す深い黒色をした、エナメルやラテックスを思わせる質感の素材が、フィリアのボディラインをナノ単位の精度でトレース。一分の空きもなくぴたりと貼り付きながら、彼女の爪先から首元までを隙間なく覆っていく。

 つやつやとした特殊素材が淡い月明かりを照り返して造る独特な光沢、そして陰が、フィリアの起伏豊かなスタイルを強調する。ある意味では裸よりもエロティックな姿となったフィリア。その黒いボディスーツの脚や太腿の一部、肩や手の甲などに、ダークイエローの追加装甲が展開される。

 

「…‥どう? こっちだと、アファシスじゃなくても装備できるんだよ」

 

 首から上以外の全てを黒とダークイエローのボディスーツで覆い、とろりとした笑みを浮かべるフィリアの姿があまりに扇情的で、キリトは思わず生唾を呑んでいた。

 《GGO》がVRMMOである以上、ステータスなどの諸条件によってアイテム装備の可否が発生するのは当然だ。しかし、この空間に於いては、元データのグラフィックと接触や質感判定などの一部を流用し、アイテムとして出力しているだけだ。ステータスやその他諸データを参照し、装備可否を判定するという仕組みそのものが存在しない。アファシス用の装備をフィリアが使用できるのも、タトゥー同様に描画システムの恩恵だった。

 

「ほら、触ってみて。キリト。すべすべしてて、とっても気持ちいいよ……♥」

「ほう……それじゃあ、遠慮なく」

 

 獲物を前にした女豹のように、四つん這いの姿勢でキリトの側へと身体を寄せながら、フィリアは声と視線で雄を誘惑する。興味深げな視線をフィリアに向けるシノンに左腕を預けたまま、キリトは右腕を伸ばし、手のひらをフィリアの頬へ優しく触れさせた。

 

「確かに、気持ちいいな」

「もう。そっちじゃないよー、キリト」

「おっと、そうだったか。でも、こっちもすべすべしてて気持ちいいよ、フィリア」

「そう? じゃあ、もうちょっとだけね……♥」

 

 言葉の上では怒ってみせつつも、フィリアは頬に触れる手を引き剥がそうとはしない。むしろ、飼い主に甘える猫のようにそっと身をくねらせ、撫でられやすい態勢を作る。

 実際、フィリアのすべすべもちもちとした肌は手触りが実によい。《ザ・シード》規格が持つMob行動制御処理やNPC内部制御処理をほぼ全て封印する事で浮いた処理リソースを、髪の毛や肌の接触感覚処理につぎ込んで大幅なグレードアップを行った甲斐もあろうというもの。代償としてNPCをこの空間内に展開できなくはなったが、この感触とフィリア達の笑顔に比べたら安いものだ。

 

「なんだか、こうしてると……フィリアが俺の『アファシス』になったみたいに思えてくるな」

「本当? 確かキリトって、まだアファシス手に入れてないんだっけ……。 

 ――じゃあ、せっかくだし。今だけ、私がキリトのアファシスになってあげようか?」

「お願いします、ぜひ」

 

 《GGO》における最新アップデートの一つ・プレイヤーサポートAI『アファシス』。それをあと一歩の所で手に入れ損ねた例の件が、未だに尾を引いているキリトにとって、フィリアのその提案は魅力的に過ぎた。一も二もなく即答したとして、誰にか彼を責められようか。

 

「ふふっ。それじゃあ……キリト専用サポートユニット・アファシス。個体名『フィリア』。

 不束者ですがどうぞ末永くよろしくお願いします、キリト……ううん、ご(・)主(・)人(・)様(・)♥」

「よろしくな、フィリア。早速だけど……所有者認証(アクティベート)、いいかな?」

「もちろん。喜んで」

 

 本物のアファシスのように振る舞いながら、フィリアはそのまま体を近づけ、キリトと唇を重ねる。

 

「ふふっ……♥」

 

 キスを通じて伝わる、フィリアの柔らかな唇の感触。触れる肌を通して伝わる、フィリアが纏うボディスーツの滑らかな感触。体全体をキリトに擦り付けるようにしながら、浅く軽いキスの雨を降らせ、異なる『すべすべ』の感触を使ってキリトに奉仕する。

 興奮した心臓が百度脈打つ程の間、口づけは幾度となく交わされ――キリトの口の周りを己の唾液でべとべとにしたあと、フィリアはようやく唇と唇の間に距離を作った。ボディスーツで覆った身体だけは、しっかりと密着させたままで。

 

「――ね。すべすべしてて、気持ちいいでしょ。キリト。

 私もね、キリトの体にぴとーってくっついてると……ドキドキして、すごく気持ちいいんだよ♥」

 

 キリトの体に擦り寄ったまま、フィリアは視線を横へと動かし、同じ男の、違う腕に絡みつく女の瞳をじっと見つめた。

 

「ところで。キリトの”相棒”さん?」

「何かしら。キリトの”アファシス”さん?」

 

 ターコイズブルーの瞳が、碧緑色の瞳をじっと見つめ返す。

 片や、無防備な獲物をスコープに捉えたときのような。片や、お宝のある部屋に仕掛けられたトラップを解除した時のような。期待と興奮を隠しきれない笑みを浮かべた二人の女――あるいは、二匹の雌は、キリトの体を左右から挟み込み、その腕に自らの体を絡め取らせたまま、しっとりと言葉を交わす。

 

「せっかくキリトのアファシスになったんだし、今日はちょっと趣向を変えて……。

 これでご(・)主(・)人(・)様(・)を気持ちよ~くしてあげようかなって思うんだけど……シノンも協力してくれる?」

 

 そう言って、ストレージウインドウを操作したフィリアは、二つのアイテムをシノンの手元に直接オブジェクト化する。

 妙に粘度と透明度の高い何らかの液体が入ったプラスチックボトル、そして軟質素材で作られた思しき透明の円筒を受け取ったシノンは、少しばかり高い位置に掲げてしげしげと眺める。直後、サブウインドウが展開され、シノンが手にしたアイテムの名前が表示された。

 『ごっくんできちゃうラブローション』と『非貫通型オナホール(カスタムタイプ・スケルトンカラー)』という、実にありきたりな名前が。

 

「悪くないアイデアね……あなたのご(・)主(・)人(・)様(・)も嫌がって無さそうだし、さっそくやっちゃいましょう。フィリア」

「あ……一応、キリトにお伺いを立てておいたほうがいいかな……?」

「大丈夫でしょ。あっちはさっきからずっと、臨戦態勢みたいだから」

 

 二人の視線は一瞬だけキリトの雄の象徴へと向き、その後にキリトの方へと向けられた。

 好きにしてくれ、という意思を込めつつ、キリトが左右の手で彼女らの背中をぽんぽんと叩いてやれば、光沢質素材を纏うアファシスと一糸まとわぬ姿の相棒は、揃ってにたりと笑ってみせた。

 

「それじゃあ、フィリア……はい、あーん」

「あーんっ」

 

 首を傾けて上を向いたフィリアは、シノンに促されるまま口を大きく開ける。プラスチックボトルの蓋を開けたシノンは、先端部をフィリアの口内に充てがうと、ボトルをぎゅっと握りつぶすようにして中身をフィリアの口の中へと注ぎ込んだ。

 ねっとりとしたローションをボトルの半分ほど流し込んだ所で、シノンはボトルを放り捨てる。持ち主の手を離れたボトルが発光エフェクトを伴いながら消滅する光景を横目に見ながら、フィリアは口を閉じ、そのままもごもごと舌を蠢かす。

 

『こうやってローションをお口の中で温めながら、唾液と一緒に撹拌してあげて……っと』

「手伝うわよ、フィリア」

『ほんと? じゃあ、お願いね。シノン』

 

 合成音声システムで作られたフィリアの声と会話しながら、シノンは両手を伸ばしてフィリアを抱き寄せ、そのまま彼女の唇を奪う。

 瞼を閉じて口づけを交わす乙女達の横顔が、ちょうどキリトの真正面に来る位置に陣取り、シノンは唇を薄く開く。そこを通って流れ込み始めたローションがシノンの口内を覆うより早く、するりと滑り込んだフィリアの舌先が、宝を探すハンターのようにシノンの口の中で動き回り始めた。

 

『ふふふっ。シノンの口の中、あったかい…‥あ、ここちょっとだけキリトの味がして、おいし』

『そういうフィリアの舌も、結構美味しいわよ。このまま食べちゃいたいくらい』

 

 粘つくローションを互いの口内で行き来させながら、シノンとフィリアは唇を密着させたまま舌を絡め合う。合成音声システムを使って会話しつつ、時折見せる微かな所作だけでキリトを挑発しながら、たっぷりの唾液とわずかな空気をローションに含ませてより上質な粘液へと育てていく。

 ぐちゅぐちゅと鳴る粘ついた水音を唇の端から溢しながら、シノンは一層強くフィリアを抱き寄せると、誘い込んだ彼女の舌へ自らの舌を這わす。舌先を軽く上下させて先端を刺激し、舌を捻るようにして奥へと引き込む。うねらせた舌の裏面でフィリアの舌をねぶりながら、口蓋に舌の表面を押し当ててたっぷりと唾液を溢れさせていく。

 

『シノンのキス、っていうか、舌フェラ? すっごくえっちい……♥』

『フィリアのお褒めに預かるなんて光栄ね。

 ま、それもこれも全部、あなたのご主人様にたっぷり仕込んでもらった賜物なんだけど――ね、キリト?』

 

 フィリアとキスを続けたまま、シノンは片方の瞼を上げると、己に舌技を仕込んだ主犯格である黒髪の男をじっと見つめる。怜悧な、しかして揶揄100%の視線に射抜かれたキリトが苦笑していると、合成音声システムから再びシノンの声が流れ出した。

 

『とぼけた顔しちゃって。《GGO》で私と模擬戦(トレーニング)する度、こっちでたっぷり拷問(オシオキ)してくれたの……忘れたとは言わせないわよ』

「え? いや、さすがに拷問までした覚えは無いぞ……シノン」

『いいえ、したわよ。言い逃れが出来ないレベルのを、何回も、何回も……』

「……差し支えなければ、内容を聞いても?」

『決まってるじゃない。汗まみれですっごい雄臭くなったあなたの勃起ち●ぽを私の目の前に突き出しておきながら、キスも頬擦りも禁止して、ニオイだけでお預けさせるなんていう……酷い拷問よ』

『うっわあ……キリトのチ●ポが目の前にあるのに、ペットみたいに我慢させられるなんて……♥ キリト、ひどすぎるよ……♥ そんな事されてマトモでいられる子なんて、私達の中にいるわけないのに……♥』

 

 シノン同様に片瞼を上げたフィリアが、キリトを横目でじっと見つめる。言葉の上でこそ詰りながらも、その視線には主人に媚びる雌の色がありありと浮かぶ。

 無論それは、唇を重ね、舌を絡め合いながら粘液をやりとりするもう一匹の雌も同様に。

 

『この人、「シノンがちゃんとお(・)ね(・)だ(・)り(・)できるまではお預けだぞ」って言うから……私、頑張っておねだりしたのよ?

 裸になって、頭がブッ飛んじゃう危ないおクスリいっぱい飲んで、餌を待つ犬みたいに大きく開けた口から精一杯舌を突き出して……なのにキリトったら、「よし」って言ってくれるまで12秒もかかったのよ?』

『そんなにお預けさせられたの? キリト、やっぱりひどすぎ……♥ 私だったら途中で絶対泣いちゃうよ♥』

『ひどい話でしょう? だから……今日はたっぷり、キリトにお(・)返(・)し(・)してあげましょ』

 

 口内のローションを唾液ごとフィリアの口の中に押し戻したあと、シノンはようやく唇を離れさせる。そうして、口と口の間に掛かった粘液の橋が千切れ落ちるのを待ち、フィリアの口元にオナホールを差し出す。

 狭い開口部へ両側から指を差し入れ、入り口を広げたシリコン製の筒を真上に向けたまま、シノンはこくりと頷いてフィリアを促した。

 

「いいわよ、フィリア」

『はーい』

 

 キリトに見せつけるようにゆっくりと口を開けたフィリアは、中に溜まったローションを最後に一混ぜすると、そのまま顔を下へ傾けた。

 重力演算に従ったローションがフィリアの口から溢れ落ち、細い滝のように連なりながらオナホール内部へと注ぎ込まれていく。シノンとフィリアが丹念に作り上げた粘液は、オナホールそれ自体に搭載された漏斗めいた機能によって、一滴たりとも無駄になることはない。

 やがて、ねっとりと滑り込んだローションがホールの奥の奥までを満たしきる。その底面を掌でとんとんと軽く叩き、隅々まで行き渡ったことを確認したシノンは、キリトの胸板の上に頬を寄せるようにして身体を倒した。

 

「キリト……」

 

 獲物を手に掛ける直前の狩猟動物を思わせる、獰猛な視線がキリトの瞳を間近で射抜く。ごく自然な所作でキリトの左腕を絡め取り封じる動きと共に。

 無論、彼の瞳を狙う視線の主はシノン一人だけに非ず。宝箱に仕掛けられた罠を解除し終えた時のような、期待と興奮に満ちたハンターの視線が、キリトを至近より貫く。

 

「キーリトっ♥」

 

 口の中をすっかり空にしたフィリアも、シノンと同様にうつ伏せに寝転び、キリトの体と己の体を密着させる。

 右腕をフィリアの柔らかな肢体に、左腕をシノンの靭やかな肢体に封じられているとあっては、さしもの《二刀流》にも打つ手がない。無論、膂力(STR)という武器を用いれば、彼女らの体を跳ね除けることは可能だが――雄の本能を左右から刺激する、柔らかにして滑らかなバストの感触を力づくで振りほどく理由がどこにあるというのだろうか。

 

「ねえ、キリト。今から私とシノンに、どんなことをされちゃうと思う?」

「優秀なアファシスであるフィリアが正義の心に目覚めて俺を解放してくれると思う」

「残念だけど、はっずれー。正解は……シノンをいじめた罰として、キリトにはこのオナホールを使ってもらいまーす♪」

 

 朗らかな微笑みと共に主人の訴えを却下したフィリアが伸ばす片腕の先にあるのは、先程ローションを注ぎ込んだばかりのオナホール。シノンの左手とフィリアの右手によって左右から支えられたオナホールは、キリトの下腹部で屹立する逸物の真上まで運ばれたあと、開口部が下に向くようにくるりと縦回転させられた。中身が溢れてこないのもホールに搭載された機能の賜物である。

 諸々の準備が整ってしまったことを理解したキリトが、諦めと共にフィリアから目を逸らすと、反対側にいるシノンと自然に目が合った。

 

「キリト。あなたがこんなお(・)も(・)ち(・)ゃ(・)で気持ちよくなっちゃう時の顔……特等席でじっくり見ててあげるわね」

「見逃してくれたり……は……?」

「するわけないでしょ。私、一度狙った獲物は逃さない主義だから」

 

 氷の冷徹さを以て言ってのけたあと、シノンは、そしてフィリアは、息ぴったりの動作でオナホールの開口部を肉棒の先端に充てがうと、そのまま真下へと降ろす。

 亀頭によってみちみちと押し拡げられた開口部は、どうにかこうにか逸物を受け入れることに成功した。柔らかなシリコン素材で作られたホールは、シノンとフィリアの手によって少しずつ押し下げられ、ぐちゅりと音を立てて太い肉槍を呑み込んでいく。

 

「う、おあっ……!」

 

 フィリアとシノンの口内で温められ、ねっとりと熟成されたローションに包み込まれながら、素材の感触と内側に刻まれた特殊形状から伝わる独特の感触が、女体を貪る時とはまた異なる快感となってキリトを襲う。

 ホールを動かすリズムやペースはもちろん、今や生殺与奪すらも思うがままにしながら、シノンとフィリアは妖しく微笑む。

 

「いい顔ね、キリト……。なんだか、私までゾクゾクしちゃう。

 ほんのちょっと前まで、自分の腕の中であんあん啼かせてた女二人に捕まえられて……一方的に弄ばれてるっていうのに、ね」

「そんなにこのオナホが気持ちいいの、キリト? なんだか、浮気されてるみたいで複雑……ねえ、シノン?」

「ええ、そうね。キリトの事を好きでもなんでもない、ただのおもちゃにしこしこされて、こんなにち●ぽを固くしちゃうなんて……変態ね」

 

 耳元に注がれる甘い声音と、熱の籠もった吐息。腕に伝わる、柔肌と光沢素材の感触。媚びるように太腿に擦り付けられる雌の秘裂と、蔦のように絡みつく細い脚。優しく、されど容赦のない悦楽をキリトの左右から浴びせかけながら、シノンとフィリアは透明なアダルトグッズを上下させ続ける。

 男のツボを心得たかのように緩急のついた上下運動に焦らされながらも、気丈に我慢しつづけるキリト。その耳朶や首筋にシノンが甘く噛みついてじゃれついている間に、フィリアも右耳へ唇を寄せる。

 

「ねえ、キリト。キリトも……やっぱり、一人でこういう事してるの?」

「そりゃあ……まあ、俺も若くて健全な男ですから……。さすがにこういう……道具を使ったことは無いけどさ」

「ふぅん、やっぱりそうなんだ」

「そういうフィリアこそ…………いや、なんでもない。忘れてくれ」

「残念でした。キリトのアファシスはとっても優秀なので、忘れてあげませーん♪」

 

 場の勢いと流れで、女子に気軽に聞くべきではない内容を口にしたことに気づいたキリトだったが、取り繕おうにも時既に遅し。

 言わんとしたことをフィリアにしっかりと聞き咎められ、『デリカシー無さすぎだよ、キリト』というお小言でも頂戴するかと覚悟したキリトだったが――意外なことにそうはならなかった。

 

「……まあ。……私もね、若くて健全な女の子……だし?」

 

 若干の躊躇いと共に放たれた、オウム返しのようなその言葉が意味する所は一つしかない。蜂蜜に砂糖を溶かし込んだ甘い囁きでキリトの鼓膜を喜ばせつつ、ホールを動かすフィリアの手が止まることはない。

 

「ほら、私って一人暮らしでしょ? リアルの部屋で、一人でシてるとね……どうしても、キリトのことばっかり妄想しちゃうんだ」

「お、俺の事を? ……ちなみに、どんな内容なんだ?」

「色々だよ。《SAO》でホロウ・エリアから助け出してもらった後みたいに、キリトが私の隣で添い寝してくれる……とか。

 でも、一番多いのは……キリトにね、ひ(・)ど(・)い(・)こ(・)と(・)されちゃう感じの妄想かな」

 

 ゾクリとするほどに官能的な声が、フィリアの唇から零れ落ちる。寄り添い奉仕する全身と共に、声や言の葉すらも雄を魅了する為の道具として使うその様からは、ホロウ・エリアで初めて彼女と出会った時に感じた張り詰めた痛々しさは微塵も感じられない。

 

「たとえばね、デート中のキリトとアスナに、私の部屋をラブホ代わりに使われちゃったりする妄想とか。

 私のベッドの上で、二人がいちゃいちゃエッチしてるところをた~っぷり見せつけられながら、お風呂の用意をさせられたり、時々お掃除フェラを許してもらったり……みたいな」

「……言い訳できる余地が一切ないレベルで最低だな、俺」

「しょうがないよ。だって、私の妄想上のキリトだもん。

 それにほら、実際はラブホ代わりにするどころか、あんまり遊びにも来てくれないし。たぶん、シノンの方もそんな感じでしょ?」

「ええ、フィリアの言う通りね。たまにバイクで送ってくれる時だって、部屋の前まではエスコートしてくれるけど……拍子抜けするくらい簡単に帰っちゃうのよね、この人。

 我慢強いと言うか、義理堅いというか……」

 

 左右からちくりちくりとお小言を突き刺されながら、キリトは曖昧な苦笑いを浮かべる。

 年頃の、しかも一人で暮らしているような女性の部屋に気安く上がらない程度の常識、そして自制心は、キリトだって持ち合わせている。よしんば部屋に上がったからといって、即座に理性が吹き飛んで獣になるような事は無いとはいえ――『間違い』というのはいつ起こるかわからない。

 彼女らと末永く人生を共にしていく為にも、責任を取れない若輩の間は、現実空間で己に掛ける理性の枷を固くしておくに越したことはない。たとえ、キリトの決意をわかった上でからかいのネタにしてくる女性が両隣にいるとしてもだ。

 

「他にもね、キリト。いっぱい、妄想したんだよ……♥ 

 危険日なのに、たまたま近くまで来たからって理由だけで……キリトにお遊び感覚で種付けセックスされちゃうのとか♥

 公園の男子トイレに連れ込まれて、キリト専用の肉便器にされちゃうのとかも……♥ あ、これはこの間シたよね。すっごく気持ちよくて、何回も気絶しちゃうかと思った♥」

 

 フィリアの言葉に、先日愉しんだ若干ハードなプレイを思い出させられたキリトの怒張が、尚一層硬さを増す。

 その感触をオナホール越しの指先で察知したのか、シノンはむむと眉根を寄せると、フィリアに対抗するようにキリトの耳元へ唇を近づける。

 

「ねえ、キリト。フィリアほどじゃないけど、私も結構……『妄想』するのよ」

「シノンも?」

「ええ。たとえば……いつもどおり部屋の前まで送ってくれたあなたが、急に『送り狼』の本性を表して……力づくで部屋に押し込まれた私は、朝まであなたに好き放題されちゃう……そんな妄想とかを、ね」

「それはまた……生々しい妄想だな」

「ええ。生々しいでしょう? だから、あなたに家まで送ってもらうとね……時々、考えたりするの。

 『私の妄想どおりなら、ここでキリトが襲いかかってきて……無理矢理犯されちゃうんだ』――そんな事ばっかりを」

 

 どこか、そうなることを期待するような――否、『そうなることを期待している』としか聞こえない挑発的な声音で、シノンは甘やかに囁く。寄り添う素肌を通して伝わるのは、フィリアへのわずかな嫉妬が入り混じった、氷を溶かすほどの熱だ。

 

「これはあ(・)る(・)人(・)から聞いたんだけど……。仮想世界でいっぱいセックスしてから、現実世界で同じ人に『初めて』を奪われるとね……抱かれてる間に、現実の体も思(・)い(・)出(・)し(・)ち(・)ゃ(・)う(・)そうなの」

「思い……出す?」

「ええ、そう。誰かさんの立派なち●ぽで開発されまくった頭と心が、処女(バージン)を捧げたばっかりの体を内側から侵食していって……いつのまにか、頭が真っ白になるくらい気持ちよくさせられちゃうんですって」

 

 誘惑の睦言を注ぎ込みながら、上下するオナホールとシンクロさせるような動きで、シノンは股座をキリトの太腿にこすり付ける。発情期の獣のようなその行為はまるで、キリトの肉棒を包み込んでいるのはシリコン製のおもちゃなどではなく、自分の秘所だと無言の内に主張するかのようだ。

 

「ね、キリトも……想像してみて。

 嫌がる私を押し倒して……ぱんぱんっ、ぱんぱんって音を立てながら、女の子の一番深いところをち●ぽで一突きする度に……私の抵抗がどんどん弱くなって、あなたを受け入れてしまう所を。

 はじめてのはずなのに、男の人に襲われるなんて怖くてたまらないはずなのに……とっくの昔にあなたの雌にされてた事を思い出した途端に、とろっとろに蕩けた顔で悦び始めるシノン――いいえ、『朝田詩乃』の姿を……♥」

 

 キリトとシノンを繋ぐ過去の事件も、本名すらも差し出しながら、シノンはひたすらに愛する男の情欲を煽る。

 当然、そんな事をされてフィリアが黙っているわけもない。

 

「シノンだけじゃなくて……『竹宮琴音(わたし)』のことも想像してよ、キリト……。

 キリトにやりたい放題されても、お便所扱いされても嬉しくなっちゃえる媚びっ媚びのお手軽ま●こ……キリトの好きな時に呼びつけられて、便利なザーメン処理器として使い潰されたがってる女の子のことを……♥」

 

 シノンに負けじと、ナノ素材に覆われた体を一分の隙も無いほどに密着させながらフィリアもまた誘惑の睦言を囁く。愛する男の肉棒をオナホールで扱き、空想の中に己の痴態を描かせながら。

 そして、フィリアがそうするならば――シノンが黙っているワケも無いのもまた道理。

 

「フィリアにそんなひどいことしちゃダメよ、キリト……そのかわり、私のことを考えて。

 あなたが命がけで守ってくれた女の子を、あなた好みに躾け直すところを想像しながら……いっぱい気持ちよくなっていいんだから……♥」

「だーめーっ。キリトには、私のことを考えてもらうの。

 キリトがホロウ・エリアから助け出してくれた悪い子(オレンジ)を、お仕置きセックスでち●ぽ中毒にさせるところを想像しながら……いーっぱい気持ちよくなってもらうの♥」

 

 自らの言葉に昂る、少女達の熱い吐息。その熱量に正比例するかのようにして、オナホールのピストン運動は激しさを増していく。

 人という生物種が成り立った頃より、他の雄の精を掻き出すために形成されているカリ首にこそげ取られたローションが、太い肉棒によって限界まで押し拡げられた接合部からぶちゅぶちゅと音を立てて溢れ出ていく。

 

「わかるでしょう、キリト。シノン(わたし)は心から愛している人にレイプされてるのに、悲しむどころか、気づいたら自分から腰を振って精液おねだりしてるような浅ましい女だって……♥」

「わかるよね、キリト。フィリア(わたし)は世界一大好きな人のオナニー道具と同じ……ううん、それ以下の扱いをされてるのに、もっともっと使ってほしいって思っちゃう変態なんだって……♥」

「部屋の中に上げたらどうなるか分かってたのに、我慢できずにキリトを誘惑しちゃう子なんだから、遠慮なんてしなくていいの」

「呼び出されたら何をされるわかってるのに、喜んでキリトの言うことを聞いて抱かれちゃう子なんだから、キリトの好きなように使って」

「隣の部屋だけじゃなくて、アパート中の全部の部屋に、私の喘ぎ声が聞こえちゃうくらい乱暴にシて……♥ 近所の人達全員に、私はキリトのち●ぽに逆らえない淫乱な雌なんだってバレちゃうくらい、激しく……♥」

「私の部屋中ぜーんぶ、キリトの匂いでいっぱいにして……。部屋に帰ってくる度に『ここにキリトが居てくれたんだ』って思い出して、すぐに発情オナニー始められちゃうくらいたっぷりマーキングして……♥」

 

 左耳にシノンの声が注がれ、右耳にフィリアの声が流れ込む。全身尽くを使いながら雄の本能を掻き立て、空想上の現実にいる己を愛する男への捧げ物として辱めていく。

 その蜜声と共に動き続けたオナホールは、今や射精を促すためだけの激しい上下動へとシフト。全神経がひたすらそこに引き寄せられていくかのような感覚がキリトを襲う。

 今にも陰嚢から飛び出そうな子種達の気配を察したのか、あるいは日頃から抱かれ続けているおかげか。キリトが達する気配を、シノンとフィリアは敏感に感じ取った。

 

「ふふっ、キリトのおち●ぽ……すっごくびくびくしてる……♥」

「そろそろ射精したいんだね、キリト……。いいよ、いっぱい我慢した分、いつでも好きな時に気持ちよくなって……♥」

「シノン(おまえ)は俺のモノだって教えこみながら……♥」

「フィリア(おまえ)は俺のモノだって刻みこみながら……♥」

「受精させて欲しくてぐちょぐちょに泣いてるシノン(わたし)のおま●こに、びゅーっ、びゅーってザーメン叩きつけて……私の子宮、あなたの重たくて濃厚なザーメンで全部満杯にして♥」

「ち●ぽを気持ちよくする為の穴として使ってもらえてすっごく喜んでるフィリア(わたし)のおま●こに、特濃精液をどぷっ、どぷっ、て好き放題注ぎ込んで……私の卵子、キリトのつよ~い精子でたっぷり輪姦して♥」

 

 そうして、シノンとフィリアは、キリトの耳元に唇を寄せて――。

 

「キリト、愛してるわ」

「大好きだよ、キリト」

 

 まるで示し合わせたかのように全くの同タイミングで放たれる、純粋さと色香に満ち満ちた愛の囁き。

 その声がキリトの理性を溶かすのと同時に、オナホールの最後のワンストロークが、キリトの肉棒を根本まで深々と呑み込んだ。

 

「――っっ!!」

 

 射精の引き金となったのは、ホールの動きか、それとも囁きだったのか。

 シリコン素材の筒越しに、乙女二人の嫋やかな指に包まれたまま、キリトの肉棒はついに精液を解き放つ。

 丁寧に焦らされ、そして煽られ続けた逸物は、びくりびくりとその身を震わせながら陰嚢が生産した濃密な子種汁を次々に送り出す。大切な精液を一滴たりとも逃さないよう設計されたオナホールの先端部は、射精を感知すると同時にまるでコンドームかのように膨らみながらと、大量の精液をその内部にしっかりと溜め込んでいく。

 

「相変わらず、すっごい量だね……キリト♥ 見てるだけで妊娠させられちゃいそう……」

「これ……女の子の中に無遠慮に出しちゃっていい量じゃないわよね、絶対……」 

「シノンの言う通りだよ、キリト。……まあ、でも? 現実世界のキリトがどうしてもって言うなら……私は、いいけど?」

「――だ、そうよ。よかったわね、キリト。ああ、もちろん私は遠慮しておくから、フィリアに任せるわ」

「え? シノンはいいの?」

「ええ、そう。だって、この人の子供を産むのは、もう何年かあとにするって決めてるもの。

 ……といっても、キリトが本気で襲いかかってきたら……抵抗した所で無意味でしょうから、あとはキリトの思うままに孕まされちゃうんでしょうけど」

 

 蠕動する肉棒が一回分の射精を終えるまでの間も、シノンとフィリアは誘惑の言の葉を紡ぐ。シリコン製の偽女性器を通して伝わる、肉棒の蠕動に心を満たされながら、キリトが射精を終えるのをじっと待つ。

 やがて、水風船のように膨らんだオナホールの先端部分が、白濁した欲情の証を受け止めきったのを確認したあと、二人はゆっくりとオナホールを真上へと引き抜いた。

 

「……いただき」

 

 先端部にどっぷりと重い精液を押し留めたオナホール。それをシノンがこっそりと自らの個人ストレージに格納する一方で、フィリアの白い指は射精を為したばかりの肉棒を優しく労る。

 

「キリトも、キリトのおち●ぽさんも、お射精いっぱいお疲れ様でした♥

 でも……出したばっかりなのに、まだまだ元気なんだね……♥ もしかして、満足してなかったりするのかなー?」

 

 親指と人差指で作ったリングを逸物に添わせたフィリアは、付着したローションの残滓を拭き取りながら指の輪をゆったりと上下させる。何度めかになる射精を終えたばかりだというのに一向に硬度を失わない肉棒に添えられた指先が、無言の内に次の行為を誘う。

 据え膳食わぬはなんとやら、とも言う。食い意地は汚い方という自覚もある。ならば、次にすることは一つしかない。

 耳元で散々煽(おねだ)りを重ねてきた可愛い雌達を再び味わうべく、キリトはゆっくりと上体を起こした。

 


 




05-2.Fragment of Memory へ続く。

【6】ここまで読んだ中で、一番抜けた(性的に興奮した)のはどのエピソードですか?

  • シノン編(01)
  • アスナ編(02)
  • ユウキ編(03-1)
  • シリカ・アスナ編(04-1~2)
  • フィリア・シノン編(05-1~2)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。