※この作品はR-18です。

夢見る魔女の空想   作:ひとさぎり

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夢女子ならぬ夢魔女小説。本当にただ趣味を書き殴っただけなのであんまり中身はありません。


ウルスラ編 研究室に二人

南リベリオン大陸、ノイエ・カールスラント。

その技術省の研究室に二人のウィッチが従事していた。

一人の名をウルスラ・ハルトマン。かの有名なカールスラントのウルトラエースであるエーリカ・ハルトマンの双子の妹であり、こちらは姉と違って幼少期からの趣味が高じた技術を活かした兵器開発に携わっている。

 

もう一人の名をファティマ・ルディ・ダーヴィット。

こちらはウィッチというよりは、「元」と言った方が正しいかもしれない。すでにあがりを迎えて半年ほど、魔法力の衰えが早い方だった彼女はすぐに飛ぶ力を失っていった。まだ完全に魔法力が消失したわけではないが、一線を退いて地に足を付けてからは実戦で培ったネウロイとの戦闘経験から導き出した問題を解決するためにウルスラと同じ研究室に務めている。

成人済みのファティマは焦げ茶に近い色の髪を長く伸ばした女性だ。穏やかで人当たりの良い性格が顔立ちにも表れているのか、見る人には柔和な印象を与える。大人らしくすらりとした165ほどの身長にカールスラントの薄緑軍服に身を包み、その上から白衣を羽織ったウルスラと同じスタイルの着こなしをしている。相違点があるとすれば、やはり成長途中のウルスラよりも成熟したグラマラスな体型だろう。

 

そんな二人の日常は朝起きて、研究室に籠っては目の前の金属の群れと設計図とで代わる代わるにらめっこをし、時々報告書を書いたり受け取ったりの繰り返しだった。その中でのある日。

 

「ふあぁー…」

 

朝。短い睡眠時間から無理やり目を覚ましたファティマは両腕を上げて背筋を伸ばしながら研究室に向かう。昨日…もとい、今日の遅くまで自分よりも長く作業をしていたウルスラはまだ寝ているだろうか、などと考えながらドアノブに手をかける。誰かが居るとは思っていなかったのでおはようございますは言わなかった。

 

「……あら」

 

研究室の最奥、ウルスラのテーブルにはその主が突っ伏していた。作業をしているのかとも一瞬思ったが、手元がまったく動いていないのが彼女が寝入っている証拠だろう。

 

「…もう」

 

ため息を吐いたが、技術者としてはよくあることだ。今手を付けている作業をどうしても止めることができずいつの間にか意識を途切れさせてしまって気付けば朝。なんてことは珍しくもない。ファティマもその例に漏れず、夜更かしをすることは多々あったが自分よりも年下の、現役のウィッチがそんなことをしているとなると心配に思わずにはいられなかった。背後から歩み寄り、小さな背中をぽんぽんと叩く。

 

「ウルスラさん、朝ですよ」

 

反応はない。相当疲れが溜まっていたのか、近寄ってみると眼鏡をかけたまま寝ていることが分かる。とはいえそのままにしておくわけにもいかないので、諦めずに今度は背中を揺する。

 

「おーい…ウルスラさん、ウルスラさん」

 

「ん…んん…」

 

二、三回手が往復したところで呻きながら眼を開くウルスラ。眼鏡を押し上げながら、眠そうに目を擦ったところでファティマを見て目をぱちくりとさせる。

 

「寝るなら布団で寝ないと。健康に悪いですよ?」

 

「……ああ、もう朝なんですね…すみません、いつの間にか眠っていたみたいです…」

 

無理な体勢で長時間寝ていたせいか、立ち上がるウルスラの身体はパキパキと音を立てた。

 

「寝直してきてはどうですか?幸い、期限までは時間がありますし」

 

「いえ、平気です。それよりも早く仕上げてしまいましょう」

 

ファティマの心配を無下にしたわけではないが、研究室に務める者としての責務を優先したのだろう。ウルスラは再び机に向かうと新兵器の設計書にペンを走らせる。若い子が無茶な夜更かしを続けるのはなんだかなぁ、と思いながらもファティマもその日の業務に取り掛かった。

 

そして作業が一段落ついたところで時刻は昼過ぎ。

空腹を満たすための遅めの昼食を終えたファティマは研究室に戻ってきた。相変わらずウルスラは黙々と机に向かっている。

 

「ウルスラさん、お昼は?」

 

「まだです」

 

「食べないんですか?」

 

「もう少し進めたら…」

 

「それ、さっきも聞きましたけど…」

 

「…そうでしたか?」

 

こう反応が淡白だと自分がお節介なんじゃないかとも思えてくるが、ファティマは構わずに続ける。

 

「朝も食べてなかったんですから、お昼くらい食べないと元気が出ませんよ」

 

「…それもそうですね」

 

説得…というわけではないが、その言葉にウルスラは席を立つ。少し安心しながらその動向を見守っていたが、彼女の向かった先は出口となる扉ではなく部屋の片隅にある、色んなものを納めた棚だった。

その中の袋からパンを取り出すと、研究の過程で生まれた電気オーブンに放り込み、数分待ったかと思えば出てきたトーストにブルーベリージャムを塗って頬張り始めた。しかも書類を片手に。

 

「…………」

 

この際、行儀が悪いことは置いておいて。ファティマが気にかけていたのはパン一枚で一日の栄養を賄えるのかということだった。普段からあまり食べるイメージはないし、15の女の子であれば普通のことなのかもしれない。しかし自分はどうだったか…いや、15の時はもっと朝昼晩もたくさん食べていたなと思い返して余計に気になってしまう。健全に成長するためにもあの年頃の少女が食べるには少なすぎる。と、ウルスラを眺めていると視線に気付いたのかパンを頬張ったまま首を傾げた。

 

「なにか?」

 

「あ、いえ……」

 

なんとなく気まずくなって目を逸らす。まあ、夜しっかり食べれば心配ないかと結論づけてファティマも机に向かう。…金属の部品がたくさん転がっているのを見ると、空を埋め尽くさんばかりのネウロイ共を想起して憂鬱になる。こちらは黒と赤の禍々しい色ではないし、ビームも放って来ないので圧倒的に気は楽だが。地上に降りても続く泥沼の戦いを終え、夜も遅く。伸びの後に大きく息を吐いて席を立つ。

同じタイミングでウルスラも立ち上がった。

 

「お疲れ様です」

 

「ああ、はい。お疲れ様です」

 

会釈をするとウルスラは先に研究室を出ていった。

…そういえば、と思い出す。彼女は昼から一度も部屋を出ていない。要するに夕飯は食べていなかったということだが、今の時間は食堂には何もないはずだ。食べなくて大丈夫なのかと思ったが、またすぐに明日の朝食べるなら平気かと結論づけてファティマも部屋に戻った。

 

 

その翌日。

ウルスラはファティマより先に研究室に入っていた。進捗を報告したり、書類を眺めて内容を要約したりと数少ない言葉を交わして作業を進めるうちに時刻は昼。普段通りファティマは食堂から戻るがウルスラはひたすら作業を進めている。

 

「ウルスラさん、お昼ご飯は…」

 

「……今、食べます」

 

特に急かそうとしていたわけではないが、問いかけられたウルスラは席を立つ。向かった先はまた部屋の隅の棚だ。そして昨日と同じく、パンを取り出してオーブンに放り込む。

 

「…………」

 

「…なにか?」

 

「あ、いえ……」

 

代わり映えしない食事。あまり健全とは言い難い。ジャムも昨日と同じだ。ファティマの心配をよそに、ウルスラは黙々とパンをかじり続ける。

結局その日ファティマが見たウルスラの食事はそのトースト一枚だけだった。そして、翌日。再び訪れた昼食の時間、ファティマが食堂から戻る頃にはウルスラはすでにオーブンの前で報告書に目を通していた。

 

「ウルスラさん、焼けてますよ」

 

「ん……ああ、ありがとうございます」

 

取り出したパンにブルーベリージャムを塗って頬張る。自発的に食べるようになったのは喜ばしいことだが同じものを食べ続けるのはいかんともしがたい。その日もウルスラが夕食を食べている様子はなかった。その次の日も、またその次の日も。ウルスラの食事は代わり映えしない。パン一枚を食べ終えるとすぐに机に向かってしまう。その様子を見ていたファティマのお節介とも呼べる心配は、ついに優しい怒りに変わった。

次の日の、昼。ファティマは食堂へは行かずにウルスラを見つめていた。

 

「………う〜…」

 

そのことには気付かず、ウルスラは今日もまた席を立ち、部屋の隅の棚を開ける。そしてパンを入れた袋を手に取ったところで。

 

「……んもうっ!」

 

「あっ」

 

いつの間にか後ろにいたファティマに抱き上げられてしまった。

袋を取り落とし、追いかけようとした足はぱたぱたと空を切る。二人には身長差があるために持ち上げられるといとも簡単に自由が奪われてしまう。

 

「ダーヴィット中尉?」

 

その呼びかけにファティマは何も答えない。ウルスラを小脇に抱えたまま研究室を出て、大きい足取りで廊下を進んでいく。

 

「あの…」

 

「いいから、ついてきてくださいっ」

 

ついてくるも何も、抱えられているのでは元々おとなしくしているか抵抗するかしかできないとは思いながらも別段暴れたりもしない。ファティマの行き先は食堂だった。ウルスラを椅子に座らせ、備え付けの厨房の方へ向かう。

 

「…あの」

 

「少し待っててください。勝手に戻っちゃダメですからね!」

 

釘を刺すファティマに戸惑いながらも頷くウルスラ。言われた通りにしばらく外を眺めたり、足をぶらつかせていると目の前にひとつの大皿が差し出された。そこに乗っているのはシュニッツェル。カールスラントでは盛んに食べられている肉料理で、地域によって差異はあるがこれは子牛の肉に小麦粉をたっぷりつけて溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶしてバターで揚げ焼きにしたものだ。そこに焼いたじゃがいもとレモンスライスの付け合わせも盛られている。見れば、向かいの席に座ったファティマの皿にも同じ料理がある。

 

「…これは?」

 

「シュニッツェルです。…食べたことありませんか?」

 

「いえ、そうではなくて。どうして私に?」

 

「ちゃんと食べないと、仕事になりません」

 

ファティマのむすっとした表情が見られるのは珍しく、というよりウルスラにとってはこれが初めてだった。ナイフとフォークを渡しながらファティマは続ける。

 

「私たちは体の代わりに頭を動かすんですから。栄養を取らないと頭も回らずに大変なミスをするかもしれませんよ」

 

「…栄養はパンで」

 

「それは必要最低限というものです」

 

反論を封殺するように、食い気味に言う。

 

「特にウルスラさんは今が大事な時期なんですから。しっかり食べないと大きく育ちませんよ?」

 

「…………」

 

そう言われたウルスラは改めてファティマをしげしげと眺める。確かに自分とはかけ離れた、大人らしい体付きだ。

 

「ダーヴィット中尉はたくさん食べてきたんですか?」

 

「そりゃあもう、育ち盛りの食べ盛りでしたよ。飛ばなくなった今でも食欲は衰えてません。そのせいで最近ちょっと体重が…って、私のことはいいんです」

 

ファティマは肘杖をついたまま、ウルスラが料理に手を付けるのを待つかのように動こうとしない。せっかく作ってもらったものを食べないのも気が悪く、ナイフとフォークを手にしたところで目の前のシュニッツェルからは揚げ物特有の香ばしい匂いが立ち上る。それに混じったレモンのほのかな香りが食欲をそそり、ぐう、と腹を鳴らす。いてもたってもいられなくなり、右手のナイフで切り込むと衣の裂ける小気味良い音が鳴る。一口大に切られた肉片にフォークを突き立てると、驚くほど柔らかい。それを噛めば、口の中で黒胡椒の風味と溢れんばかりの肉汁がはじけた。ウルスラにとって、懐かしい故郷の味だ。続けて付け合わせのじゃがいもも口に運ぶ様子を見ていたファティマは口元を緩ませる。

 

「美味しいですか?」

 

「ん……」

 

口内の肉を飲み込み、次に食べる分を切り分けながら返事をする。

 

「はい、美味しいです」

 

「そう、よかった」

 

それを聞くとファティマも食事を始めた。

そこそこ長い間同じ研究室に務めているが、こうして二人で食事をするのは初めてのことだと気付く。だからといってそれについて言及するべきことがあるわけでもないが、なんとなく喋る気になったウルスラは口を開いた。

 

「…どうしてまた、急にこんなことを?」

 

「だって、最近ずっとパンばかりでしたから。同じものばかり食べていたら身体も壊しますし、心配になって…と言っても、余計なお世話だったかもしれませんね…」

 

今になって自分のしたことがお節介だったのではないかと心配になったのか、肩をすくめるファティマ。彼女は決して自己主張の強い性格ではないが、思い立ったことはやらずにはいられない、意外にも積極的な面も持っていた。

 

「……いえ、そんなことはありません」

 

「はい?」

 

「心配、してくれていたんですね。……ちょっと、嬉しいです」

 

ほんの少しだけの、うっすらとしたものだったが、ウルスラは微笑を浮かべる。それをファティマが見たのもまた初めてのことだった。

 

「…これからは健康にも気を遣ってくださいね?」

 

「はい。……あの、ダーヴィット中尉さえ良ければ、また…」

 

「あぁ。もちろん、かまいませんよ。何か食べたいものがあればいつでも…」

 

「それもそうなんですが。その……一緒に食べてもらっても、いいですか」

 

その言葉を聞いて一瞬驚くが、すぐに大人として頼られているという嬉しさがこみ上げてくる。

 

「…はい。人と一緒に食べると楽しいですよね。ふふ」

 

「私も、今…思い出しました。ふふ…」

 

ファティマは食堂に一人。ウルスラは研究室に一人。長い間、誰かと食事をする楽しみを忘れていた二人がそれを思い出した瞬間だった。その日からファティマとウルスラの仲は急速に深まっていくこととなった。普段からの会話はもちろん、二人で肩を並べて報告書を読むことや笑顔を見せることなど圧倒的にコミュニケーションが増えた。軽く肩を叩いたり、触れるくらいのスキンシップも徐々に近しいものとなり、研究室のソファで仮眠として同じ毛布に包まって眠るということもあった。その時の経緯としては、机に突っ伏したウルスラが寝言で母親を呼んでいたためそれを見かねたファティマが寂しさを紛らわせてやるために一緒に寝ないかと誘ったことからだった。それは人肌の温もりを忘れて久しいウルスラにとって決定的な出来事だっただろう。

 

「…いいんですか?こんなに、甘えても…」

 

「…私たちは、同僚であること以外に何もない赤の他人同士ですけど。だからって甘えることがダメなことになるわけじゃないです」

 

「…………」

 

「私もウルスラさんくらいの頃はよく寂しくて泣いてましたから…ひどいですよね。長女だからって、素質があるからウィッチになれって軍に入隊させられて…」

 

その時のファティマは珍しく表情に暗い影を落としていたのが、ウルスラの記憶に焼き付いている。

 

「…でも、今は落ち着いてます。空で戦ってるよりもこうして引きこもってる方が肌に合ってるんですよね、ふふふ」

 

ファティマは三姉妹の長女だった。なまじ魔法力があるが故に、収入を安定させるために親に頼まれてウィッチになり戦場に出ていたが元々戦いなど好きではなく出世欲とも無縁だったために撃墜数なんかもそこまで多くない。あがりを迎えても家に帰ろうとしないのはあまり親には会いたくないという懸念からだった。彼女の年の功とも思われた女性としての能力は家にいた頃、妹たちの世話を焼いていて身についたものでウルスラの健康を心配したのもそれと似たようなことで、身の回りの世話を焼くのもなんら苦ではないと語っている。

 

「…変な話になっちゃいましたね」

 

「…いえ…それで気が晴れるなら、いくらでも話し相手になります」

 

「……ウルスラさんも。寂しくなったらいつでも言ってください。私でよければ、こうして甘えさせてあげますから」

 

「……はい」

 

胸に顔を埋めて目を閉じるウルスラ。それを見て微笑むファティマ。その様はまるで姉妹のようだった。

 

 

ウルスラにとってもファティマにとっても、お互いが大きな存在となっていたある日のこと。ウルスラに代わり、徹夜を続けるようになったファティマは疲れた様子だった。

 

「はぁ…」

 

「お疲れですね」

 

「そりゃ…疲れますよ…無茶は言われるし、間に合わせないと怒られるし…」

 

腰を両手でどんどんと叩き、「う〜」と獣のように唸るファティマを見遣りウルスラがコーヒーの準備をする。普段と違ったのは、そこに粉末を入れたこと。

 

「お疲れなら、これが効くはずです」

 

ウルスラが薬品の調合なんかもしていることは知っている。念のため、冗談も兼ねて聞いてみる。

 

「これ、大丈夫なものですか?」

 

「ええ。安全は保証します」

 

確認を取り、湯気を立てるコーヒーに口をつける。強い苦味と程よい酸味、香ばしい風味が温かみとなってじんわりと身体に染み込む。ウルスラの入れてくれた薬の効果もあるのか、ふわふわとした心地良い浮遊感に身を任せていると気付かないうちに視界が天井を向いていた。そして、なぜか頭の中がぼんやりとする。そのはずなのに身体は芯から燃え上がるように熱を持っている。コーヒーを飲んで温まった?いや、だとしてもこうはならない。肌にうっすらと汗が浮かんですらいる。

 

「……?」

 

「……ファティマ、さん…」

 

自分の身体に何が起きているのか理解する前に、ひょこりと視界に入ってきたウルスラが両腕を伸ばして耳元に突く。霞がかかったような世界の中に見えた彼女は緩やかに肩を震わせている。

 

「申し訳ありません…でも、してみたかったんです」

 

どんどん、ウルスラが降りてくる。迫ってくる。それに対して何もアクションを起こすことができない。盛られた、とは分かっているがとても裏切られたなどという気分にはならなかった。ウルスラの言葉を聞いてふと、自分のお腹に自分の身体よりも遥かに熱く感じられる何かが当たっているのを感じる。

 

「………っ…!?」

 

目だけを向けて見れば。そこにはウルスラのズボンから大きくはみ出た、屹立した男性器が鎮座していた。大いに混乱して、すぐにどこか不気味なほどに冷静な思考に戻る。いつか、どこかで話に聞いていたのを思い出した。ちょうど思春期くらいのウィッチは魔法力が不安定になることが多く、その時に過度な興奮状態に陥ると具現化した魔法力が男性器を形取る場合があると。もしくはウルスラが自作した薬品で自身に生やさせたのか。彼女ならできないことはないと思ったが、それがどちらなのかは今ここではどうだっていい話だ。

 

「はっ……はぁ…」

 

「んっ…!うぁ…」

 

幹から先端にかけてをズボン越しに擦り付けてくるウルスラ。薬の影響なのか、布一枚を隔てた秘部へのグラインドだけで大げさなほどに身体が反応してしまう。

 

「う…ウルスラ、さ…だ、ダメですっ……こ、んな…あぁっ…!」

 

「はぁ…はぁ…」

 

これはいけないことだと制止を呼びかけようとするも、呂律が回らずにうまく言葉を紡げない。身体を起こそうとしても力が入らずに情けなく身を捩ることしかできない。そうでなくても、興奮に魔法力が発現してしまっているウルスラに力で逆らうことは不可能だろう。

 

「ごめん、なさい……もう、我慢できませんっ…」

 

「あっ……!」

 

ついに抑えきれなくなったのか、白衣の下のズボンがずり下ろされる。ウルスラの目の前で露わになった秘部はすでに受け入れる準備を終えたかのように蜜を垂らしていた。

 

「ウルスラ、さん……まって…ダメ、です…」

 

「う……うぅ…」

 

「落ち着い、て……っふぁ…!ぁ、だめ……こんな、ことっ……くぅ、ん…!」

 

ファティマにはどうにか説得を試みるしかなかった。だが残された理性を溶かすように、今度は性器同士が擦れ合う。鈍い快感をもたらしてくる、蛇の目のような鈴口に睨まれて目が離せない。ウルスラの方はほとんど理性は残されていないようだった。

 

「ここに…挿れたら、私も…ファティマさんも、っ……気持ち、よく…」

 

「そんな…だめです……う、ウルスラさん…」

 

「ぁ……ごめん…なさい……」

 

「……! ま、まって…」

 

ぴたり、と動きを止めた男根が雫を垂らす割れ目へと当てがわれる。ウルスラの瞳はぼんやりとした鈍い光を湛えており、ファティマの呼びかけが届いているのかも分からなかった。そして。

 

「っ……く、ぅ…」

 

「あ…あ、んはぁぁぁっ…!!」

 

押さえつけたファティマの両手首を支点にするように、腰を推し進めていくウルスラ。ぴっちりと閉じた肉を割って入るモノに壁を擦り上げられる鋭い快感にたまらず長いため息のような声が漏れる。

 

「はぁ……はぁ…入り、ました…」

 

「んっ…ぁあ……あっ…!」

 

感触を確かめるように、緩く腰を震わせる。その動きでさえ敏感に反応してしまう。

 

「ファティマさん……ファティマ、さん…」

 

「ぇ……あ…んむっ」

 

呼びかけに応じるように、固く結んだ目を開くとすでにウルスラは目前に迫っていた。そこから一瞬の間を置いて、唇を奪われる。温もりと羽毛のように柔らかい感触がいっぱいに押し付けられる。

 

「んっ…んんっ…」

 

「ふぁ……ぁむ、ん…」

 

余計な考えを削ぎ落とすかのように、小さな唇が一生懸命に吸い付いてくる。それがどうしようもなく愛おしく思えてしまって。ファティマはとうとう抵抗という意思を捨て去った。

 

「あむっ……ん、ちゅっ…んん…」

 

「んぅ……ぷぁっ…れろっ…はむ…っん」

 

開いた口にウルスラが舌を差し出すと、その向こうからも伸びた舌に誘い込まれて咥内で舌が絡む。恋人のように互いを求めるキスが続く。繋がった下半身は熱を保ったまま。

 

「っは……はぁ…はぁ…ファティマさん……動きます、ね…」

 

「ふぁ…あ、ぁんっ…!」

 

ゆっくりと、ギリギリまで引いてはまた根元まで押し戻す。締め上げる肉筒と内襞の断続的な刺激がウルスラの眉を顰め、ファティマの方も甲高い声を漏らし始める。始めはスローペースだったがだんだんとその速度は速くなり、嬌声の響く間隔を狭めていく。

 

「あっ、あぁっ…!ふあぁっ!はっ、やぁ!」

 

奥を打ち付け、中を掻き混ぜ、叩きつけられるような快楽が逃げ場なく全身を支配していく。手首を掴まれ、ソファに押さえつけられるという半ば無理やり犯されているような体勢のために身を捩ればそれがウルスラの興奮を煽り、さらに激しく責め立てられる。

 

「はぁっ、はぁっ…ファティマさん、可愛いですっ…」

 

「やっ…そん、な…〜〜〜っ…!!」

 

「ぁ……ナカ、キュンキュンって…んっ…!締まる…!」

 

髪を振り乱して喘ぐファティマの背中を強く抱き寄せ、唇を奪う。舌を吸い立てて、舐り、絡め合ったまま腰を最奥へと押し当て、ぐりぐりと捏ね回してやればくぐもった声が咥内に響いた。

 

「あっ♡ん、あ、はぁ♡らめっ、きちゃう、あ…!」

 

脳を蕩かす麻薬のような刺激。一度突かれる度に甘く、容赦なく身体中を駆け巡る快楽に押し上げられて絶頂が近付いていた。それは休まず抽送運動を繰り返していたウルスラも同じでファティマの腰をがっちりと掴んだまま離そうとしない。

 

「私も、イきますっ…!ん、んっ、はあぁっ…!!」

 

「あ、ぁ…!ふああぁぁーーーーっ…!!!」

 

これまでで一番大きい快楽に歓喜するように全身が震える。喉を反らして絶頂するファティマの中で男根が脈動して白いものを吐き出した。その感触を確かに感じながら、余韻に浸るように自身の胸に顔を埋めながら深呼吸を繰り返すウルスラの頭を撫でる。

 

「はぁ……はぁ……んっ、はぁ…」

 

「はぁ…はぁ……ふぁ…、…んぅっ!?」

 

落ち着いたと思い、目を伏せたファティマだったがすぐにそれは開かれることになった。感じたのは胸への強い刺激。見ればウルスラが軍服を脱がしてシャツの上からでも分かる豊満な胸を弄んでいる。

 

「固く…なってますね…」

 

「ん、んんんっ!あ、先っぽ、やっ…!」

 

くりくりと短く切りそろえられた爪先で執拗に甚振られる頂点。薬の熱と絶頂で浮かされた身体には十分すぎる刺激で意識していなくても肩がぴくぴくと跳ねる。

 

「もっと…もっと…」

 

「ふぁ……ぁ、ああっ!?」

 

シャツも脱がされ、下着も外されて生の乳房が露わになる。それはまさに熟れた果実と呼ぶに相応しいもので、男性のモノが具現化しているウルスラの本能を大いに煽り、その赴くままに両の手のひらで包み込み、マッサージするように捏ね回していく。

 

「あぁ…やわらかい…こんなもの持ってたら、襲われても仕方ないですよね…」

 

「な、なんで私が悪いみたいにっ…あんっ!?」

 

不意に、自己主張をする尖った乳頭を咥え込まれる。そのまま唇で味わうように食んだり、舌先で転がしたり、吸ったり、甘噛みなど好き放題される。当然空いた片方も揉みしだかれ、頂点は指先で虐められている。

 

「やぁ…す、吸わないでぇ…」

 

「ちゅっ…今度は母乳が出るようにしてみましょうか…」

 

「な、何言って…ぅんっ!?」

 

萎びていた膣内の肉棒が硬度を取り戻していくのを感じる。ウルスラは胸への愛撫をやめないまま、器用にそちらの動きを再開した。

 

「ま、またっ…んあぁっ!!」

 

「ファティマさんを見てると……中に、出したくて」

 

「そ、そんなっ…!あ、ひっ!んやぁっ!」

 

「可愛がってあげますね…もっと、もっとっ…!」

 

とどまることを知らない性欲をありのまま、ぶつけるように激しいピストンが始まる。目の前で揺れる肉感的な乳房はウルスラの目には毒なほど扇情的に映ったことだろう。身体の様々な場所を弄り回され、掻き混ぜられたファティマはすでに何がなんだか分からなくなっていた。与えられる刺激に反応して艶やかな嬌声を上げ、涎を垂らしたまま身体を跳ねさせる。そして、そこへ容赦なく。

 

「ファティマさん……っく、ぅ…!」

 

「んんあっ!ぁ、あ……ーーーーっ…!!」

 

貪欲に精を吐き出すウルスラ。背中に回した腕で抱き締め、一滴残らず注ぎ込んでいく。絶頂に収縮する内壁もまた貪欲に肉棒から残滓を啜り上げた。

 

「ぁ…あ、あ…っ…♡」

 

「ふーっ…ふーっ…」

 

半ば放心状態になるファティマ。しかしウルスラはまだ男根を引き抜くつもりはない。むしろ、それは再び硬度を取り戻して。

 

「……んくぅっ!?」

 

「うぅ…まだ、まだ収まりません…」

 

「ま、まってください…少し、やすませ…ふあぁぁっ!あ、やらっ!おねが、ぃいやぁっ!!」

 

「さあ……これからですよ…もっともっと、楽しみましょうね…♡」

 

繰り返される快楽に涙を流すファティマ。それは懇願か、それとも歓喜か。

 




こういう感じで続いていきます。他のウィッチとかも書いていきたいですね
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