※この作品はR-18です。

夢見る魔女の空想   作:ひとさぎり

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【今回の夢魔女】
リア・アーノルド
階級:少尉
身長:155cm
使い魔:猫(ソマリ)
備考:ブリタニア出身。淡い金髪で落ち着いた見た目をしている。本国で向いていない後衛ばかりやらされていたため、やる気がないと上に判断されて僻地に飛ばされた哀れなウィッチ。と思いきやカウハバに来てからは悠々自適な軍人生活を送れているのでむしろスコアも上がっている。
備考2:視力が悪く、普段から眼鏡をかけている。


ビューリング編 一度縺れてまた解ける・上

「……………」

 

空を見上げれば、どこまでも灰色が広がっている。

このスオムスの僻地、カウハバに来る直前に見た本国の綺麗な星空とは程遠い、殺風景な空だ。

 

「…んー」

 

「どうした」

 

なんとなく、窓に向けて手を伸ばしてみる。それを隣で見ていたビューリングが声をかけてきた。どうした、と聞かれれば本当になんとなくでやったことで意味なんてない。返答に困り、ありのまま考えていたことを伝える。

 

「やっぱり、こっちは曇り空ばかりだなと思って」

 

「そういう時期だからな」

 

咥えていた煙草を指で挟み、離した口から紫煙を吐く。それを見たリアは椅子を横にずらし、煙が届かない距離まで離れた。

 

「煙草、やめてくださいって言ったじゃないですか」

 

「気遣いはしてくれなくていい」

 

「私が気を遣ってるのはこの子です」

 

そう言いながら膝の上を指差す。そこには野性のかけらもなく、リラックスした状態で寝息を立てる長毛の猫が寝そべっている。

 

「この子は煙草の煙が苦手だって何回言わせれば気が済むんです?」

 

「これで5回目か?」

 

「8回目です。だいたい、煙草を吸うなら隣に来ないでくださいとあらかじめ言っておいてるのに…」

 

「先に隣に来たのはお前だ」

 

「…そうでした?」

 

「都合のいい頭だな」

 

えへへ、と頭を搔くリアを細まった横目で見つつも煙草の火を揉み消すビューリング。特に話したいことがあるわけでも、一緒になにかをするわけでもないが、同じ国出身のウィッチ同士ということもあってか他の面子に比べるとお互い一緒に居て落ち着く相手だと思っている。気苦労がないと言えば嘘になるが苦労はかけても迷惑には思わないしどちらかが座ればその隣にはどちらかがいる。二人の関係は、そんなふうに緩やかに保たれていた。

 

「…でも、時々見たくなりません?綺麗な星空」

 

使い魔を撫でながら話を戻す。

 

「私はそうでもない」

 

「なんというニヒリスト…」

 

「リアリストと言え」

 

「人はロマンを追わなくなったらおしまいですよ。それに、穴拭中尉だって風情を楽しむことが乙女の嗜みだと言ってましたし」

 

「夜になると一番やかましくなるやつが星空に風情か?」

 

「……うーん…」

 

言葉に詰まり、頭を抱えるリア。確かにそう言われてしまえば反論の余地はない。星空よりももっと別のことにうつつを抜かしている人物からの言葉だと思うと一切の説得力がなくなってしまった。

 

「ああはなりたくないと思ってますよ」

 

「同性に食われるのはさすがに嫌か」

 

「そういう種類の人がいるのは知ってますし、別に嫌ってわけじゃないですけど。なんでもかんでも食い散らかすより、やっぱり愛する人と一心に向き合っていくべきだと思ってます」

 

「…つまり、そっちの気もあるのか?」

 

「どうでしょうかね。好きになってみないと分からないとは思いますけど」

 

「両刀か…」

 

「変なふうに言わないでくれます!?一応私はノーマルですからね!」

 

「そう言ってたやつは…」

 

「…………」

 

言い終わるより先に失言だったと気付く。

自称ノーマルはこの部隊においてはなんの意味も持たない。

 

「……話を、戻しましょうか。懐かしい景色は見たくなるものですよ。少なくとも私にとっては」

 

「…帰りたいのか?」

 

「いや全然」

 

「……そうか」

 

その声色にも、表情にも一抹の寂しさは見られない。少しでも温情をかけようとした自分が馬鹿らしく、ビューリングはひそかに肩をすくめる。

 

「だってこっちのご飯食べたら我らが祖国のご飯なんて食べられませんよ。私たちが食べてたのは犬の餌以下だったと気付きました」

 

「それは同感だが」

 

「それに、原隊はxxxxですし。本国に戻る気なんてさらさらありませんよ」

 

流暢な汚い言葉で祖国を罵るリア。愛国心はもちろんある。あるが故に、切り込むべきところはズバズバと切り込んでいかなければならないのだ。

 

「聞かれるところに聞かれれば銃殺刑になるんじゃないか」

 

「今のはネウロイの洗脳攻撃を受けたことによる事実無根の言論です」

 

「ネウロイも末恐ろしいところまで来たな…」

 

そうしたふうに、はみ出し者たちの厳粛とは言い難い時間は過ぎていく。そんなある日のことだった。

 

「うー、冷える冷える…」

 

人気が消え、暖気も消えた廊下をひっそりと歩くリア。

この日したことは訓練ぐらいでほとんど疲れておらず、寝付くことができなかった。

 

「毎晩毎晩、よくやるなぁほんと…ハルトマン曹長の教育に悪影響が出ないといいけど」

 

まあ、寝付けない理由は他にもあったが。

ともかく彼女は、こういう日は基地内を適当に散歩して回ることにしていた。少し身体を動かせば運動代わりにもなるし、どこかで同じように眠れないであろうビューリングと鉢合わせられれば適当に雑談でもして暇を潰せたからだ。しかしこの日は。

 

「…んー?いないなぁ…」

 

食堂に行っても明かりはない。どこか別の場所にいるのか、探しに行こうとも思ったがこの寒空の下そんなことをすればいくら魔法力があると言っても体調を崩すことになるかもしれない。そうなれば智子にやかましく叱られてしまうのを知っているのであてもなくぶらつくだけに留めておくことにした。

 

「ふあぁ…」

 

しばらく歩き回っていると自然にあくびが出てくる。そろそろ寝るにはいい時間か、と思った時のことだった。ふと、リアはどこからか人の声がすることに気付いた。

 

「………?」

 

眠れない原因のひとつでもあるケモノのような声はともかく、夜になって静まり返ったこの基地では耳を澄ませてみれば音の位置を特定するのは容易だった。こっちかな、と向かった先は基地の離れに造られたいらん子用の仮設トイレだった。リアの耳は確かだったようで、入ってみると忙しなく、苦しそうな息遣いが聞こえる。その声の主が誰であるか、彼女にとってはすぐに分かったようで。

 

「ビューリングさん?」

 

「……!」

 

足音を殺して近付いてから声をかけたせいか、驚いたように個室からの息遣いは止まる。

 

「…リア、か?」

 

「はい。あの、ずいぶん苦しそうですが大丈夫ですか?」

 

「っ…いや、心配ない…」

 

そうは言っても、さっきからずっと呻くみたいに息を吐いているし。と、リアは思う。今この問答をしている間もなにかを堪えるような、呼吸の紡ぎ方をしている。

 

「でも…」

 

「本当になんでもない…もう、行ってくれ」

 

「…………」

 

これまでの経験からして。この人がなんでもないと言っている時はなんでもなくない時だと知っていた。そしてふと気付いた、個室に鍵がかかっていないこと。こめかみに指を当てて考える。もし彼女が命に関わる病気でも抱えているとしたら重大な事だ。それに女性特有の毎月のアレとも違うあの苦しそうな呻き声は、喀血・吐血の可能性もある。万が一本当になんでもなかったとしても女同士だし気にすることはないと、深いのか浅いのか曖昧なことを考えながらリアは扉を押した。

 

「な……」

 

「……へ…?」

 

呆気に取られたような表情のビューリング。すぐ、その下にあるものへと視線が奪われる。彼女の下腹部には本来女性にあるはずのない、男性器がそびえ立っていた。反り返るほどに怒張したソレはリアが何かしら反応を起こすより早く脈動し、弾けた。吐き出された液体は勢いよく跳ね上がり、リアの顔から胸あたりまでにかけてを白く汚していく。硬直したままの二人のいる空間に、濃厚な雄の匂いが満ちる。

 

「……な…な、な、なあぁっ…!?」

 

「ま…待て!」

 

咄嗟に立ち上がり、真っ赤になって今にも叫び出しそうなリアの口を塞ぐビューリング。人差し指を立てて静かにするように促すとリアもこくこくと頷く。よし、と手のひらを離すと口元に付着した精液が粘っこい糸を引いているのが見えた。そうなることにも気付けないくらいに二人とも気が動転していたのだ。

 

「な…な、なんですか、それ…!?というか、私、私…!」

 

衣服に付いたままの液体を指で掬い、それを眺めて羞恥に震え上がる。初めて見るが、紛れもなく精液であることは理解できた。叫びはしなかったが慌てふためくリアを宥めようと、とりあえずズボンを上げるビューリング。

 

「お、落ち着け。とにかく汚れを…」

 

「あっ、ああ、は、はい」

 

パニックになりながらもシャワールームへと移動する二人。

付着した汚れを流して幾分か落ち着きを取り戻す。間仕切り越しにシャワーの水音を交え、声をかけたのはビューリングの方からだった。

 

「……すまん」

 

「……いえ、私の方こそ…勝手に開けたりして…」

 

互いに本心から謝罪しているのは声色からして伝わってくる。そう、あれは事故なんだと自分に言い聞かせながら続ける。

 

「…あの、あれ……アレ、ですよね…」

 

「……ああ」

 

「その…ほんとに、あるんですね…ただの噂話かと…」

 

「…あっても皆隠すだろうからな」

 

「で、ですよね…」

 

ウィッチに男性器が具現化するという話はそれなりによくあることらしい。とは言ってもリアはこの時まで実際に見たことがなかったので半信半疑だったが。一説にはホルモンバランスの乱れが関係しているらしいが正確な原因は未だに解明されていないようだ。

 

「……やっぱり、発散しないと辛かったり…」

 

「まあ…そうだな。不便なこともある」

 

「不便…って?」

 

「……言いづらいことだが……」

 

キュッ、とシャワーの栓が閉められる音がした。続いて足音が向かってくるが、自分の浴びるシャワーの音が近いためにリアはそれに気付かなかった。

 

「…コレがあるとな」

 

「ん……きゃっ!?」

 

唐突に、背後から手首を掴まれて壁に押さえつけられる。すぐに身体を密着させてきて身動きが取れないようにしてきた。そしてお尻に当たるーーーというより、もはや擦り付けられているモノの感触。間違いなくさっき見たアレだろう。

 

「女の身体を見ると…辛抱ならなくなる…」

 

「ちょ…!ちょっと、何して…ひうっ!?」

 

耳元を熱い息がくすぐる。

少しでも変な気を起こしてしまわないように魔法力を具現化させ、抵抗しようとするがそれは向こうも同じ考えだったらしく、普通の女性とは比べ物にならない力で押さえつけてくる。背後を取られているからか反発する力をうまく込められず、振りほどくことはできなかった。

 

「は、離してください!」

 

「すまん…抑えられん」

 

「な……ぁ、えっ…!」

 

股座をくぐり抜けてきた熱く硬い感触。そこにはビューリングの立派な逸物が覗いていた。

 

「きゃあ!?ほ、ほんとに何してるんですか!?」

 

「すぐ…すぐに終わらせる…」

 

リアの肉付きの良い太腿に挟むように、屹立した男根が滑る。その行為に動揺を隠せない彼女は抵抗を続けるが凄まじい力で壁に手を付かされ続けているために身を捩ることしかできず、むしろそれがビューリングにもどかしい刺激を与え続けていることには気付かない。

 

「はぁ……はぁ……」

 

「んうっ…!?」

 

不意に、首筋を噛まれる。突然のことに肩を跳ねさせ、可愛らしい声で啼くリア。それがビューリングのリビドーをより過熱させたのか、擦るというよりは腰を打ち付けるような大きい動きに変わっていく。それでもなおどうにか制止を試みようとしていたリアだったが、目だけを向けて見たビューリングの熱に浮かされたような、快楽を享受するような表情によってなぜか何も言えなくなってしまった。

 

「ん、んんっ…!ビューリング、さん…」

 

「く…っ、はぁ…」

 

肉と肉がぶつかる音が響く。

まるで本当に交わっているような錯覚すら覚える。執拗に割れ目に沿ってなぞり続ける肉棒の感触にリアの秘所もまた湿りを帯びていた。

 

「あっ、うぅ…んはぁっ…」

 

やがてシャワーとは別の、粘着質でとろりとした液体が零れ出す。それが往復する肉棒を濡らし、先走りと混ざり、くちゅくちゅと耳に張り付くような厭らしい水音を鳴らす。そして、そうしているうちに耳元をくすぐり続けていたビューリングの吐息が大きくなり始めた。

 

「う…くっ…もう、出る…!」

 

そう言うと同時に。自身の股座から生えたような性器から絶頂の証が放たれた。びく、びくと震えながら吐き出された精液が次々とタイルを白く染めていく。見た限りでも二回目だというのにその勢いはまるで衰えておらず、量も先ほど自分が浴びせられた時と変わらない。

射精の快楽にビューリングが歓喜するように震えているのは、自身の手首を押さえつけている手や密着した胸から伝わった。

 

「…ふぅ…ふぅ……はぁ…」

 

「……お、終わったのなら…離してください…」

 

か細い声で呟かれ、我に返ったビューリングはおもむろに拘束を外す。リアは顔を動かさないまま、横目で彼女を見た。その瞳は潤んでいて、若干の怒りを湛えているような。そんな印象を与えた。

 

「…す、すまん…つい」

 

「………バカ!」

 

言葉を続ける前に、ビューリングを押し退けてリアはさっさとシャワールームを後にする。その時見えた彼女の尻尾がゆらゆらと揺れていて、あれは怒っていたのだと嫌でも実感させることになる。

 

「……やってしまったな…」

 

残されて一人、自嘲するように呟きながら。

ビューリングは冷水に切り替えたシャワーの栓を捻った。

 

 

 

その翌日。二人は昼過ぎまで顔を合わせなかった。

リアの方がそう動いていたのか、ビューリングが後ろめたさを感じていたのか、はたまた両方でお互いに避け合っていたのかは分からない。しかし、ビューリングが煙草を吸おうと部屋に戻ると。偶然にも椅子に腰掛けているリアと鉢合わせた。

 

「…………」

 

特に言葉を発したわけではないがリアはすぐさまビューリングの存在に気付く。そして彼女も何も言わず、目だけでちらりと隣を一瞥するとまた窓の外の景色に視線を戻した。

 

「…………」

 

「…………」

 

とりあえず避けられているわけではなさそうだ、と椅子に座るビューリング。しかしどう切り出せばいいか分からずに長い沈黙が続く。普段ならそれも気にならないところだったが、今は重く感じてしまう自分がいた。

 

「……悪かった」

 

結局出てきたのはストレートな謝罪。それに対してリアはまた目だけを向ける。

 

「…別に。びっくりはしましたけど、気にはしてません」

 

「…………」

 

「それに、その……アレがあったら、女性の身体を見て反応するのも当然だと考えるべきでしたし。私も軽率でした」

 

申し訳なさそうに視線を落とす。確かにリアの身体は女性としての魅力に溢れているが自責の念に駆られるのは変なことだ。全面的に悪いのは欲望を抑えきれなかった自分だと叫びたかったが、これでおあいこになるならと何も言わないでおいた。

 

「……そういえばお前、どうしてマフラーなんて巻いてるんだ」

 

この日のリアは普段から着ている防寒用のセーターだけでなくマフラーまで巻いていた。しかし室内でも着用しているというのは違和感ばかりでこうして疑問に思われたのだろう。そう言われて、今度は顔も向けてじろりと睨まれる。

 

「…誰のせいだと思ってるんですか」

 

「………?」

 

恨みがましい視線を向けられても疑問符を浮かべているビューリングにこれだけでは足りないと思い、マフラーを取ってその下の素肌を露わにする。そこには小さな赤い痣のような痕ーーーキスマークが残っていた。

 

「これが見つかったら大騒ぎですよ…変な噂になっても困るでしょうし」

 

「…………」

 

「……ビューリングさん?」

 

それを見たビューリングは硬直していた。かと思えばすくっと立ち上がりつかつかと歩み寄ってくる。

 

「あの………ひゃっ!?」

 

椅子に座ったままのリアに股座が押し付けられる。そこにある、熱を帯びた剛直を。

 

「え、やっ、ちょっと…!な、なんでまた…」

 

「お前が見せつけるから、だっ…!」

 

キスマークを見せたことによって昨夜の行為を思い出し、欲情してしまったのだろう。今のビューリングの性的な感性は完全に男性のそれと言っていい。迂闊に見せてしまったリアにも責任はあった。

ぐいぐいと額に擦り付けるように上下するそれを引き離そうと力を込めるが、昨日と同じで魔法力を発現させているためかまったく歯が立たない。大人しくしていることしかできなかった。

 

「……っ…!」

 

そのうち、降ろされたズボンからビューリングのモノが露出する。

こうして間近で見せつけられると、改めてその大きさにお腹の下辺りが引き締まるような感覚を覚える。空気に触れ、小さく震えるそれはリアの前髪を先端で押し上げるほどに怒張していた。

 

そして、頬に朱みが差したままどうすればいいのか分からず固まっていると、不意に頭を掴まれて。

 

「な―――んぐうぅっ!!?」

 

空いた口内へ、男根を押し込まれた。

根元まで入っているそれの先端は容易に喉奥へ届き、嘔吐感を引き起こすがなんとか堪えて呼吸を紡ごうとする。

 

「ぅ…ん、ぐむぅ…」

 

が、肺に吸入されるのはわずかな酸素と濃厚な雄の臭気。

頭がくらくらするような、それでいて身体の奥底から燃え上がる感覚に襲われる。

 

「うっ……はぁ…使わせてもらうからな…」

 

「んぶっ!?う、うぐぅぅーっ…!」

 

ビューリングはすっかりスイッチが入ってしまったらしく、息苦しさを訴えるように太腿を叩いても男根を引き抜く気配はない。それどころか更なる快感を求めて腰を前後させ始めた。

舌の上を熱い肉棒が滑る。裏筋を擦り付けるように。逃れようとしてもがっちりと両手で頭をホールドされていて、物を扱うみたいに乱暴に動かされる。瞳に涙を浮かべ、見上げるがビューリングはそれを見てさらに興奮を煽られたのかより早く、強く喉奥をノックするようになる。

 

「うぶっ…!んっ、ぐっ…んんんーーっ!」

 

「はぁ……はぁ…いい、ぞ……」

 

不意に、具現化した猫耳に指が触れる。前後させる動作のズレを直そうとしているうちの無意識なのか、それとも故意に触れているのかリアからは視認できなかったが自身の身体の一部となっているそこを触られると、なぜか背筋にぞくぞくと電撃めいた何かが走った。

 

唇にカリ首を引っ掛けるように腰を引き、また根元まで一気に差し込んでいく。何度も何度もそれを繰り返し、先走りと唾液の交じったぬるぬるとした感触を愉しむビューリング。その表情は普段の仏頂面の彼女からは想像もできないほど蕩け、だらしなく開いた口からは放心したように涎が垂らされたままだった。

リアのくぐもった声。言葉の代わりに響く、厭らしく下品な水音。それを糧にして似つかわしくない荒い息を吐くビューリング。ひときわ大きく腰を突き出し、頭を掴み寄せると、散々良いように弄んだ咥内に仕上げと言わんばかりに熱い白濁をぶちまけた。

 

「んん゛ーーーっ!!?」

 

声にならない悲鳴が漏れる。舌に乗せるというより喉に直接流し込まれるように吐き出された精液は本人の意思とは関係なく嚥下してしまう。しかし粘つくそれは口内に異物がある状態では上手く飲み込めず、リアは力を振り絞ってビューリングを引き離すと大きく咳込んだ。

 

「げほ、げほっ!げほっ…うぇ……」

 

飲み切れなかった、あるいは鈴口から滴った精液が太腿に零れ落ちる。それがあまりにも扇情的に見えて。ビューリングの逸物は再び硬度を取り戻しかけたが、リアが口元を押さえたまま。

 

「……サイテーです」

 

「……はっ…!」

 

明らかにうすら暗い感情を込めた眼差しに我に返る。

珍しく慌てた様子で謝罪するがリアは特に何も言わず、呼吸を整えていそいそと口元を拭いている。

 

「……本当にすまん」

 

「…それ、昨日も、さっきも聞きました。本当に反省してるんですか?」

 

「…ああ」

 

「反省してたらこんなことしないと思います。ましてや二度も同じ相手に」

 

「………すまん」

 

「…もう聞き飽きました」

 

これまた珍しく怒った様子のリア。今度ばかりは性欲に身を任せたビューリングの愚かな行為に腹を立てているようだ。しばらく二人の間に重苦しい沈黙が流れる。元々口数の多い方でないリアとビューリングだったが、この時は特に気まずい思いだった。

 

「……です」

 

「…ん?」

 

やがてリアの方から口を開くが、か細い声でほとんど聞き取れない。

今度は小さくだが、はっきりとした語調で言い出した。

 

「…こんな人を野放しにしておいたら危険です」

 

「…………」

 

事実、その通り。もう二度も強引な行為に付き合わせている。ビューリングとしては返す言葉がなく黙っていることしかできない。だが、続いたリアの言葉は耳を疑うものだった。

 

「……わ…」

 

「……わ?」

 

「わ……私、が…処理してあげます…」

 

「………は?」

 

「わ、私がその、ソレの処理をすると言ってるんです!ほら、他の子に被害が及ばないように!二回やってしまったらもう三回も四回もおんなじです!だから、またしたくなったら私のところに来てくださぃ……」

 

「…………」

 

自分が相当恥ずかしいことを言っていることに途中で気付いたのか、最後の方は小さくすぼんでいった。それを言われたビューリングも、また。すでに犯してしまった過ちを鑑みて自分を抑えられるか保証できないでいたので。

 

「……わかった」

 

了承、の返事をした。

リアは真っ赤になりながら、肩を震わせていた。

 

 




後半へ続く…たぶん
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