014 レイヴェルとお兄ちゃん
数日後 一日の活動が終わり部室にてくつろいでいる時
俺はまだチラシ配りをしている
ティアが俺の使い魔になってくれたけど、
まさか五大龍王最強格にチラシ配りなんてさせるわけにもいかないので以前と状況はかわってない
チラシ配りなんてさせたらドラゴンのプライド傷つけまくるだろうからな……
「明後日からGWか、早いな時間が経つのは」
「週末からの合宿楽しみですっ」
「みんなそろそろ準備しておいてね?そろそろ全体の日程表も出すわ」
「はいっ……」
「小猫ちゃんすごく楽しそうだね」
「部活で合宿って初めてなんです、だからちょっとワクワクしてます……」
「そうか、そうだな。楽しみだな!合宿!」
「はいっ……」
「私も楽しみですっ」
「私も楽しみですわ。イッセー君?合宿所のお風呂で背中流してあげますからね。うふふ……」
「ちょっと、朱乃?その卑猥な表情で親切ぶっても無駄よ?何かする気満々でしょ!」
「いやですわ。部長、部員を疑うなんて……。
お風呂でお背中流してる時につい足を滑らして「つい」押し倒す「流れ」なって、
石鹸の滑りで「つい」にゅるっとアレが挿入っちゃう「流れ」なんて私、期待してませんよ?」
「誰もそこまで言ってないじゃない!ダメよっ?私もイッセーと一緒に入りますからねっ!
油断も隙もあったものじゃないわ……!イッセーの背中は私が流すからあなたはさっさと体洗って出なさいよ!」
「私って髪が長いし、リアスと違って髪を洗うのに時間がかかって長風呂ですの」
「私だって髪は長いわよっ!何その「リアスは髪ちゃんと洗ってませんよね?」みたいな言い方っ、
ちゃんと髪も洗って綺麗にしてるわよ!ね!?イッセー!?」
「うん。リアスも朱乃も綺麗な髪だと思うよ」
「ふふっ、ほらっ?イッセーだって私の髪は綺麗だって言ってるじゃない!」
「あらあら、リアスったらどうして今の「朱乃も」の部分をすっ飛ばして聞こえるのかしら?」
もうこの二人の口喧嘩も日常の風景になってきたな……
小猫ちゃん情報によると、この二人はこうやって適度に喧嘩する事でストレスを発散してるらしいからいいか
この二人の口喧嘩はエスカレートし過ぎないから安心して見てられる……
この間みたいに教室でやろうとしたらさすがに止めに入るけど
「……イッセー先輩って髪が長い女の子が好みなんですか?部長も朱乃さんもアーシア先輩も髪長いですけど」
小猫ちゃんのこの問いに女子部員全員が全力で俺の方に顔を向ける
「えっ?いや……、別にそういうこだわりはないよ?似合ってればいいんじゃないかな」
「そ、そうですか……。髪型は関係ないですか、そうですか……。……イッセー先輩?みたらし団子あげます……」
「お、ラッキー、ありがとう」
「イッセー君。お茶入れるわね?」
「うん、頼むよ。朱乃」
なぜか少しだけ安心したような表情の小猫ちゃん
などといつもの調子で賑やかな部活中に、今まで見た事のない文様の魔法陣が部室に出現する
「やあ、リアス。久しぶりだな」
「ライザー!?あなた、どうしたのよっ、いきなりっ!?」
「突然来てしまってすまない。先に連絡を入れるべきだと思ったんだが、急に予定がキャンセルになって時間ができてな、来させてもらったんだ」
「え、ええ。まあ、それなら……」
「ああ、挨拶が遅れたな。俺はライザー・フェニックス。元72柱、
上級悪魔フェニックス家の三男、リアスの元婚約者だ。よろしくな?リアスの眷属たち」
へぇ、元婚約者か。いわゆる許嫁ってやつか
漫画とかアニメでよくあるやつだけど、本当にあるんだなこういうの
俺がリアスと付き合いだしたから「元」なんだろうな、きっと……
何はともあれリアスにお客様だ。眷属としてリアスの恥にならないようにしないと!
「駒王学園高等部二年で、リアス・グレモリー様の眷属ポーンの兵藤一誠です!よろしくお願いします!ライザー様!」
言いながら頭を下げる
「駒王学園高等部二年で、リアスグレモリー様の眷属ビショップのアーシア・アルジェントと申します!よろしくお願いします!ライザー様」
アーシアも同じく頭を下げる
「ああ、よろしく。……なるほど、やはりいい鍛え方をしているようだ」
「こんにちは、お久しぶりです。ようこそいらっしゃいました。ライザー様……」
「お久しぶりです。ようこそおいでくださいました……。ライザー様」
「こんにちは、お久ぶりですわ。ライザー様」
みんなが壁際に整列し頭を下げる
「ああ。いい、いい。楽にしてくれて構わない。
今日はプライベートで来たのだから堅苦しいのはなしで頼むよ」
「「「「「はっ!」」」」
「ええと……、もうじき来るかな……?」
魔法陣が出現し、ずらりと女性ばかりの悪魔たちが姿を見せる
「ああ、今日は俺の眷属達も連れてきているんだ。騒がしくしてしまって申し訳ない」
眷属悪魔らしき女性たちが揃って頭を下げる、こちらも揃って頭を下げる
「眷属まで……?どういう事なの?ライザー」
「ああ。まずはリアスにいい人が見つかったと聞いたのでお祝いを言いにきたのと、……少し野暮用でな」
「おめでとう、リアス。いい人が見つかってよかったな。彼と幸せになってくれ」
ライザー様の眷属の方々がリアスにお祝いの言葉を贈る
「ありがとう、ライザー。嬉しいわ。あっ、紹介するわ。彼がその……」
「事情はサーゼクス様から聞いているよ。彼が今代の赤龍帝、兵藤一誠君だろ?で、彼が君の想い人なのだろう?」
「ええ、知っていたのね?」
「ハハハ……、サーゼクス様に彼の事を半日かけて自慢されたよ。例の動画と一緒にな。サーゼクス様もお喜びのようで何よりだ」
「ふふっ、お兄様ったら……」
「それともう一つ。野暮用というか……。まぁ……、なんというか、ちょっとした頼みがあってきたんだ……」
「頼み……?何かしら」
「あ……いや、リアスにじゃないんだ。その、兵藤一誠君に頼み事があってな……。少し、いいか?リアス?兵藤君?ちょっとこっちへ……」
「……何かしら?」
「私に何かご用でしょうか?ライザー様」
ライザー様が部屋の隅に俺たち二人を呼び小声で話し出す
「それが、さっき先日サーゼクス様が彼の話をされてる時に、彼の動画を見せていただいたと話しただろう?」
「ええ……」
「はい」
「その動画を見せていただいた時に、うちの妹のレイヴェルが兵藤君を大変気に入ってね……。
いわゆるその、なんだ……、……一目惚れってやつらしいんだ」
「えええっ……うぐっ!?」
動画……?なんの動画だろう?俺が映ってるものだろうけど
「ばっ!?リアス!?大声出すな!俺がレイヴェルに問い詰められるだろっ!」
ライザー様がリアスの口を塞ぐ
「うぐ……」
リアスが頷いて返事を返す
「……それでな?レイヴェルがどうしても兵藤君と一緒に写真を撮りたいと俺にせがむんだ……、
「元婚約者の方の眷属の方ならお願いしてください、お兄様」ってな。
兄としてできれば叶えてやりたいんだ。すまないが協力してくれないか?二人とも」
いい「お兄ちゃん」してるな、この人
なんか気持ちがわかるから協力してあげたい気持ちはあるな。
まぁ、リアスの許可が出たらだけど
「お兄様……?一体何をコソコソとリアス様と兵藤様とお話しになっておられるのですか……?」
「えっ!?いやっ?なんでもないぞっ?レイヴェル!お兄ちゃんは別にコソコソなんてしてないぞっ」
「……あとで何をお話しをされていたのかお聞きしますね?お兄様……」
「レ……、レイヴェルが心配するような事は何もないさ。写真の件を取り付けてるだけだよ」
「……本当ですか?リアス様」
「えっ?ええ!それは間違いないわよ。ね?イッセー」
「は、はい!その通りです!レイヴェル様っ」
「レ、レイヴェル「様」だなんて、そんなっ……兵藤様っ……」
レイヴェル様がお顔を真っ赤にしながら俯いてしまう
そういえば。この部屋に転移してきてからチラチラとこちらを見られている気がする
再びライザー様が俺たち二人を壁際に向かせる
「……な?見ての通りガチっぽいんだ、これが……」
「本当ね……。あの子も年頃になったという事かしら……」
「は、はぁ……」
「だから頼む!写真を一緒に撮ってやってくれないか?兵藤君っ」
「……私は構いませんが……、リアス様?」
「しかたないわね……」
「そうか!やってくれるか!ありがとうリアス!恩に着る!
これで俺の兄としての顔も立つ!じゃあ、頼むよ!兵藤君!」
「はい!写真撮影の件喜んでお引き受けさせていただきます!」
「そうか!やってくれるか!いやぁ、本当に助かるよ!
さすがリアスの眷属だ!話がわかる!ハハハハハ!」
「ふふっ、私のイッセーは最高だってお兄様も言ってたでしょう?」
「ああ、最高だな!あー……、そうだ……。兵藤君?」
「はい!なんでしょうか?ライザー様」
図々しいのを承知でもう一つ頼みがあるんだ……、
兄としてレイヴェルに少しおせっかいを焼いてやりたいんだ……」
「おせっかい、と申されますと……?」
「うちは上級貴族フェニックスの家だ。レイヴェルはその娘だ。
幼い頃から、「女は男を立てるもの」と厳しく親や教育係に躾られてきてな?
特に意中の男に様付けされるのがすごく苦手みたいなんだ。
ほら……、さっきもすごく動揺していただろう?」
「あ、はい……。確かに動揺されてましたね……」
「だから、たぶん写真を撮る時に、「私に「様」付けなんてやめてください、敬語も必要ないです」
とか兵藤君にそういう事を言うと思うんだ、それを受け入れてやってくれないか?」
本当にこのライザーって人いいお兄ちゃんしてるな……けど、難易度高いぞこれ……
「えっ?あの、初対面ですし、それも上級悪魔の……悪魔業界の名門の方ですよね……。フェニックス家のご令嬢って……!」
「それを言うならグレモリーだって名門さ。君がリアスとプライベートでは敬語なしで親しく話していると聞いているよ?」
「あっ……、ご存じでしたか……」
「もちろん。君がリアスととても親しくしているという事も聞いているよ」
あっ……、大体こっちの事情しってるんだな
「それで、だ。レイヴェルがそう言った時に兵藤君が戸惑ったり、困った顔をすれば、
レイヴェルは「自分が兵藤様を困らせてしまっている、そうなるくらいなら自分が諦めれば兵藤様を困らせずにすむ」
と自分を責めて諦めてしまうような娘なんだ。だから、頼む!」
「仕方ないわね……。乗りかかった船よ、やってあげなさい?イッセー」
「はいっ!承知いたしました!ライザー様!」
「そうか!受けてくれるか!ありがとう!兵藤君!
今度この礼はさせてもらうからな!今度一緒に食事でもしようか!
うちの領地で作られるエールとうちのコックが作る
「焼き鳥」は一緒に食べると最高なんだぞ!ハハハハハ!」
パンパンと俺の肩を叩きながら豪快に笑うライザー様
本当にいい兄ちゃんしてるよな、この人
本当に妹が大好きで大切にしてなったらこんな行動しないよな……
よし、じゃ、俺からリードしてあげますか!
俺が言い出せば責任は俺に来るし、何かあってもこの子が苦しまなくて済むだろう
「よし!話は決まったぞ!レイヴェルっ!」
「は、はい……?お兄様……」
「兵藤君がレイヴェルと写真を撮ってくれるそうだ!良かったな!」
「ほっ!?ホントですかっ!!お兄様っ!?ひょ……兵藤様……?本当によろしいのでしょうか……?」
「はい!レイヴェル様!写真の件謹んでお受けいたします!」
「っ~~~~~~~~~~!!」
「あっ、私の事はイッセーって気軽に呼んでください」
「っ……!おっ……!お名前で呼んでもよろしいのですか!!」
「ええ、レイヴェル様がよろしければ……」
俺の返事を聞き、顔を真っ赤にさせ手を前で超もじもじし始めるレイヴェル様
「でっ……では!イッセー様とお呼びしてもよろしいですか……?」
「えっ、様って……、呼び捨てで構いませんよ?」
「いっ!いえ!?殿方を呼び捨てだなんてそんなっ!そ、そうですわ!
わっ……わたくしの事も……その、レイヴェルと呼び捨てていただけますか……?」
「呼び捨て、という事は、もしかして敬語も不要な感じでしょうか?」
「ええっ!もっ!もちろんっ!呼び捨てで構いませんしっ!敬語も結構ですわっ。
そのっ……リアス様と普段接してらっしゃるように気軽な感じでお願いできれば、と……!」
よしよし、うまく誘導できたみたいだ……
「わかったよ、レイヴェル。これでいい?」
軽く微笑みながら、できるだけ安心してもらえるように心がけていう
「っ~~~~~~~~~~~!!はいっ!!」
耳まで真っ赤にさせながら小さくガッツポーズをなさるレイヴェルさん
ライザー様も満面の笑みでガッツポーズした後サムズアップしてくれていた
リアスは「やれやれ、仕方ないわね?」と言ったちょっと困ったみたいな顔で腕を組んでいた
「やったな!レイヴェル!おめでとう!」
「「よかったね!レイヴェルちゃん!」」
「やったな!レイヴェル!」
「これで今日はゆっくり寝られるな!レイヴェル!」
「よかったわね、レイヴェル……。ありがとうございます、兵藤様……」
「「ありがとう!赤い龍のお兄ちゃん!」」
「ありがとう!兵藤さん!これで一安心だわ!」
「本当に助かったよ!赤龍帝!」
ライザー様の眷属たちがレイヴェル様に口々にお祝いの言葉をかける
めちゃくちゃレイヴェルって大事にされてるな……
まあ、大事にされ加減ならうちも負けてないけど
「あ、いえ……。とんでもないですよ」
「じゃあ、カメラの準備をさせるわね?」
「ああ、それには及ばない。機材はこちらで用意してきてある。気遣いありがとう、リアス」
「あら、ずいぶん用意がいいのね?もしかしてこっちが本題だったのかしら?……あぁ、だから眷属全員連れて来てスタッフに……」
「ハハハ……、そう言わないでくれ。君にお祝いを言いに来たのも大事な用事の一つだよ……」
「という事で……!みんな!レイヴェルと兵藤君の写真撮影が決まったぞ!早速撮影の準備に取り掛かってくれ!」
両手を広げ眷属に指示を出すライザーさん
「「「「「「「「「「「はいっ」」」」」」」」」」
ライザー様の眷属のみなさんが一斉に収納魔法陣から機材らしきものを取り出し準備を始める
「えっ、ええ……?なんだかすごく大がかりな撮影ね……?」
「ええ!レイヴェルが初めてご家族以外の殿方と一緒に写真を撮るのです!
最高の一枚にしたいじゃないですか!」
「機材はプロ仕様、副業でプロのカメラマンをしている者も今日は来させていただいております!リアス様っ」
「「さっつえい!さっつえい!」」
「リアス様?レイヴェルのお色直しにお手洗いをお借りしてもよろしいですか?」
「……廊下をでて左に行けばあるわ」
「ありがとうございますっ、レイヴェルっ?行きましょう!」
「お色直しって……、結婚式みたいになってきたね……」
ピクッ!!!
俺の言葉に部室の空気が変わる……
「けっ……、結婚だなんてそんな……!気が早すぎますわっ!イッセー様……!
で、でもっ!イッセー様がどうしてもとおっしゃるのなら……!」
「レ、レイヴェル?レイヴェル?先走りすぎ先走りすぎ……。兵藤様が困ってしまいますよ……」
「はっ……?わ……私っお色直しに行ってまいりますわっ!退室失礼します!リアス様っイッセー様っ!皆様っ!」
レイヴェル様と連れて眷属の方が部室から出て行く
「……イッセー君っ!?後で私とも写真撮りましょうね……!」
「イッセー!私とも後で写真撮るわよっ?いいわねっ!」
「イッセーさんっ私とも撮ってくれないと嫌ですからねっ!?」
「……じゃあ、私も流れで……」
「ハハハ……、いつもの流れだね。イッセー君」
「……それって、いつもみたいにみんなで撮ったほうが早いんじゃ……」
「「「「集合写真とツーショット写真は別物(です)よ!」」」」
「……もう少し女心をわかってください。イッセー先輩はイイ線はいってますがまだ少し足りないです」
「ハハハ、イッセー君。頑張ってね?僕はカメラマンを頑張るよ」
「う、うん。努力してみるよ、子猫ちゃん。カメラマン頼むな?木場……」
「任せてよ!最高の一枚を撮って見せるよ!」
こいつ……写真部のほうが肌にあってるんじゃないか?
「そうだ、部長?普通にカメラで撮った写真でツーショットもいいですが、
携帯のカメラ機能で撮ったりするのもいいんじゃないでしょうか?
世の中の女の子はいつでも見られるように意中の男性の写真を待ち受け画面にしたりするそうですよ?」
「……っ!それよっ祐斗っ!さすがだわっ!あとで携帯で撮影もお願いっ」
「木場君?私もお願いしますね?」
「木場さんっ!私もお願いしますねっ!」
「承知しました、任せてください!」
「イッセー先輩?女心を理解するのには祐斗先輩がお手本としていいかもしれません……」
「そうみたいだな。こういう気遣いができる木場は凄いよなあ、俺も見習わないとだ」
「ですね。祐斗先輩は眷属一の気遣い人です」
「そうだ、リアス?まだ先になるんだろうが、式には呼んでくれよ?」
「ええ、もちろんよ、ライザー」
「あ、あの、ライザー様……?少しご質問させていただいてもよろしいですか」
ここで一つ疑問をライザー様に投げかけてみる
どう自分をひいき目に見てもライザー様からすれば、
俺は婚約者を自分から奪った恋敵みたいな存在なはずなのに……
ライザー様はなぜか俺に好意的だからだ
「うん?なにかな?兵藤君」
「あ、あの、私がリアス様とお付き合いする事で、その……、ライザー様にご迷惑というか……、不快な思いをさせてしまったのでは、と……」
「……あぁ……、なるほど……。確かに君から見ればそう見えるか……うんうん……」
「え、ええと……」
「君がリアスと付き合う事で「婚約者を後から来た男に横取りされた男」だもんな俺、世間的には……。
それに今回の件はリアスからアプローチをしたらしいから、君自身自分が何か悪い事をしたって意識も持ちにくいだろうし……
謝罪の言葉を言うと言うのもそもそも悪い事をしたという意識がないのだから、相応しくないと感じるだろうし……。
確かに君からすれば俺って反応に困る微妙な存在だな……」
「……」
何も言わず頷いて返す
「兵藤君。俺らの婚約の話なんて全く気にしなくていいから。
俺もリアスもお互いの事はなんとも思ってないから、俺に遠慮せず存分にリアスと仲良くしてくれ」
ライザー様から思わぬ言葉が飛び出した
「えぇ……!?」
「ハハハ……、まぁ……、その反応も理解はできるよ」
「そうね……、私もイッセーの立場ならそういう反応になると思うわ……。
私は当事者だけど悪い事をしたという意識はないもの」
「そうだろうな。俺も何か嫌な事をされたという意識はないよ。
俺がこう感じるんだ、兵藤君からすれば不思議でたまらないだろうな」
「そうでしょうね……、イッセーがこんなに驚くのなんて珍しいわ」
「はい、驚きました……、リアス様」
「そりゃ驚くだろうな。怒られるまではないにせよ、何か嫌味の一つでも言われる覚悟で聞いただろうに。
返ってきた言葉が「別に気になくていいよ?ご自由にどうぞ」だもんな!ハハハハハ!!」
「は、はぁ……」
あれ……おかしいな
俺結構聞きにくい事を聞いたつもりなんだけどな……
「……なぁ、兵藤君?俺とリアスが初めて会ったのはさ、6歳の頃なんだ、その時リアスは1歳だ」
「はい……」
「で、その時に親に「この子はお前のお嫁さんになるかもしれない子だ」と言われたんだ」
「……はい」
「で、次に顔を会わせたのが、それから5年後の11歳の頃だった、その時お互い自己紹介して数時間だけ一緒に遊んだ」
「はい」
「その次が14歳の時だから……、それから3年後だ。
その時も親同士の付き合いについて来たリアスと挨拶したくらいだ」
「はい」
「まあ、16歳の時に街ですれ違うくらいはあったんだがな?」
「そうね……」
「で、その次は俺が20歳の時に成人になった記念パーティを家で開いた時に2~3話をした程度だ」
「それから3年後の今日、こうして顔を会わせ話をしている。……どうかな?
こんなに接点のない二人の間に何か特別な感情が生まれると思うかい?」
「いえ……。思えません」
「並べてみるとすごいわね……。本当に接点なんてほとんどない状態だわ……」
「実際、親父たちが勝手に決めただけだよな」
「そうね、こうして会う事になれば世間話程度はするでしょうけど、
それ以上の関係かと言われるとはっきり違うと言えるわね」
「ああ、俺もそうだ」
「……そうだ、兵藤君に俺とリアスの間に起きた面白い話を聞かせてあげるよ」
「ライザー……?」
「まあ、いいじゃないか。もう婚約も解消されたんだから、後の祭りだろ?」
「……イッセーに変な話はしないでね?」
「俺が体験した貴重な経験の話だよ」
「兵藤君は、リアスが「紅髪の滅殺姫」という異名で呼ばれているのは知っているかい?」
「はい、前に一度その二つ名で呼ばれていると聞いたことがあります。
確かリアス様が滅びの魔力を有しているからと……」
「実はあの二つ名は俺が名付けたんだ」
「えっ」
「リアスがあまりにいろんな物を消し飛ばすものだから、
俺が思いついたのをつい口にしたらなぜか流行ってしまって定着してしまったんだ」
「……?いろんなもの、ですか」
「俺が8歳の時、親父にねだってやっと買ってもらった、鉄道模型があったんだ
凝りに凝って毎月の小遣いで少しずつパーツ等を買い足して
三年かけて鉄道模型のジオラマを作った。
11歳の時に家に来ていたリアスにそのジオラマを見せたら、
興奮しすぎたらしく魔力を暴走させて俺の模型を全て跡形もなく消し飛ばした」
「ラ、ライザー!?」
リ、リアス……鉄道模型のジオラマとか時間かけて苦労して作る努力の結晶じゃないか……、
消し飛ばしちゃだめだよ……不可抗力だろうけどさ……
「次に、16歳の時、俺に初めて彼女ができて、彼女と初デートを楽しんでいた時、
たまたま冥界の駅前の喫茶店で俺と彼女がお茶をしていた時だ。ちょうどその時リアスが通りがかって話かけて来てな?
その時彼女がリアスに「あなたライザー君とどういう関係?」と聞いて「私はライザーの婚約者よ」と正直に答えたものだから、
二股をかけられたと感じた彼女にその場で「最低!」と俺は彼女に平手打ちをされて俺の初恋は跡形もなく消し飛ばされた」
リ……、リアス?人の初恋とか誰しもが心に残る一生の思い出じゃないか
消し飛ばしちゃだめだよ……!不可抗力だろうけど……!
「ラ!?ライザー!?やめてやめて!それ以上はやめて!」
「まあ、いいじゃないか、婚約解消記念に俺にも吐き出させてすっきりさせろよ、リアス。それでな?極めつけが……」
まだあるの!?この人の体をはった自虐ネタ!ちょっと聞くのが怖くなってきたよ!?
「き、聞きたいです……続き……」
「イッセー!?」
「俺は学生の頃コックになりたくってな?大学を卒業後はレストランに就職してコックとして働くのが夢だったんだ」
「はい……」
「それで、この就職難だろ?冥界も悪魔の人口が減って人手不足とはいえ、
相応に仕事ができる者か実績のある者しか採用しない所がほとんどなんだ。
実績もない技術もそれほどない新卒には状況がかなり厳しいんだ、これは人間界も似たような感じだと聞いているが……」
「はい、昨今の就職難はよくニュースで流れています……」
「そうだろう?……で、やっとの思いで内定をもらったレストランがあったんだよ。俺は意気揚々と内定式の日を待っていたんだ」
「はい」
「実はそこのレストランはグレモリーの出資で経営されていてな?」
「リアスがそこで食事をした時にパスタのミートソースを食べた際に、ミートソースが跳ねて服について汚れたらしいんだ。
「買ったばかりのドレスが汚れた」という理由で、リアスが激怒して、
経営に関し全権利を任されているサーゼクス様に言いつけてレストランは閉店になり、店ごと俺の内定も消し飛ばされた……」
「ハハハハハ!!どうだ?面白いだろう?
それでふと思いついて「紅髪の滅殺姫」って口走ったらそのまま定着してな?」
「紅髪の滅殺姫」の二つ名の由来って滅びの魔力を有しているからじゃなかったのっ?
いや、ある意味滅びだけどさ……!
リ……リアス!?内定とか人生が関わるものじゃん!
そんなの消し飛ばしちゃダメだよ! 不可抗力だろうけど!
笑えないよ!笑えったって笑えないよ!ブラックジョークの加減が凄いよ!
それだけ色々消し飛ばしてればそりゃ「紅髪の滅殺姫」言われるよ!
ライザー様!?頑張ってください!頑張って生きてください!俺応援してます!
「あの……、うちのリアス様が申し訳ありませんでした……」
「ああ、いいんだよ。今となってはこうして笑い話さ!まあ、吐き出させてもらったけどな!ハハハハハ!」
懐深いな!ライザー様!
「うう、バラされちゃった……」
「ふう……、でもすっきりした!いやー、今まで誰にも話せなかったんだ、
話す事でだいぶ気が楽になったよ。ハハハ……」
すごいな!この人!これだけの事今まで抱え込んでたの!?
普通誰かに愚痴るよ!?吐き出したいってその気持ちわかりますよ!
さすが上級悪魔だ、器がでかいぜ……
「うぅ……、イッセー……?」
恐る恐るこっちを震えながら涙目で上目遣いで見てくるリアス、
親に叱られる前の子供みたいな表情だ、
何か少しでも傷つけるような事があれば今にも泣きだしそうだ!
お客様の前でそれはマズい!リアスの周囲からの評価が下がってしまう!
仕方ない!リアスが泣いてお客様達の前で無様を晒すより俺が全責任を被ったほうがずっといい!
「あの、ライザー様。今だけ敬語外してリアス様と話すのを許可していただけますか?
リアス様がどうにも不安になってらっしゃるようで……」
「ああ、かまわないよ、兵藤君。それに、これからもっと崩してくれた方が俺としてはありがたい……。
まずはその、俺に対しての「様」付けをやめてみようか」
「えっ!?そ、そうですか?わかりました……。では、「ライザーさん」とお呼びしますね」
「ああ。それで構わない。ほら、これからレイヴェルの事で君には色々と世話になるだろうしね……。
俺としても君とはいい関係を築いて行きたいんだ」
「……はい。では……、ある程度崩させていただきます……」
「そうしてくれると俺も接しやすい。リアスといつも通り話して構わないよ、俺は気にしないから」
「ありがとうございます……」
「うんうん、そんな感じでレイヴェルとも仲良くしてくれると嬉しいな……」
「はいっ、それはもちろんです!光栄ですっ」
「……さっきも少し話したけど、あいつは上手に自分の思ってる事を出せない所があってね……。
そういう所を汲んでやってほしいんだ」
「な、なるほど。お気持ちを察する事ができるように努力します」
「ああ、頼むよ、兵藤君」
「はいっ」
「えっと……、リアス?心配しなくても大丈夫だよ。別に悪気があってやったわけじゃないみたいだし。
さっきの聞いたからって嫌いになったりしないから安心していいよ」
「ホント……?イッセー……」
上目遣いでうかがってくる
「ああ、本当だよ。俺がリアスの事嫌いになったりするわけないだろ?」
「うう……、よかった……」
リアスが心底ほっとしたような表情になり、いつもの表情に近い表情に戻った
「はははっ、仲がよさそうでよかった、安心したよ、リアス」
「ラ、ライザー……、あなたが色々バラすからでしょ……!」
「ハハハ!誰かに吐き出すなら今しかない!って思ってな」
「もう、恥ずかしいったらないわ……!」
確かに……、笑い話にできるのはこの人の懐の深さゆえだろうけど、
どこかに吐き出したいものではあるよな……。俗な言い方をすれば誰かに愚痴りたいよな……
けど彼女の件とかは友達に吐き出せるような話じゃないし、友達に恋人がいない場合惚気に聞こえるし……
他の件にしたって、ご家族に話すと親同士の問題になりかねないからダメだし
特に妹のレイヴェルには絶対聞かせたくない話だろうし……
こうなるとリアスと付き合いだした事で婚約話をご破算にした相手、つまり俺くらいしか吐き出せる相手はいないか……
うん、やっぱりこれは俺が受け止めるべきことだな。
俺なら受け止めるんでどんどん愚痴ってください!ライザーさん!
「お待たせしました、兵藤さん!撮影の準備が整いました!」
「おぉ、撮影の準備が整ったようだよ、兵藤君。じゃあ、レイヴェルをよろしくね?」
「は、はい!まかせてください!ライザーさん!」
「じゃあ、私たちは少し隅へいっておきましょうか、ライザー……」
「そうだな。……おっと?何か小言を言われそうな雰囲気だ」
「これ以上あなたが余計な事を言わないように釘をさすだけよ……」
「これ以上はないって、……たぶん……」
「たぶんって……!それが心配なのっ。
もうっ、イッセーに聞かせなくてもいいじゃない……!」
「そう言うなって、俺だってすっきりしたかったんだ……」
などと言いながらライザーさんと隅へ移動するリアス
「い、イッセー様っ、よろしくお願いいたしますっ!」
お召替えを済ませ、先ほどの普段着っぽいドレス服から
豪華な薄いピンクのドレスに着替え薄く化粧もされてるレイヴェル
いつの間にか光を反射させる鏡を持った眷属さんやライトを持った眷属さんやカメラマンさんがスタンバっていた
……どこのスタジオだ……?
何か気の利いた事言ったほうがいいんだろうな、これ
「ああ……、綺麗だね、レイヴェル。よく似合っているよ」
「~~~~~~~~っ……そっ!そうですかっ!きっ!気に入っていただけて嬉しいですっ」
「では、兵藤さんとレイヴェル並んでくださーい!」
「あっ、はい!」
「し、失礼しますっ!」
「うーん、兵藤さん?もうちょっとぴったりくっついてもらっていいですか?
カメラの調子悪いのかな?それしかフレームの大きさ設定できなくて、入りきらないので!」
「あ……はいっ、……これくらい、ですか?」
「うーん!いいですね~!でも、肩とか抱いちゃってぴったり寄り添う感じがいいかもしれません!
すみません!なにぶん機材が古くて!それしか収まりそうにないんですよね~!」
「あっ、機材が不調なら僕のカメラを……むっんっ!?」
「……あの?……ちょっと、黙っててもらえます……?」
「木場さぁん……?あまり余計な事はしゃべらないでくださいね……?さ、こっちへ……」
「んむっ!っ……!」
ライザーさんの眷属二人に木場が口を押えられ後ろの方に引きずって連れて行かれる
「さ!兵藤さんっ、レイヴェルの肩抱いちゃってくださいっ」
「あ、えと、いいかな?レイヴェル……?」
「はっ……!?はいぃぃぃっ!!!どっ!どぞ!どうぞ!いくらでもどうぞっ……!」
俺はレイヴェルのできるだけ優しく肩を抱く
「っ~~~~~~~~!!!!きたぁ……」
「えっ?」
最後何か消え入りそうな声で何か言ったので聞き返す
「あっ、やっぱり嫌だった……?ごめんよ……?」
やっぱりまずかったのかと思い肩を抱く力を少し緩めながら謝る
「いっ!?いいえええええっ!?ぜんっぜん!大丈夫ですっ!
このままで構いませんのでっこのまま撮りましょう!」
「はい!じゃあ、撮りますねー!笑ってくださーい!」
「はーい」
「わっ!わかりましたわっ!!」
……カシャ!カシャカシャカシャカシャッ!
カシャカシャっ
「う~ん!いいですね~!最高ですよっ!
あっ!ちょっと目線こっちにもらえます?……そうそう!いい感じですっ」
などと言いながらいろいろな角度からとカメラマンさんがとっていく
「はいっ!おつかれさまでしたー!」
「あ……そうだ。レイヴェル?携帯って持ってる?」
「えっ?あ……はい……、これですが……」
「カメラマンさん?もう一枚お願いできますか」
「あ、はいっ、どの角度から取りましょう?」
機材を片付け始めているカメラマンさんに声をかける
「いや、そのカメラじゃなくってさ、レイヴェルの携帯でとってあげてほしいんですよ」
「……っ!なるほど!さすが兵藤さんですっ!思いつきませんでしたっ」
思いっきり木場の発案なんだけどな……
「では、失礼して、レイヴェル?携帯を貸してください」
「こっこれですわっ」
「ちょっと借りますね?ええと、あ……、ホーム画面にはいってもらっていいです?ロックが……」
「あ、えっと、……はい、で、これが、カメラの……これでいいはずですわ」
「はい、……これですね……。じゃあ、撮りますねー!」
カシャ!カシャ!カシャ!
「はいっ、撮り終わりましたー!おつかれさまです、兵藤さん、レイヴェル!」
「はい、レイヴェル携帯……」
「あっ、わぁ……、あっ、ありがとう……」
「あっあの!ありがとうございましたっ!イッセー様っ!」
「あ、いいよ、これくらいの事なんでもないさ……」
「いっいえ!そっ、そうですわ!わたくしケーキ作りが趣味ですのっ!
あの!もしよろしければ今度お礼のケーキを作って持ってきてもよろしいですかっ!?」
「ああ、嬉しいなぁ。食べてみたいよ、レイヴェルのお手製ケーキ」
パァ!と表情が明るくなり満面の笑みになる
「でっ、では!あのっ、今度のGWはご予定はおありでしょうかっ!」
「あぁ、残念、GWは部活の合宿で学校にも家にもいないんだ。だから合宿から帰ってきてからなら大丈夫だよ」
「なっ、なるほど!では……あの、よ、よろしければ携帯番号の交換とか……」
「あ、うん。じゃあ、ちょっとまってね。……これで……うん。レイヴェルの携帯だして?」
「はっはいっ!!ど、どうぞ!」
「ホーム画面の右下の端ほうにある黄色いボタンあると思うんだけど、それを押してくれるかな?」
「……これですね?」
「そう、それ。それが情報交換の許可のボタンだから」
ピロロン!
「……おしたかな?」
「はいっ!」
「じゃあ、……はい」
レイヴェルが差し出した携帯に俺の携帯をかざす
ピピッ!
携帯から効果音がなり情報が交換された事がわかる
「……これで情報交換できたはずだけど、一応確認してみてくれるかな?こっちも確認するよ」
携帯のアドレスを呼び出し確認すると
「レイヴェル・フェニックス」という名前が確認できた
「うん、こっちは登録できたっぽい」
「私も確認できましたわ!」
「よかった、まぁ、これで連絡入れてくれればスケジュールも合わせやすいかな……」
「はっ、はいっ!もちろんイッセー様のご都合に合わせますわっ!」
「おぉ、よかったな!これで布団の上でもじもじしなくて済むな!レイヴェル!」
「お、お兄様っ!?ちゃかさないでくださいましっ!?」
「ハハハ……!帰ったら早速怒られそうだ……。兵藤君?これからレイヴェルと仲良くしてやってくれよ?」
「はいっ!ライザーさんっ!」
「……そういえばリアス?ゲームの模擬戦はどうなってるんだ?予定はたててあるのか?」
「ええ、そうね……。そろそろ模擬戦の事も考えないといけないと思っていた所よ」
「ええと……」
「ああ、兵藤君は悪魔になってまだ日が浅いんだったね?」
「はいっ!まだ二週間ほどですっ」
「なるほど、それなら知らなくて当然か」
「あっ……、そうだわ。イッセーに説明しておかないと……」
「おいおい、リアス……。割と大事なことなんだから早めに説明をしておいたほうがいいぞ」
「ええ、そうね……反省するわ……」
「え、えっと?」
「俺から説明しようか。兵藤君はレーティングゲームというものを知っているかい」
「あ、はいっ!王を含む悪魔のチームを組んで、悪魔同士が戦う観戦可能な実戦形式の試合と聞いてます」
「ああ、基本はわかってるんだね。そう、我々悪魔の社会には王と眷属悪魔同士を戦わせる一種の娯楽競技があるんだ」
「そのレーティングゲームはプロ、アマの部門があって王が18歳になればアマの試合に出場できるのだけどね」
「……純血悪魔の中には純血だという事に誇りを持っている悪魔も少なからずいてね。
とくに転生悪魔を見下したりする輩も少なからずいるんだよ」
「あぁ……、なんとなくわかります」
人間社会でも能力の劣る者や嫌いな奴を見下す奴はいるからなぁ
こないだの匙みたいに……
「その試合前に、相手チームの悪魔に野次を飛ばして喧嘩になる事がままあるんだよ」
「ああ……。ありそうですね……」
「で、その喧嘩の際に試合前に重傷を負う悪魔もいてね?
新人の王は思わぬアクシデントに浮足立ってしまって本番で実力を出せなかったりするわけさ」
「それを重く見たレーティングゲーム管理側が実際にアマとして試合をする前に、
プロとアマの自分の好きなチームを選んで模擬戦をしてその内容を動画に撮影して
レーティングゲーム管理委員会に提出するという規則があるんだよ」
「なるほど……レーティングゲームの予行演習みたいなものですか」
「そうだね、その解釈で構わない。本番であがったりしないように勝負根性をつけるためというのが主な狙いかな……」
「実際のレーティングゲームというものを知ってもらうためと言うのもこの模擬戦の一つの狙いでもある」
「なるほど、本番になって緊張したりする人もいそうですもんね……」
「そうなんだよ。実際その本番になってガチガチに緊張してしまって、ろくに戦えないまま終わってしまうなんて事も以前はよくあったからね……」
「そうね……、実際本番になるとちゃんと戦えるか不安だわ……」
「兵藤君?そんな一方的な試合を見た観客はどう思うと思う?」
「……きっとつまらないと感じるでしょうね。お互いの実力が同じ程度なら、より慣れていたほうが勝つとわかりきってますし……」
「そうなんだよ。それでは観客に申し訳ないし、見る人が減れば運営側も収益が減ってレーティングゲーム開催自体の運営も危うくなってしまう」
「これではレーティングゲーム自体が衰退してしまうと運営が危惧し、運営が考えた末生み出されたのが、この「模擬戦制度」なんだ」
「なるほど……」
「眷属悪魔を集めるのは大変な事だし、上級悪魔にとって自分の眷属を選ぶという事は非常に重要で大切な事だ。
眷属予定の悪魔がどういう人格か見極めるのにも相応の時間がかかるんだ、問題児を入れてしまったら王として汚点になるからね。
だからこそ眷属選びは慎重にならなくてはいけない」
「はい……」
俺、心入れ替えてよかったぁぁぁぁ……!!!!
≪ククク!以前の相棒のままなら間違いなくアウトだな……!≫
本当にそうだよ!これからもリアスに恥かかせないように気をつけようっと!!
≪相棒なら大丈夫だと思うが、この間の生徒会の男のように眷属を追い出されるなよ?あれは完全に王の汚点として残るぞ≫
おう、気を付けるよ!第一にリアスに嫌われたくないよ!
≪ククク!相棒は本当にリアス・グレモリーが好きだな!ソフィア……、いやアーシアも忘れないでやってくれよ?≫
わかってるよ!アーシアも俺の大事な嫁さんだからな!リアスも朱乃もアーシアもみんな幸せにするさ!
≪フッ……!わかっているならいいんだ……≫
「その眷属集めの間に王や眷属たちに少しでも実践経験を積んでゲームに慣れてもらうというという目的もあるんだ」
「ちなみに、この模擬戦では申し込まれる方、つまりプロ、
アマのチームは眷属が揃っていて当たり前だから模擬戦に出願するほうに条件を合わせるという規約もある」
「条件、ですか」
「リアスの眷属は君を含めて5名、王のリアスを入れて6名だろう?あ、この場にいない眷属の子もいたりするか?リアス」
「いえ、私の眷属はこの場にいるこの子たちだけよ」
「じゃあ、王のリアスも含めた6名。この6名に対し、それぞれの駒価値に合わせて人数分割り当てるんだ」
「駒価値、ですか」
「ええと、兵藤君は……」
「イッセーはポーンよ。駒8つの……」
「8つか!そりゃすごい……!」
「兵藤君が兵士8つなら相手側も駒8つ分のポーンの駒を出せるという感じで駒の価値を合わせた人数を出せるってことさ」
「なるほど、眷属が全部そろってる人と揃ってない人とが戦っても勝負になりませんし、勝敗がみえてますものね……」
「そういう事さ。模擬戦はあくまで対等な条件にする必要があるんだ。ゲームを成立させるためにね
レーティングゲームに慣れている慣れていないは別として、せめて人数だけでも対等にという意味でね」
「なるほど。すごく色々考えられているんですね。悪魔業界って」
「レーティングゲームの収益は莫大な金を生むからね。運営もそれだけ慎重にならざる得ないんだろう」
「それでどうだ?リアス?もし模擬戦の予定が決まっていないのなら、うちのチームと模擬戦どうだろう?」
「えっ?いいの?ライザー。そうしてもらえるなら、こちらとしてはありがたいけれど」
「いいさ。今日はレイヴェルのお願いをきいてもらったんだ。そのお返しと考えてくれればいい。
それに少しでも顔見知りとやったほうが気が楽だろう?変な野次を飛ばすようなのと当たってもつまらんだろう」
「そうね、ありがとう、ライザー」
「それと一応言っておくが、俺だってプロのはしくれだ。
試合をやるからには手加減はしないぞ?勝負は真剣にやってこそ意味があるからな」
「ええ、それはもちろんよ」
「ふっ……、楽しみだ。じゃあ、話は決まりだが……、模擬戦の手続きと証人役兼審判役はどうする?」
「じゃあ、お兄様……、はきっと忙しいでしょうから、グレイフィア……お義姉様に頼んでみるわ。少し待ってね」
「ああ、グレイフィア様なら安心できるな……」
「……ああ、グレイフィア?私だけど……ええ。
今ライザーが学校に来ていて……ええ、そう……フェニックスの……。それでね……?」
リアスが耳元に通信魔法陣を展開し、「グレイフィア」様という方へ事情を説明し始める
「……今からお姉さまが手続きと詳細の打ち合わせと確認の為に来てくださるそうよ」
「それはありがたいが……、グレイフィア様もお忙しいだろうに……」
「いえ、割と上機嫌だったわよ?うちの家でイッセーは人気者だから結構ウキウキで来るんじゃないかしら」
「え?俺って、リアスのうちでそんなに有名なの……?一度も行った事ないのに……」
「うちの家ではイッセーは一年前からずっと注目の的よ?私が家に帰るたび話を聞かせてってせがまれるんだから……」
「ええ?一年前って……」
「ふふふっ、GWに家に来たらわかるわよ。たぶん驚くと思うけど……」
「う、うーん?なんかしたっけ?俺……」
「ええ、あなたは私の家に笑顔をもたらしてくれたわ」
「なんだ。兵藤君はもうそこまでリアスのご家族に気に入られてるのか!これじゃ間違っても俺の入る余地なんてないじゃないか!ハハハハハ!!」
「ふふっ、そうよ?残念ね?ライザー」
「まったくだ!ハハハハハ!!」
ヴォン……!シュン……!
部室中央に転送魔法陣が展開され転送が始まる
「これは……」
「……来たようね?」
バシュン……!
「お待たせしましたリアス様……。お久しぶりです、ライザー様」
「忙しい所よく来てくれたわ、グレイフィア」
「……初めまして、リアス様の眷属の皆様。私はグレイフィア・ルキフグスと申します」
「お久しぶりです、グレイフィア様」
「初めまして!リアス様の眷属ポーンの兵藤一誠です!よろしくお願いします」
「初めまして!リアス様の眷属ビショップのアーシア・アルジェントと申しますっ!よろしくお願いしますっ」
「ええ、初めまして、お二人とも……」
このグレイフィア様という方にものすごく笑顔でガン見されてる気がする……緊張するなぁ……
「じゃあ、グレイフィア?来てもらって早々なのだけど私とライザーの眷属チームの模擬戦のルール等の確認と書類作りをお願いしたいのだけど」
「はい、かしこまりました、試合の方式はベーシックな試合方式でよろしいでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
「私も構いません、グレイフィア様」
「はい、それでは。建造物破壊などのペナルティも除外しましょう」
「ええ、それでお願い」
「はい」
「はい、では、出場なさる眷属の登録ですが……」
「まずは私のチームから言うわ。私と朱乃、裕斗に小猫、イッセーとアーシアよ」
「……はい。確認いたします……。「王・リアス・グレモリー」様「女王・姫島朱乃」様「騎士・木場祐斗」様「戦車・搭城小猫」様「兵士・兵藤一誠」様
「僧侶・アーシア・アルジェント」様の、6名様でよろしいですね?」
「ええ、それでお願い」
「かしこまりました……。それではライザー様のチームのメンバーの方をお願いします」
「はい、グレイフィア様。では……「王・ライザー・フェニックス」「女王・ユーべルーナ」「騎士・カーラマイン」
「戦車・雪蘭」「兵士・ミラ、イル、ネル、シュリヤー、マリオン、ビュレント、ミィ、リィ」「僧侶・レイヴェル・フェニックス」……」
っ!?レイヴェルもっ!?
ほぼフルメンバーか……!
ああ、俺が8人分働けって事ね……
「……構わないよな?レイヴェル?」
「ええ、もちろん構いませんわっ!少しでも実践経験を積みたいですしっ!」
「わかった。ではこちらは以上です」
「確認いたします。ライザー様のチーム
「王・ライザー・フェニックス」様「女王・ユーべルーナ」様「騎士・カーラマイン」様
「戦車・雪蘭」様「兵士・ミラ様、イル様、ネル様、シュリヤー様、マリオン様、ビュレント様、ミィ様、リィ様」
「僧侶・レイヴェル・フェニックス」様……で、よろしいですね?」
「はい」
「ではこれで出場メンバーは登録完了しました、試合日時ですがいかがいたしましょう?」
「ちょうど明後日からGWに入るから眷属の強化合宿を予定していたの、出来ればGW明けのほうがありがたいのだけど、どうかしら?ライザー」
「ああ、俺もそれで構わない。うちもGWは家族と眷属を連れてキャンプに行く予定なんだ」
「ふふっ、相変わらず仲いいわね。あなたの家は……」
「ハハハ!眷属は家族も同然だからな!今年は山でバーベキューなんだ!」
なるほど、眷属は家族も同然か。
グレモリー眷属と眷属を大事にするところがよく似てる
まあ、試合は私情なしでやらせてもらうけどな……!
≪ククク!初の試合か!滾るなぁ!相棒!≫
ああ!気合入れて合宿中修行頼むぜ!ドライグ!
≪応っ!任せろ!相棒!≫
「ではGWも踏まえて……10日後でいかがでしょうか」
「それで構わないわ」
「私もそれで構いません」
「一応レーティングゲームということでなにかお賭けになるものはございますか?」
「うーん……かけるものか……」
「何がいいかしら?」
「俺も金で買えるものは大抵手に入るしなぁ……。
……そうだ!兵藤君?うちのチームが勝ったらレイヴェルと一日デートしてやってくれよ」
「っ!?ライザーっ!?」
「おっ!?お兄様っ!?」
「なんだ?嫌なのか?兵藤君とのデート……」
「いいえっ!しかしイッセー様にご迷惑をっ……」
「……イッセー自身はどうなの?」
「いいですよ。俺も他のみんなもただじゃ負けないつもりなので勝負はわかりませんよ」
「ハハハ!そりゃそうだ!勝負はやってみなきゃわからないな!さすが兵藤君だ!話がわかる!」
「……」
あれっ!?ヤバい!?リアスの機嫌が超悪い時の表情だ
そんなにマズい事したかな?俺……
「イッセー君……?リアスは自分の眷属の子と仲良くするのは大目に見るけど、
よその子と仲良くするととても厳しいのよ?」
え!?何その超重要情報!?
そういう事はもっと早めにいってくれない!?
ヤバい、絶対に負けられない戦いになりそうだ……!
「まあ、いいじゃないか、条件は人数的には対等なんだからさ。
それにそっちには赤龍帝がいるんだぞ?これくらいの特典があったほうが盛り上がるだろう?
俺が勝てばリアスを嫁にするとかいう無茶を言ってるんじゃないんだぞ?」
「……いいわ、じゃあ、私のチームが勝った時は……。……すぐに思いつかないわね」
……ここだ!ここで一気にリアスの機嫌を取るんだ!兵藤一誠!
「一つ提案いいですか?リアス様」
「……なによ?イッセー……?」
リアスにジト目で睨まれる
うわぁ、超不機嫌モードだここまで機嫌が悪いのは初めてかもしれない
リアスにこういう顔されるって堪える……
負けるな!俺!頑張れ!俺!!
「確かフェニックス領にはリゾート地にフェニックス家が経営しているホテルがありましたよね?」
「へぇ、よく知ってるね?あるよ。「シーサイドホテル・フェニックス」だ。
海が見える露天風呂が客室全てにあって、風呂に入りながら海を見下ろせるんだ。
あぁ、部屋の風呂だからもちろん混浴も可能だよ。露天風呂に入りながら飲む酒と「焼き鳥」は最高なんだ」
「ええ、悪魔の世界の事を勉強をした時に知りました」
お願いします!ライザーさん!いえ!ライザー様!俺の願いを叶えてください!
リアスの機嫌を取りたいんです!いつものニコニコ顔に戻ってほしいんです!
「それで、リアス様のチームが勝ったら、そのリゾートホテルにペアで一泊二日の旅行を招待とか……、そういうのってダメでしょうか?」
「えっ!?そんな景品でいいの!?謙虚だな!兵藤君は……
うん、こっちは全然かまわないよ?本当にそんなのでよかったら……」
パァ!とリアスの顔が明るくなり一瞬でいつものニコニコ顔に戻ったよ!
やったぜ!流石上級悪魔だ!神より断然願いを叶えてくださるぜ!
「ええ!それは素晴らしい提案だわ!……模擬戦に勝てばイッセーとペアで一泊二日の旅行……。
ふふ……イッセー、やっぱりあなたはわかってるわね……。ふふふふふふっ」
「ちょっと待って!?リアスっ!そのペア旅行ってあなたがイッセー君と二人で行く気っ!?」
「あ、当たり前でしょ!?私が王なんだから!私がイッセーと行くに決まってるでしょ!」
「私も行きたいですっ!部長さんばっかりズルいですっ!」
「そうよっ!いつもいつもリアスばっかりいい思いしてっ!」
「ちょっと!あなたたち……!少しはイッセーを見習って王を立てるという事を覚えなさい……!」
「「それはそれっ!これはこれですっ!」」
「もう、あなたたち……。イッセーの事になると人格変わり過ぎよ……」
「「お互い様ですっ」」
「ハハハ!わかったわかった!喧嘩しないようにペア一泊二日のリゾート招待権を全員分手配するよ」
「「ありがとうございますっ!」」
「やったわね!アーシアちゃん!」
「はいっ!やりましたっ!」
パーンッと二人がハイタッチを決める
「もう、仕方ないわね……」
リアスは嘆息しながら頷いていた
さすがリアスだぜ!心が広い!うちの嫁さんは優しい子ばかりだな!
「僕の分は結構です。一緒に行く相手もいませんし。修行をしたいので……」
「あの、私も結構です。イッセー先輩とはそういう関係ではありませんし。……まだ」
「……じゃあ二人にはフェニックスの涙を一つずつ贈らせてもらうよ。
騎士や戦車なら近接戦で深手を負う事も多いだろう」
「ありがとうございます、ライザー様」
「ありがとうございます……」
「ライザーさん、本当にありがとうございます……」
「いやあ、この提案はなかなかいいアイデアだと思うよ?
景品の話が出てからリアスもリアスの女王も、僧侶の子もすさまじい気合が漲っているよ……」
「それでは勝利時の景品はその二つでよろしいですか?リアス様、ライザー様」
「ええ、かまわないわ」
「はい、グレイフィア様」
「……それではお二人ともこの書面のこちらに魔紋を……」
リアスとライザーさんが書面に手を添え魔力を発現させる
悪魔の魔力は人間の指紋のように全く同じものは存在しないらしい
魔力を発現させると「魔紋」と呼ばれる特有の模様ができる
性質が同じ「滅びの魔力」を有しているリアスとリアスのお兄さんであってもその魔力は違うものという事だ
ボゥッ……!
二人の手が魔力によって輝き書面に各自の魔紋でサインをする
これが悪魔社会において正式な文書のサインの方法だ
人間社会で言うところの拇印みたいなものらしい
「それではこれで模擬戦の試合日 試合条件 試合に勝った方に贈られる景品
の全ての登録が終了しました」
「この契約書は公的に正式なものであり、悪魔社会において絶対の約束事です。
この契約はたとえ魔王様であっても覆す事が出来ません」
今行った模擬戦の条件などを書面で記録されたらしい
今、書面にて取り交わされた約束がどれほど重要で大事なものかを淡々と語っていくグレイフィア様
「ありがとう、グレイフィア」
「本日はありがとうございました、グレイフィア様」
「いえいえ、リアス様の初めてのゲームですもの、光栄ですわ」
「リアス様、ライザー様それでは私はこれで失礼します」
その場にいる全員が頭を下げグレイフィア様が帰られるのを見送る
グレイフィアさんってリアスとどういう関係の人なんだろう?
リアスが「おねえさま」っていってたけど……
お兄さんがいるというのは聞いたことがあるけどお姉さんの話は今まで聞いた事ないな……
「じゃあ、写真もとったし、レイヴェル?そろそろ帰ろうか?あまり長居をしてしまっては皆さんに迷惑になるからな」
「はっ、はいっ!お兄様っ!それではイッセー様っ!今日はありがとうございましたっ!」
「あ、うん。こちらこそ……またね?レイヴェル」
「はいっ、また!イッセー様っ!」
「ライザー様機材の片づけが終わり撤収する準備完了しましたっ」
「お、お疲れ様。じゃあリアスとリアスの眷属たち今日は世話になった。
写真の件は今度うちへ来る時に改めてお礼をさせてもらうよ」
「ええ、またね?ライザー」
リアス以外のオカ研メンバーが頭を下げる
「ああ、またな、リアス」
転送魔法陣からライザーさんたちが消えて行った
「ふう、なんだか慌ただしかったけど落ち着いたな」
「ええ、まるで台風みたいだったわ……」
「驚いたわ。いきなりライザー様が来られるなんて、
てっきり「俺の女に手を出しやがって!リアスを賭けて俺と決闘だ!」
とか言ってイッセー君に詰め寄るかと思って冷や冷やしたわ……」
「俺もだよ。正直どういう顔して接したらいいか困ってた」
「ハハハ……。そうだろうね、イッセー君の立場なら……」
「あんな微妙な表情のイッセー先輩は入部の時に
部長に「敬語と敬称やめて」って言われた時以来ですね」
「そりゃそういう顔にもなるよ……」
「婚約についてはイッセーの教会での動画をお兄様が見せたらしいし……」
「えっ、そうなの?動画って教会のだったのね。でもそれなら納得だわ……。
仮にライザー様がリアスに執着していても、イッセー君のあの姿を見れば、諦めざる得ないわね……」
「そうね……、フェニックスとはいえ命がいくつあっても足りないでしょうし……。
それにあの状態じゃ今更って感じでしょうし」
「うふふ、私の旦那様は頼もしいわ……」
「……ライザーさんの眷属の方々って……その、ライザーさんの……」
「ふふっ、ライザーの眷属を見たでしょう?女の子ばかりだったでしょ?
あんな状態でその上婚約者なんて欲しいはずないわ……」
「あ……、やっぱりそういう事?」
「そうよ?あの子たち全員がライザーに好意を抱いているの、
ライザーの眷属はそういう女の子が集まった感じなの。
結果的にハーレムみたいになってしまっているけどね」
「私も最初はすごく女好きな方なのかと思ったわ」
「あの状態をみれば誰でもそう思うと思うわ……」
「え、でもレイヴェルは妹なんだよね?」
「レイヴェルは社会見学が目的らしいわ。本来あの子はフリーの悪魔なのよ。
今レイヴェルはライザーの眷属になっているけれど、それは悪魔として色々な経験を積ませる為よ。
レイヴェルがゲームに参加したりゲームを観戦したりして経験を積ませたいという目的かららしいわ」
「あ、やっぱりそういう事なんだ。
妹を眷属にするってどういう事だろうって思ってた」
「と、ところで……。イッセー?」
「……わかってるよリアス。今日の「おやすみのキスの時間」
に今日の事ゆっくり話そうか」
「……ええ。色々言っておきたい事もあるし……」
ハハハ……
今日の「おやすみのキスの時間」はリアスの弁解のオンパレードになりそうだ……
「明後日からの合宿に向けて、明日部活は休みにするから合宿の準備しっかりね?みんな」
「「「「はいっ」」」」
「すでにおやつの準備は完璧ですっ……」
「僕もカメラの準備は万端にしてあります!」
「リアス?今日の帰りにドラッグストアへ寄りましょうか」
「ええ、アレを手に入れないといけないものね。……そういえば例の魔法について記されてる文献は見つかったの」
「……まだね。なにぶん古い魔法だから……。今度冥界の図書館へ行って調べてみようかしら」
「そう。その時は私も付き合うわ」
「魔法って、本で覚えるものなんだな?勉強みたいだな。師匠とかから技を伝授してもらうのだと思ってたよ」
「そうね。生まれつき覚えている魔法もあるけれど、それはユニークスキル扱いの魔法だから少し違うし……。
基本的には本を読んで魔法を使うために必要な方程式を覚えて応用を学ぶ勉強と捉えていいわ」
「方程式って、数学みたいだな……」
「そうね、数学が一番近いわ」
≪俺が作る相棒用の修行場も生まれつき持っていた技だぞ≫
ドライグは神様からよっぽど修行が好きそうだと思われたんだろうな
≪ククク!そうかもな!これだけは俺を生み出した神に感謝しているよ。
そういえば、アルビオンも生まれついての技が使えるらしいがな≫
へえ!そりゃどんなスキルなんだろうな
≪一度聞いてみた事があるがよくわからん……≫
きっとドライグみたいなとんでもない技なんだろな
≪まあ、アイツともそのうち顔を合わせる事になるだろう、その時に聞いてみたらどうだ、相棒≫
そうだな
「そうそう、さっきも話していたけれど今度ライザーのチームとレーティングゲームの模擬戦を行う事になったわ。
今度の合宿は模擬戦へ向けての強化合宿になるわね。模擬戦に向けて気合いれて修行するわよっ!」
「「「「「はいっ!!!」」」」」
≪ククク!楽しくなってきたな……!≫
ああ!修行頼むぜ!ドライグ!
≪任せろ!相棒!≫
こうして、「グレモリー眷属対ライザー眷属 模擬戦」に向けて俺たちグレモリー眷属は一丸で動き始めた