GWが終わり人間界に帰ってきた俺たち、
合宿から帰ってきた数週間後の日曜日
リアスと朱乃を家に迎え、両親に紹介することになった
リビングでアーシアと並んで座り、父さんと母さんと話していた
「……、もうじき、か?イッセー」
「うん、もうすぐ来ると思うよ?」
ピンポーン
「あ、来たかな」
「イッセーの大事な人達、来たか?」
「うん、たぶん、玄関に迎えに行ってくる」
「あ、俺も行くよ。失礼になったらいかん……」
「わ、私も行きますよ。お父さん……」
「あ、ああ!そ、そうだな!か、母さん!行こうか!」
「……はい!」
「……父さんと母さんが緊張してどうするのさ」
「馬鹿。大人ってのはな、色々と気を遣わなきゃいかんもんなんだ……!」
「そうよ、イッセー。少ししっかりしたとおもったけど、やっぱりまだまだね……」
「部長さんたちですねっ!私もいきますっ」
家族全員で玄関前でリアス達を迎え入れる
「……いらっしゃい。リアス、朱乃」
「はじめまして、リアス・グレモリーと申します。イッセー達が所属するオカルト研究部の部長をしておりますわ」
「初めまして。お義父様お義母様……。姫島朱乃と申します。オカルト研究部の副部長を任されております」
二人が深々と頭を下げながら挨拶する
「こんにちは……!よ、ようこそ我が家へ!いつもイッセーとアーシアがお世話になってます……!」
「はじめまして……!いつもうちの子たちがお世話になってるそうで……!」
二人の挨拶に合わせて父さんと母さんも頭を下げる
「お、おい?イッセー!す、すごい美人だなぁ!お二人はモデルか何かしてらっしゃるのか……!」
隣にいた父さんが小声で話しかけてくる
ハハハ……、そうだよな、二人ともモデル顔負けの美貌とプロポーションだし……
「いや、普通に高校生だけど……」
「……お父さん?何を鼻の下伸ばしてらっしゃるんですか……」
「えっ?いっ、いやっ!?そんな事はないよ!俺にとっては母さんが一番に決まってるじゃないか!」
「……そうですか?」
「そ、そうだよ!俺は母さん一筋だよ!」
「ハハハ……ごめんな?二人とも。騒がしい親で。玄関で立ち話もなんだし、さ、入ってよ」
「「おじゃまします」」
狼狽える両親に苦笑いを堪えながら、二人を和室の応接室へ案内する
玄関先で軽い挨拶を交わした後
応接間に俺アーシア父さん母さんが座り、対面にリアスと朱乃が座る
母さんとアーシアがお茶を入れてみんなに配り終わり話始める
「改めて自己紹介をさせていただきます。はじめまして、リアス・グレモリーと申します。
イッセーとお付き合いさせていただいてます。よろしくお願いします」
「始めまして、姫島朱乃と申します。私もイッセー君とお付き合いさせていただいてます」
「「え……ええええ!?」」
父さんと母さんが二人の顔を交互に見ながら俺の顔を見る
まあ、気持ちはわかるけどね……いままで全然モテなかったし
「あ、あの……お二人とも……その、本当にイッセーが好きなんですか?
イッセーが無理やり言わせてるとかじゃなく……」
「「はいっ!イッセー(君)の事を愛してます。イッセー(君)と将来を考えて行きたいです」」
「か、母さん……?」
「は、はい……なんですか、お父さん……」
「テレビ局のドッキリか?これ……。俺を驚かそうとしてるんだろ?みんなで……」
「いえ、私もかなり驚いてますよ……」
「お、おい?イッセー?アーシアは……?アーシアはどうするつもりなんだ……?」
「アーシアももちろん幸せにするさ。二人もアーシアもだけど、一夫多妻制が認められてる国が出身なんだ」
「「一夫多妻制……!?……それってあの、ドラマや映画なんかでたまに出てくる……あの一夫多妻制?」」
「そうだよ。その一夫多妻制。だから嫁さん多くても大丈夫なんだよ」
「え、マジか……。マジなのか?これ……イッセー……。俺、今頭が追いついていってないぞ……」
「マジだよ。父さん。ちなみにリアスと朱乃のご両親にはもうすでにご挨拶して了承を得てある」
「な、何!?お二人のご両親にご挨拶を済ませてあるのか!?お前いつの間に……」
「えっ!?イっ!イッセー!そ、そういう事は早くいいなさい!
私達だって、リアスさんたちのご両親にご挨拶をしないといけないのよっ!」
「あ……そ、そうか……ごめん、母さん」
「うふふ、お義父様?お義母様?イッセー君は私とちゃんと付き合いたいと言って、
私の父と面と向かってお話してくれたのですよ」
「ええ、私の時もそうでした。きちんと両親に了承を得たいと言ってくれまして……」
「「お、お義父様?お義母様ぁ!?」」
「ま、まぁ、どうしましょ、ホホホ……!」
「う、うん。そ、そうか。俺……いや私はお義父様か……そうか……」
ホントノリやすいな!?この夫婦!
「おい、イッセー……お前すごいな!?普通順番逆だぞ?付き合い始めてすぐご両親に挨拶いったのか?」
「……男と女が好きあってれば、いずれそういう事になるだろ?だから先に許可もらいにいったんだよ」
「う、ま、まあ。そう、か。そうだな……一線を越えてしまう前にきちんとしておくべきだな……」
「あら、偉いわね、イッセー。そこのところはお父さんよりしっかりしてるじゃない」
「う!?か、母さん!?」
「お父さんが私の両親に挨拶に来た時、うちの父さんにおもいっきり怒られたからね?「嫁入り前の娘になにすんだ!」って……」
「あの、優しいじいちゃんが怒ったの……?マジで?やっぱ挨拶しといてよかったか……」
「か、母さ~ん?それくらいで勘弁してくれ!お義父さんの話は……」
「はいはい、わかりましたよ、お父さん……」
「イッセーさんは私の時もすぐお母さんとお父さんに「アーシアをください」って言ってくれましたよっ」
「あ……そういえばそうだな……。う、うん、そ、そうか」
「え……い、イッセー……?ご両親にご挨拶って……。あの、もしかしてお二人とも結婚まで考えてるの?」
「うん、当然。ちゃんとそういう先の事まで考えて「付き合う」ってするもんだと思ったし。
ご両親にも挨拶した時「娘さんを俺にください」って挨拶したよ」
「偉いわ、イッセー……。で、でもお嫁さんが三人って、三人もちゃんと面倒見れるの……?
結婚ってそんなに甘いものじゃないのよ?」
「見るさ。俺はみんなを愛しているし、みんなも俺を愛してくれてる。
だから、何があっても幸せにするって決めてんだ」
「リ、リアスさん?それに朱乃さん?あの、ご両親はなんとおっしゃってるのかしら……」
「うちの両親は私とイッセーがお付き合いする事に大賛成ですわ。お義母様」
「私の父も私とイッセー君の交際を認めておりますわ、お義母様……」
「そ、そうなの……?本当に大丈夫なのね……?イッセー……」
「……母さん、こういう事はさ。親が口出しちゃダメだよ」
「お父さん……」
「イッセーが自分で考えて、出した答えなんだ。俺たちは見守るだけでいいんだよ」
「だって……」
「……母さんが不安になるのは、……わかるよ。
正直な所言うと俺だって「大丈夫なのか?イッセー」ってさっきからずっと思いっぱなしだ」
「でもさ、みてみろよ。こいつの顔、アーシアを嫁にくれって言った時と同じ顔してるだろ」
「……ええ。でも、それでも心配にはなるわよ……。お嫁さんが三人だなんて……」
「……イッセー?確認だ。いいか?」
「うん」
「お二人を、アーシアも含めて、三人……幸せにできるんだな?」
「ああ、してみせる」
「……そうか。なら俺はもう何も言わんよ。……がんばれよ?イッセー」
「ああ、ありがとう父さん。信じてくれて」
「フン、親が息子の事信じなくてどうすんだ」
「……もう、お父さん……」
「母さん。俺たちの子供が……、イッセーが一人の男として決めた事をどうして否定できるんだ。
信じようじゃないか、俺たちの子供を……」
「……ふふ、もう、あなたって昔からこういう大事な所は思い切りがいいわね?わかったわ。私も信じる事にします」
「ハハハハ!それでこそ、母さんだ!話がわかる!」
「「これからよろしくお願いします!お義父様お義母様……!」」
リアスと朱乃が少し後ろに下がり、正座で手をついて頭を下げる
「「こちらこそ、うちの息子をよろしくお願いします……!」
俺とアーシアも頭を下げ改めて挨拶をする
しばらく6人で色々と話しながら和やかな空気を過ごした後、リアスが提案をする
「お義父様?お義母様?よろしければ我がグレモリー家がこのお家をリフォームいたしますわ」
「り、リフォーム!?」
「リフォームって、ええ?」
「こちらをご覧ください。予定している新しい兵藤家のお家の見取り図そのた設置される設備のパンフレットです」
「え……!?こっ!これ……、うちの家の面積より断然広いと思うんですが……!それに地下3階地上6階って……」
「お、お父さん?シアタールームまであるわよ!?」
「ほ、本当だ!あ……しょ、書斎まで!」
「ええ、お義父様がいずれ、書斎のある家に住みたいと言っていたとイッセーが以前言っていたものですから、
ご準備させていただきました」
「こりゃすごいな……、しかし、この大きさの家となるとお隣さんたちに立ち退いてもらわなきゃいかんでしょう?」
「そちらのほうもすでに了承をとってありますわ。なんでも偶然いい物件がみつかったそうで、
このお家の両隣と裏の6件の敷地はすでにグレモリーが所有している形になります」
い、いつの間に!?
「つきましては、リフォームの折りに私もイッセーと一緒に住まわせていただきたく思います。
将来を一緒に過ごすための予行演習、ととらえていただいて結構です」
「私も一緒に住まわせていただきたいと思います、お義母様、お義父様……」
「し、しかし、うちにはこんな豪華な改築をする余裕はないです……」
「資金の方は大丈夫ですわ。当グレモリーがすべて出資いたしますわ」
「え!?全てって……。全額ですか!」
「ええ、もちろんですわ。お義母様……。ゆくゆくは二世帯住宅で家庭を築く上で必要な物だと思いますし……」
「に、二世帯住宅……!そ、そうか、そうですな……。確かに、俺達だっていつまでも若いわけじゃないし……」
「あ、この際話しておくけど、アーシアの学費を出してくれてるのもリアスの家なんだ」
「えっ!そうなのか?イッセー!」
「ええ、そうなのです、お父様、実はアーシアは私の遠い親戚でして、
イッセーのお宅へホームステイしたいと言うのは本人の強い要望でしたの。ね?アーシア?」
「はいっ!イッセーさんと一緒にいたかったんです!」
「な、なるほど、だからアーシアの学費の件について学校に話に行った時、もう支払い済みとなっている状態だったんですな」
「け、けど、これだけの大きなお家を建てていただくわけには……!」
「ふふふっ!イッセーにはそれだけの価値がありますわ。お義母様……」
「そ、そんなに気に入っていただけてるんですか……イッセーを……」
「ええ、もちろん、私はもう彼なしでは生きて行けないほど慕っておりますわ」
「私もですわ。お義母様……」
「そ、そうですか……。う、うちの息子を、イッセーをどうかよろしくおねがいします。リアスさん、朱乃さん……」
「「はいっ!おまかせくださいっ!お義母様」」
「母さん、ここはお言葉に甘えよう。俺たちの老後の事まできちんと考えてくれてるじゃないか」
「そ、そうですね……。こんなにしてもらっていいのかしら……」
「……」
いつも俺の取り合いでリアスと朱乃はバトルをしてるけど、
ちゃんと朱乃の事も考えてるんだよな、リアスって……
「あら、どうしたの?イッセー?いつも以上にニコニコしてるわね」
「リアスは優しいなって思ってさ」
「うふふ……、なんだかんだ言ってリアスは肝心な所で優しいから好きよ?」
「ふふっ、ま……、私がイッセーの一番なのは揺るがないわけだしね……」
「あらあら……早速宣戦布告ね……リアス……。今日のお夕飯で料理勝負といきましょうか?」
「望むところだわ。私が作るお弁当をいつもおいしいって食べてくれてるイッセーを知らないわけじゃないでしょうね?」
「うふふ、イッセー君は私の作る煮物と豚汁は最高だって言ってくれるわ」
「まあまあ、二人とも。……それで?リフォームっていつからやるの?」
「早速今日からでも可能よ」
「え、今日っ!?荷造りとか全然してないよ!?」
「ああ、必要ないわ。夜に寝ている間にすべて終わらせられるから……」
「そ、そんな事が可能なんですか!?リアスさん!」
「ええ、当グレモリーは優秀なスタッフを豊富に取り揃えておりますの……。
お義父様?お義母様?早速今日の夜に手配してもよろしいでしょうか?」
「え、ええ!じゃ、じゃあお願いします!」
「はっ!はい!?お願いします!?」
「……か、母さん!?夜に業者さんが来る前に最低限だけでも片付けよう!
このまま業者さんが来たんじゃ恥ずかしいだろ!イッセー!後は頼んだぞ!」
「そっ!そうね!私洗濯ものとか取り込んで片付けてくるわ!イッセー?後はお願いね!?
リアスさん、朱乃さん?ごゆっくり!じゃごめんなさいね!ホホホ!!」
「あっ!お母さん!私お洗濯もの取り込んで畳むの手伝いますっ!」
「ありがとう!アーシア!行きましょう!忙しくなるわよ!」
「はいっ!」
バタバタとアーシアと父さんと母さんが家の片づけをしに応接間から出ていく
「……なんか、ごめんな?慌ただしい家で……」
「ふふっ。楽しいご家族ね?イッセー」
「いいお義父様とお義母様だわ……」
「あ……、リアス達の……ご両親は俺と一緒に住むこと知ってるの?」
「ええ、もちろん。大賛成してたわ」
「ええ、うちも父様が「一誠君と仲良くやりなさい」って言ってたわ」
「あ、よかった、それなら安心だね」
ピロロロロンッ♪
突然リアスの携帯が鳴る
「あら、誰からかしら……、ソーナからMINEメッセージだわ……」
「……え!?……朱乃?イッセー?至急部室にいくわよ。小猫も裕人も呼びましょう」
「え、どうかしたの?リアス……。」
「……ソーナの、様子がおかしいのよ……だいぶ切羽詰まってるみたい……」
「わかった、じゃあ、アーシアと父さん母さんに知らせてくる」
アーシアと母さん、父さんに学校に行くことにした
一応念のためにクロを呼んでもらい、アーシア達の警護をたのんでおいた
アーシアは家の手伝いが終わり次第合流する予定になった
オカ研部室
「……そろそろ来るかしら?ソーナ」
コンコン
「はい?どうぞ」
「……失礼します、ごきげんよう。オカルト研究部のみなさん」
先日の匙以来のソーナ会長の来室だった
「「「「こんにちは、シトリー様」」」」」
「ええ、こんにちは。みなさん」
「いらっしゃい、ソーナ」
「ライザー眷属の模擬戦お疲れ様。リアス。勝ったそうね?おめでとう」
「ふふっ、ありがとう、ソーナ。みんなの協力のおかげで勝てたわ。さ?かけて?」
「ええ、お邪魔するわ」
「じゃあ、お茶をお入れしますわ。会長はリアスと同じ紅茶でよろしかったんでしたっけ?」
「ええ。お願いします」
「はい、会長」
「……リアス?模擬戦……、やっぱり怖かった?」
「そうね……、試合前はやっぱり緊張したわね……」
「うふふ、会長?お茶をどうぞ……」
朱乃がみんなにお茶を配る
「ありがとう、朱乃……」
「いえいえ、うふふ……」
「今日来た理由はそれね?ソーナ」
「ええ、私も、私達も今度模擬戦を行う事になったの……。
それで、一足先にゲームを終えたリアスに話を聞きたくて……」
なるほど、会長にいつもの毅然とした態度に陰りが見えたのはこれか
「なるほどね……。とりあえず、私達のゲームの動画を用意してあるからそれを見てみる?ソーナ」
「え!?い、いいの!?リアス!?……私はあなたの幼馴染よ?親友だと思ってるわ。
でも、ゲームではライバルなのよ?後のゲームであなたのチームと当たらないとも限らないのよっ?」
「ふふっ!何を言ってるの?ソーナ?この動画の中の私達よりも、
あなたやあなたの眷属と戦う時に私達がもっと強く、
そして賢い戦い方ができるようになっておけばいいだけの話じゃない」
「……あ、あなた……変わったわ……本当に……」
「ふふっ、変わるわよ。だって、全速力で前をひた走る人がすぐ近くにいるんですもの。
今みんなで頑張って追いかけてるところよ?ね?みんな」
「はい!毎日ドライグ先生やイッセー君に修行をつけてもらってます!」
「はい……、全力で追いかけてます……!」
「うふふ、私の旦那様は常に前進していく人ですのよ?
置いて行かれないように追いかけるの大変なんだから……うふふっ……」
「……そうだったわね。
私達が想像もしないような事を起こす人がすぐ近くにいるんだったわ……。
じゃあお言葉に甘えて見せていただきます」
「わかったわ。……祐斗?」
「はい、部長。……再生を始めます」
────────────
ライザー戦の試合を一通り見終わり木場が停止させる
「────以上が、ライザー・フェニックス眷属対グレモリー眷属」の模擬戦の内容です」
「ありがとう、祐斗」
「はい」
「……すごいわね。赤龍帝……、兵藤君の実力はもちろんだけど、統率のとれたチームワークだわ…………」
「あなたに褒めてもらえるのは素直にうれしいわ……」
「これは、何か訓練期間を設けた動きよね?」
「うちはGWがちょうど直前にあったから、ゲーム前に修行期間の合宿を設けたわ」
「なるほど……、これを見た後だとやっぱり力不足を感じてしまうわ」
「そうね、個々の能力を高めるだけじゃなくて、
眷属同士の触れ合いや意思の疎通なども大事なんだってわかったわね……」
「ちなみにアドバイザーになってもらったドライグとティアさんに言われたのはイッセーがもしいなければ負けるだろうって言われたわね……」
「……フェニックスの自己再生能力を突破できる火力を持った人がいないから……、かしら?」
「さすがね、ソーナ。その通りよ。
だからこそ個々の能力を高める修行にだけ傾倒せずに、チームワークを磨く期間も設けたわ」
「なるほど、いい判断だと思うわ。でも……やっぱり目を見張るものがあるわね……兵藤君の強さは……」
「……恐縮です」
「怖い物見たさで聞くのだけど、兵藤君がもしライザー・フェニックスに攻撃するとしたら、
どんな攻撃であの自己再生能力を突破するつもりだったの?」
「……まっすぐ行って、殴ります」
「……え?」
「ふふふっ!イッセーったら、本当にドライグ先生の教えの通りの「まっすぐ行ってドン!」なのね?」
「ハハハ……、イッセー君らしいや……」
「作戦も何もない代わりに一番怖いタイプですよね……」
「うふふ、私の旦那様はまっすぐな人だわ……」
「そういえば、ソーナ達はどこのチームと模擬戦を行うの?」
「グラシャラボラス家の時期当主候補。ゼファードル・グラシャラボラスよ」
「あぁ……あの下品を絵に描いたような……」
「ええ、家同士の付き合いもあってね……。断れなかったのよ」
「……」
「え、ソーナ……?ちょっと、どうしたの……!?あなた顔が真っ青で泣きそうじゃない!えっ……?」
「……あんな男に……ううっ!」
「ちょ、ちょっとっ!?ねえっ!ソーナっ!?」
会長が大粒の涙を流しながら必死に声を出そうとする
「……実、……は……、ぐすっ……先日……ゼファードル・グラシャラボラスが学校に、生徒会室にきたの……。
そこで、安い挑発に乗ってしまって……売り言葉に買い言葉になって……
今度の模擬戦でグラシャラボラス眷属が勝ったら、
私とゼファードル・グラシャラボラスが婚約するという約束をしてしまったの……!……っぐすっ……!」
「なっ!?何それ!?ちょっとソーナ!?セラフォルー様は!?」
「そ、それが、お姉さまが遠くの国の会議に魔王として出席なさってる間に、
親が勝手に話を持ってきてしまって……。そ、それで「挨拶にきた」っていって生徒会室にきて……っ」
「そんな……。セラフォルー様に連絡はつかないの?」
「……無理よ。もうゲームの契約書にサインしてしまったの……!」
「っ!何てこと……!ソーナ!?今からでも遅くないからセラフォルー様に連絡し続けて!とにかく連絡をとるのよ!?」
「うっ、うん……!でも」
「っ……でも、お姉さまに連絡ついたって、魔王様にだって悪魔の契約書の内容は覆せないわ……。
だ、だから……、絶対に負けるわけにはいかなくて……。
……ゼファードルは新人とは言え何戦かすでに経験済みの上、勝利を収めているチームだし……。
……私どうしたらいいか……うっ……!ぐすっ……!うぇぇっ……!」
「……そ、それは……ッ!ソーナ……。いい?とにかくセラフォルー様に連絡して知らせるの!わかった!?ソーナ!?」
「う、うん……ぐすっ……」
あの、気丈な会長が……こんなに泣いてる所初めて見たな……なんとか、してあげたいな……
あぁ……、リアスまで泣きそうになってるじゃん
「い、イッセー……」
あ、リアス「ソーナを助けてイッセー!」の目してる!
君にそんな目をされたら俺は動くしかないじゃないか
俺はリアスに微笑み返し頷いて返事をする
パアッと顔を明るくする
よし、これで俺が動く理由ができたな
「……試合の日取りはいつなんですか?会長」
「……一週間後よ……」
「……時間あまりないですね。じゃあ、そのゲームの日まで修行しましょう。俺修行に付き合いますよ」
「えっ!?いっ、いいの!?兵藤君!?」
「リアス様……この件で公欠って取れますか?」
「ふふ、わかってるわね、イッセー。なんとしても取ってあげるわ……」
「ええ、お願いします。……リアス様やみんなも参加しますよね?」
「ええ、もちろんよ。私も、いえ、私達全員シトリー眷属の修行を手伝うわ。いいわね?みんな」
「「「「はいっ」」」」
「え……!?いいの!?リアス……?学校を1週間も休む事になるのよ?」
「……ソーナ!あなたそんな事言ってる場合じゃないでしょう!?
このままゲームになったらどうするの!?もし負けたら……、あんな下品な男と結婚しなければいけなくなるのよっ!?」
「うふふ、会長?リアスは肝心な時は優しいのよ?」
「感謝します、リアス。兵藤君……みなさん……本当にありがとう……」
「お礼はゲーム終わってからにしてください。まだ何も始まってないですし……」
「そうね……ええ、そうね……!」
リアスも今まで自分の婚約予定の件に振り回されてたから、
会長の気持ちがわかるんだろうな
うちの嫁さんは優しい子ばかりだぜ!
「イッセー……?」
「……やっぱりいつもの、ですか?」
「わかってるじゃない。ソーナ?イッセーの敬語外させていいかしら。調子狂っちゃうわ……」
ですよね!
やっぱりリアスには俺の敬語は不評らしい
「ええ、構いません。それに兵藤君はリアスの恋人なのでしょう?
なら私にとっても友人も同義だわ。私と話す時も敬語は必要ないわ……。
ソーナって呼んでくださいな。兵藤君」
「……わかったよ、これでいい?ソーナ」
「ふふふ、なんだか一年前のあなたと仲良くなった感じがして不思議な気分ね?」
「……ソーナ?イッセーは私のなんだからね……?」
「わかってるわよ。リアス……。私は友達の彼氏を寝取る趣味は持ち合わせてないわ」
「それならいいけど……」
「さっそく今から冥界のリアス様の家の別荘の合宿所にいきましょう」
「わかりました、すぐに呼んできます」
「あらあら、GWの修行が終わったと思ったら、今度はシトリー眷属と合同で修行なのね……」
「とかいいながらめちゃくちゃ顔が緩んでるわよ?朱乃……」
「あなたほどじゃないわよ、リアス……」
「ふふっ、さっきイッセーが私の目を見ただけで
何を言わんとしてるかわかってくれたのが嬉しいのよ。これが私とイッセーの愛の力よ?朱乃……」
「あら?私だってイッセー君が次どの体位でしたいか目を見ればわかるわよ?」
「ホントエロ担当になったわね、あなた……」
「エロ担当はあなたでしょう?リアス……。
あなたの腰の振り方……AV女優だってもう少し上品に腰を振るわよ?」
なんて会話してるんですかね、この二人は……
ティア?聞こえるか?
「なんだ?イッセー?」
今から来れるか?リアスの友達がピンチなんだ
「何……?リアスの……?わかった、すぐ行く」
あ、学校だから一応人間の姿で頼む
「わかった」
魔法陣が展開し
シューンとティアが出現する
「来たぞ、イッセー」
「ありがとう、ティア」
ティアに事情を説明する
「なるほどな。それは負けるわけにいかんな……」
「ああ。だから例によって魔法戦闘部門の面倒を見てやってほしい」
「わかったぞ、イッセー。修行場所はやはりあの合宿所か?」
「……リアス?今からすぐみんなで冥界に行ってあの合宿所使う事ってできるかな?」
「ええ、もちろん。使えるわよ」
「修行期間を過ごすために必要な食料や必要なものを、
リアスの家から持ってきてもらう事ってできるかな。今は準備してる時間も惜しい」
「ええ、わかったわ。すぐ手配するわ」
というわけだ、ドライグ、近接戦闘組の修行頼めるか
≪ククク、ああ、もちろんだ。面白くなってきたな!≫
ドライグって人に修行つけるの好きだよな……
≪自分が育てた者が成長していく様を見ること程楽しい事はないさ≫
「お待たせしました」
「ああ、おかえり、ソーナ」
ずらりと並んだ生徒会メンバー(シトリー眷属)と俺たちグレモリー眷属が挨拶をした後話を始める
「ていうか!かっ、会長っ?兵藤君に名前で呼んでもらってるんですかっ?」
「ええ、先ほどから……」
「えええ!?」
「……兵藤、匙が先日はすまなかったな。今日から世話になる」
「いえ、緊急事態ですから……」
「兵藤、君も我々と同じ2年だ。敬語を外してもらって構わない」
と、いわれてもなぁ……
ちらっとリアスに目をやり顔色をうかがう
クスクス笑いながらコクリとうなづくリアス
リアスは、OK
で、次は副会長の顔色をうかがう……
「ごめんなさい、兵藤君。よろしく」 と言わんばかりの申し訳なさそうな苦笑いで頷く
「……わかったよ、これでいい?……よっぽど俺の敬語は不評らしいな……」
「ふっ、君はそっちの方が話し易いよ」
「そうかな?」
「そーだよ!兵藤君!フランクに行こう!あっ、ついでに私の事は留流子って呼んでね!」
グイグイ来ますね!?生徒会の人たち……
「じゃあ、とりあえず、冥界のリアスんちの別荘に行こうか?今日から修行を始めよう」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
こうして、俺たちグレモリー眷属とシトリー眷属の合同訓練が決定した
駅に向かう途中俺の家に立ち寄りアーシアと父さんと母さんに事情を説明すると、「私もいきます!」とついてくることになった
グレモリー眷属とシトリー眷属で「スターライトステージ」に乗り冥界へ行き、そのまま修行場所である合宿所へ向かう
修行期間に必要な食料や備品はリアスの家から持って着てもらう事になっている
食料を持ってきてもらう際グレイフィア様と話す事となり、明日からはグレイフィア様も修行に参加するらしい
フェニックス戦でオブジェクト構築を維持できなかったのが余程ショックだったらしく、張り切って修行に参加するそうだ
「合宿所……なんか、「ただいま」って感じがするんだけど。俺」
「ハハハ……。僕もだよ、イッセー君……」
「じゃあ、トレーニングウェアに着替えて修行を始めましょうか」
合宿所の中でトレーニングウェアに着替え合宿所前に集合する
「みんな揃ってたわね?」
「じゃあ、魔法戦闘組を連れて行くぞ?イッセー」
「ああ、よろしく。ティア」
「ああ、任せておけ。ククク……手加減はせんぞ!」
「あ、あの?リアス?ティアマットさんって……何者なの?」
「あら?知らないの?五大龍王のティアマットさん……って有名だと思うのだけど……」
「……はい?今、なんて……」
「五大龍王の「ティアマット」だよ?ティアは魔法の達人なんだ」
「……え」
「よろしくな?ソーナと言ったか?これから一週間みっちりきたえてやるからな!?覚悟しろよ!?」
言いながらティアがドラゴンの姿に戻る
その次の瞬間その場のシトリー眷属全員の顔色が変わり真っ青になり、
腰を抜かしはいずりながら逃げようとするシトリー眷属一同
「「「「「「ひいいいいいいいいいいいい!!!!!????」」」」」」
「だ、大丈夫よ?ソーナ……」
「……なんか懐かしいですね。このリアクション……」
「僕たちも始めてティアマット先生に会った時あんな感じだったね……。逃げはしなかったけど……」
「その場にイッセー先輩がいなかったら、私たぶん同じリアクションしてたと思います……」
「ハハハ……。情けないけど僕も……」
「フン、リアス達ですらここまでビビらなかったぞ!?」
まぁ、この反応も仕方ないのかな……
どうみてもドラゴンだし……
伝説の生物がいきなり目の前に現れたらそりゃビビるか
「お前らな?イッセーにはビビらん癖に私にビビるってどういう了見だ。
言っとくがイッセーのほうが私より恐ろしい存在だぞ?」
ティア!?人聞きの悪い事言うのやめてくれる!?
そのいい方だと俺ものすごい危険人物になっちゃう!
ほら!?生徒会の皆さんが青い顔して俺を見てるよ!?
「じゃあ、はじめてくれ、ティア。頼むぜ?緊急事態だし、今回は厳し目でやっても大丈夫だ」
「ああ、任せておけ!リアス達と同じくらい鍛えがいがありそうじゃないか……!ハハハハハ!」
ティアがソーナの首根っこを掴み、のしのしと歩きながら、腰をぬかし這いつくばりながら逃げようとする椿姫さんの体を鷲掴みにする
「「いっ……!?いやああああああああああああああ!???食べられるうううううう!?」」
ソーナと椿姫の泣き叫ぶような絶叫が林にこだまする
「食べるか!馬鹿者!……花戒も魔法戦闘組だろう!?さっさと来んか!」
「はっ……!?はいぃぃぃぃっ!?かっ、会長ぉぉぉ~~~~~っ!?」」
花戒がティアとソーナと椿姫さんを追いかけて走っていき、
その後をリアスと朱乃アーシアが追いかけていく
「さって、次は俺らの番だな……」
≪ククク!まずは例によって相棒と手合わせをしてみろ。その様子を見て考えようと思う≫
「ああ、わかった」
「あっ、あの!?兵藤君っ!?あの、ティアマットさんって……」
「うん、五大龍王のティアマットだよ?俺の使い魔なんだ」
「えっ……、あの……、絵本……、の……?」
「そう。そのティアマットだよ」
「「……っ!!!?」」
「か、会長!?会長はご無事なのか……!」
「修行なんだから、少々の怪我くらいはするだろうけど……。
まぁ、アーシアもいるし平気平気……」
「か、会長ぉ!?」
「兵藤……君は一体……」
「とりあえず自己紹介しておくよ……。あたしは由良 翼紗。シトリー眷属の戦車」
この間の匙の件の時にはいなかったな由良って
あの日休んでたのかもな……
「私も修行前に改めて自己紹介させてもらおうか、私はシトリー眷属・騎士の巡 巴柄だ」
「じゃあ、私もっ!シトリー眷属の兵士!仁村留流子だよ!よろしくね!兵藤君!」
「僕はグレモリー眷属の木場祐斗、騎士だよ。よろしく。仁村さん、巡さん、由良さん」
「搭城小猫です、戦車です。よろしく……」
「グレモリー眷属・兵士の兵藤一誠だ。よろしく」
「こちらこそ、よろしく。じゃあ、まずは手合わせしていこうか」
「ああ、なら、私から行こう」
「わかった。よろしく、巡さん」
挨拶をしながら俺たちは歩き出す
「……私と君は同学年だ、呼び捨てで構わないぞ?兵藤」
「……そう?じゃあよろしく、巡」
「ああ、こちらこそ。じゃあ行くぞ?兵藤」
「あ……、巡?」
「な、なんだ?」
「神器あるなら使って構わない、あと、親の仇とでも思って殺す気で来てくれ」
≪ククク!わかってるじゃないか、相棒!さすがだ!≫
いわなきゃ、言ってただろ?
≪ククク!まあな≫
「……余程自信があるようだな?よし、なら遠慮なく」
「自信、はないかな。けど、必死でやらなきゃ修行とは言えないさ」
「ふっ!さすが赤龍帝だ!いくぞ!」
巡が日本刀を抜き構える
「……」
「っ……!?」
俺が戦闘状態に入ったのを察知し、巡の顔色が変わる
「……はぁはぁ……っ!くそ……!なんて威圧感なんだ……」
ジリジリと間合いを取りながら様子をうかがう巡だが、
一向に隙を見つけられないのか向かってくる様子がない
「……ふぅ、来ないなら、こっちから行くぜ?」
瞬時に巡の左側面に移動し肩をポンと叩く
「なっ!?」
「まず、一回……」
巡が即座に横なぎに刀を振りそれをバックステップでよける
巡が間髪入れずに突きを放ってくるが突きを拳一つ分でかわし今度は右肩をポンと叩く
「2回……」
「っ……!?」
突きが伸ばし切った巡りが今度は突きを横薙ぎに振ってくる
「くっ!?」
それを瞬時にしゃがんでかわし、今度は太ももをポンと叩く
「3回……」
「……!?何だ……!?この動き……早すぎるぞ!?」
しゃがみこんだまま後ろにバックステップし距離を取り体勢を整える
≪よし、それまでだ!≫
「……ありがとう、兵藤」
「お疲れ巡」
「……どうして一度も攻撃をしなかったんだ?」
「……みんなそれ聞くのな。木場も同じこと聞いて来たよ」
「それは、聞くだろう」
「これから修行しようってのに、ケガしてどうすんだよ」
「くっ……!」
「知ってたけど、やっぱすごいね、兵藤君。
巡さん、初めから全力だったでしょ?」
「……当然だ。彼自身がそう言っていたからな」
「ああ、それでいいよ。修行はそうでなくちゃ」
「……自分の無力さを見た……!」
「これから強くなればいいんじゃん?」
「私に、なれると思うか?君のように……」
「なれるさ、絶対……」
諦めずに頑張れば、だけど……
≪そうだな。自分の無力を知り、それでも這い上がろうと続けられるかがその者の価値を決める。
途中で諦める奴はどんなに才能があろうが物にならん≫
「さて、次……」
「じゃあ、次はあたしと手合わせ頼むよ、兵藤」
「ああ、よろしく、由良」
由良が歩いて俺と向かい合い構える
「では。いくぞ、兵藤……!」
「……」
「……っ!これか!さっき巡が序盤攻めあぐねていたのは……っ」
戦闘状態に入った俺をにらみつけジリジリ距離を詰めながら距離を詰めてくる
「くっ!おおおおおおおお!」
自分の得意な距離になったのか一気に走りこんで距離を詰めてくる由良
拳の連打を繰り出してくる
「……」
バックステップでかわしながら避ける
「……っ!これでどうだ!?」
少し距離が空いたことで大ぶりな蹴りを放ってくるが逆側に回り込み腹にかるくポンとタッチする
「な……!」
「まず1回」
腹をタッチされた事で体制を崩しその場に倒れこむ由良
「くっ!?まだだ!?」
由良が立ち上がり、よろけながら走り込んでくる
よろけて体勢が不安定な状態を見逃さず瞬時に右側面に回り込み近寄り肩をポンと叩く
「2回」
肩を叩かれた由良がその体制のまま、大ぶりの拳を不利ながらエルボーをいれようとしてくる
即時に由良の背後に回り込み背中をポンと叩く
「3回……」
≪よし、そこまでだ!≫
「お疲れ、由良」
「……ありがとう、兵藤」
「……巡?攻撃が一切当たらず、攻撃も一切されないって、かなりプライド傷つくな……これ」
「……だろう?情けないが仕方ない。これが兵藤と我々の力の差だ……認めるしかないだろう」
「だが、かなりイラっとするな……!」
由良が俺を睨みつける
「誤解しないでほしいのは、俺は別に二人を舐めてるわけじゃないぜ?」
「……」
「……正直、そう思っているが」
「……舐める?イッセー先輩に限って絶対ないです……それ」
「そうだね……。あり得ないね……」
「むしろ相手を舐めるという事が絶対ないから、余計怖いんですけど……」
「イッセー君はいつも全力だよね……」
「はい……」
「……これが実戦なら今の3分くらいの間に二人とも3回ずつ死んでるんだぜ?」
「……っ!!」
「く……っ!!」
「……木場にも同じ事言ったな……」
「ハハハ……。言われたねえ……」
「……っ」
≪初めましてだ、お前達……≫
「な……この声は……」
「だ、誰だ!?」
「この声ってまさか……」
≪俺は赤龍帝ドライグという……≫
「せ……、赤龍帝!?」
「でっ!?伝説のドラゴン……!?」
「……っ!」
≪お前達、本当に相棒がお前達を舐めてかかって攻撃しなかったと思っているのか?≫
「……はい」
「……そうとしかとれませんよ、あんなの」
「私は、兵藤君が凄いって知ってるから、思ってません……」
「知らないって、ある意味幸せな事なのかもしれません……」
「……僕たちは教会で見てたしね……」
「はい……」
≪ふう……、相棒、ちょっとそこの木を殴ってみせてやれ。
相棒が殴るという事がどういう事なのか理解が足らんようだ≫
「……わかった。よく見ててくれ」
見渡せる範囲で一番大きな巨木の前に立つ
「え……」
「おい、兵藤?」
「……」
シュッ……!
俺は拳打を打ち込み、一瞬で巨木を木刀程の棒へと変える
「……」
その棒を拾い上げみんなの所へ戻る
「これがさっきの巨木だ、千発ほど殴って削った」
小猫ちゃんがコクっと頷く
「え……」
「こ、んな……」
「す……すごいね、ここまでだとは思わなかったよ……」
三人が青ざめた顔で俺が持つ棒を見つめる
その棒を投げ捨てる
「俺は戦場で手加減をするなと教わっていてね。
どの程度の力で殴れば「怪我」で済むのかわからないんだよ」
「あ……だから、匙に絡まれた時も……」
「うん、殺したら主が迷惑するからさ。絡まれた時はかわすだけにしてたんだ。
さっきみたいな手合わせの時は軽く触るくらいにしてるんだ」
これで納得してくれたかな……、俺が殴らないわけが
「……っ!すまん、兵藤!君に教えを乞う立場でありながら無礼な態度をとった……!」
「……悪かった、兵藤」
「ごめんね?兵藤君。……この二人も悪気はないと思うの。
ちょっと兵藤君との差に卑屈になってただけだと思うの」
「いいよ、気にしないで。さ、手合わせの続きしよっか」
≪まったく、お前は優しいというか、プライドはないのか。
あんな態度をとられておきながら……≫
プライド、ねぇ。誇り……
俺が自分を誇れるようになるとしたら、現役ドライグを超えた時じゃねえかな
≪ククク!やっぱりお前は面白いよ、相棒……≫
うん、よく言われる
「うん……!次私だよ!よろしく!兵藤君!」
「うん、よろしく」
俺と瑠々子が歩き出し、広場の中央で向かい合う
「いくよ!兵藤君!」
「どうぞ。……」
俺が戦闘状態に入り空気が変わった事を察知する留流子
「……!全然雰囲気ちがうんだね。やっぱり」
留流子が短刀を片手にジリジリと距離を取りながら俺の外周を回る
後ろを取るつもりがなかなか回り込ませてもらえずぐるぐると外周を回る
「くうううっ……!怖すぎだよ!どうやって近づいてもやられるイメージしか浮かばないよ……!……でも!」
「仁村先輩の気持ちすごくわかります……」
「僕も……」
「やああああああ!?」
持ち前の身軽さを活かし、走り込んでくる
横薙ぎの短刀を側面でかわし肩をポンと叩く
「1回」
「っ!?」
動揺した一瞬を見逃さずそのまま背後に回り込み背中をポンと叩く
「2回」
「な!?」
仁村が振り向いた遠心力を利用し、大ぶりなハイキックを放ってくる
蹴りを受け止めその足首を持ちグイと持ち上げると、瑠々子が大勢を崩しその場に倒れこむ
倒れこんだ留流子の頭をポンと手を置く
「あっ!?」
「3回……」
≪よし、そこまでだ≫
「お疲れ様。留流子」
瑠々子に手を差し出し助け起こす
「う、うんっ!ありがとう!兵藤君!」
≪ふう、まったく木場と小猫といい、基礎体力作りをおろそかにし過ぎだな……。
そのせいで技術向上も中途半端にしてしまっている≫
≪やはりお前達も、まずは基礎体力作りからだな≫
「基礎体力……。走り込みなら毎日欠かさずやってますよ?10キロ」
≪それでは足りんのだ。これから毎日朝夕に10キロを2往復しろ。休憩は10キロ走り終わった後5分許可する。
10キロ走り終わった時息が切れていなくなるまでが当面の目標だ≫
「合計80キロ!?」
「朝だけで40キロ!?そんな、無茶苦茶な!?」
「……やります。兵藤は、出来るんですよね」
≪当然だ≫
「……なんか懐かしいリアクションだね……」
「はい……。先日の私達とにたりよったりのリアクションですね……」
「うん……」
≪木場と小猫よ?走り込みの調子はどうだ≫
「私は今朝走った時、息が切れなくなってました」
「すごいな、小猫ちゃん。もう息上がらなくなったのか」
「……ふふっ……」
「僕は、まだです。……走り終わった後息が切れます……」
≪そうか、ならば、小猫よ。次の段階に行くぞ≫
「はいっ!」
≪小猫よ、幻影石を持ってきているか?≫
「あ、はいっ。鞄から取ってきます!」
小猫ちゃんが合宿所のカバンから幻影石を持ってくる
「おまたせしましたっ」
≪うむ……、……よし、これでいい。この幻影石を持って「重力よかかれ」
と心で念じればお前に2倍の重力がかかるようにしておいた。
重力を消す時は「重力よ消えろ」と念じろ。次は2倍の重力をかけた状態で息があがらなくなるまでだ」
「はいっ!ありがとうございます!」
「僕も、もっと頑張らなきゃ……!」
≪……木場よ。向き不向きはどんな才能がある者でもある。
焦らず腐らず続ける事が強くなるために必要なものだぞ≫
「……はいっ!頑張ります!」
「2倍の重力って……!?」
「そんな……、つまり一往復が40キロ走るのと同じエネルギーが必要って事よね!?」
「……なんとなく、わかった気がするよ。兵藤の化け物じみた強さの秘密が……」
「……兵藤君……。今まで何を超えてきたの……。すごいって事は……知ってたけど……」
「すごいって話は……聞いてたけど……」
「ハハハ……。俺毎日ボロボロに負けてるけどね……」
「「「え!?」」」
「ドライグ先生と手合わせしてるんでしょ?イッセー先輩」
「うん」
「ドライグって……、赤龍帝と手合わせ!?」
「うん」
「……ヤバい、私話についていけなくなってきた……」
「その気持ちはよくわかりますよ……。由良先輩」
「さ、修行しようか。とりあえず走り込みからだよな?ドライグ」
≪そうだな。朝の分の走り込みを今から行う!行くぞ!≫
俺たちは走り始める
「「「はっ!?はいぃっ!!?」」」
「はいっ!……っ!やっぱり2倍の重力は……きついですね……っ!」
「はいっ!ドライグ先生!」
「ドライグ、今日は俺も走り込み付き合うし、走り込み用の重力頼む」
≪応、任せろ相棒≫
「は、走り込み用の、重力……って……あの……?」
「きっ、聞かないほうがいいと思うぞ!?」
「っ!?仁村!?聞くな!聞くんじゃないっ!聞いたら気が重くなるだけだぞ!」
こうして、シトリー眷属の強化合宿が始まった
そのころのリアス・ソーナ達魔法戦闘組
「ククク!あの優しいイッセーが「厳し目でいい」と言ったのだからな!覚悟しろよ!お前ら!ハハハハハ!」
「ひいい!?あの!?なんでそんなにポンポン上級魔法放てるんですかああああああああああっ!?」
「いやあああああ!?この人5大属性フルコンプしてるぅぅっ!?」
「魔法が……!はじかれる!?どんな結界張ってるんですか!?」
「……私達の修行だいぶ厳しかったと思ったけど、あれで手加減してたのね……」
「たぶんそうね……」
「怪我したら治しますから安心してくださいね~。私遠距離で治せるようになりましたしっ」
「リアス!?朱乃!?お前達何をしている?私と三人でこいつらを鍛えるぞ!時間がないのだぞ!」
「「はいっ」」
「「「ひいいいいい!?紅髪の滅殺姫と雷の巫女まで!?おかしいってぇぇぇぇ!!!」」」
「うふふっ、怪我しても大丈夫ですからね~」
「うふふ、椿姫さん?死んだらごめんなさいね~」
「いくわよっ!?ソーナ!?」
「朱乃さん!?不吉な事言わないで!?これ修行よね!?」
「リアス!?私達友達よね!?なんで敵を見るような目で魔力ためてるの!?」
「し、死んじゃう!?ゲーム前に死んじゃいますって!?
なんで私の相手がティアマットさんなのおおおおお!!手加減してくださいよおおおおお!!!」
「花戒!?手加減などしたら修行の意味がないだろうが!甘えるな!!」
「「修行は真剣にやるものよっ!!!」」
「ククク!わかってるじゃないか!お前達!さすがイッセーの嫁達だ!ハハハハハ!」
「アーシア様。別荘に食料が届けられたので皆さんのお茶とお菓子、スポーツドリンクを別荘から持ってきました」
「ありがとうございますっ!クロさんっ!」
「ハッ!光栄ですっ!アーシア様っ!」
「みなさーんっ!お茶とお菓子、スポーツドリンクも用意してありますから後でお茶の時間にしましょうね~」
「おぉ、気が利くな!クロ!よおし、休憩の時間まで徹底的にやるぞ!?お前ら!!!ハハハハハハハ!!!」
「ひいいいいいいいいいい!!!?」
修行が一通り終わり、別荘に入る前にみんなで休憩していた
「くっ……明日……筋肉痛になりそう……」
「つ、疲れたぁ……。明日も……こんな感じなのかな……」
「言わないでよ……仁村……」
座り込むどころか地面にそのまま寝転がるシトリー眷属達
「ていうかさ……。兵藤の化け物じみた体力……何あれ……」
「汗一つ書いてなかったね……」
「……兵藤もそうだけど、あの戦車の……搭城って子も、木場も……息きらしながらでもついていけるってどういう事なのよ……」
「お疲れ様。明日は5時からだから、風呂入って夕飯食べ終わったら早めに寝たほうがいいよ」
「ご、5時!?」
「うん、そう。まずは朝の走り込みから一日スタートだから」
「も、もしかして、グレモリー眷属は毎日こんなことしてるの?」
「うん、俺は修行場でだけどやってるよ。……木場と小猫ちゃんも毎日の修行やってるよな?」
「うん、やってるよ」
「はいっ!ドライグ先生の言いつけ通りやってますっ!回避訓練は学校終わってからやってます……!」
「うん、やってるみたい。偉いね?小猫ちゃん。ちゃんと続けてるんだ?」
「……えへへ、イッセー先輩に追いつきたいですから……」
「ハハハ、じゃあ、追いつかれないようにもっと頑張るよ」
「ふふっ……、そうです、いつでも私の前走っててください……」
「うん。任せて」
「はいっ……」
……やっぱりきつかったか……
≪今日は昼過ぎから始めたからな。重力無しで10キロを2往復、それを2回やっただけだぞ?これ以上レベルを下げられんぞ≫
だよなあ……。これより下となると、スポーツの練習の域だろうからな……
≪小猫を見てみろ、苦しい表情ながらもちゃんとついてきただろう。
結局修行と言うのは自主性が問われるものだからな。本人のやる気次第だ≫
うん、小猫ちゃん頑張ってたな
≪ああ、小猫も、木場も、強くなるぞ、こいつらは≫
うん、俺もそう思うよドライグ
≪明日からは、走り込みの後、木場達と同じく回避訓練も行う。覚悟しておくんだな≫
「はいぃぃ……」
「は、い……」
「……生きてたら……いいな、明日」
≪この程度で死ぬようなら、戦場では真っ先に死ぬぞ?お前達≫
「……えっ!死ぬって……!?なんで!?」
「ゲームでは安全装置があるから大丈夫ですよ……」
「そんな、大げさな……」
「……それだけどさ。ダメージを受けてから安全装置が働くまでに1~2秒のラグがあるから、
即死ダメージを受けるか1秒か2秒以内に致命傷レベルのダメージを多段で受けたらたぶん死ぬよ?」
「え……!?」
「……マジで?兵藤……」
「それは、本当なのか?兵藤」
俺の言葉に三人が顔を青ざめる
「本当だよ。ゲーム前に審判役の人に聞いたんだ。事故で死亡する事はあるって。
防御結界ガチガチにかけとかないと相手によっては死ぬだろうな……」
「魔法かけてなかったら……、イッセー先輩に攻撃されたら確実に死にますよ?見ましたよね?さっきの木の有様……」
「……死ぬだろうね。あのフェニックスの眷属達の様子を見る限り……。
防御魔法多重でかけた状態で、やっと瀕死状態だったみたいだし……」
「ゲーム後にフェニックスの眷属の人と話をしたんだけど、どうやら全員に最上位防御結界を10回ずつかけてたみたいだよ」
「……最上位防御結界を多重で10回分!?それで瀕死!?」
「まあ、イッセー先輩はちょっとおかしいくらい強いですけど……。
でも他の悪魔だって強い人はいるはずですし……用心はするに越した事はないかと」
「……ゲームを、実戦を一度やった身からアドバイスさせてもらうとさ。
「ゲーム」って名前がついてても遊びじゃないんだ。一歩間違えば死ぬ事もある殺し合いなんだ。
だから、もっと危機感をもった方がいいよ?」
「……このゲームで負けたら、会長は好きでもない男と結婚しなきゃいけなくなるんですし……」
「え!?おい!?なんだそれ!?」
「今の、どういうことだ?……」
「会長が……?え……」
「えっ?……知らないんですか?皆さん……」
「……会長、みんなに気を遣わせたくなかったのかな」
「……だろうな」
俺たちは三人に会長が今どういう立場に置かれているのか簡潔に説明する
「そんな……。このゲームはただの模擬戦って……」
「……っ!水臭いですよ!会長!」
「違うさ、仁村。会長自身の私事の問題を眷属に持ち込みたくなかったんだろう」
「……知らされてなかったのか、やっぱり。これ、会長が隠したかった事だろうから、内緒な?」
「ああ、わかっている……!」
「わかったよ!兵藤君!」
「……っ!絶対、負けるわけには、いかなくなったな……!」
三人の顔つきが変わる
これでゲームに対して覚悟ができたかな
こうして、一日目の修行が終わる
合宿所に戻りシャワーを浴び汗を流した後夕食を済ませる
夕食時、シトリー眷属の皆は修行に慣れていないせいか、夕食が喉を通らない状態だったが
ドライグの≪飯を食っておかねば明日からはより修行がきつく感じるようになるぞ?≫
と言って詰め込むように夕食を口にしていた
夕食後シトリー眷属のほとんどがトイレに駆け込み胃の中の食べ物を吐き出していたが仕方ない
何も食べないよりはずっといいからな……
夕食後、
全員ミーティングルームで集まり、修行の感想を話し合う
シトリー眷属一同が夕食を吐き出した後、青い顔でミーティングルームに入り着席した後リアスが口を開く
「揃ったわね?会議を始めましょう。ソーナ?どうだった?初めて修行に参加した感想は……」
「う……、凄かったわ……」
「凄かった…って、もう……、それじゃ何がどう凄いのかわからないわよ……。
ティアマットさん?今日半日ソーナ達を見てどう思いましたか?」
「うむ、ソーナと椿姫……この二人は魔法の才はある、リアスや朱乃と同じくらいな。
だが、リアスや朱乃より肝が据わっていないのが難点だ。ようするにビビり過ぎだ」
「だ、だって……五大龍王とリアスと朱乃が襲ってきたらそりゃ腰が引けますよ……」
「まったく、まずそこから叩き直さねばならんとはな。明日からはもっと厳しくいくから覚悟しとけよ?」
「……今日よりもっと、厳しく……?え……」
「イッセー?近接戦闘組はどうだったの」
「今日は時間もなかったし、基礎体力作りの為に軽めに走り込みやってただけだから、大して報告できる事はないなぁ……」
「そう……。本人たちはどう感じたのかしら?」
「……ものすごいきつかったです……」
「体中が悲鳴上げてます……」
「足腰がガクガクになってます……」
「……軽め、だったのよね?イッセー」
「うん、軽めだよ。今日の修行以下はないよ」
「そう、なら頑張ってもらうしかないわね」
「そうだね。現にほら、木場も小猫ちゃんもついて来れてるんだし、慣れだよ慣れ」
「ふふっ、祐斗も小猫も頑張っているのね?偉いわ……」
「はいっ!イッセー先輩と一緒に修行できるのたのしいですっ……!」
「恐縮です、部長」
「ソーナと椿姫……そしてソーナの眷属達よ?お前達も今回が初めてのレーティングゲームだそうだな?」
「「「「「「はい」」」」」」
「いいか?相手はお前たちが弱かろうがビビッていようが関係なく、
全力で倒しにくる。「倒す」とはつまり殺しに来るという事だ」
「相手も自分が殺されまいとそれこそ死に物狂いでな……。
いいか?お前達が行うレーティングゲームとは戦場だ。甘さを捨てろ。
戦場では甘さを捨てきれん奴から死んでいく」
「「「「「「……っ!」」」」」」
ティアのその言葉に絶句するシトリー眷属一同
うんうんとうなづくグレモリー眷属の俺たち
「私はな、お前たちのように甘さを捨てきれず、戦場で死んでいった奴を何人も見てきた。それこそ、数えきれないほどだ」
「その中には私と仲の良かった奴もいる。悪かった奴もいる。いけすかん奴、面白い奴、わけがわからん奴。様々な奴がいた」
「……死んでしまっては、それ以上仲が良くなることも悪くなることも……。相手を理解することも出来なくなるのだ……。
だから、お前達に嫌われようが、憎まれようが手を緩めんぞ。これから残りの修行期間もっともっと厳しくするから覚悟しておけ」
「「「「「「……はい!」」」」」」
そうだな。ティア
死んだら、そこで終わりだものな……
「ソーナ?ゲームの方式は、どういった物なの?」
「5体5の勝ち抜き戦……Equal fightよ」
「……ある意味一番やりにくいルールね……」
「そうね……。ゲーム当日になって、試合表が発表されないと、
どのメンバーがどのタイミングで出るのかわからないから、予想ができないし……。
まあ、それについては相手も同じ条件だけど……」
「利点としては、他のゲームルールのように仮に王が落とされたら終わりじゃなくて、
大将に眷属が誰か残っていれば試合は続行可能というところね……」
「先に5人すべてのメンバーが落とされたほうが負け……。
シンプルなだけに戦略を組み立てるのが難しいわね……」
「強い悪魔を先鋒に置くっていうのも得策じゃない気がするわ……」
「仮に、先鋒が3人目で一番強い悪魔が落とされたとして、大将に王か、チームに一番強い悪魔が残っていたら……」
「……そこから巻き返される可能性は十分にあるわね……」
「ティアマットさん?ドライグさん?戦闘のプロとして意見を聞きたいわ」
「ふうむ……。私なら椿姫を先方に置いてそのあと由良、巡、仁村、ソーナを大将に置くな」
「先鋒に椿姫……、ずいぶん思い切った順番ですね?それはなぜでしょう」
「こいつはお前と同じくらい魔法の才に長けている、扱える魔法の種類も豊富だ。手札が多い分2人、あわよくば3人まで倒せるだろう。相手が同じくらいの練度であればだがな」
「後の二人ないし、副将を由良、巡、仁村で落とさせる。できれば大将も落としたいが……そこまで体力が持たんだろうな。この様子なら……」
「そうなれば。あとは、大将同士の闘いだ。純粋な力比べで打ち勝つしかないだろう」
「ソーナを大将に置いたのは、お前はこいつらの「王」だろう?なにより頼りにする精神的支柱だ。
ならば一番最後に構えておくのがいいだろうと思ったのだ。
戦闘は単純に力だけでは勝てん。主の為と思って戦うからこそ力が発揮出来るタイプもいるからな。イッセー達のようにな」
「……確かにに、「王」が……、ソーナ会長がやられたら、確実に眷属のみんなは動揺すると思うわ」
「そうね……。ドライグさんはどうかしら?」
≪俺も中三人の順番は違うが、初手に椿姫、大将にソーナを置こうと考えている。理由もティアマットとほぼ同じだ≫
「5対5の勝ち抜き戦か。こりゃ個人の力量が大きくものをいうな……」
≪そうだな。先日のフェニックス戦のように仲間がフォロー出来るわけではないからな……≫
「……会長!私っ……!修行頑張りますっ!頑張って強くなりますっ!だから、絶対勝ちましょう!今度のゲーム!」
ティアが言い終わった直後、突然席を立ちあがり宣言する留流子
「そうだな!二村!会長!私も修行全力で取り組みます……!
だから、そんな不安そうな顔をなさらないでください!勝って見せますから!」
留流子に続き巡が席を立ちそう告げる
「……二人とも熱すぎ……。けど、今回ばかりはクール気取ってられないか。私、やれることをやります、会長。だから顔を上げてください……」
巡の言葉に由良が続く
「み、みんな?どうしたの?」
状況がわからずポカンと口を半開きにし驚く花戒
「……会長。眷属が。部下にここまでやる気を出されては、我々はもっと頑張らねばなりませんね……」
「み、みんな……椿姫……ごめん……ごめんねっ……私の為に」
「会長、ごめん、ではなく「ありがとう」と言ってほしいものです。こういう時は」
「そ、そうね……ありがとうっ……ありがとう……みんなっ……!」
「さあ、会長……?ゲームに向けて号令をお願いします」
「ええ……。そうね……!みんな!修行頑張って今度のゲーム勝ちましょう!」
「「「「「はいっ!!会長!!」」」」」
こうして、「シトリー眷属対グシャボラス眷属の模擬戦」へとシトリー眷属とグレモリー眷属は一丸となり動き始めた