※この作品はR-18です。

赤い龍と龍の巫女   作:ローランシア

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ex02 ソーナと婚約騒動 その⑥

三人称視点

 

インターバルタイムの救護室

 

「っ!?……つっ!?」

「あっ!?まだ起きちゃだめですよっ」

 

 

アーシアがあわてて巡の肩を押さえベッドに横にする

 

 

「あっ!巡さんっ起きた!大丈夫!?巡さんっ?」

「仁村……、ここは……?」

「ここは救護室です。巴柄」

「か、会長……!?くっ……!」

 

救護室の奥から姿を現すソーナ

 

「あっ!?また……!」

「私っ廊下からみんな呼んできますねっ」

「巴?おとなしく休みなさい?今アーシアさんがあなたの怪我を、

治療してくれているのだから……」

 

「は、はい……。あの……試合は……。今は……インターバルタイムですか?」

「そうよ、今はインターバル。……結果としては貴方の負け、だけれど。最後相手の腕を切り飛ばしたでしょう?

あれでは再起不能も同然ね。だから……、試合に負けて勝負は引き分け……と言ったところかしら」

 

「引き分け……ですか……」

 

救護室に兵藤達グレモリー眷属一同と由良達が入ってくる

 

「巡……。大丈夫か?」

「兵藤……。ああ、この通り生きている、大丈夫だ。……それより、由良?次の試合……頼むぞ」

「……わかっている。任せろ。力を開放する許可もさっき会長に取った」

「……ふっ。「雷帝」が久しぶりに拝めるな」

「その名で呼ぶな、恥ずかしい……!」

「「雷帝」?巡?「雷帝」って何?」

「ああ、由良の……」

「……巡ぃ~?試合で疲れただろ?おもいっきり全身マッサージしてやろうか?」

 

怖い笑顔で見下ろしながらボキボキと拳を鳴らす由良

 

「わかったって、言わないって。……まあ、試合を見ていればわかると思うぞ、兵藤」

「…………」

「由良?話さないからそんなに睨まないでくれ……」

「……言ったら……、全体重を乗せた肘を顔に入れる」

「私怪我人なんだが!?」

「知るか……」

「そ、そうか。楽しみにしとくぜ、由良。なんにせよ、最後のアレ……、あの久我って騎士の技だろ?巡」

「~~~~~~っ!」

 

顔を真っ赤にしながら少し涙目でキッと巡を睨む由良

 

「あっ、ああ!……見よう見まねでやってみたんだ」

「すごいな、巡……。一度見ただけで技が出来たのかよ」

「うん、本当にすごいよ、巡さん。僕には真似できない芸当だ……」

「昔から、見取り稽古をして修練してきたからな……。

それである程度の事は、技の本質さえ分かれば見よう見真似でできるんだ」

「……マジですげえな……巡」

「ふふ、君に褒められるとこそばゆいよ、兵藤……」

 

ビーーっ

 

「ただいまを持ちましてインターバルタイムを終了いたします。

第五試合に出られる方はゲームフィールド転送魔法陣にお入りください」

 

 

「じゃあ、行ってくる。……巡?ちゃんと寝てろよ?」

「わかっている。私は由良みたいに病室から脱走したりしない」

「フン……。それだけ軽口が叩けるのなら心配はいらんな……。…………潰してくる!」

「頑張ってね!由良っち!」

「ああ。任せろ」

「翼紗?私には今のあなたがどれだけの間あの力を使えるのかわかりません。だから、そこの判断は貴方に任せますよ?」

「はい。わかりました。会長」

「「……さきほど小耳にはさんだんですが「ゲームで相手を殺したり、消滅させたりしても事故として扱われる」そうですね?会長」」

「「ええ。その通りです、椿姫。「ボクシングなどの格闘技の試合で相手が死んでしまった場合と同じようなもの」だと聞いてます」」

「「戦闘区域にいる以上は誰もが命を賭けて勝負に挑んでいるはずですし、当然の事でしょう」」

「「そうですね。翼紗?手加減などが出来るような強さの相手ではありません。思い切りやっても大丈夫ですよ」」

「「わかってます。真剣勝負ですから手は抜きませんよ」」

「……ふふふ。ならいいわ。行ってらっしゃい」

「はい。行ってきます」

 

由良がゲームフィールド転送魔法陣に入る

 

「……会長?……巡さんをボロボロにしたジェイル・ザードに手加減が必要ないって……どういう事ですか」

「そういえば、あなたはこの春に入ったばかりだから知らないのね?瑠々子」

「な……、何をですか」

「……今、転送魔法陣から出て行ったのは……シトリー眷属内で最強の悪魔よ────────」

 

 

由良視点

 

転送魔法陣でゲームフィールドに入り中央へ続く細長い通路を歩き出す

 

コッ……コッ……コッ……

 

「……よくも……、私の親友をいたぶってくれたなぁ……!?今からその罪を償わせてやる……!!!」

 

中央の開けた武闘台にでるとジェイル・ザードが待ち構えていた

巡が切り飛ばしたはずの右腕はすでに接合されくっついていた

 

「けええええっ!今度の相手はてめえかっ!?あのクソ剣士じゃねえのが残念だぜ!」

「シトリー眷属・戦車由良翼紗……よろしく」

「ムカつきが止まらねえ……!!!お前をボロボロにしてやるからなぁ!?」

「……」

「なんだ!?ビビッて声も出ねえのか!?あぁん!?試合開始からボコボコにしてやるからな……!?」

「……はぁ~……」

「んなっ!?てめ……ため息つきやがったな!?」

「お前は名乗らないのか?」

「ああん?もうじき死ぬ奴が俺の名前知っても仕方ないだろが!?」

「……ああ、そうかい。じゃあ、私がお前の名前をつけてやるよ「うんこ・ザード」……」

「う、うんっ!?舐めてんのか!てめぇ!?

「舐めてるんだよ?悪いか?」

「殺すっ!絶対に殺してやる……!!」

 

観客席

 

「最強の悪魔!?だ、だって、由良っちも体術主体の……戦車ですよね?

あいつには物理攻撃が効かないんですよっ……?」

「……物理攻撃が効かない程度の事問題じゃないわ」

「程度って……」

「あああ!?由良っち!?あ、あんなに挑発して……!」

「……かなり……、キレてるな。由良……」

「……兵藤もわかるか」

「そりゃあれだけあからさまならな」

「え!?あれ怒ってるの……?あんな小学生みたいな口喧嘩してるのに!?」

「由良は……、普段は誰よりもクールだけど、怒ったら誰よりも感情が激しく動くタイプだから……」

「「大人しい人ほど本気で怒ったら怖い」を体現してますよね。由良さんは」

「えっ、由良っちって怒る事あるんですかっ。いつもクールなイメージが……」

「翼紗は、普段人一倍感情を殺してるけれど、

本当は誰よりも感情が高ぶりやすいため自制をかけてるのよ。瑠々子」

「彼女が怒った時は……手が付けられませんからね……。

兵藤君?もしかしたらあなたの手を借りる事になるかもしれないわ……」

「……じゃあ、暴走とかしそうなら止めますね」

「ええ、お願いします」

 

ゲームフィールド内

 

由良視点

 

 

「第五試合……開始カウント始めます……!

10……9……8……7……6……5……4……3……2……1……始めてください!」

 

 

「行っくぜぇ!!!!!!!??雷神召来!!!!!!!!!!」

 

バババァン!!!!!!!!!!

その瞬間由良の体を白い雷が纏う

 

バリバリバリバリバリバリバリッ!!!!!!

 

「ぐぶぶぶぶぶ!!!!ククク……見たところ得物を持っていないという事は、体術主体のようだな!?」

「俺には物理こっ!へぶあぁっ!!?」

「そんな事わかってるよ、うるせえな」

 

由良が白雷を纏ったパチンコ玉を親指ではじき打ち出す、

凄まじい速度でジェイルザードの体を貫き泥化した体に穴が開く、穴の周辺が黒く焼けただれる

 

「な!?何だこれはぁ!?」

「おしゃべりしてる暇あんのか!?てめぇは!?あぁっ!?」

 

由良が瞬時にジェイルザードに接近し、白雷を纏った拳でジェイル・ザードを殴り飛ばす

 

由良に殴られた箇所が焼けただれる

 

 

観客室

 

「えっ!?なんですか!?あれ!雷を纏ってる!?それに殴ってダメージが通ってる……!?あいつは泥になって物理攻撃を無効にするんじゃ……!?」

「瑠々子……翼紗が悪魔に転生する前異形狩りをしていたという事は知っていますね?」

「え、はい。話だけですけど聞いてます」

「人間よりはるかに超越した身体能力を持ち、魔力や魔法を扱う事が出来る悪魔や堕天使に、

多少一般の人間より戦いに優れた程度で勝てると思いますか?」

「……思えません。だから、きっと由良っちはものすごく強いんだと思ってました」

「……人間の体は大体6割から7割が水分で出来ていると言うのは知っていますね?」

「えっ……?あ……はい……?中学の理科の授業で習ったような気がします……。よく覚えてはいませんけど……」

「由良は生まれつきの特異体質なの。体内の水分を使って体内で水力発電を行い電気を作り出す事が出来るの」

「えっ!?そんな無茶苦茶な!?」

「小学校の2年生の頃だったそうよ。人とは違う体質に気が付いたのは……。

それから由良はずっとその異能の力をどう扱うか研究して

中学に入る頃にはもう異形から人々を守ってたらしいわ」

「……そんな。それって独学って事ですよね?」

「ええ、小学校の頃その体質が周りの友人に知られて引っ越しする事になったらしくてね?

それから、友人も作らず……一人でを修行しながら異形退治をしていたらしいわ」

「同じように異能の力を持つ私たちや、同じ年の巡さんと知り合えたのは……彼女にとって幸いな事だったのかもしれません」

「……翼紗は、優しい子よ。だからこそ、本来ダウンしていたはずの巴柄を愚劣な技で拘束していたぶったあいつを許すはずがないわ……」

「あ!さっき由良っちが転送魔法陣に入る前に会長と副会長としてた会話!?あれって……!?」

「……さあ?何の事かしら……。私たちは「ゲームのルールを確認」しあったあと、由良さんへ「激励」を贈っただけですが。ね?会長?」

「そうね?試合前にただ「世間話」をして「激励」をしただけよね。フフフ……」

「怖いわー……この人達怖いわー……」

「あら、私たち悪魔よ?」

「あっ?そう言えばそうでしたね」

 

ゲームフィールド

 

「くっ!くそがぁぁぁ!?調子に乗るなよ!?クソガキがああああああああああああ!!!?」

「「汚泥沼王!?こいつを泥の監獄に引きずり込め!「泥の監獄」(マッドジェイル)!!」

 

ジェイル・ザードの腕からおびただしい程の泥が沸き出し、ゲームフィールドをすぐに覆い尽くす

膝まで泥で浸かる

 

「ハッ……!巡の足を止めたくだらん技か」

「ぐぶぶぶぶっ!これで自由には動けんだろう!?嬲り殺してやる……!」

「……おい?悪魔は飛べるのに……なぜ私が空中を飛んで泥を回避しなかったか……わかるか?」

「……何?」

「私はこの技を真っ向から潰したくて飛ばなかったんだ!!!」

 

お前の物全てを真っ向から否定してやる……!!!!!

お前に巡を愚弄する資格などはない!!!

 

私の体をさらに大きな白雷が宿る

 

「こんな下らん技で……!あいつの、巡の誇りを傷つけた罪!死んで償え!!!!」

 

「神雷(かみいかづち)!!!」

 

キィィィィィィィン……!

 

耳鳴りのような音が響き渡った数秒後

天に右手を掲げ叫ぶと私を中心に巨大な白雷を出現させ、

ゲームフィールド全体へ放出する

 

ズッ………!ドォォォォォォォォォッン!!!!!!!

 

私が出現させた巨大な白い雷の柱によってゲームフィールド全体が黒く焼け果てる

 

「う……あ……!」

 

真っ黒に焼けただれたジェイル・ザードが白雷の直撃を受け倒れんだ後、1秒後にリタイアの光に包まれる

 

「シトリー眷属・戦車由良翼紗!勝利!」

 

「……」

 

グラシャラボラスの観客席に顔を向ける

 

ポケットからパチンコ玉を取り出し、パチンコ玉に白雷を込めグラシャラボラスのメンバーのいる観客席に打ち込む

 

ズドオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!!!

白雷の砲撃でシトリーコロシアムの観客席の三分の二を吹き飛ばす

 

 

「な!?なんだぁ!?おい!?何が起こりやがった!?」

観客席で観戦していたゼファードル達が慌てて白雷の砲撃によりあけられた観客席からゲームフィールドへ顔を覗かせる

 

「よぉ!?久しぶりだなクソ男ォ!!

私の親友の誇りを穢そうとする奴が他にもいやがったら私が滅してやるからなぁ!!!!!!?」

 

私の警告がゲームフィールドに響き渡る中、

踵を返し観客席への転送魔法陣へ足を向けた

 

巡。仇は取ったぜ──────────

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