※この作品はR-18です。

赤い龍と龍の巫女   作:ローランシア

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07 生徒会と傲慢

放課後部室で集まる

 

「今日からオカルト研究部に入部するアーシアよ」

「アーシア・アルジェントともうします。よろしくお願いします!」

「一年の搭城小猫です、よろしくお願いします」

「二年の木場裕斗です、よろしくね。アーシアさん」

「三年の姫島朱乃ですわ、よろしくね、アーシアちゃん」

「二年の兵藤一誠……って知ってるか。まあ、改めてよろしく!アーシア!」

「じゃ、改めて私も自己紹介するわね?三年のリアス・グレモリー。この駒王町を管理している領主の上級悪魔よ」

「はい!みなさんよろしくお願いします!」

「あ、そうそう、イッセー?そろそろあなたにも使い魔を持たせようと思うんだけど……」

「使い魔……。蝙蝠?」

「蝙蝠もいるわね。ほら?ビラ配りをしているでしょう?ビラ配りをさせたり偵察させたりできる小間使いみたいな魔物を取りに行くのよ」

「へえ!そりゃ便利だなぁ、チャリで回るより効率よさそうだ」

「じゃあ、ソーナと相談して日程の確認もしなきゃね」

「ソーナ?」

「私の幼馴染の悪魔も学園に通っているの、現生徒会長の支鳥蒼那って言えばわかるかしら?」

「あぁ、知ってるよ!主に去年の話だけど」

「そうね。去年副会長だったソーナによく追いかけ回されていたものね?イッセー」

「あの頃のイッセー君を思い出すと、本当に同一人物か疑ってしまいますわ……」

「だって、あの、ソーナ、にっ、ふっ!くっ……!ちょっ朱乃っ何、笑ってるのよ……くく……ふふふっ!」

「リアスだって……!くっ……ふふふっ!だって、あのソーナ会長にっ……「貧乳副会長が来たぞ!」なんて叫んで逃げられるのはイッセー君だけよ?ふふ……くっ……、ちょっ!ふふふふっ!」

「覚えてるわ、それ……!逃げ回りながら「少しくらい見逃せよ!おっぱい大きくならねーぞ!副会長!」ってイッセーに言われた時のソーナの顔……!あっ?もうダメっ……!あはははっ!」

「そうそう!……その後ソーナ会長が「これから大きくなるもん!」って涙目で必死にイッセー君を追いかけて……ふふふっ!あっ……やっぱりダメっふふふふっ!!」

「あれっ、ヤバい。それすげー覚えがある……。割とガチで観察してたっぽい……?」

「「もちろん!私たちの趣味よ?」」

「あれがきっかけでイッセー君の観察が私も習慣づいたのよね………、楽しかったわぁ、あの頃」

「ね?あの時見に来て正解だったでしょ?」

「ええ、それは間違いないわね……、あの頃の事は一生忘れないと思うわ私……うふふ……」

「私も一生忘れられないと思うわ……、最高の想い出よね」

「ええ、本当に。楽しかった事しか思い出さないもの……、色々嫌な事もあったはずなのに……」

 

お腹を抑えて笑いながら楽しそうに笑う朱乃とリアス

今日もオカ研部は平和だぜ!

 

「……面白過ぎでしょ、去年のイッセー先輩……」

「イッセーさんはその頃から人気者だったんですね!」

「ええ、楽しかったわ、イッセーのおかげで今は今で別の楽しさになってるけどね」

「今思えばあの時から私達の学園生活はイッセー君を中心に回ってたような気がするわ……」

「夜に電話で「明日は何をやってくれるんだろう?」って二人で話してたんだから」

「楽しかったわね、イッセーのその日の感想とか次の予想言いあってたわね、毎晩夜遅くまで盛り上がってたわ」

「ハハハ、こんなに楽しそうな部長と副部長初めて見たよ」

「私もです、祐斗先輩」

「言っとくけど今はしてないからね?心入れ替えたんだから……」

「ええ、わかってるわよ。あなたの忠義はこの場の誰もが認めているわ。ね?みんな」

「ええっ、もちろんですわ」

 

見渡すと、みんなが頷いてくれていた

はは、なんか、嬉しいもんだな、認められるって……

 

「そろそろ来るはずなんだけど……」

 

コンコン……

 

「来たわね、どうぞ?」

 

「おじゃまします」

「みんなも知ってると思うけど、駒王学園の生徒会長支鳥蒼那よ。私の幼馴染で子供の頃からの友人なの」

「初めまして、駒王学園生徒会長 支鳥蒼那と申します。悪魔の世界ではソーナ・シトリーと申します、シトリー家次期当主でもあります」

生徒会長の後ろにはそのほか生徒会メンバーが勢ぞろいし、整列していた

 

へー、先輩ってシトリー家ってお家の次期当主だったんだ。リアスと同じだなぁ

リアスはグレモリー家ってお家の次期当主だし

ああ、だから子供のころから付き合いがあったのかね……

 

 

「よく来てくれたわ、ソーナ」

「今日は、お互いに新しい眷属を迎えたという事で伺いました。リアス?この二人が?」

「そうよ、イッセー?アーシア?ご挨拶して?」

 

「はいっ!部長!二年兵藤一誠、リアス・グレモリー様のポーンです!よろしくお願いします!」

 

最敬礼で頭を下げる

 

「二年生でアーシア・アルジェントと申します!リアスグレモリー様のビショップです!よろしくおねがいします!」

 

アーシアも最敬礼で頭を下げる 

 

「ええ、よろしくお願いします。兵藤君、アーシアさん」

言いながら優しく微笑みかけてくれる

 

「こちらは……。匙?」

「俺は二年の匙元士郎、ソーナシトリー様のポーンだ!」

「おぉ、俺と同じ二年でポーンか!よろしくな!」

握手しようと手を出した時

 

「俺としてはお前と同じだなんて思いたくないけどな……!問題児の兵藤一誠!」

 

「……」

 

あららー、やーっぱまだ評価は改善されてないか

 

「イッセーさんは優しい人ですよ!」

「ありがとう、アーシア。でも大丈夫だから……」

 

うーん、アーシアちゃんは怒った顔もかわいいぜ!

 

一応後ろを振り返って確認してみるとリアスと朱乃のコメカミがピクピクしていた、木場は苦笑い、小猫ちゃんは半目で微妙な表情

うーん、やばい。俺のせいでオカルト研究部に恥をかかすわけにはいかん……

 

一応後ろに「俺のせいですまん」と手を合わせてみんなに意思表示をすると、みんなが苦笑いで返してくれた

 

「何コソコソやってんだよ?どうせ神器もショボいんだろ?俺は駒4つ消費のポーンで神器は五大龍王のヴリトラが宿ってるんだぜ」

「匙?おやめなさい」

「……」

 

今のはさすがにイラつくな、俺は問題児と言われるだけの事をやって来たし俺に対しての批判は仕方がないけど

誇り高いドラゴンのドライグを貶されるのは……納得がいかない。

これは俺の素行は全く関係ないただの暴言だろ、仮に今までの俺の素行がまともでも神器は関係ないはずだからな

 

≪相棒!こいつを殺そう≫

やっぱり怒ってるし!

まてまてまて!あの押さえつけるすごい奴やったら、「リアスの眷属が生徒会に暴行を働いた」って事になってリアスの立場が悪くなるだろ!

 

≪……くっ!ぬぅ……!リアス・グレモリーにはソフィアの件で借りがある……≫

 

まあ、俺に任せてくれよ、ドライグ。俺に考えがあるんだ

≪考えだと?≫

ああ。まあ見ててくれよ

そろそろ場の流れ変えないとといけないんだ、俺のせいでリアスに恥ずかしい思いをさせてるからな

 

「……生徒会長も大変ですね……?」

少し困ったという顔をしながら、ほんの少しだけ会長に近づこうとする、あくまで自然に

 

「ええ……、わかってくださると助かります……」

「な!?お前!会長に気安く話かけてんじゃねえよ!離れろ!」

 

グイっと匙が俺の体を引っ張る!

「えっ!?」

 

ほぅら来た!

 

こいつは日頃から会長にべったりで、おそらく会長に惚れてるんだ。思った通り手だしてきた

俺が会長に近づく事に過敏に反応すると思ってた

 

引っ張られると同時にそれなりに勢いをつけて机に派手にぶつかりいろんなものをぶちまける

倒れる瞬間にわざとぶちまけられるペンとかを狙って倒れてケガをしておいた

 

腕って刺すより、引っかく感じでケガすると派手に血が出る感じになるんだぜ?

ミミズ腫れが裂けた感じになって傷は浅いが広範囲に傷が出来るから結構血が出たように見える

 

大げさにコケ過ぎるとわざとらしく映るから、やり過ぎないのが一番重要だ

 

ガッシャア!!

 

「ってえ……」

「イッセーさん!?」

「イッセー!?」

「イッセー君っ!!」

「イッセー先輩っ!」

「っ!?大丈夫かいっ?」

「イッセー君!?」

「ひっ!?イッセーさん腕から血がっ!」

「アーシアちゃん!治してあげて!」

「大丈夫だって。アーシアこのくらい……」

 

青ざめた表情で部員のみんなが駆け寄ってくる

 

「大丈夫じゃないです……!腕、出してください!」

「ん、ああ、ありがとう……」

アーシアの手からパァと回復の光がでて、傷が癒えていく、気持ちいい……

 

「匙!?あなたは……なんて事を……!」

「え!?だって……!?」

 

パンッ

会長が匙の頬を張る音が響く

 

「兵藤君!すみません!うちの匙が!」

謝りながら会長が駆け寄ってくる

 

「元ちゃん!いくら兵藤君が嫌いだからって今のはあんまりじゃないかな!?」

「今のは完全に匙が悪いな……。すまん……兵藤、大丈夫か?」

「大丈夫ですか……、兵藤君……!すみません……!」

「これくらいのケガなんて日常茶飯事なんで。それにほら?怪我はアーシアが治してくれたんで。大丈夫ですよ」

「イッセーが何をしたって言うの……」

「私のイッセー君を傷つけた……」

「イッセーさんは何もしてないのに……」

「ちょっと、目に余るかな」

「最低……」

 

会長が駆け寄ってくる

 

「すみませんでした!匙も謝りなさい!」

会長が土下座をして謝罪し、匙以外もそれにならい土下座して謝罪していた

 

「なっ!?会長!?みんな!?兵藤てめえ!会長やみんなに何させてんだ!?大げさにコケやがってよ!!」

「黙りなさい!匙!誰のせいでこうなったと思ってるの!ほら!彼に謝罪して!」

「いい加減にしてよ!元ちゃん!悪いと思ってないの!?何でやった本人が頭さげてないのよ!?なんで兵藤君が悪いみたいに言ってるのよ!?」

「自分がやった事の重大さがわからないの!?何もしてない彼に暴力をふるってケガまでさせたのよ!?」

「匙、何が気に入らないんだ……?私には君がわからないよ……」

 

≪ククク、なるほど、こういう事か。俺は相棒が恐ろしいよ……≫

……これでいいか?ドライグへの侮辱の件……

≪ああ、十分だ。面白い趣向だったぞ、相棒≫

納得してくれたようで何よりだ

 

さて、場を収めますか

 

「いやいや……、男子同士のじゃれあいが過ぎた程度の事なんで。そこまでしてもらわなくても大丈夫ですよ、会長……」

そっと前に膝をつき会長の肩に手を置き土下座をやめるように促す、あくまで被害者が相手の無礼を許し、謝罪している相手をなだめる形にしなければいけない

 

「俺は本当に大丈夫ですから。さ、立ってください、会長」

会長の手を引き会長を起こすため、手を差し伸べる

 

「本当にすみません……。ありがとう兵藤君」

会長の手が俺の手に触れた時

 

「てめぇ!?会長に触るんじゃねえよ!会長から離れろ!」

 

ガッ……

匙に横っ面を殴られる

 

「ぐっ……!?」

 

……ラッキー ラッキー ラッキー♪

やったぜ!こいつがここまで馬鹿だとは思わなかった。これは嬉しい誤算だ!

 

≪……相棒?殴られたのだぞ?何を喜んでいる?≫

 

おいおい、ドライグ?さっきのは奴も手を出したが俺の意思も手伝っての転倒だぜ?

匙の言い分もあって「もしかしたら匙の言うように、兵藤はわざと転倒したんじゃないだろうか?」

という疑念がみんなの頭の中には少しはあったはずなんだよ、両陣営ともにな

だけど今のは、完全にこいつの意思で殴っただろ?もう言い逃れできないだろ。今殴られた事で先の転倒もより真実味を帯びる事になるしな

ここから先は完全にこいつの問題だ

 

≪……そうか、そういう事か。相棒はつくづく恐ろしいな……≫

 

「ほら……!?ほら!見てくださいよ!?こいつこれだけ強く殴っても倒れたりしないでしょ!?さっきのわざとですよ!こいつの!」

「いってえな……」

「イッセーさんっ!?」

アーシアが青ざめ駆け寄ってくる

「っ!口から血がっ!それに痣になってますよ……!治療を!」

「アーシア?みんなの所に行ってるんだ、危ないから」

「……はいっ!」

「イッセー!?ちょっと!そこの貴方!何をしているかわかってるの!?」

「っ!?大丈夫ですかっ……!?イッセー先輩っ!」

「イッセー君!?ちょっと!どういうつもりなの!?生徒会は!!」

「そろそろ私も我慢の限界がきそうだわ……」

「リアス?私はとっくに限界に達してるわよ?ただイッセー君の覚悟を無駄にしたくないから我慢出来てるだけよ……?」

「……部長、これ以上は見ていられません。次彼が何かしたら僕は動きますよ?僕は仲間を傷つけられて黙っていられる程気が長くない……!」

「木場、お前は部長のそばにいてくれ。お前は部長の騎士なんだから。部長を守ってくれ」

「イッセー君……。わかった、その役目任せてよっ……」

「頼んだぜ、部長に何かあったら大変だ」

「ああ!そうだね……!」

「……部長はお守りします……。任せてください、イッセー先輩」

「うん、頼むよ。小猫ちゃん」

「イッセー……裕斗、小猫……」

みんなが部長を守るように固まる

「兵藤!?てめえ、 俺がグレモリー先輩に何かするって言ったのか!?おい!?」

「そう言ったけど?お前の言動やら行動を見て安心出来るかよ。他の生徒会の皆さんには悪いけどさ……」

「いや、兵藤。君の判断は正しいよ。今の匙を見て安心する事は難しいだろう」

「ふざけんな!俺がそんな事すると思ってんのか!?兵藤の癖によ!」

「ああ、思うね。自分の行動を振り返ってみろよ?」

「匙……お願い、もう口を開かないで……」

「匙君……」

「元ちゃん……」

「会長……?もう匙を拘束されては……」

「ごめんなさい……!ごめんなさい……っ」

会長が涙声で頭を床にこすりつけ謝罪していた

「会長!やめてくださいって!会長がこんな奴に頭さげる必要ないですよ!」

「匙!彼に謝って!誠心誠意謝って!お願い!」

「会長……!くっ兵藤ォォォ!?会長になんて事させやがる!」

「匙!なんで頭を下げないんだ!?会長が頭を下げてるのに!」

「匙君のせいなんだよ!?なんでわからないの!?なんで兵藤君が悪いみたいな顔してるの!?」

 

匙以外の生徒会メンバーが土下座し、頭を床にこすりつけ謝罪を続けている

 

「ソーナ……?」

「謝罪の言葉しかないわ……、完全に私の力不足よ……」

「ソーナ、後でこの件についてお話ししましょう?」

「リアス?私も同席しますからね?あれだけのことをしておいて本人は謝罪もする気ないみたいだし、話にならないわ」

「兵藤君、リアス。リアスの眷属のみなさん……本当に申し訳ありません……」

「なぁ、なんでやり返さないんだよ?この腰抜け野郎が!」

「ハ……!俺の力は部長を、オカ研のみんなを助ける為に使うって決めてんだ。お前と喧嘩するための物じゃない」

「本当にいい加減にしてください……匙……!」

「イッセー、次何かされそうになったら、抵抗して構わないわ。もう正当防衛で十分通るはずよ。いいわね?ソーナ」

「ええ、もちろん構いません。いえ、生徒会のほうで取り押さえようと思います」

「……わかりました。できるだけ怪我させないように取り押さえます」

「やってみろよ!?この腰抜けが!」

「匙!!!次なにかしたらはぐれ悪魔として認定しますよ……!?」

「くっ!会長!?なんでこんな奴をかばうんですか!?」

 

「……会長。立ってくださいよ。会長がそんな事してたら役員の皆さんが可哀想ですよ……、ほら……」

 

会長の肩に手を添え、もういいから、大丈夫だから、という意思を伝え

会長に再び手を差しのべ立たせる 

 

「ありがとう、兵藤君……何度も、ごめんなさい。ぐすっ……ううっ……」

「ははっ。何度でも、立たせますよ?主の友達にそんな真似させたら主が悲しみますから」

「イッセー……」

「もう……、リアスが羨ましいったらないわ……!」

「あー……、ほら。他の役員さんたちも立たせてあげてください。あのままじゃ可哀想だ」

「なんだでよ!おかしいだろ!?なんで俺が悪いって事になってんだよ!」

「なんか、情けなさ過ぎて涙出てきたよ……」

「匙……、あなたは、もういいわ……」

「……みんな、立って?匙……後で話しがありますからね?」

「なんで今の流れでイッセー君が悪いって思うのよ!?いい加減にして!」

「まったくです、朱乃さん……」

「生徒会の人とは思えない行動ですね……。正直不快です」

「ううっ……ぐすっ……ごめんね……イッセー……」

「あぁ……、泣かないでください、部長。俺は大丈夫ですから。朱乃さん?部長をお願いできますか?」

「……わかったわ、イッセー君。……ほら?部長……?」

「うぅ……」

 

土下座していた役員が立ち上がるが全員下を向いてしまっている、この失態に対して顔をあげられないんだろう

生徒会の役員が整列し涙を流しながら俯いていた

 

 

「匙には後で話があります」

「匙。君は何か勘違いをしてるんじゃないか……、今日の君はあまりに酷すぎる……」

「会長?彼を生徒会から外してください。もちろん眷属からも……、こんな人と一緒に仕事したくありません」

「ええ、帰ったらすぐ会議しましょう、匙の処分も含めて」

「会長!?副会長!?なんで俺が処分されなきゃいけないんですか!こいつが会長に触れようとしたから……」

「匙?私が彼に触れられたらなんだというのですか?あなたはいつからそんなに偉くなったんですか?」

「なっ!?」

「この際言いますけどね?あなた気持ち悪いんですよ……。私も女ですからね、男の視線がどこに向かってるかなんてわかるんですよ?」

「会長以外にはそうでもないけど。会長を見る目は露骨だものね、匙君」

「そ、そんな……俺は……」

 

よし、後はこっちの空気を変えねば

見渡すと部員全員が、殺意にあふれた顔で匙を睨んでいた

あの優しいアーシアまでもが怖い目をして匙を睨んでいた

 

「……アーシア?こっちきてみ?」

おいでおいでしながらアーシアを呼び寄せる

「は、はい」

むにっ アーシアのほっぺをつかんでみる、もちろん手加減しまくって、痛みを感じない程度に細心の注意を払って

俺はニコニコ笑いながら

「ほーら笑えー?笑ってるアーシアが一番かわいいぞ?じゃないとぷにぷにしちゃうぞー?」

「い、イッセーさん……?……えへへ……?」

パッっと手を放す

「うん、やっぱりアーシアは笑顔が一番だな!ハハハ!」

「……イッセーさん!……ふふふ!」

「チッ……」

 

アーシアが匙のその威圧のこもった舌打ちにビクっと体を震わせ、俺に抱きついてきた

よほど怖い状況なのかアーシアは俺の胸で震えていた

 

「大丈夫。アーシアには俺がいる」

 

アーシアの頭を撫で安心させる

安心したのかアーシアの体の震えが大分マシになる

 

「……えへへ……、イッセーさん……、イッセーさん……っ」

 

ぎゅっと、アーシアが俺の胸にほおずりしながら甘える

この重苦しい空気の中俺達がいちゃつきだした事により、微妙に空気が変化したようだ

 

「……ははっ、完全に毒抜かれちゃったよ…………」

「ふふっ、さすがです、イッセー先輩、アーシア先輩……」

ナイスアシスト!木場&小猫ちゃん!

「……アーシアが羨ましいわ……」

「ふふ……。アーシアちゃん変わってほしいわ……」

 

よし、ここで仕上げだな!

≪何?仕上げだと?≫

 

「匙?気を付けたほうがいいぜ?やらかして自分が恥をかくだけで済むならいいけどさ、俺ら眷属がやらかしたら主が恥をかく事になるんだからさ」

「な、何を偉そうに……!」

「俺は偉くなんてないさ。でも主には恥をかかせないように心がけてるから、そう思うだけだよ」

 

出来るだけ微笑みながら優しく子供に言い聞かせるように言う、匙から見ればこの状況はさぞ勝ち誇ったような態度に見えるはずだ

 

「ク…………っ!!」

 

オカ研部員の全員と生徒会の全員(匙以外)がうんうんとうなづいてくれていた

 

こいつの場合こう言ってしまえば絶対に謝れないだろう、なんせ俺を格下だと思ってるからな

自分より下だと思ってる相手に正論ぶつけられると半端なく悔しいはずだ

 

謝るという事は自分の過ちを認めて相手の正しさを認めるって事だ。仮に謝ったとしても相手を下に考えてる奴にはそれは相当な屈辱だ

そして、謝る事で許される可能性すら今の言葉で失くしただろう

 

完全に会長から見放されたな、こいつ

普通この状況なら主は匙に無理やりにでも謝罪させようとするはずなのに、会長はそれをしない。つまり基本的なモラルすら期待していないって事だ

 

「……っ!」

 

おい、見ろよドライグ!こいつめちゃくちゃ悔しそうだぞ!俺をすっげぇ睨んでやがる!スゲーなヴリトラの怨念パワー!

≪ハハハハハッ!!ク!フッ……!ハハハハ!!ヴッ……っ……怨っ……!クッハハハハハ!!ヴッ!ヴリッ……ハハハハハハハ!≫

≪ククク……ハハハハッ!!……はぁはぁ……っ、あまり笑わせるなよ!相棒!腹が痛いじゃないか!……こんなに楽しい宿主は初めてだ!≫

二天龍も笑いのツボがあるんだな……

 

「……すみません……、今日はこれで失礼します、また……」

「本当に、ごめんね……!兵藤君!」

「お大事に……兵藤君」

「本当にすまん、兵藤。今日は失礼をした……」

「本当にすみませんでした……、失礼します……」

「ソーナ?後で連絡するわ」

「……わかりました、失礼します……」

 

深々と頭をさげ会長を先頭に出ていく

 

「チッ……」

 

忌々しそうに俺をにらみつけ舌打ちしながら出ていく匙

今の舌打ちだけでも、だいぶまずいだろ……。

ほら!アーシアがまた怯えてるだろ!

 

「あ、お気になさらず……。お疲れさまでした」

 

生徒会の面々が部室から去ると何とも言えない空気が広がり

みんなが一斉に俺に駆け寄ってきた

 

「イッセー!大丈夫!?」

「イッセー君!アーシアちゃん!早く治してあげて!」

「はいっ!イッセーさん頬治癒します!」

「大丈夫だったか?アーシア。怖かったろう?」

「私は大丈夫ですっ!イッセーさんがいてくれましたから!」

「まったく……なんて事をするのかしら、あの男……」

「はは、心配かけてごめん。油断してた。まさか生徒会の奴が暴力振るってくると思ってなかったからさ」

「イッセーさんは悪くありません!」

「誰だってそう思うと思うよ……」

「……イッセー先輩大丈夫ですか?まさか生徒会に不良がいるとは思いませんでした……」

「そうだね、まさかあんな暴挙に生徒会が出るとは思わなかったよ……」

「ぐすっ……、イッセー……。ありがとう。私のために我慢してくれて……」

リアスが泣きながらでお礼を言ってくる

「リアスが困る事はしないさ」

「私は最高の人を好きになったわ……」

「俺もだよ、リアス」

「もう、妬けるわ……!」

「む~、イッセーさん……」

「……どうして、殴り返さなかったんですか?イッセー先輩の力なら……!」

「小猫ちゃん。俺があいつを殴り返していたら、リアスは世間で「眷属の躾すらできない無能な王」って言われる事になるんだよ」

「…………っなるほど……だから……」

リアスがそれを聞いて頷いていた

「な?俺達の王が世間からそんな風に思われたくないだろ?」

小猫ちゃんの頭をなでながら言い聞かせる

「……はいっ……!」

 

納得してくれたようで小猫ちゃんは微笑んでくれていた。うーん、俺の後輩はかわいいな!

 

 

「君は……あの騒ぎの中心にいながら、誰よりも冷静だったんだね……」

「木場ならもっとスマートにできるさ」

「ハハハ……、まいったな……。もっと頑張るよ僕……」

「朱乃も俺の気持ち汲んで我慢してくれてありがとな?」

「うふふ……、これくらい察せないと妻は務まりませんから。でも私も後で頭を撫でてほしいわ……」

「ハハハ、わかったよ」

「リアス?あの男についてセラフォルー様に抗議しますからね?」

「ええ、そうね、後でソーナに連絡しましょう、今日遅くなるけどいいわね?朱乃」

「ええ、もちろん」

「ありがとうアーシア、おかげで痛くなくなったよ」

「よかった……」

 

アーシアが、必死な表情からやっと安堵の表情を浮かべてくれた

 

「あ、リアス?朱乃?その話合いの時に一つお願いがあるんだけどいいかな?」

「何かしら?イッセー」

「なあに?イッセー君」

「あの匙以外は何もしてないんだし、お咎めなしにしてあげてほしいんだ。他の人は悪い事したわけじゃないしさ、他の人まで処分されたら可哀想だ」

「もう、あなたって人は……。わかったわ、イッセーが今回の一番の被害者なのだし、事情説明の時に差し込んでみるわ」

「……イッセー君にお願いされたら断れないじゃない……。ホントに優しいんだから……」

「ありがとう、さすがリアスと朱乃だ!さ、今日も楽しい部活にしようぜ!」

 

沈んだ雰囲気を消し飛ばすかのように元気に声を発する

みんなが微笑み返してくれていた

 

「まったく……。あなたにはかなわないわね……」

「ええ、ホントに……」

「……イッセー先輩には後でお菓子あげます……」

「お、サンキュ!小猫ちゃん!」

「ふふ……」

「じゃあ、部長?本日の号令お願いします」

「ええ、今日もはりきって部活を始めるわよ!」

「「「「はいっ」」」」

 

部長の号令の下部室にいつもの和やかな空気が戻ってきた

やっぱりオカ研はこうでなくちゃな!

 

 

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