3人称視点
オカルト研究部の部室から出た生徒会メンバー達
匙以外のメンバーは下を向き声を発せず、生徒会室へ向かっていた
「はぁ……」
たまにため息が聞こえてくる
「……大変な事になってしまいましたね……」
そう口に出したのは生徒会で副会長という役職に就く、真羅椿姫だ
大変な事、先ほど起こったオカルト研究部で起こった出来事を生徒会室に戻り、その場にいなかった
残って業務にあたっていたメンバーに説明しなければいけないと考えると憂鬱になるのも当然
生徒会室につくとすぐさま、生徒会室の奥にある、別室へ生徒会の全員が集められる
「はぁ……」
「会長?私が説明しましょうか……?会長顔色が…………」
重いため息を漏らすソーナを見かね手をあげ状況の説明をしようと真羅副会長が立ち上がる
「いえ、今日の事件について人任せにしたくないの。ありがとう椿姫」
「えっ!?事件って!?何があったんですかっ?帰ってきたらみんな顔真っ青だし、元ちゃんは怒ってるみたいだし……」
生徒会メンバーの様子がおかしいことに気がつくが、状況を理解できないでいる 生徒会メンバー 花戒桃
「匙君が、オカルト研究部の兵藤君に一方的に暴力を振るったの」
そう簡単に説明するのは仁村 留流子、彼もまた匙に好意を向けていた一人だったが、今日あった事で想いが冷め、匙へは侮蔑の想いしかなかった
「えっ!?冗談、じゃないよねそれ……、それに「匙君」って……、留流子?」
メンバーの尋常じゃない様子からそれが嘘や冗談ではない事を感じ取る
「な、なにがあったの?」
「まずは、今日起こった事を話すわ。新規メンバーの紹介と挨拶をするためオカルト研究部の部室へ、リアス部長の所へお互いの新規メンバーの挨拶と紹介を行ったの」
「そこで、匙と兵藤君が挨拶する時に。匙が兵藤君に失礼な事を言ったのよ」
「そ、それで、喧嘩になったと……?」
「いいえ、兵藤君は一切手を出さなかったわ。主のためにただひたすら耐えていたわ」
「えっ……」
「私に話かけた兵藤君を匙がいきなり兵藤君を投げ飛ばしたの、それで彼は腕にケガをしてしまって」
「いや!だからあれは兵藤が大げさに転んだだけですって!」
「……仮にそうだとしてもよ?土下座した私を起こす為に手を差し伸べた彼を思い切り殴ったでしょう?青痣ができるくらい……」
「元ちゃん……本当?」
「そりゃ殴ったけどよ。それは会長がなんかされると思って……」
「本当に殴ったんだ……」
「さっきも言いましたが、私が彼の手を取って立たせてもらう事が、そんなに問題ですか?」
「そ、それは……」
「あなたがあの時彼を殴った事の方が余程問題よ?」
「あの投げ飛ばしたのだって匙君は思い切りやったと思いますよ?仮に力が弱かったとしてもあんな狭い場所でするべき事じゃないですよね?」
「留流子……?えっ……?どうしたの?ねえ……!?」
「桃ちん、私はね?もう匙君に愛想が尽きたんだよ。今日の事思い出すだけで情けなくて涙出てくるよ……!」
「えぇ……」
「そうね、仮にそうだったとしても、体勢を崩して同じ事になっていたかもしれない」
「最初の引き離そうとして引っ張ったのだって、あれだけの暴力を振るい、悪態をつき続け、
みんなが謝罪してる中一回も謝罪せずにすませたのだから……その素行を見るにやっぱりとしか思えないがな」
「みんな、どうして……、あいつの去年を知っているだろう?どれだけ生徒会が迷惑を被ってきたか知ってるだろう?」
「それはそれです。彼はリアスに救われ転生悪魔になった事で心を入れ変えたとリアスから聞きました」
「あ、そういえば2~3日前に兵藤君がクラス女子生徒全員に土下座したって、
今までの事を謝ったって噂になってたなぁ、彼有名人だからうちのクラスにも噂聞こえてきましたよ」
「ああ、それなら私も見たな。今日の姿を見て納得だ、本当に心を入れ替えたんだと感服したよ」
「簡単に出来る事じゃないと思う、自分の間違いを認めて改める為に土下座してまで頭下げるって。
それでも主に恩を返したい、恥をかかせたくないっていう気持ちが本物じゃないと出来ないと思うな」
「ええ、本当の意味で主に尽くそうとしなければ出来ない事だと私も思います」
「私もにわかには信じられませんでしたが、今日の彼の姿を見て、考えを改めました」
「彼はどうしてこっち側に来たんだろう?自分の意思だろうか」
「ええ、なんでも堕天使に殺されそうになって、リアスに転生させてもらったそうです」
「ああ、そういう経緯だったんですか」
「なるほど、彼にとってリアス部長は命の恩人というわけか……」
「それなら納得です。命を救ってもらった恩義を仇で返すわけにいかないものね、さすが私の兵藤君イケメンだわ!」
「確かに以前の彼の素行は悪かった。それは私もよく知っています。しかし、今日の彼の振る舞いを見て私も評価を改めました」
「格好よかったですよねー!兵藤君!主を守るナイトみたいに!リアス先輩が羨ましい……」
そう夢見るような目で仁村は兵藤一誠を称賛していた
「ああ、私は見直したよ。去年のあの問題児兵藤が立派に眷属としてあの場に立っていた……」
「だから!なんなんだよ!!今日みんなおかしいぜ!なんであんな奴を持ちあげるんだよ!?あの兵藤だぞ!?」
「……ほらな?この通り反省する素振りすらない。……あんな奴、とはなんだ?匙……」
「あの変態が会長に近づく事に危機感はないのかよ!?あんたら!!」
「匙?彼の事を侮辱するのは許しませんよ?いい加減にしなさい!」
「私も同意見です、あなたが彼を否定する権利はないわ。どれだけ彼を下に見てるの?どれだけ自分が優れていると思い上がっているの?」
「彼は誰よりも主を尊重し、主のために忠義を尽くしていましたよ。それに比べて今日の貴方は何ですか」
「ああ、あの姿には私も感じるところがあったな」
「そりゃあ。私の兵藤君ですからね!」
「ふふ、グレモリー先輩や姫島先輩が前にいるぞ?仁村……」
「それでも負けないもん!ふふふ、同じ二年だし!いくらでもチャンスは!」
「えぇ……どういう状況よ……本当に……」
「私が一部始終を魔力で録画してあるから、見てみるといい。桃」
「あ、はい。何があったのか見せてもらいます」
「ああ。よくみてくるといい」
巡が魔力でオカルト研究部の起こった出来事を記録したDVDディスクを作り出し、桃に渡す
「巴柄?そのディスク私にもください、事情説明する時の資料にしたいわ」
「わかりました……、……どうぞ」
「ありがとう」
「巡さん!そのDVD私もほしい!」
「……桃が見終わったら渡してもらえばいい」
「そうする!やったー!ありがとう!へへへ……家でゆっくり見よーっと」
「今日、この会議の後、オカルト研究部の部長と副部長とこの件を話合いをします、最悪の場合生徒会の解散も視野に入れなければいけません……」
「な、なんで!?どうして……!」
「あなたのせいでしょう!?無抵抗の生徒に暴力を振るい傷つけた。こんな事公になったら解散だけですまないわよ!?」
「この場合って王の会長の責任の方が追及されるんでしたっけ……?」
「そうね、眷属の躾ができていないという事になるから、王として最低限の事が出来ていないわけだから王失格の烙印を押されても不思議ではない案件よ。
最低ラインの処分で匙には生徒会から脱退してもらって、眷属からも外すくらいで何とか勘弁してもらうくらいかしら……、それですめば御の字ね」
「俺がクビ!?眷属も!?なんでですか!納得いきませんよ!会長」
「兵藤君がいいと、気にしてないと許してくれたから、まだこの程度ですんでいるのがわからないの!?」
「理解できてないの?下手に動けば生徒会が消滅するんだよ?それだけの事をしたんだよ、あんたは」
「私は覚悟は決めました、生徒会長を辞任する覚悟を」
「私も一緒に罰はうけますよ、私は副会長ですから……」
「……椿姫、ごめんなさい……。私がもっとしっかりしておくべきだったのよ……」
「いえ、兵藤君ほど立派じゃないですが、私も主へ忠義を尽くしたいと思います」
「……あなたも彼に感じるところがあったのね……?」
「もちろん、私は彼の生き様を手本にしたいですね、これから」
「そうなってくれたら。心強いわ……。はぁ。本当にリアスが羨ましいわ……」
「あぁ、会長支えてほしそうですよね。彼に手かしてもらった時嬉しそうでしたし……」
「だって、実際支えてくれそうでしょう?」
「そうですねえ、そばにいてくれたら安心できそうですね」
「うわ、ちょっと!会長まで!私の兵藤君ですよ!」
「クソがぁ!兵藤の野郎会長をたぶらかしやがって……!明日ぶん殴ってやる……!!」
「匙!!!」
「何です!?」
「あなたは彼に、それに我々にこれ以上の迷惑をかけると言うのですか!?」
「兵藤君に何かしたらあんたの事許さないからね?」
「とにかく、処分が決定するまで、自宅で謹慎しておいてください匙」
「今日の話合いでどういう結果になるかわかりませんが、最低のラインが匙の生徒会辞任眷属追放です。でも一応皆覚悟はしておいてください」
「見てきました……。最低だよ、匙君……。信じたくなかったよ……」
「もともと私達は真実しか言ってないぞ。桃」
「全部本当の事だよ、桃ちん。信じたくないって気持ちは、まぁ……、わかるけどさ……」
「今日は、匙を家に送って監視をつけます。このまま帰らせると何をするかわからないし。処分が決定するまでじっとしていてください。これがあなたへの最後の命令です」
「会長!?なんで、そこまで……」
「今しがた「殴ってやる!」なんて息巻いた人を野放しにするほど私は甘くありません」
「そんなに、そんなに俺が嫌いですか!?あいつがいいですか!?」
「何を言い出すかと思えば……。いいでしょう、この場はそういう事を話す場ではないですがはっきり言いましょう」
「はい、あなたの事は嫌いです、今日嫌いになりました。兵藤君の事は素晴らしい人だと思ってますよ。今日のあの姿には非常に好感が持てます」
「そ、んな……、俺がどれだけ会長に尽くしてきたか!知ってるでしょう!?それに、なんであんな奴を……ッ!!!」
「うざいなぁ、いちいち大声出さないと話せないの?それと兵藤君を悪く言わないで、あんた何様よ?」
「なっ!?仁村!?お前!?」
「何よ?私も殴るんだ?殴れば?言っておきますけどね?私は絶対にアンタなんかに屈しない……!」
「この、クソビッチがよ……!」
「匙!いい加減にしなさい!」
「くっ……!」
「桃ちん、今の聞いた?クソビッチとか言われちゃったよ?私」
「さすがに、今のは最低だよ……。もういいよ匙君、もういいや……。なんか冷めちゃったよ……」
「ね?かなり情けない気持ちになったでしょ?あれ見たら」
「うん……」
「桃ちん、今度オケいこっか、気晴らしに……」
「うん……」
「本当に忠義を感じているのなら、主に恥をかかせるものじゃないです。今日兵藤君が言っていた通りですよ?匙」
「あの言葉は我々も肝に銘じなければいけませんね」
「私感動しちゃいましたもん、兵藤君のあの言葉に!主に恥かかせるなって!かっこよかったー!」
「ああ、あれは恰好が良かったな、仁村がはしゃぐのもわかるぞ」
「でしょでしょ!?なんていうか本物のかっこよさがありましたよね!」
「ふふっ、留流子はすっかり兵藤君がお気に入りのようですね?」
「もちろん!あの姿を見て何も思わない女子はいませんって!」
「私も王としてしっかりしないと……。今日思い知ったわ」
「私もですよ、会長……、副会長として情けなかったです」
「桃、留流子。私たちも頑張って会長を支えよう」
「そうね、頑張りましょう」
「うん!頑張るわ!頑張って兵藤君に褒めてもらうの!」
「いや、そこは主にじゃないのか?仁村……」
「……いいわよ……、別に……私なんか……」
「うわっ、こんなに落ち込んでる会長はじめてみましたよ……」
「この状況で落ち込まない程メンタル強くありませんよ……」
「心中お察しします、会長」
「会長、大丈夫ですか。顔色だいぶ悪いですよ……」
「……大丈夫よ……、私なんかに気を使わないで……私なんかっ……うぅっ」
「あああっ!会長が泣いちゃった……」
「仕方あるまい、会長の心労は我々の比ではないだろう」
「会長、大丈夫ですか……」
椿姫がソーナの背中をさすり落ち着かせる
「ありがとう、椿姫……うぅ……なんでこんな事に……、今まで私は何をしてきたの……」
「会長は立派に責務を果たされていましたよ。それは私もこの場の皆も理解しております……」
「出来てないわよっ……何も私は出来てないわよっ……出来てたら、こんな事には……」
「ごめんなさいっ、みんな、ごめんなさいっ……!ううううっ……!!!」
泣きながら手で顔を伏せるソーナ
「ほ、ほらっ、会長!まだ生徒会が無くなるって決まったわけじゃないし、この人に消えてもらうだけで済むかもしれませんし!ねっ!?」
「うぅ……、そうね、どうにか、匙にやめてもらうだけで納めてもらえるように頑張るわ……」
「ほら、会長、お顔をこちらに……」
「うぅ、ありがとう椿姫……うっうぇぇぇ……」
椿姫の胸に顔をうずめひとしきり泣いた後顔を上げるソーナ
「はぁ……、見苦しい所を見せました、皆さん……」
「あ、良かった、ちょっと元気になった……」
「シッ!今会長は繊細なんだ……今は触ったらだめだ……、仁村……!」
「あっ……ごめん……」
「……これから顔を合わせる事がないかもしれないから言っておきますね?匙」
「え……」
「今までありがとう、さようなら」
「なんなんだよっ!!!!?クソがああああああああっ!!!」
ガシャンッ!!!
匙が生徒会会議室の机をひっくり変えす
「なっ!?」
「なんでだよ!?おかしいのは兵藤だろ!?なんでそれがわかんねえんだよ!おかしいぜ!みんな!」
「取り押さえなさい!!」
「ふざけんな!ふざけんなよ!マジで!」
「兵藤ォォォォ!!!離せよ!離してくれ!巡さん!副会長!花魁!」
「おとなしくしろ!」
「拘束します!」
「では、私はリアス部長と姫島副部長の都合を聞いてきますので……、あとお願いできますか」
「「「「はいっ」」」」
「クッソ……!!!!!兵藤!兵藤ォォォ!!!」
下に見ていた兵藤一誠の事を持ちあげられ、自分を下に置かれる屈辱にまみれ、以前の仲間から侮蔑の言葉を吐かれ匙の顔は醜く歪んでいた