「このあたりのはずですわ・・・」
「でも、あそこいる福音を何とかしないと・・・」
「そうだね、じゃあ始めるよ!ラウラ、お願い!!」
「了解!爆発効果範囲内に入るなよ!!」
宗隆を探すために出撃した専用機持ち全員、宗隆がいると思われる場所に福音がいるため福音を倒すことにしたのだ。
「目標に命中!次弾行くぞ!」
ラウラのレーゲンによる砲撃2発を開始の合図に戦闘開始、セシリアとラウラは遠距離機体なのでアタッカーである一夏、箒、鈴を援護する。
「宗隆の仇だ!討たせてもらうぜ!!」
「これでも食らいなさい!!」
「我々で貴様を倒す!!」
3人は格闘攻撃を仕掛けるが福音はオールレンジに光弾をばらまき対処、近づくことが難しくなってしまうが、そこへセシリアとラウラの狙撃と砲撃が加わる。
「当たりましたがまだ生きていますわね」
「当然だ、嫁をてこずらせるんだ、これぐらい何ともないだろう」
ここで福音はラウラへターゲット変更をしてラウラに迫るがシャルロットが横やりを入れ妨害さらにそれを簪がカバーする。配置は前衛に一夏、箒、鈴・遊撃にシャルロット、簪・後衛がセシリアとラウラである。
「そこっ!」
「ここで!」
「落とす!!」
前衛3人で足が止まった福音を責める。だが無人機だからか人間にはできない動きで回避ないしは攻撃をいなす。
「そこですわ!!」
「そこに行くのは予想してた!」
セシリアと簪は予測射撃で福音にダメージを与える。
「ダメージ、それほど入れてないね」
「いくら何でもあの光の羽強すぎません?」
そうなのだ、さっきからの射撃ダメージはほぼすべてあの光の羽で無効化している。
「だけどこいつを倒さないとね!」
「嫁が助けられない」
「だけどこいつ無人機だからって無茶苦茶な動きするわよ!!」
「そこは気合で何とかするしかない!!」
「気合でどうにかなるのか!」
「とりあえず、死力を尽くすだけですわ!!」
海中に没した宗隆は目が覚めるとベッドで寝ていた。
「ここは・・・」
「あ、隊長!目が覚めましたか!」
「ん・・・。その声は・・・。ノエル?」
「はい!オペレーターのノエル・アンダーソンです!」
傍には宗隆が前世で絶賛夢中になってたオペ子であるノエル・アンダーソン伍長がいた。
「なぜ、君がここに?俺はISに乗っていたはずじゃ・・・」
「はい、隊長はISに乗っていますよ?」
「ならなんで?」
「ここはISのコアが作った精神空間です」
「精神空間?」
「はい、ISコア人格である私と話すための空間です。もっと私のとの親和性が上がれば脳内や現実での会話が可能なんですけど・・・。隊長はまだ乗り始めて半年なので、そこまで高くないんです」
「なるほどね。で?なぜ君がコア人格なんてものをやっているんだい?」
「はい!私が自我として誕生したのは隊長がドラッツェを作った時なんです」
「え!?あの時自我が芽生えたのか!」
「はい、その時に隊長の記憶を元に形成されたみたいでして。いつの記憶にも私が映っていたんです。だからでしょうか?私がISコアの人格になったのは。」
「えっと・・・。じゃあ俺がPS2版ガンダム戦記で一番使用率の高かった機体は・・・」
「はい、使用率89.4%のゼフィランサスです!」
「ガンダムオンライン・・・」
「Ex-Sガンダムですよね?専用機設定権まで取りましたよね?」
「よく知ってるな・・・」
「はい!隊長の記憶はすべて把握していますよ!私に会いたくてPS2のガンダム戦記もう10年くらい続けてましたよね?ニュータイプ判定はすべてSだったりガンダムオンラインでは大将であったり」
そのあと出てきたのは俺は忘れていたがガンオン初心者の時やガンダム戦記でのエース撃破の苦労など、まるでその場にいたかのような感じで思い出話ができた。
「そういえば、怪我は手当てしておきましたので!もう、傷つかないでくださいね。撃墜された時は心配したんですから・・・」
「ごめんな。そういえば俺のISはどうなっている?生きているなら今すぐに出撃しないと・・・」
「その・・・。ドラッツェはもう動きません」
「な、なぜ・・・」
「隊長はいま瀕死の重傷を負っています。ISの生命維持装置で何とかできていますが・・・」
「自己修復装置が動かないと・・・」
「はい・・・」
「だけど俺は戦わなくちゃ!」
「今出て行っても格好の的です!現在IS学園の専用機持ち全員がこの地点上空で敵ISと交戦中です!」
「だから助けに!」
「ダメです!!このままではあなたが死んでしまう・・・」
「これは応急処置ってことか・・・」
宗隆は今包帯を胸に巻かれていた。
「だけど、俺はいかなきゃいけない。あいつらにしっかり生きて帰ってくるって約束したから・・・」
「では、隊長は何を望みますか?何を望んで戦うのですか?」
「俺が望むもの・・・。考えたことなかったや。こっちの世界に生まれて、もう一度人生をやってきたけど思ったんだ。チートなんか無くたっていい。主人公じゃなくたって構わない!俺はただ自分が好きって思えたやつと一緒に生きたいって!好きって思えたやつだけを守れるだけでいいって!!」
「そう、ですか。ならその中に私は・・・」
「入ってるに決まってるだろ!お前は俺の専属オペレーターのノエル・アンダーソンだ!!」
「隊長はそう言ってくれるのですね・・・・!なら私も一緒に戦います!!」
「そういやお前、コア人格だったな」
「はい!機体が用意できたのでこちらへ!」
そう言ってノエルに案内されるがままMSハンガーへたどり着く。
「これは・・・」
「これが私の新たな姿、MS0011[Bst]E.F.S.F PROTOTYPRE TRANSFORMABLE MOBILE SUIT PLAN303E DEEP STRIKER通称Sガンダム・ディープストライカー。にIS技術をぶち込んだ改造機です!」
「これが俺の新しい機体・・・」
「今は詳細スペックは省きますがドラッツェの時に使っていた実弾武装はすべて使用可能です。固有武装は宇宙巡洋艦主砲と同じ性能のビームメガキャノンとリフレクターインコムです。ちなみに無線式です。あとはMSが携行または搭載できる武装がすべて使えます!」
「また化け物スペックだな・・・」
「何を言ってるんですか!ドラッツェをISで再現した時点でお化け性能だったじゃないですか!!」
「そういやそうだった・・・。それはそうとこれができたんだ、早くいかないと・・・」
「最適化やその他もろもろはもう完了しています。あとは隊長が目を覚ませばすべて動きます!」
「そうか、あと俺はNTか?」
「はい、隊長は紛れもないNTです!前世の記憶を持っていたので脳が記憶の要領に耐えるため進化の道をとったようですので」
「そうか、だから俺はNTに覚醒できたのか」
「はい、今の隊長ならこの機体の火器管制は余裕だと思いますよ」
「そうか、なら安心だ」
「それでは、行ってらっしゃい!夕食の時間までには帰ってきてくださいね!」
ノエルがいつもの出撃時の台詞を言うと目の前が真っ白になり海中で意識が戻った。
「戻って・・・来たのか。なら機体は・・・。うん、ディープストライカーだな。んじゃやりますかね!」
そう言ってビームメガキャノンを構えて狙撃体制に入る。
「おっと結構ビーム太いから退避勧告出しとこ!」
そう言って専用機持ちメンバー全員に退避勧告を出す。するとすぐさま離れてくれたので思いっきり撃つ。
命中したのか光が見えた。そのため全速で海中を抜け出した。
「このままじゃジリ貧だよ!!」
「何か決め手がなければ!」
「このぉ!」
「みんな疲れ始めてますわね・・・」
福音が強すぎるのかジリ貧の戦いが続いたため機体損耗や体力の消耗が激しくこのままではやられてしまう。誰もがそう思った時、謎の退避勧告が出される。
「福音から半径10mは退避しろって・・・」
「これは!」
「宗隆だ!」
「宗隆が狙撃するつもりだ!」
「嫁がでかいのをぶちかますぞ!皆、退避しろ!!」
一斉に退避した次の瞬間、海中からピンク色の超高出力ビームが上がってきた。そして福音に命中。
「す、すげぇ・・・」
「なんなの・・・?この威力は・・・」
「この火力IS単機では異常だぞ・・・」
そして爆炎の中からボロボロの福音が姿を現し、同時に海中から足がスラスターで覆われた白金の通常サイズより大きなISが出てきた。
「むね・・・たか・・・さん、ですの?」
「宗隆だよね?」
「い、いきて・・・」
「む、嫁でいいんだな?」
「な、あれは・・・」
「間違いない・・・わよね・・」
「む、宗隆なのか・・・?」
そう言ってツインアイのバイザーを見る一同そしてバイザーが解除されるとそこには宗隆の顔があった。
「ごめん、みんな。心配かけた。ここからは俺に任せてくれ」
そう言って福音に向き直る宗隆、そして肩にあるキャノンをしまって新たにビームスマートガンを展開。対する福音は攻撃を開始するが、ディープストライカーが常時展開しているIフィールドジェネレーターにより光学兵器系を無効化する。
「これで完全に福音は何もできない、決めさせてもらうよ」
ビームスマートガンとさらに展開したリフレクタービットにより止まないオールレンジ攻撃を仕掛ける。福音とは別方向に攻撃しているのにそのビームが当たる。この光景にそのほかの専用機持ちメンバーはおろか監視衛星で様子を見ていた千冬や束まで驚きを隠せなかった。
「な、なによ!あの攻撃!」
「あれは、なんで全く見当違いの方向に撃っているのに・・・」
「それがすべて命中している。多分あのビットがそうしてるんだろうけど・・・。宗隆の操作がうまくて必ず相手の死角に入るようにしてある・・・」
「宗隆さんはビット兵器の適性が高いのですの?」
「いいや、違うだろう。おそらくあの機体火器管制から姿勢制御まで常人では制御しきれないはずだ。だがそれをやってのけている」
「おそらく、宗隆はどこかが人の域を外れたところにいる」
「ま、まさか宗隆って、千冬姉や束さんと同じ域にいるってことか!?」
「そうですわね・・・。そうなりますわ」
「さすがは嫁といったところだろう」
そして宗隆に視線を向けるがもう終わりそうだ。
「これで、終わり!」
そう言ってビームサーベルで福音を一閃、福音は待機状態に戻る。そして一連の戦闘が終了し帰還する。
「お前たち、分かっているだろうな・・・。まぁ、よくやった」
無断出撃した7名は千冬から説教を食らっていた。がとりあえず解散となった。
その夜、夕食を食べた後、宗隆はばれないように一人海岸を歩いていた。
「やっぱり、俺はアムロやシャアと同レベルのNTに覚醒しちまったか・・・。仕方ない、この日を最後にIS学園から消えよう。俺はこの世界にとって異物になってしまったようだ。」
宗隆は専用機を展開しようとしたが、そこを恋人の4人に捕まる。
「宗隆さん、もしかして私たちの前から姿を消そうとしていませんか?」
「宗隆、何を怖がっているの?私たちに教えてよ」
「僕たちはいつだって宗隆の味方だから。大丈夫、どんなことだって受け入れてあげる」
「嫁よ、貴様は私たちのものだ。離しはしないぞ」
「は・・・?なんでお前たちがここに!?ばれないようにしたのに」
「私たちの勘がここだと教えてくれたのですわ」
セシリアがそういう。
「でもなんで俺が逃げると思った?」
「宗隆の顔がそう物語っていたから」
「そうか?」
「そして、宗隆は恐怖している。僕たち、いや人間そのものに」
「そんなこと一度も・・・」
「嫁は何を迷っている?何事も相談だぞ?嫁よ」
「そ、相談って・・・」
やはり迷う宗隆、そこへシャルロットが一押し
「大丈夫、この前は宗隆が助けてくれたけど、今度は私たちが助ける番だよ?だからね、教えて?君が言ってくれなきゃ僕たちは宗隆を助けられないから」
「っう・・・」(シャルはずるいよ・・・。純粋に助けようって・・・。ただ一緒に居たいって気持ちだけでそんなこと・・・。言わなきゃ俺が悪者みたいじゃないか・・・)
「大丈夫、大丈夫。僕は、僕たちは宗隆の味方だよ?だから全部教えて?ね?」
「っううううう・・・」
そっと宗隆を抱きしめ、シャルロットは一言。
「辛かったら泣いていいんだよ?辛かったら僕たちが慰めてあげるから」
「っくううわあああああああ!!」
ついに宗隆は泣き出してしまう。
「何があったの?教えて?」
「俺は・・・俺は、前世の記憶があるんだ」
「そう、それで?」
「そのせいで!そのせいで俺は、ニュータイプに覚醒してしまった!!」
「うんうん」
「でも!でも!この世界にニュータイプは俺たった一人!みんな気持ち悪がる!」
「そんなことないよ、僕たちは受け入れられるから。大丈夫、大丈夫」
「だって!だって!うわあああああああ!!」
「よしよし、辛かったよね?怖かったよね?」
泣く宗隆の頭を撫でながら慰めるシャルロット。それは宗隆が落ち着くまで続いた。
「もう落ち着いた?」
「うん、大丈夫。落ち着いて皆に全部話すよ」
そう言って4人に前世の記憶のこと、ニュータイプのこと。ガンダムのことすべて包み隠さず。
「なるほど、だから嫁は強いのだな!」
「ビット兵器適性どころじゃありませんわね。ビットがなければ十分に才能が生かせませんわ!」
「宗隆は勘だけ、完璧に計算している私には勝てない」
「僕の旦那さんがこんなに強くて世界にただ一人の存在だよお嫁さんとして鼻が高いよ!!」
4人の反応が宗隆のよそうとは違ったため驚く。
「気持ち悪くなんかないの?俺は人類が進化した存在だぞ?お前たちとはもう違う・・・」
「何が違うのですの?」
「見た目も心も、全部人間なのに」
「人間じゃないというの?」
「それはまた見当違いじゃないか?」
「それに!ニュータイプは戦う存在ではないのでしょう?」
「宗隆がここでしっかりしていれば!」
「もし別の人がニュータイプになっても!」
「誰も苦しまなくなるからな」
「あ、ああ・・・」(ノエル、やりたいこと見つかったよ・・・)
「どうしたの?宗隆?」
「俺、やりたいこと見つかった・・・。」
「へ?」
「俺、やるよ。アムロやシャアができなかったこと、そしてそれは・・・。」
「それは?」
「世界の人たちが争わなくてもわかり合えるようにすること」
「いいことですわね」
「そうだね」
「大丈夫、宗隆ならできるよ」
「嫁よ、だがその途中で脱落することは許さんからな」
「ああ!」
そう言って宗隆たち4人は旅館へ戻るのであった。
「束、神崎宗隆。あいつの存在をどう思う」
「一言で言うとわからない。かな?」
「どういうことだ?」
「なんて言ったらいいんだろう、私たちはまだ人の域を出ていない。けどあいつだけは人間というカテゴリーの外にいる。そんな感じ」
「どういうことだ?」
「もし、もしだよ?ちーちゃん、これ以降人間が進化する可能性があるとしたら?」
「人間が進化だと・・・?」
「そう、人間が進化する可能性。あいつはその可能性を持っているのかもしれないんだよ。私の予測だけどね?」
「でもそれでは人間という域からは出て・・・」
「出ているよ、十分にね。人間が進化したらそれはまた新たなる種の誕生なんだよ。新種族。人種とか思想とかそんなちゃちなもんじゃない。純粋たる新種族。新たなるタイプ」
「新たなる種族・・・」
「そうだね・・・。呼称をニュータイプと決めてしまおう。そのニュータイプの実態は分からない。だけどわかっているのはそのニュータイプになるには今の人類には無理ってことくらい」
「そんなものなのか・・・」
「簡単に進化とか発生するわけじゃないからね。でもこれだけは言える、あいつは私たち以上にこの世界にとっては異物だということだけ」
「そうか・・・」
「ねえ、ちーちゃん。私からも質問!この世界は楽しい?」
「・・・まちまちだな」
「そう・・・」
少し強い風がひと吹き、勢いが強く千冬は一瞬目を細める。そして次の瞬間には束の姿はなかった。
「あいつは、何をしたいのだろうか・・・」
答えのない問いかけが虚空に響く。
翌日、臨海学校が終了し学園へ帰るためのバスへ乗ろうとするとそこへ福音のパイロットがやってきた。
「あなたが神崎宗隆君?」
「そうですけど・・・」
すると突然唇に温かい感触が宗隆を襲う。
「ありがとう、あなたの声ずっと聞こえてたわ。私を助けようと必死になってくれて。うれしかったわ。じゃあ、これ連絡先、あなたからの連絡待ってるわ」
そう言って立ち去って行った。
「え、えっと・・・」
「宗隆さん!!今すぐ私とキスを!」
「宗隆!僕にも!」
「嫁よ!嫁が夫にキスをするのは義務であろう!」
「お前たち!バスに乗れ!」
織斑先生の怒号で一時は収まるが結局再燃したため宗隆が順番にキスをするのであった。簪にもこの後キスをしました。
そして波乱の臨海学校が終わり学園へ帰ってきましたとさ。