修学旅行も終わりいつもの授業の9月下旬、現在全校集会で生徒会長が驚くべきことを発表した。
「もうすぐ文化祭です!毎年投票の順位で予算を増減いたしましたが!今回は何と!投票で1、2位となった部活、クラスにはなんと!男子生徒を強制入部!または、強制編入いたします!題して!『男子生徒争奪!文化祭総選挙』を今年は導入いたします!!」
なんかとんでもないことを言っていた。周りの生徒はみんな盛り上がっている。
「おい!バ会長!こんなの聞いてねえぞ!!!」
「あんたはなんてことを言うんですか!!」
「だって~、あなた達、部活とかそういうの一切入っていないじゃない?この学園のルールでいずれかの部活には必ず入部することってちゃんと書いてあるの。なのにいつまでたっても部活に入らないあなた達が悪いわ」
「「・・・・。」」
まったくを持ってその通りであった。しっかり生徒手帳にも記載されているし、いつものメンバーもいずれかの部活にしっかり入っている。
箒は剣道部、鈴はラクロス、セシリアはテニス、シャルロットは料理部、ラウラは茶道だし簪に至っては生徒会に入っている。
「で、でも俺たちにだって!」
「選択権はあっていいはずです!」
「でもこれはもう決定なのよ~。もし回避したければあなた達のクラスが1位取ればいいじゃない?」
「「それもそうか・・・」」
ぐう正論を言われて黙っているしかなくなる宗隆と一夏。
「もう何もないんだったら下がりなさい?」
「「はい・・・」」
どうにもできずに落ち込んでクラスに戻る男子二人であった。
ところ変わって教室内、現在クラスの出し物について話し合われている。
「却下!却下!却下!」
『えええええーーーー!!』
「なんなんだ!このホストクラブやらツイスターやらなんで俺たちが出し物なんだよ!」
『だって男子はうちのクラスの共有財産だし~』
「はぁ~。」
一夏はため息をついていた。一方宗隆は・・・。
「ふむ・・・。ホストクラブ、ね」
「宗隆?やりたいとかいうんじゃねえだろうな・・・」
「いや、ホストはどうかと思うけど、ちょっと発想を転換して、メイド喫茶みたいなもんはどうかなって?」
「ああ、それならありなんじゃね?」
「じゃあ一夏は俺と燕尾服ね」
「こうなりゃやるしかないか」
というわけで、あの後いろいろ決まり事決めて。文化祭当日。
「織斑君と神崎君、執事服似合うね!!」
「織斑君は誠実そうで、神崎君はアニメの黒執事って感じでいい!!」
「では、声はこれでイイかな?お嬢様方」
『キャアあああああああああ!!』
宗隆は黒執事に似ているということで声真似合わせて少し動いてみると、女子から黄色い悲鳴が上がる。
「なあ、これホントにやるのか?」
「そうしないと、これを着た意味がありませんし、何より出し物の肝じゃないですか。織斑君」
「あ!二人見てたら神崎君が織斑君の指導をしてるみたい!!」
「新人執事を教育するベテラン執事ってところね!!」
「この調子で頼むよ!神崎君、織斑君!!」
現在、店は大繁盛している。外には2時間待ちの行列ができて、一部の人が整理に走っている。
「3番テーブル、執事のご褒美セット!指名は神崎君!」
「5番テーブル!執事セットの織斑君で!!」
裏方は毎回こんな感じ、表の接客は・・・
「お嬢様、では失礼して・・・」
「お嬢様、お待たせいたしました」
『キャアああああああああ!!』
神崎、織斑両名は引っ張りだこ、休む暇もなくテーブルとテーブルを移っていく。そして、接客するたびに黄色い悲鳴が上がる。評判では織斑か神崎の執事接客のことばかり。
「ベテラン執事の神崎君と新人だけど頑張っている執事の織斑」と二人の評判は上々でその評判が人の足を止めないでいた。
「しっかしまぁ、これだけ人が来るなんてな」
「一夏、休憩はまだ先だ。しっかりしろよ」
「分かってるって!」
「織斑君!4番テーブル!!神崎君は7番ね!!」
「了解!」
「今行く!!」
この状況は昼まで続く。
「そういえば、神崎君のわがままで入れたあのピアノ、結局どうするの?」
「ああ、そういえば入れてくれって言っていたな」
「それについては今からやるぞ」
「宗隆、もしかして・・・」
「ああ、ちょっと弾いてくる」
宗隆はピアノを弾き始める。【ノクターン第2番 変ホ長調】
「ねぇ!神崎君がピアノ弾いてる!」
「執事姿といい、ピアノを弾く姿と言い、あれは絵になってるね~」
「落ち着きますわね~」
ピアノを弾いている神崎の姿を見てさらに店の評判が上がったり、噂に付け足されたり。果ては「リクエストすれば神崎君にピアノを弾いてもらえる」なんて噂も立ち、店の行列は2時間から3時間待ちに伸びてしまうのであった。
「はぁ・・・。やっと休める!!」
「お疲れ様。ここまで盛況になるとは思っていなかったけど、なかなか楽しかったぞ」
「お前、途中からピアノリクエストとかやってたけど結構疲れるんじゃないか?」
「まぁ、そうだね。今日は調子に乗っちゃったよ。久しぶりだったからね、うれしかったよ」
「久しぶりって、じゃあ」
「うん、半年ぶりかな~?IS適性があるってわかってから弾いてないからね」
「その・・・。俺のせいで悪いな」
「気にしないで、一夏は悪くないし。俺はここでの生活も悪くないって思ってるよ。4人の恋人にも出会えたし、お前とも友達になれた。だから俺は今とっても幸せなんだ」
「そうか・・・。なら、俺はお前の友達でい続けてやるからな。」
「・・・。君ってやつは、それを本心で言ってるからずるいよ」
「本心を言って何が悪いんだ?」
「いいや、何にも悪いことなんてないさ。本心で語り合えばわかり合えるはずなのに・・・」
宗隆には一夏がまぶしく見える。だってニュータイプでも何でもないのに本心を包み隠さず相手に伝えることができる。そしてその相手と分かり合える、ガンダムの世界では最後の最後までアムロとシャアは袂を分かっていたというのに。
「気持ちはしっかり伝えなきゃ意味がないだろ?」
「それもそうか、なら俺はお前の何でいようか」
「そんなの分かってるだろ。友達だよ友達」
「そうか、なら俺はお前の良き友人でいよう。それが一番だからな」
「おう」
拳と拳を合わせる男子特有の友情の結び方、二人は今後も良き友人であることを誓い合うのであった。
世界がこんな風に分かり合えれば、こんな風に国同士が良き友人であろうとしたら、どんなに平和なのだろうか。
ニュータイプがいなくても、イノベイターがいなくても人類は変わることができるはず。そうすれば人類史に無かった恒久的な平和が実現するはずだと。
「そう、俺は思うよ」
「宗隆?なにか言ったか?」
「いんや、何も」
後編へ続く。