亡国機業の襲撃の翌日、国連で安保理が開かれた。議題は先日の襲撃と撃退するときに大きな武功を上げた神崎宗隆についてだった。
「して、先日の学園襲撃事件は亡国機業の仕業でいいのですね?」
「ああ、これは向こうから名乗っていたのだからな。次は学園に在籍している二人目の男性操縦者についてだ」
「神崎宗隆、16歳。普通の一般家庭に生まれています。ですが個人の能力、資質としては人間としては異常なものです」
「第2の織斑千冬という可能性は?」
「無きにしも非ず、ですが彼の専用機は常軌を逸しています」
「確か、現代の科学力では説明がつかない武装が多いというではないか」
「まずは、先日の襲撃の時に使っているこのビット兵器。イギリスではこれほどの同時制御は理論上不可能とされていますが・・・。」
「彼が動かしている数は、14機」
「はい、そのうち2機は彼のビームを反射しています」
「これは偏光射撃と同じではないかね?」
「いいえ、それがですね・・・」
「偏光射撃は荷電粒子砲を曲げられるには曲げられるのですが・・・」
「完全に背面へは曲げられないのです」
「どちらかというと、見当違いの方向へ撃ってそれを当てるということ自体偏光射撃では無理なんです」
「では、あれを作ったのは・・・」
「わかりません。あの機体はセカンドシフト機ですので・・・」
「セカンドシフト!?」
「はい、ですが元はラファールのカスタム機だったのですが・・・」
「どうした?ラファールのカスタムなど程度が・・・」
「また異常な改造を施していました。」
「どういうことだ?」
「これを見てください」
ディスプレイにドラッツェが映し出される。
「足がないのだが・・・」
「はい、足がありませんが。この映像をご覧ください」
映し出されたのは1回目のタッグトーナメントの時の映像。
「こ、これは!!」
ジ・O覚醒モーションからのチェーンマイン巻き付けさらに追い打ちの無反動キャノン、動きはまるでベテランの操縦者だ。
「な、なんだ!なんなんだ一体!?」
さらに会議全体を驚かせたのは、ドラッツェが発光したと思ったら残像を生み出し、さらには映像からもわかる通り質量を持っていたのだ。
「科学的にはこの現象は説明できますが・・・。やはり常軌を逸していまして・・・」
「とにかく説明を!」
「は、はい!・・・このとき彼の機体のスラスターはすべてリミッターが解除されていました」
「それで?」
「スラスターを使うと熱が発生するわけでして、この熱排気がリミッターを外すと追いつかなくなるんです。そして熱伝導の原理で機体に熱エネルギーが伝播、そして発光しています。そしてさらには高速で動くので空気との摩擦熱も上乗せされて熱により装甲の表面が剥離、融解していきますが、高速移動によりその剥離した装甲がその場に残り残像となるようです。」
科学的な説明がつくため納得はできるが、動きは異常であるがゆえに納得できない様子。
「それで?これは違う人でもできるのか?」
「あらゆる国家代表に見せてやれるかどうかを聞きましたが・・・。」
「どうした?」
「皆さん同じ返答で・・・、できないという結果に・・・」
「つ、つまりは・・・?」
「この動きは現在の国家代表では実現不可能ということです。これだけ高機動に動いてさらに正確に動かす技術は誰も持っていないということです。彼以外は・・・」
あり得ない現象にあり得ないような動きをするということだけがわかる。あとは何もわからない。彼がなぜあんな動きができるのか。彼がなぜ天才的な操縦ができるのか。
『・・・・・・・・・・。』
沈黙が続く。
「我々は、今どうすればいいのか路頭に迷っている」
「は・・・?」
「神崎宗隆、この一個人の力についてどうすればいいか迷っている。ならば」
「どうしたのです?」
「一切何も決めずに、いっそのこと放置でいいのではないかね?」
「そ、それはどういう・・・」
「恐らく君たちが恐れているのは彼がテロリストの仲間入りしたときだろうが・・・。先日の行動を見る限りそれはあまりないと見える。」
「そ、それは可能性に・・・」
「だが、彼はまだ16歳の未来ある若者じゃないか。我々の影響を悪く受けてしまったりする必要はないのだ。これからも必要最低限の影響を与えればいいのだよ。それに男性操縦者の一臂多妻制度も来週の総会で可決するわけだしね。」
「そ、それではアメリカ殿は・・・」
「私は何もしないよ。さっきも言ったようにまだ彼は若い。そのパワーを今後どのように使うのかを見守るのが我々の役目ではないのかね?」
「私はアメリカに賛成です」
賛成票を入れたのはイギリスであった。
「現在我が国の代表候補生が彼の恋人になっているそうですが、報告では彼は自分の力を守るために使っていると報告していました。ですから、彼は決してテロリストに屈することがないと思われます。ですから我々は彼を見守ってやりむしろ手助けをした方がいいかもしれませんね」
「それについては我が国も賛成です。彼の力はテロリストにとっては垂涎のものだ。彼と協力すれば国際テロ組織亡国機業も壊滅できるかもしれません」
「・・・。我々も腹を決めますか!我がロシアもアメリカ国の考えに賛成です」
「では中国もこれに賛成いたしましょう」
「フランスは・・・」
「このまま仲間外れは悪者になってしまうな。我々フランスも賛成だ」
この後、会議はスムーズに進んだ。これからどう宗隆に協力するか、どう若者たちと向き合い、世界と向き合うか。この話し合いにより世界はまた一つ融和と平和の道へ進んだ。
アメリカが可能性を信じた理由、それは大統領が先日の襲撃の時に宗隆の機体がわずかに発した緑色の光に希望を見たからであった。
「ふぇっくしゅん!!!」
「宗隆、大丈夫?風邪じゃない?」
「風邪じゃないと思う・・・。誰か俺の噂してるんじゃね?」
「昨日の今日だからな。嫁のことで噂は持ちきりだろう」
「そうですわね。あの子のこともありましたし」
「ビックリしたよね」
「そうだな、あれは爆弾発言というやつか」
「うん、まさか宗隆のお嫁さんになる!!って言ってびっくりしたっけ」
「宗隆さん?まだ手を出したらいけませんからね?」
「分かってるよ!!」
トーナメントの翌日のお昼。学園は昨日のことで持ち切りでいて、あの時の神崎君はかっこよかったとか、私も神崎君に守られたい!!とか、様々なことで持ち切りだった。
「それにしても、宗隆って昨日のことでもう学園の王子様、見たいになってるね」
「でも、宗隆は私たちのものだからね」
「これが一夏さんみたく鈍かったら・・・」
「目も当てられんな」
「お?そうでもないぞ?一夏のやつ箒と付き合うみたいだぜ」
「「「「ええええええええええ!!!」」」」
これは真実である。あの時に箒は一夏が好きと言った。なのであの後一夏は真偽を確かめたところ真実だったので箒と付き合うことになる、が!それと同時に鈴の行動とかも自分が好きだから、ということに起因していることにやっと気づく。そして宗隆に同時に付き合ってるけどなんで4人は仲がいいのか聞いてきたので、一夫多妻が男性操縦者には合法になると伝えたら走っていった。
「多分、鈴とも付き合うことになったと思う」
「ま、まさかそんなことは・・・」
「あ!あそこ見て!!一夏が鈴と箒とイチャイチャしてる!!」
「なんだと!!」
「あの一夏が!!」
「言ったろ?」
「「「「うん」」」」
というわけで一夏は箒と鈴と恋人になりましたとさ。
「さ~て、俺は購買でお菓子買ってこないと・・・」ガシッ
「嫁よ、お菓子ならば休み時間にたくさん食べていただろう?」
「そ、ソンナコトナイヨー」
「へ~、今日って確かポッキー1箱とプリッツ1箱とあとのほほんさんと一緒にミニバームクーヘンいっぱい食べてたよね?」
「た、タベテナイヨー」
「ダメですわよ?今日はもうお菓子を食べてはいけません」
「ウソダドンドコドーン!!」
「オンドゥル語をやってもダメなものはダメ」
「ソンナー」(´・ω・`)
周りから見ればほほえましいやり取りであったことは確かであった。