宗隆が目の前で落とされた。様子から見て生存する確率はかなり低い。そんな場面を見せられた専用機持ちは正気を保てるわけがなかった。
「てめがあああああああ!!!」
「おっと、あら今度は白い坊やじゃない。いいわ、あの子と同じことしてあげる」
「お前が!お前が宗隆を!!!」
「ええ、殺したわ。今しがた海に落ちたから息はもうしてないと思うけど」
「クソやろうがああああああああ!!!」
一夏は目の前で友が落とされ怒り狂いスコールに挑む。
「宗隆さん!宗隆さん!!!嘘ですわよね!!!」
「宗隆、返事して!!返事をしてよ!!」
「うそ・・・?むね・・・たか・・・?」
「こんな・・・・、認めん!!私は認めない!!!」
4人は茫然自失となってしまったり、現実から目を背けようとしたりしていた。
「こ、こんなことって・・・」
「馬鹿なことが・・・!!」
鈴と箒は宗隆が落とされた現実に絶望していた。
それもそうだろう、宗隆の体には複数のサーベルやナイフが刺さりサーベルに至っては1本胸部、しかも急所であるところを貫通していた。たとえ現在息をしていたとしてももはや助かる可能性はなかった。
「お前が!お前らが!!!!」
「その憎しみの籠った目、いいわ~」
「黙れぇ!!!」
強くなったとはいえ怒りに我を忘れている一夏にはスコールは強かった。どんな攻撃をしても避けられる。戦いを楽しんでいるかのような表情を見せる。一夏にとってこの上ないほどの煽りを受けた。
「そう焦らなくても、すぐにお友達のところへ連れて行ってあげるわ!」
「っくそおおおおおおおお!!!」
一体どれくらいの間気を失っていたのだろうか?気が付くと、あの電脳世界の時と同じ景色の場所にいた。
「ここは・・・?」
「ここは君の中だ。君の中で一番美しいと思っている景色だよ」
後ろから声がする。それも、ガンダムで慣れ親しんだ声。
「やぁ、宗隆君。君はまだあきらめるにはまだ早いと思うがね」
「あ、あなたは!!」
「私はシャア・アズナブルだ。今君の機体を君専任オペレーターのノエル君とアムロで調整中だ」
「・・・。俺は死んだ身なのですが・・・」
「いいや、君はまだ死んではいない。ISの生命維持装置が機能して短時間だが生きている。」
「それで、あなた達はなぜここに?世界が違うはずですが・・・」
「ふむ、君たちのようにいえば私たちは別宇宙から来た。と言えるだろう」
「別宇宙?」
「そう、宇宙は1つではないのだよ。強いていうなれば君たちがガンダムと呼ぶ作品とかなり酷似した世界の宇宙から来たと言える」
「でも、なぜ俺のところに?」
「君はニュータイプである事が1つ、そして君は私たちにできなかったことができるからだ」
「それって、人の可能性によって変わるって言うことですか?」
「そういうことだ。私は結局何一つ変われなかった。だが君たちは変われる」
「変われるのかな・・・。」
「ああ、故に君の周りはみんな変わっただろう?」
「・・・。」
宗隆はみんなのことが思い浮かんだ。
「今、君が思い描いた人たちは皆君と出会い変わったのだ。だから、世界は人は変わることができる。全部じゃなくていい、近くの人から少しずつ変えて行けばいいのさ」
「一夏、箒、鈴、セシリア、簪、シャル、ラウラ・・・。」
「それに君はたくさんの光を貰っただろう?ならばそれを返さなければいけないな」
「・・・・はい!!!」
宗隆は帰ることを決める。すると丁度人がやってくる。
「シャア、宗隆君の説得は?」
「万全だ、彼は帰ることを選んだ」
「そうか、おっと。初めまして神崎宗隆君、俺はアムロ・レイだ」
「アムロさん、会えて光栄です」
「早速だがこちらに来てくれ。君の機体の調整が終わった。」
「わかりました」
少しばかり歩くとそこには白金の色をした一本角のガンダムが現れる。
「こ、これは・・・」
「RX-0-4ユニコーンガンダム4号機通称アマルテイアです。脚部はブースターユニットになっています。また展開装甲の技術を応用してNT-D時に追加装甲が展開されます。またビームマグナムを装備し、火力もあります」
「・・・。ギリシャ神話における最初の一角獣であり、最高神に乳を与えた山羊か・・・」
「この世界最初のニュータイプが扱う機体の名前には十分だろう?」
「そして、この機体に搭載されているNT-Dの影響があるため私が常にオペレートしますね」
「それじゃあ、早速起動するから。宗隆君はコックピットへ・・・」
「あら、私にも一言言わせてくださいな、大佐」
さらにそこへララァが現れた。
「ら、ララァさん・・・。」
「あなたがこの世界のニュータイプですか。・・・。あなた、大佐と同じような純粋さを備えながらアムロと同じように大人のような感性も持ち合わせている。あなたは何も間違ってはいないわ、自分の信じる道を行きなさい。ふふふ、不安そうな顔ね?大丈夫、あなたには頼れる仲間がいるんですもの、安心なさって」
ララァは宗隆の顔に手を添え、安心させた。
「そんな顔してました?」
「今はしてないわ。でもさっきはしてたけど、もう大丈夫ね?それじゃあ、お行きなさい。待っている人がいるのでしょう?」
「それじゃあ、帰ろうかと思います。ノエル、お願い」
「はい!任せてください!!」
宗隆はコックピットに乗り込み起動シークエンスを開始する。
「宗隆君、君の生態データを登録するから目の前にあるディスプレイに手をかざしてくれ」
「はい、かざしました」
「登録完了、隊長の生態データをインストール完了、これでアマルテイアは隊長の専用機となりました」
「了解、それじゃ起動します」
宗隆は機体を起動させて自動チェックの画面を見る。
「全システム異常なし、アマルテイアいつでも発進できます」
「よし!それでは宗隆君、帰るべき場所へ帰るのだ」
「俺たちはニュータイプとしてつながっている。このことを忘れないでくれ」
「また、会えるといいわね。今度は戦闘でやられるのではなくて元気な姿で会いましょう?」
「はい!シャアさん、アムロさん、ララァさん!ありがとうございました!!!」
「メインシャフト開放、エネルギーパイプ全面カット。機体の機動を確認、全システムオールグリーンいつでも行けます!」
「神崎宗隆!アマルテイア、行くぞ!!!」
新たな翼を持ち、宗隆は飛び立つ。帰るべき場所があるから、守りたいものがあるから。
飛び立った姿を見たシャア、アムロ、ララァの3人は・・・。
「あの子は私たちより強いな」
「ああ、ニュータイプとしての予感なのかあの子は俺たちを超えると思うぞ」
「それもそうよ?だってあなた達2人が成し得なかったことを成し遂げようとしてるのですもの」
「アムロよ、この世界の人を君はどう思うのだい?」
「まだまだ、可能性にあふれていると思う。あの世界よりは希望が満ち溢れているからな」
「だけど、もう私たちは世界に口出しするべきではないわ。この世界の未来はあの子たちが決めるのだもの」
「では、この世界の命運はISの専用機持ちの学生たちに委ねられたのか」
「俺たち大人が見る世界よりあの子たちが見る世界のほうが輝きは強いのさ。きっとその未来を掴んでくれるさ」
「私たちは信じて待ちましょう」
3人は宗隆達を信じ託すことを選んだ。
「これで終わり、チェックメイトよ?織斑一夏くん?」
「ぐっくああ・・・。」
「一夏!おのれ悪党め!!!」
一夏はスコールに撃墜されそうになっていたが・・・。
「ッ!!な、なんだ?この感覚は・・・」
「流れが・・・変わった?」
「いったい何が・・・・?」
「こ、この感覚は!?」
「ま、まさか!!」
「何で、なんで返事をしてくれなかったのですか!!」
「今度こそもうダメかと思ったんだから・・・」
「心配させた分たっぷりとお仕置きをしないとな」
海中から新たなIS反応があり戸惑うスコール、そしてそれは現れたと同時にスコールと突き飛ばす。
「ここから・・・出ていけええええええ!!!」
スコールを突き飛ばした機体からは宗隆の声、脚部にはブースターユニット、そして白金のカラーリング。
「ま、まさか!!お前、生きて・・・」
「ああ、今一度約束を果たすためにな。生きて帰るって約束したから、あの4人と一緒にこの世界で一緒に居たいから、諦めないで帰ってきた!!」
頭部バイザーを解除しみんなに元気な顔を見せる。
「ごめん、セシリア、簪、シャル、ラウラ。心配かけた、もう俺はどこへも行かない。どこへ行っても必ず君たちの元に帰ってくるよ。一夏、悪かったなここまでさせちまって、ここからは俺のターンだ」
「宗隆さん・・・!」
「よかった・・・!!」
「生きてた・・・ッ!!」
「これでッ、全員揃ったな・・・・ッ!!」
「まったく、俺に無茶させやがって!こんちくしょう!!!」
「だ、大丈夫なのか?宗隆」
「ていうかその機体なんなのよ!!」
鈴からのもっともな質問に答える。
「こいつは俺のサードシフト機体、ユニコーンガンダム4号機アマルテイアだ。通常時の世代は第4世代だ。っとこのくらいでいいか?あいつらを片付ける!!」
そう言って宗隆はスコールと対峙し、またも戦う。
「こんな!こんなことが!!!」
「あるんだなこれが!!」
「っく!悔しいけど!!オータム、M!3人で戦うわよ!!」
「「了解!!!」」
向こうは3人こちらは宗隆ただ一人だが、宗隆はそんなことお構いなしに戦う。
「こ、これほどの連携を取っているのに!!」
「何なのだ!!一体お前は何なんだ!!!」
「いい加減落ちろおお!!」
3人でかかっても落とせないことに焦りを見せ始める。
「このままじゃあまり攻撃できないから仕方ねぇ!ノエル!!NT-D発動だ!!!」
『了解しました。では私はバックアップに入ります!!』
ノエルのアナウンス直後宗隆の機体は紫色に発光、そして徐々に装甲が展開していく。それと同時に箒の展開装甲と同じように装甲も増えていく。
「な、変形だと!!」
「し、しかも展開装甲まで!!」
完全に変形が終わった姿は、紫色に発光し、展開装甲により背中には紅椿の背中の翼のようなものが現れ何よりも角が2つに割れて金色に輝き、脚部スラスターユニットも一部追加スラスターを展開し機動性、運動性の向上が見られる。また展開装甲の発展形なのか肩部にはリボルバーキャノンを展開、そして腰の部分にビームサーベル、背中ランドセルにもビームサーベルがあった。
「こ、これは・・・」
「宗隆ってば、ちゃっかり主人公になっちゃって」
「ふむ、こんな力を手に入れて闇に呑まれないとは大したものだ」
「現時点で最高の専用機スペックだと思いますわ」
他の専用機持ちが感心する中、亡国機業はビット、ファンネルを全力展開するが・・・。
「それは悪手だ」
そう言うと、宗隆が従えているファンネル以外のビット、ファンネルはすべて宗隆が手をかざしたタイミングで機能停止してしまった。
「そんな!!」
「馬鹿な!!!」
「こんなことがあってたまるかああああああああ!!!!」
怒り狂う亡国機業の3人だが、スコールは冷静に次の指示を出した。
「これでは作戦続行は困難です。撤退します」
「な、スコール!!」
「撤退したほうがいいだろう。何せ敵の性能は未知数なのだからな」
「Mまで!!わかった撤退しよう・・・」
あっさりと亡国機業は撤退していった。
「ふぅ・・・。戦闘終了、NT-D解除。ありがとノエル、君がバックアップしてくれなきゃキツかった」
『いえいえ、そんなことはありませんよ。隊長の実力です!!』
「ははは、俺は君のそんなところが好きだよ」
『な、なに言ってるんですかー!まったく、そんなこと言ってないで奥様4人が来ましたよ!!』
「あいあい、っとただいまみんな」
「まったく、心配したのですのよ・・・ッ!!」
「約束破るんじゃないかって・・・っ」
「もうダメだってみんな思っててっ」
「嫁は心配しかさせないのだからなっ」
4人は涙を浮かべて心配しただのなんだの言ってくる。
「宗隆、お前しっかり戻ってきたんだな」
「ああ、一夏。お前との約束だしな」
「まったく、冷や冷やさせるんじゃないわよ~。あの4人あんたの落ちるところ見て茫然自失だったんだから!!」
「これは謝るだけじゃ済まされないな」
「わ、悪かったって~」
と、ここで通信が入る。
『全員生きて帰ってきたな。それでは本作戦はすべて終了だ。戻って休むといい』
「「「「了解!!」」」」
『おっと、神崎宗隆は今回のサードシフトについて詳細報告をすること。以上だ!』
通信が切れる。何とも織斑先生らしい。
「それでは、宗隆さん。戻ったら夕食ですわ」
「血、足りないと思うから鉄分多めの料理にするね」
「鼻血出すほど食べさせてあげるからね」
「嫁よ、覚悟してもらおうか」
「ほ、ほどほどにね・・・」
「それじゃあ俺たちも帰ろうか。な!箒、鈴?」
「ああ、今夜は唐揚げだ」
「お!俺箒の唐揚げ大好きなんだ!!」
「私は酢豚よ!」
「これまたおいしいもんが食べられる!!」
専用機持ちの全員が帰還、そしてクーデター軍を無条件降伏させた英雄的行動、これらを含め世界は新たなる方向へ向かうのだがそれはとても明るい未来へ続いてゆくのであった。そして亡国機業との決戦も近づいていた。だが
「シャアさん、アムロさん、ララァさん。託された思い確かに受け継ぎました」
「宗隆さん?何かおっしゃいまして?」
「ああ、夕飯が楽しみだなって言っただけ」
「そうなんですの。では腕によりをかけて作りますからね」
「やったーーー!」ヽ(^o^)丿
「やっぱり宗隆って変わらないよね。どんなことがあっても」
「それがいいところじゃん。」
「嫁はぶれないからな」
「簪もシャルもラウラも夕飯楽しみにしてるね!!」(*´ω`*)
「ふふふ、じゃあとびっきりおいしいのを作ってあげる」
「だから、期待しててよね!!」
「今日は、お腹いっぱい好きなものを食べるといい!!」
「わーい!!」ヽ(^o^)丿
宗隆が堕ちた騒動はどこへやら、いつもの5人に戻るのであった。