オルコット嬢と一夏と戦った翌日の昼、今日は休みの日なので昼近くまで寝ていたのだ。
「ん~、確か・・・今日は休みだから・・・」
横のベッドを見ると簪さんもまだ寝ていた。
「ふむ・・・こう見ると簪さんもなかなかの美人さんで、いやはや・・・」
そうなのだ、この学校女子の美少女率がかなり高い。
「一夏は・・・あいつは見た感じ鈍感そうだし・・・。ていうか声がバナージなんだけど・・・」
それもそのはず転生前の世界でアニメとして放映していたインフィニット・ストラトスの主人公の織斑一夏の中の人はバナージの人と同じなのだから。ちなみに一夏はガンダムオタクの共通認識は『ダメなバナージ』なのだ。
「たしか、ダメなバナージってあいつだったっけ?」
あまり前世の記憶は掘り出さないようにしてはいるが、如何せん一夏が引っかかるのだがあまり思い出せない。
「織斑一夏なんてやつが登場するラノベやアニメなんて見たこともないしな~」
宗隆はロボット系のアニメはほとんどバンナム系しか知らないのだ。前世で一時流行ったISなんてものは知らないのである。
「ま、いいか。考えるだけ無駄だ」
開き直り思考をやめて今日はどうするか考える。
(今は・・・10時か、もうすぐ食堂のランチタイムだな・・・)コンコン
考えていると扉からノックがしたので出る。
「はーい、どなたですか~」
「あ、宗隆さん。セシリア・オルコットですわ」
「あー、オルコット嬢か。で?何か用事でも・・・」
「先日は誠に申し訳ございませんでした。」
いきなり謝られた。
(話しようとしたらいきなり謝られたでござるの巻)
「なんのことだ?」
「先日のクラス代表の推薦の時のですわ」
「あー、あれ?あれなら気にしないで~。俺も言葉に出しちゃったからああなっちゃったし俺にも非があるから君が俺に謝る必要はないよ。」
「いえいえ、わたくしも振り返ってみれば代表候補生にあらぬ言動や行動でした。もう少し大人の対応をしていればこんなことにはなりませんでしたし。わたくしにも非はありますわ」
「そうか、なら月曜日に少し場を借りてクラスに謝罪してくれ。あの時にお互いがお互いに国を侮辱し合ったままになってるから、多分みんなもう気にしてないと思うけど形だけね?」
「あなた様がそれでいいとおっしゃるならそれで」
「それでいいぞ。俺はもう気にしちゃいないし、日本にそれほど愛国心なんてものもないし。国籍置いてあるだけの国を侮辱されたって痛くもかゆくもないし」
「そ、そうなんですの・・・。」
「それよりさ、クラス代表はどうする?俺は面倒だから辞退するけど・・・」
「わたくしも辞退いたしますわ。」
「そうか、なら今から職員室に行って代表辞退の報告をしに行こうぜ。」
「それは、一緒にってことでイイのですの?」
「ん?こういうのは本人から言わないとだめだからな。だから一緒に行くぜ」
「わ、わかりました!では一緒に参りましょう!宗隆さん」
「ん?オルコット嬢、今俺のこと名前で呼んだか?」
「は、はい。それで・・・わたくしのことはセシリアと呼んでください・・・」
(む?昨日の今日でなんか態度が違うが・・・もしかしてこ奴!!わしに気でもあるのか!!っと普通に考えても違うだろ。おそらく女子ばっかで息苦しそうだからせめてでもってところだろう・・・)
「なあ、セシリアって俺の事好きなの?」
「ふぇええ!?」
「ん?あ・・・・」
(やっべ!何言ってるの!いやちょっと待って!なんで聞いたの!アイエエエ!ナンデ!ナンデニンジャ!!ナンデ!!!)
「いや、その・・・今のは忘れてくれ!!」
「していますわ・・・」
「え?」
「しておりますわ・・・」
「な、ナンダッテ?」
「ですから!!お慕い申し上げておりますわ!!」
「アイエエエ!」
ここに入学から早くも1週間でカップルが一組誕生した。
「というわけで、俺とセシリアは辞退します。」
「わかった、なら代表は織斑で決まりだ。もう下がっていいぞ」
「「はい」」
現在俺たちは代表辞退の報告のため職員室から出た。
「宗隆さん、これから予定はありまして?」
「ん?ないぞ、時間もちょうどいいしお昼ご飯一緒に食べようか」
「はい♪」
手をつないで食堂に向かうセシリアと宗隆、その二人を見つめる一人の少女が見ていた。
今日も1日が終わる。明日からまた学校だ、疲れを残さないようにしっかりとした時間に寝るつもりだ。
「さてと・・・、簪さんは・・・いない?まあ俺のほうが早く帰ってくるなんてざらだけどな・・・」
と言いつつシャワーを浴び時刻は8時ちょうど、その時簪さんが帰ってきた。
「お、おかえり。簪さん」
「た、ただいま・・・宗隆くん・・・」
そのあとは会話がつながらない。沈黙を破ったのは簪のほうだった。
「ね、ねえ宗隆くん・・・」
「ん?なに~?」
「えっと、その・・・」(き、聞かなきゃ!イギリスの代表候補生さんと付き合っているのどうかを!)
「なんだ?」
「えっと・・・明日から整備室で専用機づくり手伝ってね」(バカバカバカ!私何言ってるの?違うでしょ!)
「ん?ああ、放課後に行くでいいよな」
「うん。それでいいよ・・・」
「おっけ、じゃあ俺は早めに寝るから。お休み、簪さん」
「なら私も寝ようかな。お休みなさい、宗隆くん・・・」
(簪さんからちょっと違和感感じたけど・・・大丈夫かな、明日聞いてみよう)
こうして初めての休日の夜は更けていく・・・。