無人機の襲撃の次の週の月曜日、いつも通りのSHRかと思いきや山田先生から重大なお知らせがあった。
「今日は転校生を紹介します!なんと二人もです!」
とのこと。
「今度はこっちに入ってきたか」
「まあ、転校生と言っても女子だろうな~」
「まあ、十中八九そうだろうな」
一夏と話していたがそこに入ってきた二人のうち片方に目が行く。なんて言ったって男子用の制服を着てたからだ。
「自己紹介をお願いします。」
「はい。フランスから来ましたシャルル・デュノアです。男子なんですが、こちらに同じ境遇の人が・・・」
『キャアああああああああああ!!!!』
「ぐえぇ・・・」
「やっぱりね。」
一夏は女子からの音響攻撃をまともに食らってグロッキー状態に、宗隆は耳から耳栓を抜き平然としていた。
「おい!まだ一人残ってるぞ!ボーデヴィッヒ、自己紹介をしろ」
「はい、教官」
「ここでは織斑先生だ」
「はい、織斑先生。ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「い、以上ですか・・・?」
「以上だ」
そう言って席に着こうとするがボーデヴィッヒは一夏の前に立ちいきなり平手打ち。
「な、なにすんだよ!」
「貴様が教官の弟など認めない」
そう言って席に着いた。
「1限目はISの実習授業だ。着替えて第1アリーナへ集合しろいいな。これで朝のSHRを終わる。ああそうだ、神崎と織斑はデュノアの面倒を見てやれ」
「わかりました」
そう言って織斑先生は教室を出ていき宗隆達は移動をしようとする。
「さて、移動するぞ~。デュノアはついてこい」
「え?どこに行くの?」
「ここだと女子が着替えるからな、俺たちはアリーナの更衣室で着替えるんだ」
「わ、わかったよ」
「早くしないと千冬姉の出席簿だから急がないと」
急いで教室を出るが女子生徒に囲まれる
「あ!居た、織斑君と神崎君よ!」
「転校生まで一緒よ!」
「な、なんなのこれ!!」
「俺たちは数が少ない男性操縦者」
「ここは女子高」
「あ、なんとなく察したよ」
「おい!宗隆、お前の第六感でどうにかなんないのかよ!!っていねえ!」
「デュノア、あのバカはほっといていくぞ」
「え?ちょっと、ッキャ!」
突然宗隆に手を引かれて女の子みたいな声を上げるシャルル。
(やっぱり、なんなデュノアから嫌な予感がする・・・。なんて言うか本人がとても悲しんでいるような、そんな感じがする。)
「どうしたの?神崎君」
「あ?ああ、なんでもない」
(あまり顔に出さないようにしないとな・・・)
「というわけでここで着替えることになってるから。覚えておいてくれデュノア」
「ありがとう神崎君。あ、僕のことはシャルルでいいよ」
「なら俺は宗隆でおkだから」
「よろしくね、宗隆」
「こちらこそ、シャルル」
握手をして着替えに入るがここで問題発生、シャルルがこちらを見るなと言ってきたのだ。
「わかった、一夏にもきつく言っておこう。あいつはこういうことに関しては殺したいくらいうざいからな」
「アハハ・・・。そうなんだ、でもそうしてくれるとありがたいよ」
「な~に、これくらいお安い御用さ」
「優しいんだね」
「そんなこと初めて言われたぜ」
会話を交わしているときに感じた奇妙な信頼は宗隆の考えを纏めさせた。
(まあ、シャルルは望んでこの嫌な予感の元になっているというわけじゃなくてむしろどうにかしたいと思っているのだろう。何かあれば力になろう)
「なにか困ったことがあったら言ってくれ。力になるよ、だから遠慮しないでなんでも言ってくれよな」
「ありがとう、やっぱり宗隆は優しんだね」
シャルルの笑顔が曇ったように見えたのは気のせいじゃないと思った宗隆だった。
「遅い!!織斑は何をしていたんだ、神崎とデュノアはもう来ているぞ!」
「ぐっ、すみません・・・」
ションボリした顔で列に入る一夏はこちらを憎らし気に見てくる。
「全員揃ったな・・・。よし、鳳とオルコット、前に出てこい。今から手本の摸擬戦をしてもらう」
「わかりましたわ。して、相手は鈴さんでして?」
「それなら叩き潰してあげるわよ」
「そう焦るな、相手は・・・」
「どいてくださーーーーーい!」
上から声がしたので見上げると山田先生がフリーフォーオールしていた。
「あっぶね!」
宗隆はとっさにドラッツェのシールドを部分展開してシャルルの前に立ち落下時の爆風を防ぐが、一方落下地点真下であった一夏はというと。
「あっ、お、織斑君・・・ダメですよ。私は先生なんですから・・・!」
ラッキースケベかましていた。のでもれなく箒と鈴から天罰が下っていたが鈴が投げた双天牙月は山田先生に撃ち落とされていた。
「わぁお、山田先生はすげえな」
「あれを打ち落とすんだからね」
そしてセシリアと鈴は1V2ということに難色を示していたがなんか織斑先生に言われてやる気を出したのか引き受けた。が!
「セシリアあんたしっかり狙いなさいよ!」
「鈴さんこそ下がりすぎでしてよ!!」
ものの数分で二人とも撃墜され揉めていた。
「それでは実習を始める。専用機を持っている者を中心に班を作れ!」
すると俺、一夏、シャルルに女子が殺到
「織斑君!私に教えて~」
「神崎君!私は今開いてるからね~」
「デュノア君!私はフリーだよ!」
「出席番号順に班を作れ!グダグダしていると居残りにさせるぞ!!」
織斑先生の怒号で皆班に分かれる。
「私は、織斑君だ!やった!」
「神崎君のだ!苗字に感謝!」
「デュノア君だ!これほどうれしいことはない!!」
「セシリアさんか~。よろしくね!」
「鈴ちゃん!頼むわね!」
「・・・・・・・」
無言の班はボーデヴィッヒだった。そのあと実習はひと悶着あったものの恙なく進み授業が終わり、更衣室に向かう。
「あ、そうだ。宗隆とシャルルは今日の昼休み開いてるか?開いてるなら屋上で一緒に飯食おうぜ」
「ん?開いてはいるがセシリアとあと一人一緒に来ていいなら」
「僕も特にはないけど・・・」
「なら昼休み屋上な」
「お、おう・・・」
「は、はあ・・・」
とりあえず宗隆とシャルルは着替え終わり更衣室を出る。一夏に早くしろと言い立ち去るのであった。
昼休みになり一夏の言う通りシャルルとか連れてみんなで屋上に来たが箒と鈴が不機嫌になっている。
「一夏、これはどういうことなんだ」
「一夏、なんでみんなを誘っちゃうのよ」
「どうせならみんなで食べたほうがうまいだろ?」
「「はあ・・・」」
「心中お察しするぜ・・・」
「なんか申し訳ありませんわ」
「やっぱりこいつはバカだった・・・」
「あはははは・・・」
もはやシャルルは苦笑い、宗隆とセシリア、簪は呆れていた。ちなみに簪の一夏に対する憎悪はもうないです。あんな馬鹿だったとは思ってなかったらしく分かった瞬間呆れてしまいもはやどうでもいいという存在になっている。
「まあいい。一夏、今日は弁当を作ってきたのだが・・・」
「お、箒が弁当を作ってきたのか!サンキュー!」
「わ、私も作ってきたわよ。ずっと食べたいって言っていた酢豚よ!」
「鈴もか!鈴の酢豚ってうまいんだよな~」
箒と鈴が一夏に弁当を上げるとこちらの二人も出し始める。
「宗隆さん、わたくしが作ったサンドイッチですわ」
「宗隆君に作ってきたお弁当だよ」
「お、おまいらも作ってきたんか。ってシャルルはどうするんだ?」
「えっと購買でパンでも・・・」
「あら、シャルルさんも食べていいですわよ。調子に乗って作りすぎてしまいまして」
よく見てみたら結構多かった。
「それじゃあ、いただきま~す!」パクッ
「ど、どうですの・・・?」
「うんま~い!なんだこれぇ!すげえうまい!」ハムハム
「よかったですわ!」
「そ、そうだね・・・」(セシリアの素の料理って何を混ぜるか分かったもんじゃないよ~)
そう、簪は引っ越して同室になったのはセシリアだったのだ。そこで今日お弁当を作るときになってセシリアの料理を見てみたらあり得ないものをサンドイッチに入れようとしていたので慌てて止めた。
「セシリア、これおいしいね!」
「ふふふ、でしたらもっと食べてくださいませ」(簪さんの言う通りシンプルイズベストでしたわ。余計なものはこれから入れないように致しませんと)
「次は、私の食べて」
「簪の弁当は・・・こ、これは!メンチカツと肉豆腐の甘酢あんかけ!!!」
「が、頑張って作ったんだけど・・・って」
「この二つ俺大好物なんだ~」パクパク
宗隆の大好物が出てすごい勢いで食べていた。
「そんなに急がなくても逃げないから・・・」
「っむくうううう」
「宗隆さん、お茶ですわ」
「ゴクゴクゴク、ぷはぁ!助かった~」
「急いで食べるからだよ、宗隆君」
「シャルルさんの言う通りですわよ」
「急がなくても私たちのお弁当は逃げないから、ゆっくりね?」
「わかったよ~」
お昼ご飯は一夏と宗隆で別々に甘い空間を作り出し食べていた。
放課後、織斑先生からシャルルの部屋について知らされた。
「神崎、お前とデュノアが同室だ。織斑では何をしでかすかわからんからな」
「わかりました。して織斑先生?何かデュノア君について知らないことはないですか?例えば何か隠し事があるとか・・・」
「そんなことは知らんな。デュノアにでも直接聞け。」
「そうですか。ではこれで・・・」(明らかに何か隠してる。それも俺の予感だと結構重大なことだろう・・・)
職員室をでて寮に向かう。
「そういえば、簪の機体完成したからテストするって言ってたけどその時シャルルも呼ぼうかな・・・」
簪の専用機は制作会社の倉持技研からパーツが届き完成はしたがテストがまだなのだ。
「にしても、な~んかきな臭いんだよな~。織斑先生は絶対何か知ってる。んで生徒会長も怪しんだほうがいい・・・。おそらく学園長も絶対このことに首を突っ込んでると思うし、変に嗅ぎまわるとおかしなことになりそうだしな~。でもシャルルのあの暗くなっているところを何とかしてあげたいな~」
宗隆は純粋にそう思った。シャルルはどことなく表情が暗いのだ、まるで何かに対し後ろめたさがあるかのように。
「やっぱり本人に聞くしか・・・、でもそうやすやすと話してくれる内容なのかな~。あ、そうだ!RECONに情報を頼んでみるか!そうだそうしよう。ってえ?」
「え?宗隆・・・?」
「す、すみませんでした~」
「ちょっと待って!宗隆!見た?」
「見てない見てない!」
「見たでしょ?」
「アッハイ」
「とりあえず服着るからちょっと待ってて」
そう言ってシャルルはジャージを着て宗隆を部屋に入れる。
「んで?お前は実は女で男の振りして俺と一夏のデータを盗もうとしたわけか・・・」
「そうだよ・・・。」
「話してくれないか?その事情を」
「わかったよ・・・」
そう言って語られたのはシャルルが愛人の娘であること、ここに来た目的と義母との関係や父親との関係そしてデュノア社の現状
「これがすべてさ。もうバレてしまったから国に強制送還されて一生刑務所か死刑になるね」
「んで?お前は、シャルルはそれでいいのか?」
「いいんだよ、これで」
「まったく嘘言うんじゃねえよ。俺はお前からさっき言ったような事情があることは薄々感じていた。そしてそれをどうにかしたいと思ったんだ。でも俺一人じゃただのお節介で力になったわけじゃない。だからな最後にお前が助けてっていえば俺は自分の人脈やなんでもかんでも使って君を助ける。だから君の本当の気持ちを、シャルルとしてじゃなくてシャルロットとして、気持ちを俺に聞かせてくれ」
「ぼ、僕は・・・。僕はもっと普通でいたよ!女の子として学園に通って、みんなとおしゃべりしたりみんなで街に出かけたり!普通の女の子として生きたい!!助けてよ、助けてよ!宗隆・・・」
シャルル・・・いや、シャルロットは泣きながら助けてと訴えてきた。
「あいわかった!その願い!俺が何とかしてやる!!」
そう言っておもむろにスマホを取り出し誰かに連絡をした。
「ああ、俺です。神崎です。木村さんいまいいですか?はい、はい、お久しぶりです。あ、話というのは、木村さんいやRECONとして仕事を頼めないですかね。今助けたい人がいるので・・・。はい、はいありがとうございます!それで調べるのはフランスのデュノア社のことです。はい、それでは明日に・・・はいデータは送信してください。ありがとうございます」
「えっと・・・宗隆、どうしたの?」
「現状は情報がないが今情報のエキスパートに情報を調べてもらってる。明日の午後にはまとまったデータが送られてくる。情報次第だがまた協力を仰ぐ」
「誰に協力してもらうの?」
「ん~、とりあえず今日連絡した木村さん次第だね~。とりあえずばれてない体で過ごしてね。助けるとか言っておいて今すぐ何とかできなくてごめんね」
「ううん、いいんだ!だって何とかなる手立ては見つかったんでしょ?ならそれまで我慢するよ」
「そう言ってくれると助かる。」
「今日はもう夕食にして寝ちゃおうか」
「そうだな、明日まで待たないといけないからな」
そのあとはセシリア、簪二人も合流し夕食を食べ寝ることにした。
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみ、宗隆・・・」
「ってなんで俺のベッドの中に入るんだよ!」
「寂しいからっていったらダメ?」
「・・・背中ならいいよ・・・」(押さえろ押さえろ押さえろ!!!!)
宗隆は必死であった。