「……」
スプリガン
彼女は戦況を特殊な『目』で見ながら、一人ここに立っていた。
「スプリガン12が半壊…しかもその内、ブランディッシュとディマリアが味方と敵に犯されている…失望ね、その程度なんて」
笑うことは無い。しかし、呆れているのは本当だった。二人とも、捕えられた理由がアイリーンからしてみれば間抜け以外の何物でもないからだ。
「けど……さすがにこの土地は広すぎるわね。戦争を早く終わらせる為には……使うか、あの魔法を…」
彼女は
「土地への…大地への……大陸へのエンチャント。世界再構築魔法『ユニバースワン』…これを使って、この大陸を小さくしてしまおうか」
そう言いながら、彼女は自前の武器である杖を地面に突き刺す。こんなことをしなくても別にいいのだが、ある程度の行動をしながら魔法を発動した方が、色々とやりやすいのだ。
「さて……では、どちらの負けでも良いのでさっさと終わらせて欲しいものだ……なにせ、戦争自体の勝敗なんて関係ないのだから…」
アルバレス帝国の目的は、初代妖精の尻尾《フェアリーテイル》マスターであるメイビスの体である。正確には、その体の中にある無限の魔力なよだが。
要するに、メイビスさえ奪ってしまえばほかはどうでもいいと考えているのがアイリーンなのだ。
「はっ!!」
そして、魔法は発動される。アイリーンを中心に光り始めていき、そしてフィオーレという王国そのものが小さくなっていく。だんだんと小さくなっていき……そして、その光は役目を果たしたと言わんばかりに輝きを失っていったのだった。
「初めて使う魔法だったけれど…上手くいったみたいね」
1人、飛ばされた場所に座り込むアイリーン。その場所は煌びやかかつ荘厳な雰囲気を持つ場所であり、彼女が座っている場所は1層荘厳な椅子の上だった。
「とりあえず、陛下は妖精の尻尾にでもいるかしら?さて…この魔法…私もどこにいるかわからないところが面白いのよね……どこかしら、ここは」
そして、彼女の座る周りには武器を構える兵士達が驚きながらも、アイリーンに対しての警戒を強めていた。そう、ここは王宮…フィオーレ王国の王族が住まう城である。
「な、何者だ!!」
「初めまして、私はアイリーン・ベルセリオン……貴方達で言うところの、敵にあたる人物よ」
優雅に自己紹介をするアイリーン。その絶対的自信は、彼女の強さが裏付けられているものである。
「あら…」
「…私はこの国の王女、ヒスイ・E・フィオーレです。」
そして、彼女の前に1歩出て同じように自己紹介を行う王女ヒスイ。名前の通りの翡翠の髪の色を持つ、この国の姫である。
その姿を見て、アイリーンは少し考えるものがあったのか、顎に手を当てて考え込み始める。
「あなた達は、一体何の目的のためにこんなことをしているのですか…本当に、この国を侵略なさるおつもりで?」
「えぇ、それが陛下の望みであり…その先にあるものを陛下はお望みなのよ。けど、そんなことよりも…そうね、貴方達には面白いものをかけてあげる」
「え…?」
ヒスイは、アイリーンが何を言っているのか分からなかった。和解のために、彼女からアルバレス皇帝に話をつけられないかと彼女は考えたが、その可能性は微塵かも感じさせられなかった。
「ふふ、あなた姫なのでしょう?だったら…
「な、何を……きゃっ!?」
「……」
突如、兵士の1人がヒスイの腕を無理やり掴んで押し倒してきた。そして、それが伝染するかのようにこの場にいる全ての男性が彼女に群がり、その衣服や身につけているもの全てをはぎ取っていく。その姿はまるで、強姦する犯罪者そのものである。
「この城にいる男性全てから、『理性』『本能的嫌悪感』を分離…代わりに『性欲』をエンチャントしてあげたわ」
アイリーンは、分離エンチャントとエンチャントを駆使して、兵士達を一斉にただの交尾しか考えていない獣へと落とした。
「あぁ安心して?貴方を含めたこの城全ての女性には、『痛覚』を分離して『快楽』をエンチャントしてあげたから」
「ひ、人の心を操るなんて…!」
「私は洗脳なんてことは出来ないわ、ただ取ったりくっつけたりしてるだけだもの……それに、心なんて高尚なものがその獣たちにあって?」
「や、やめてくださ━━━」
「ウゥ…!オン、ナァ…!!」
うわ言のように言葉を出しながら、兵士達はヒスイを犯すために自らの陰茎を出していく。そして、それをヒスイの膣へ入れようと先端を押し込んでいく。
「うぐっ!!い、痛い…!」
「そんなわけないでしょう?なにせ、貴方から痛覚は抜いたもの」
濡らしていない膣に、男の陰茎が無理やり押し込まれていく。ヒスイはそれを痛いと称したが、それはアイリーンの言う通り確かにヒスイは痛いとは微塵も感じなかった。代わりに、背中に電流のようなものが走るのを感じて、背中を反らせていた。
「ひ、ぎぃ…!」
「ウアァ…!」
「や、やめっ、動かなっ…いでぇ!!」
そして完全に入ったところから、男は一気に叩きつけるように腰を動かし始める。
奥まで突かれる度に、ヒスイは頭が真っ白になりかけていた。
「こんな、の…!?しら、にゃ…!」
「あらあら、もう呂律が回らなくなってきたの?幾らエンチャントを使ったからと言っても、幾ら何でも淫乱すぎるわ」
アイリーンが喋っている言葉は、既にヒスイの耳に届いていなかった。頭の中で、まるで岩でもぶつかったかのような強い衝撃を、快楽として味わっていたのだからそれどころではないのだ。
「あ、ぎぃ!!」
「うわ、すごい動かし方…」
男は、ヒスイを上から押しつぶすような膣の突き方をしていた。種を残すための生存本能とも言うべき、精子を確実に子宮へと届かせるような…そんな体勢だった。
「お゙あ゙ぁ゙!」
「……」
アイリーンは、突かれているヒスイ姫を見ながら、ふと自分の過去を思い出しそうになっていた。
それは、自分が持つ忌まわしいと断言出来るほどの深い記憶。
「……はぁ、さっさと出ましょう…」
ため息をついて、アイリーンは城から出ていった。その際に城にいた女性が犯される場面を何度も見ないようにしながら、出ていった。しかし彼女は気づいていないのだ。自分では忌まわしいと頭の中で考えていることも、自分の体…つまりは自分の本能はそうは思っていないのだということに。
そして、ここは王宮の地下牢。あまり使うこともないが、いわゆる懲罰房等や犯罪者を一時的に収容して、正式な罰や裁判の時に釈放するなどといった場所である。
そこで、2人の女性が戦っていた。
「くっ…!カミカ!」
「コスモス!大丈夫!?」
「えぇ、私は…」
戦っている2人は、王宮を守る直属の騎士団である餓狼騎士団のメンバーだった。和風の方の少女の名前はカミカ、紙を媒介とした魔法を使う魔導士である。もう1人の女性はコスモス、植物を操る魔法を使う魔導士である。
今このふたりは、突如として暴徒とかした城の男性たちを相手に戦っているところだった。
「にしても、まさか同じ餓狼騎士団で潰し合いが起きるなんて……」
「…敵の、アルバレス帝国の魔法でしょうね。めんどくさいったりゃありゃしない…!」
悪態を着くカミカ。本来彼女達は、地下牢よりももっと下である王宮地下空洞に居るのだが、今回のアルバレス帝国侵略においては地上で待機するように命じられていたのだ。城にいかなるものも通さないように。
「追い込まれて…ここまで逃げるはめになるなんて思いもよらなかった…!」
「落ち着いてカミカ…完全に逃げきれたのだから、良しとしましょう…」
コスモスはカミカを落ち着かせようとするが、カミカはより一層焦っていた。ここに逃げ込むまでに、犯されている女性達を彼女は見ていた。何人も助けてきたが、それでも全員ではない上に━━━
「姫様が、まだ見当たらない…!」
「1番安全な部屋にいるのだから、大丈夫のはずよ…」
「あの部屋は姫以外みんな男の部屋だ…もうとっくに手遅れになっていたら……!」
カミカの焦りは、コスモスにもよく理解できるものだった。しかし、餓狼騎士団の男性達も暴れ始めてしまった以上どうしようもすることが出来ないのだ。
「……私は止められても行くわよ、コスモス」
「止めるわけないじゃない……私は貴方について行くわよ、カミカ。けど、それは正面から乗り込むんじゃなくて……」
「作戦を立てて、ね 」
そうして、カミカとコスモスの作戦会議が行われていく。城に残されたたった2つの希望……その2つの希望の近くに、ヒスイのいる部屋にはいない男全員が向かっていることに2人はまだ気づいていない。
「くそっ!!」
「なんで、こんなに多く…!?」
「それに、アルバレス帝国の奴らまで混じってる!!」
カミカとコスモスは地下牢から出た途端に、攻撃を受けた。今は暴走してこちらに襲いかかってくる理性のない男達、それに加えてアルバレス帝国の兵までが城に侵入して襲いかかってきているのだ。
「理性のない男達だけでも厄介だって言うのに…!」
「なんで、アルバレス帝国まで…!」
「へへ、アイリーン様に命令されたんでな…悪く思うなよ女共」
理性のあるなしの違いがあるというのに、アルバレス帝国の男達の目も理性を失った男達と同じ目をしていた。その事にカミカは寒気を覚えていた。
「絶対に、ここは通させてもらう!!」
「無理だよ、お前らじゃあこの数に対応できない」
「私達の魔法は全体的に効果のある魔法なのよ!私達に近づくことすら難しいと思いなさい!!」
カミカは紙をばらまき、コスモスは植物を使って攻撃を仕掛けていく。確かに、誰かが近づく事すらも難しい状態になっているが、それもいずれ限界が来る。
「無駄だ無駄だ…アイリーン隊だけではない、アルバレス帝国のスプリガン12はそれぞれ100隻以上の空中戦艦を所持している、それら全てに1000人以上が乗船しているんだ……今、その戦艦2つ分ほどの戦力がここにいる。
お前らの魔法でどうにかできる相手ではなかろう」
「くっ……」
確かに、そうなれば2000人以上の兵隊が今この城にいるということになるのだ。それをたった二人で相手するのは、全くもって極端に勝ちの可能性が低い話でもある。
「それでも!!」
「威勢がいい女は嫌いではない、が……戦場に出た時点でお前らのような弱い奴らは直ぐに蹂躙されるということを知るといい」
「きゃっ!!」
「コスモス!?」
兵隊の1人が放った攻撃が、偶然コスモスにヒットする。どれだけ魔法を展開しているとしても、必ずどこかに隙間はあるのだ。その隙間を縫って、魔法がすり抜けてコスモスにヒットしてしまったのだ。
「よーし隙を見せたぞー!!やるぞお前らァ!!」
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
大きな声が響き渡る。勝ちを確信したアルバレス帝国が、そのままその猛攻をさらに激しくする。器用なことに、理性を失った男達の合間を縫って魔法を飛ばしてくるので、その魔法や理性を失った男達の攻撃を凌がねばならないのだ。
「ぐぁ!! 」
「きゃっ!!」
そして、段々とコスモスとカミカは魔力を消耗していき、体力も少なくなっていき、傷が増えていく。意識が朦朧とし始めて、2人はこう思ってしまった。『勝てない』と。
「チェックメイトだ……終わりだよ」
男が指を鳴らす。意識が朦朧としていた2人に、波状攻撃が仕掛けられて…全てが直撃してしまう。
そして、土煙がその場一面に現れて……消えた後には倒れたカミカとコスモスの2人がいた。
「どうする?この女達。」
「欲しい奴は持って行っていいぞ、あの男達が邪魔だから後に回したいところだがな」
「よーし、なら理性のないあいつらが飽きるまで放っておこうぜー」
倒れた2人に群がる理性のない男達。アルバレス帝国は、そのまま城の中を散策し始めていく。倒れた女達には興味が無いように、その場から消えていく。
城に残された唯一の希望ふたつは……呆気なく消えたのであった。
カミカさんとコスモスさんです。
アニメ見て思ったんですけど結構エロいことに応用できそうな気がするんですけどね、あの二人の魔法……