超次元ゲイムネプテューヌ Origins Visionary 作:シモツキ
・今回の話のように、就寝前及び起床後のどちらか、又は両方が描写されない場合もあります。
・通常のリクエストは勿論の事、特殊作品群に該当するようなリクエストも受け付けております。しかしその場合は当然相手となる作品の作者さんに了承を頂かなくてはいけない為、必ずしもリクエストにお応え出来るとは限りません(既存シリーズの続きが読みたい、というリクエストも承っております)。
人物・グリーンハート
内容・拘束 自慰 浣腸 ボディペイント 石化
切っ掛けは、ほんの些細な偶然。疑念と、用心と、それからほんの少しの好奇心。大きなミスをした訳ではない。後から振り返れば別の選択肢、もっと考えるべき事に気付けたとしても、真っ只中では中々そうもいかないのが世の常というもの。…だからこそ、気を付けていれば回避出来る重大な失敗よりも、気を付けていても発生し得る小さな失敗の方が、遥かに厄介。
「……あら?」
ある日の事。ギルドから教会へと回ってきたクエストを行い、つつがなく達成をした帰りに、グリーンハートことベールはそれを発見した。
(…洋館?こんな所に?)
空中を飛ぶ中で見つけたのは、森林の中に立つ洋館。少し開けた場所に、一軒だけある屋敷。一見すると、洋館そのものにおかしな点は見当たらない…が、生活圏外、それも交通の面でも明らかに不便そうな場所にぽつんと存在しているのは、明らかに変というもの。
一体何故こんな場所にあるというのか。この洋館の所有者や建築した者は、普通の人間なのか。それをベールは数秒考え…しかしさっぱり分からない。
「…念の為、確認しておいた方が良いですわね」
故にベールは降下し、洋館の前へと降り立つ。こんな場所でも生活出来る実力と、こんな所に住もうと考える変わった考えを持った、真っ当な人間が住んでいるのなら問題ないが、もしそうでなかった場合に備えて、直接調べる事を選ぶ。
「お邪魔しますわ」
呼び鈴やチャイムが見当たらない為、まずはノック。反応を待った後、誰も出てこない事から扉を開いて中に入る。
「誰かいまして?わたくしは──」
広いエントランスルームにて、再びベールは声を掛ける。外見から予想出来た通り、洋館の中はそれ相応に広さがあり……だが次の瞬間、開いたままにしておいた玄関の扉が突然閉まる。更に閉まると同時に、ベールの身体からふっと力が抜けてしまう。
「な……っ!?」
風が吹いた訳でも、勿論誰かが閉めた訳でもない筈の扉。そしてそれ以上に衝撃であったのは、力の減衰。反射的にベールは身構え、襲われる可能性を思い浮かべたが…それ以降は、何も起こらない。人気のない洋館の中で、静かなままの時間が続く。
「…どういう事、ですの……?」
状況的に、罠である事は確実。一応扉を開けてみようとするも、目一杯力を込めても全く扉は動かない。ならばと窓に近寄り、顕現させた槍での刺突を放つが、これも弾かれてしまう。
力の抜けていく感覚と、今し方放った刺突の感触から、ベールは姿こそグリーンハートとしてのものから変わっていないものの、力は人としての姿に…或いはそれよりも低いレベルにまで落ちてしまった事を実感する。そしてこれに似たような経験を、即ち女神化の封印を、過去にベールは体験した事がある。
女神にも匹敵する程の存在や特殊な力でもなければ不可能である筈の現象や、窓が本気の刺突を弾くという状況。この二つだけで、洋館が特異な建物である事は明白だった。そんな場所に閉じ込められてしまったのは非常に不味いのだが、閉じ込められたのが一般人ではなく、女神化出来ずともそれなり以上の戦闘能力を持つ自身であるのは不幸中の幸いというもの。ベールはそう考えて、脱出の為に洋館の探索を開始する。
(…駄目ですわね…どの部屋もまるで開く気配がしないとは……)
端から順に部屋の扉を開けてみようとするベールだが、どれもまるで壁の様にびくともしない。念の為引き戸やシャッターの様な扉なのかと試してみるも、やはり一向に開きはしない。初めこそ落ち着いて、焦らず騒がず…と考えながら調べていたベールも、これが続くと次第に焦ったさを覚え始め……ほぼ全ての扉を調べ終えた段階になると、焦りも超えて軽く途方に暮れてしまう。
残る扉は後一つ。もしここも開かないとなったら、一体どうすればいいのか。そんな思いでベールは扉へと手を掛け……
「へ?」
──あっさりと、扉が開いた。いっそ拍子抜けな程に、当たり前に扉が開き…だからこそ、逆にベールは驚いてしまった。
とはいえこれで、一先ず手詰まりにはならずに済んだ。その事に安堵しつつ、今度は慎重に中へと入ったベールだったが…再び扉がひとりでに、しかも念の為ドアノブから離していなかった手を弾く程の勢いで閉まる。
「くっ、用心しても無駄のようですわね…。…この部屋は……」
対策を見透かされていたようでベールは悔しさを滲ませるも、過ぎた事は仕方ない、と切り替える。それから部屋の中を見回し…丁度真ん中の辺りにぽつんと置かれた箱一つと、その後ろに立つ板を見つける。
これも罠か、それとも脱出の手掛かりとなるものかと考えながらベールは近付く。そうして見やった板に書いてあったのは、『服を脱いで箱にしまう』という謎の文章。
「……なんですの?わたくしここから、金属製の物を外せとかクリームを塗れとか注文されるんですの?」
予想外過ぎる内容に、思わず突っ込みを入れるベール。同時に服を脱げという文面から、誰か隠し撮りでもしてるのでは?と部屋の中を念入りに調べるも、おかしなものは何もない。そしてやはり、閉まってしまった扉は開かず…その扉以外に、この部屋から出る方法もない。
箱と看板の前で、ベールは沈黙する。苦々しげな表情を浮かべ、両の拳をきゅっと握り……そしてゆっくりと、力を抜く。
「…背に腹は変えられませんものね……」
そうしてぽつりと呟いたベールは、身に付けている装備…プロセッサユニットを解除しようとする。しかし力の減衰と共に女神由来の能力も色々使えなくなっているのか、プロセッサが解ける気配はなく…仕方なくプロセッサを、パーツごとに外していく。まず初めにアームガード…長手袋のようにもなったパーツから外し、続いて足回りのパーツも順番に脱ぐ。それから残った二部位…胸周りと腰にも、手を掛ける。
部屋の中で小さく聞こえる、衣擦れのような音。少しずつ、プロセッサに隠れていたベールの肌が露わになっていく。一ヶ所ずつ、脱いでは箱の中へと入れていく。そして、いよいよ下地の部分にも手を掛け…胸に上から装着されたパーツを外した瞬間、大きく豊かな乳房が揺れる。腰と下腹部のパーツにも指を掛け、降ろし、長く肉感たっぷりな脚を抜く。数分足らずの時間を経て、ベールは一糸纏わぬ姿となる。
(これで、どうなると言うんですの…?)
女神の中でも特にグラマラスなベールの肢体。抜群のスタイルと、女性的な曲線が目を引く、正に女神と呼ぶべき優美な身体付き。それが完全な全裸で晒され、望まぬ脱衣に誰もいなくともベールは内心羞恥心を抱く。
しかし、今更やっぱり止めた、とプロセッサを装着し直すのも恥ずかしい。そんな風に思いながら、ベールは全てのパーツも箱へ入れる。すると次の瞬間、箱が中のプロセッサ諸共一瞬の内に消えてしまう。それと同時に、背後の扉が勝手に開く。
「ちょっ……き、消えるってどういう事ですの!?まさか、わたくしにこのままでいろと…!?」
泡を食って手を伸ばしたベールだが、既にプロセッサは消えてしまって何もない。何か代わりのものを、と部屋を見回すも、服は勿論タオルや毛布すら全くない。
「くぅぅ…もしこれが誰かによって作られた場所ならば、許しませんわよ……!」
胸と下腹部をそれぞれ手で隠しながら、ベールは開いた扉を通って廊下へと戻る。廊下に誰もいない事は分かっているが、それでもやはり恥ずかしく、ありもしない視線を気にして何度もきょろきょろとしてしまう。加えて足回りのプロセッサも外した結果、ベールはそれまでブーツ状の装備で歩いていた場所を素足で通らねばならず…追い剥ぎに身包みを剥がされた、或いは露出狂にでもなった気分でベールの顔は真っ赤だった。
(どうしてわたくしが、こんな事を…!)
羞恥心から自然と早足になりながら、ベールは洋館中を回る。しかし先の部屋に入る前と、何一つ変わっているところはなく…まさかまた、数多くある部屋の中で開く扉を探さなくてはいけないのか?…と、げんなりするような可能性が浮かんでしまう。そしてベールは否定したかったとのの、他の可能性も思い付かなければ、出来る事も特になく…渋々ながら、ベールは再び扉を一つ一つ確かめ始める。
頭から足の爪先まで完全全裸の女性が、部屋に入ろうと片っ端から扉に手を掛けている。客観的に見れば本当に変質者でしかない自らの行為に、ベールは更に顔を赤くする。もう何でもいいから早く開いてほしい、とにかく服を返してほしい、ただそれだけを思いながら、ひたすらベールは同じ事を繰り返し…ある時また、呆気なく扉が一つ開く。
「ここは先程閉まっていた筈の扉…人の気配もない以上、やはり魔法か何かで開閉を…いや、それよりも今は衣服ですわ…!」
疑問への思考もそこそこに、ベールは部屋の中へと飛び込む。ここでもやはり入ると同時に扉は閉まってしまうが、もう分かっていた事としてベールは何か服がないかと探す。
その結果、結論からいえば一応着られるものはあった。あったにはあった。『箱の中の物を着る』という看板と共にあった……真っ白な、マイクロビキニが。
「こ、こんなの五十歩百歩ですわ…」
見つかったとはいえ、あったのは期待を大きく下回る代物。しかし他にはないのだからと、看板の指示である事も手伝ってベールはビキニを身に付ける。
どういう訳か、ぴったりなサイズのマイクロビキニ。元からベールのプロセッサユニットは下手な水着より胴周りの露出度が高い為、着る事自体への躊躇いは然程なかった…が、それにしてもビキニの布地は少なかった。トップスは乳輪が辛うじて隠れる程度、ボトムスもVラインが何とか覆われている程度のもので、後ろ…即ち臀部に至っては、殆ど布地を感じられないレベルだった。
(やはりこれは、誰かが見ているという事ですの…?けれど、それにしてはあまりにも……)
起こる事が超常的過ぎる。看板の指示に従った事でまた開いた扉から廊下に戻りながら、ベールは考える。だが見当を付けるにも不明な事が多過ぎるが故に想像の域を出る事はなく…結局また、ベールは開く扉を探して洋館の中を歩き回る。
「今度はここですのね…(次は一体何が……)」
三度目となれば開く扉が見つかった事への感想も薄くなり、既にベールの意識はこの部屋での指示に向いている。次は何なのか、恥ずかしいポーズでもさせられるのか。そう思いながら部屋内に立てられた看板へと目をやり…すぐにその表情が歪む。
「…こんなもの…とんだ変態ですわね……」
書いてあったのは、二度目の部屋と同様箱の中にある物を身に付けろというもの。されどその看板と共にあった箱の中に入っていたのは、二つの鈴。
それだけならば、困惑で済んでいたところ。しかし、看板にはきっちりと「乳首に」と書いてあったのだ。
「……くっ…!」
怒り出したい。ふざけるのも大概にしろと要求(?)を跳ね除けたい。だがもう分かっている。書かれた通りにしなければ、この部屋から出られないと。とにかく求められる事をし続ける以外に、今のベールに出来る事などないのだと。
ベールは睨むように周囲を見回した後、箱の中の鈴二つを取る。そして鈴に繋がったクリップを開き、まず一つを付けようとする。
「こうすれば、良いので…ひぁっ…!」
開いた状態から指の力を抜く事で、閉じて乳首を挟むクリップ。しかし一瞬留まったかと思った直後、滑って鈴が落ちてしまう。その瞬間、乳首が根元から先端に向けて、強く絞られるような刺激が走り、ベールは思わず小さな悲鳴を上げてしまう。
そうなった原因は二つ。一つはマイクロビキニ越しであった事で…もう一つは、乳首にクリップがしっかり挟める程の表面積がなかった事。
「こ…これでは成立しませんわ。であれば無効なのではなくて?」
出来ないのだから仕方ない、とベールは声を上げる。これは無しにして扉を開けろ、という意図を込めて声を上げたが、部屋は静まり返ったまま。いつまで経っても反応はなく……またベールは、表情を歪める。
こうなってはもう進めない、出る事も出来ない。…そう思って表情を歪めたのではない。実のところベールは、どうすればいいか思い付いていたのだ。ただそれはやりたくなかったのだ。
されど、待てど暮らせど何も起こらない。このままでは、下手すると永遠にここから出られない。故にベールはじわじわとまた顔を赤くしながらも諦め……その方法を、試す。
「んっ、ふ…ぅあんっ……」
ぴったり張り付くようなマイクロビキニ。その布地の上に両手の指を這わせたベールは、ゆっくりと指を閉じていき…左右の乳首を、指先で摘む。それからくりくり、こねこねとビキニ越しに、自らの乳首を弄り始める。
「不愉快、ですわっ…んんっ…ここでこんな事をっ、しなければならない…など……っ!」
それは、紛れもない自慰。自らの性感帯を刺激する行為。しかし当然、ベールは欲求に駆られた訳でもなければ、出先で乳首を弄る趣味がある訳でもない。したくもないのにさせられている…しかも脅されたのではなく、自分からそうしなければいけないという状況に、ベールは怒り心頭で……されどそんな心境になっていようと、刺激を受ければ身体は反応する。こねくり回すのを繰り返す内に、段々と乳首は硬く、ぷっくりと充血し張り詰めていく。初めは全く主張していなかった乳頭が、今や水着の上からでもくっきりと分かる程に左右揃って勃起する。
そうしてどちらも勃ったところで、ベールは乳首から指を離す。代わりに鈴をもう一度持ち…今度こそ、クリップで挟む。
「ふぁ、く…んんっ……♡」
先とは違い、しっかりと乳首を挟んで留まるクリップ。手を離しても外れる事はなく、もう一方の乳首にも鈴のクリップを付け終わる。
「ふん…これで満足でして…?」
上手く付けられたとはいえ、鈴の存在により今のベールは輪を掛けて変態的な格好。そんな格好をさせられている事へ対して、せめてもの反撃としてベールは小さく鼻を鳴らす。
両方挟んだのと同時に開いた扉から、またベールは廊下へと出る。次の扉を探して歩き…静寂の中で、鈴の鳴る音だけが奥まで響く。
(痛くはない、されど刺激は歩く度に感じるような、絶妙な締まり具合…本当に、何なんですの……?)
正しく先端である乳首は勃起した事により一歩毎に小さく揺れ、揺られる鈴はちりんちりんと音を鳴らす。まるでそれは、飼育されている牛がカウベルを鳴らしているかのようであり、ベールは恥ずかしくて堪らない。
加えてそのクリップの圧力が、否が応でもベールに乳首を意識させる。一つ一つは小さな刺激、しかしそれが歩く度に乳首へと与えられる事で、ジンジンとした感覚が着実に募る。
「次はここ、ですのね…って、この部屋は……」
同じ事の繰り返しでベールの警戒は薄れ、どうせ次もまた何か要求があるのだろうと思いながらそのままベールは扉を開ける。しかし開いて中を見た瞬間、すぐにこれまでとの違いに気付く。
ひんやりとした床と、白い壁。大きな鏡に、壁から伸びるホースとヘッド。洋館に入ってから四つ目となった部屋の内装は、明らかにこれまでと違った。これまでの、普通の部屋ではなく…どういう訳か、シャワールームであった。
(どうしていきなりシャワールームが……)
当然の疑問を抱きながらベールが見回せば、そこにも看板はあった。今回は壁に打ち付けてあり、シャワーを浴びるとだけ書いてあった。
遂に身に付けるものとは関係の無くなった指示に、何か意図があるのだろうかと少考するベール。されどここまでの探索でいちいち考えても答えは出ない、だから意味がないと感じていたベールはすぐにその思考を打ち切り、レバーを捻ってシャワーを出す。
「ん、ん…ここが単なる洋館であれば、気兼ねなくシャワーを浴びられたというのに…。本当に趣味の悪い施設ですわ……」
出てきたシャワーを、ベールはビキニ姿のまま浴びる。一瞬マイクロビキニを脱ごうかとも思ったが、鈴もビキニの上から付けて扉が開いた事と、下手に脱いでビキニまで消えてしまったらと思う心から、結果ベールはそのまま浴びる事にしていた。
心身共に疲労していたベールへ、熱いシャワーが降り注ぐ。まるで消耗を洗い流してくれているかのように、段々とベールの身体はぽかぽかとした熱を帯びる。
「はぁ…それにしても、心地良いですわ…。なんというか、熱が身体に染み渡っていくような……」
洋館へ足を踏み入れて以降、常に険しい顔か不愉快そうな顔ばかりをしていたベールが初めて見せる、緩んだ表情。自分で思っていた以上に疲れていたのだろう、とベールは少しずつ気が緩んでいく。
そうしている内にも、更に高まっていく熱。肌が火照るような感覚を抱き、ベールはゆっくりと吐息を漏らす。それから「仮に誰かが見ているなら、既に全裸も一度見られている」と思い直し、ならばいっそと水着を脱いで本格的にシャワーを浴びる事を考える。薄く小さい布だろうと、あるとないとでは大違いだと思いながら、ベールはまずトップスを脱ごうと胸元に手をやり……
「…あ、あら?いつの間にか、紐が取れて…って、溶けていませんこと!?」
正に谷間に掛けられた橋の如く、布と布を繋いでいた紐。それが濡れた紙の様にぐずぐずになって溶けていくさまを見た事で、ベールはぎょっとした。
だが、紐だけではない。乳首を何とか隠している布地も、上に負けず劣らず際どいボトムスも、既に溶け始めている。ベールが見ている間にも、溶けて形が崩れていく。
「なっ、なななぁ……ッ!?」
慌てて手で押さえるベールだったが、時既に遅し。気付いた時点で崩れかけ、耐久面も壊滅寸前となっていたマイクロビキニは押さえた拍子にバラバラとなり、シャワーであっという間に流れていく。手の内にある、ほんの僅かな布部分を残して、ビキニは完全に脱落する。
「い、一体何がどうなってるんですの……?」
訳が分からず、茫然とするベール。流され床に落ちていたマイクロビキニ…の残骸が、更にお湯に溶ける形で消えていく様子を見て、このお湯には衣服を溶かす力がある、或いは水着の方がお湯で溶ける材質をしているのだと気付くも、完全に後の祭り。これ以上溶かされないように、とシャワーを止めようとした際、手が胸や下腹部から離れた事で僅かに残っていた水着も流れてしまい、結局ベールの身体に残ったのは先程乳首に付けた鈴だけ。この鈴だけは全く溶けず、その割に何故か挟まれていた筈の乳首部分の布地は溶けてしまっていた為、今のベールは乳首へ直に鈴を付けた状態だった。
「…ひ、人をおちょくるのも…いい加減にしなさいな……ッ!」
茫然とする事数秒。いよいよ怒りの抑えられなくなったベールは声を荒げるも、声はシャワールームで反響するだけ。敢えて言うなら、ここでやるべき事は済んだとはかりに扉が開いた位であり…この場所には、拭く為のタオルすら存在しない。
故にベールは収まらない怒りを抱えたまま、濡れた身体でそのままシャワールームを出る。何やら乾くのが妙に早く、みるみる内にベールの肌や髪に残った水滴は消えていくのだが、そんな事は慰めにもならない。
「…はぁ、怒ったせいで身体の火照りが収まりませんわ……」
ただの暑さとは違う熱を覚えながら、またベールは扉を一つ一つ確かめていく。大きな洋館で扉の数も多い為に、開く扉を探すだけでも毎回一苦労。それをもう何度も繰り返している為、暑さもあってベールは再び焦ったさを覚え始める。
しかし、焦ったいで済めば良かった。単なる暑さだけならば良かった。だが……。
(……っ…なん、ですの…?先程から胸が…いえ、胸だけではなく全身が……)
勃起したままの…いやそれどころか挟んだ直後より更に勃っているようにも見える乳首に蟠る、むずむずとした感覚。挟まれ圧迫されている部位から、じわりと広がる気持ち良さ。初めは気のせいだと思っていたそれが、今ははっきりともどかしさをベールへと伝えてくる。自覚をした事で、その何とも満たされないような感覚は下半身に、更に全身にと広がっていく。
「はぁ…ふぅ……♡」
知らず知らずの内に、ベールの吐息は熱を帯びた、艶かしさのあるものへと変わっていた。別段重くてしんどい訳でもないのに、無意識にベールは何度も胸を触っていた。変化があったのは上半身だけでなく、いつの間にかベールはその長く肉感たっぷりな脚を内股気味にし、その股の内側を擦り付けるような歩き方になっていたのだが、当人はまるで気付かない。
そんな状態で扉が開くかどうか試しては移動する…という流れを繰り返していたベールは、また一ヶ所だけ扉が開く部屋を発見する。
「いい加減…この馬鹿馬鹿しい繰り返しを終わらせてほしいものですわ……♡」
眉を顰めた表情と、火照りで朱色の差した頬。何とも悩ましげな、しかし情欲を刺激されるような面持ちを浮かべながら、ベールは部屋の中に入る。今度は何をするのか、とすぐに部屋の中央に目をやると、今度は看板に箱という、一度目から三度目までと同じ組み合わせになっていた。そして、箱の中に入っていたのは…既に塗料の付いた、複数の筆。
「…ペイントが完了するまで、じっとしている…?」
これを使うのだろうかと思いつつ看板の内容を見たベールは、その文章を見て訳が分からなくなる。何を塗るのか、どこに塗るのか、そもそもじっとしていたら塗れないのではないか。一目瞭然だったこれまでと違い、指示の内容が理解出来ない事で、ベールは立ち尽くしてしまい……そんな中、突然箱の中に入っていた筆が浮き上がる。それ等は全て、まるで透明人間が持っているかのような滑らかさで浮遊したまま動き始め、ぺたりとベールの肌に触れる。
「ひゃっ……!?」
突然の出来事と筆及び塗料が肌に触れた感触で、びくりと肩を震わせるベール。反射的に振り払おうとする……が、筆がベールの肌に塗料を塗り始めた事で、看板に書いてあったペイントとは、自分がするのではなくされるのだと、この筆がペイントを完了するまでじっとしていろという事なのだと理解する。
五度目にして発生した、受動的な指示。何故ここにきてそうなったのかと考えるベールだが、これも考えたところで分かりはしない。
(まさか、ペイントとはボディペイントの事ですの…?)
胸元に、脚に、背中にと分担する形で動く筆は、何やら明確な完成図があって塗料をベールへと塗っている様子。所謂ボディペイントである事に気付いたベールは、どんな絵を描かれるものかと困惑しながらじっと待つ。指示の存在は勿論だが、下手に動いてペイントがおかしくなり、質の低い落書きのようになってしまっては敵わないという思いもあって、完成を待とうと考える。
筆が肌の上を走る感覚は擽ったく、塗料も冷たかったが、所詮は待つだけ。この時ベールは、そう考えていた。しかしすぐに、それが誤りであったと知る。
「ぁふっ、んっ…は、ぁっ……♡」
初めこそ、本当に何でもなかった。冷たさはむしろ、火照った身体に心地良い位であった。だが筆が乳房の先端付近に、内股や臀部に近付くにつれて状況が変わる。段々と、多少擽ったいでは収まらないような感覚を抱き始めてしまう。
「わ、わざとですの…?それ、と…もぉぉ……っ♡!」
じわじわと、塗りながら筆が近付いていく。乳首に、股間に、尻たぶの間に。人も女神も変わらない、感じ易い部分へと着実に迫っていく。
その中で、ベールは自覚していた。自分が今、感じていると。筆で感じてしまっていると。それ自体も恥ずかしいものだったが、恐ろしいのはまだ直接敏感な場所に触れられている訳ではない事。今の時点でも感じてしまうのなら、直接触れられた時には一体どうなってしまうのか。ベールは緊張で生唾を飲み込み……遂に筆が、乳首に触れる。
「〜〜〜〜っっ♡!」
びくびくっ、と震える身体。予想を大きく超えて迸る快感。両乳首、秘部、尻穴と四点を同時に筆が走り、ベールは思わず目を見開く。
「(な、何ですの!?何なんですのっ!?先程っ、自分で触った時とは大違い……)んひぃっ♡!」
それぞれの乳首を塗る筆は付け根から先端に、秘部と尻穴の筆は端から中心へ掘るように動いた事で、はっきりとベールは喘いでしまう。その後も筆が塗る為に往復する度、ベールはビクつき声を漏らす。
幾ら乳首以外も、力以上に敏感な場所も同時に塗られているとはいえ、こんなにも感じるのはおかしい。そう思うベールであったが、おかしいからといって何か出来る訳でもない。逃げてしまえばそれで済むが、筆は追ってくるかもしれないし…むしろ逆に追ってこなかった場合、そしてその時点でもう動きを止めてしまった場合、ベールはここから出られなくなる。そうなればここまでしてきた事も水の泡となる以上、ここはとにかく我慢するしかない。
「くぁっ、ぁ…♡!どうしてっ、そんな…ここだけ、集中的に……っ♡!」
毛の先端で撫でるように、毛の根本で擦るように、全ての筆がベールを弄るように上下左右へ繰り返し動く。それまでは滑らかに手際良く塗っていた筈が、ここにきてやたら集中的に、何度も何度も同じ場所を塗ってくる。魔法か何かが用いられているようで、どれだけ塗っても塗料が切れる気配はない。
加えてベールの心には、筆で塗られて感じてしまっている事への恥ずかしさが募る。羞恥心から我慢しようとし、我慢するからこそ余計に快感を意識してしまい、腰が震える。甘い刺激にひくひくへこへことどうしても腰が動いてしまう。
(あ、ああっ、駄目ですわ…っ♡!このままではわたくし、わたくしぃぃ……ッ♡!)
身体の内側で、悦楽がどんどん溜まっていく。膨らみ、限界に近付いていく。無論、ベールとて分かってはいる。このまま快感に流されてしまっては駄目だと。このまま頂点まで達してしまっては、ボディペイントでそうなってしまっては、どうしようもない恥であると。
耐えなくては。その一心で、ベールは歯を食い縛る。食い縛ろうとする。だがそんな抵抗は筒抜けだとばかりに、次の瞬間新たな筆が箱から飛び出す。
「ふひゃあぁああぁあんっっ♡!?」
何が起きたか把握する間もなく、突然出てきた追加の筆はベールの腋を、臍を、足の指の間を奇襲。一気に刺激は、快感は増大し、我慢出来ずにベールは仰け反る。
されど筆は、予想に反してベールに追従。よく言えば多少動いた程度では問題ないと判明した訳だが、同時にこれはこの程度では逃げられないのだという証明。そこから筆は、更に細かくベールの肌を塗りたくり、彼女の思考をも真っ白く染める。もう駄目だ、耐えられない、そんな思考すらベールは出来ず……
「あっ、イっ、イくぅっ♡!イッ……、──え…?」
だが、不意に筆は離れた。頂点を超える正にその時、寸前の寸前で、ふっと全ての刺激が纏めて消失した。
訳が分からず、茫然となるベール。自然と目は筆を追い…しかし気付けばもう、筆は全て箱の中に戻っていた。浮きもしなければ動きもしない、ただの筆になっていた。
そうして、ベールは気付く。いつの間にか、部屋の奥に姿見が一つあった事に。そこに映る、自分の姿に。
「…こ、これは……」
白を基調に、緑と黒があしらわれたボディペイント。首周りと胸、腰回りと手脚に塗られた絵。それは、ベールにとって見覚えのあるものであった。見覚えがあるどころか、一目見ればすぐに分かる…他でもない、グリーンハートのプロセッサユニットであった。勿論ボディペイントである以上、翼や浮遊ユニットはなく、突起の再現も出来てはいないが、だとしても肌に密着している部位に関しては、かなりの精度で塗られていた。
「…ぅぐ…ぶ、侮辱された気分ですわ……」
一瞬ベールはその再現度に驚いた。しかしすぐに恥ずかしさが募る。当たり前だが、ボディペイントは好きでもなければ基本的に恥ずかしいものであり…しかも再現度こそ高いものの、あくまで肌に塗られているだけ。隠れるべきところが隠れている訳ではなく…目一杯勃起した乳首や乳輪、今やぐっしょりと濡れた秘部などが、くっきりと見えてしまっていた。加えて本来ならばヒール状のパーツで覆われている足の指も今は普通に見えており、丸見えな乳首や秘部と合わせてどこか間抜けなようでもあった。
(…それ、に……)
少しばかり冷静になった事で、頂点まで昂っていた…達する直前でその解放先を奪われ、もどかしく疼く全身の熱がぶり返してくる。一度は頭を振り、考えないようにして部屋を出ようと考えたベールだったが、欲求は微塵も頭から離れてくれない。
脈打つように疼く膣。切なくて切なくて堪らない乳首。身体は燃えるように熱く、解放を求める。何も考えなければすぐにその事で頭が一杯になり、別の事を考え気を紛らわせようとしても、欲求が瞬く間に思考を塗り潰してくる。おまけに今の自分の姿、破廉恥極まりないボディペイントに塗られた自身の肢体を見た事で、ベールの心は更に掻き乱され…ベールの理性は、押し負ける。
「あぁもう、我慢出来ませんわっ♡!」
ばっ、と伸ばした手。その先にあるのは、しっかりと塗られた自らの秘部。ベールの手は割れ目を捉え、指先が開き…そのまま指を膣へと突っ込む。
瞬間、頭の中で快楽が弾ける。全身を責められていたとはいえ、所詮は表面を刺激していたに過ぎない筆とは違う、女性器を直接弄る快感。ただ指を入れただけでも腰はがくんと大きく揺れ、ベールは軽く仰け反ってしまう。
「はふぁあぁんっ♡!や、やはり身体がおかしいですわ♡さては、んっ…♡あのシャワーに、何か仕込まれて…ふひぃぃッ♡!」
指二本を膣へと挿れて、ぐちゅぐちゅと音を立てながら掻き回す。もう一方の手も流れるように乳首を摘み、鈴を鳴らしながら先端をこねる。
思えばシャワーを浴びて以降の熱は異常だったと、あの湯には媚薬か何かが混ぜられていたのだろうと、ベールは両手で性感帯を弄りながら考えていた。勿論ベール自身にその真偽を確かめる術はないのだが、今のベールにとっては、尤もらしい理由があればそれでよかった。扉がもう開いているにも関わらず、脱出の為に探索を続けなければいけない筈の中で、欲求に負けて自慰に勤む…そうする自分を、正当化する事さえ出来るのならば。
「これはっ、集中して探索をする為っ♡一旦身体を鎮める為にしているだけですわっ♡!だからセーフ、セーフなんですッ、の"ぉ"ぉッ♡!ああっ、これいい♡!胸の奥まで響きますわぁああぁッ♡!」
一際疼くのは、両乳首のクリップで挟まれた部位。膣から指を抜いたベールは衝動のままにクリップを両方摘み、より強く乳首を挟みながらぐりんと捻る。引っ張り、揺らし、豊満な乳房へぐりぐりと押し込み、徹底的に乳首を弄る。
そうしている内に刺激を失った膣が恋しくなれば、今度は両手を下半身へ向かわせる。再び膣へ指を挿れると共に、陰核も指の腹で上下に擦る。膣と陰核、左右の乳首、また膣、また乳首と、情欲のままにベールは何度も往復する。股は開き、膝も外側を向き、知らぬ間に情けなく品のない蟹股立ちになってしまっていたが、それも気にせずベールは目一杯自慰に耽る。
「あっ、はッ、ああぁんっ♡!くるッ、クるッ、今度こそくるぅぅううぅっッ♡!」
一度寸前まで昂っていた事もあり、そう時間がかかる事もなくベールは再び昇り詰める。先程は寸前の寸前で止まってしまった、酷い寸止めを喰らってしまった、しかし今回は違う。今は止めるのも続けるのも自分次第。そして、ベールに止める気などない。いや既に、衝動に突き動かされる身体は止まらない。
指を付け根まで、届く限界まで膣へと押し込む。大きく豊かな乳房だからこそ出来る、片手で両方の乳首を掴む形を取って、そこから強く圧迫する。更に駄目押し、自分へのトドメとばかりにベールは膣壁を引っ掻き、思い切り乳首を捻り上げ……溜まりに溜まった欲求は、破裂。
「んぁはぁああぁああああぁあんんッッ♡♡!」
がくんっ、と腰が大きく揺れる。背筋を快感が駆け抜け、顔が上向きとなった状態で舌を突き出す。仰け反り、蟹股の姿勢から更に爪先立ちとなり…全身をびくんびくんと震わせながら、ベールは絶頂。迸る快楽を感じながら、部屋内に嬌声を響かせる。
凄まじい悦楽だった。ここまで深く、熱く痺れるような絶頂を迎えるのは初めてだった。あまりの刺激に暫くベールは身体を自由に動かせず、びくんと震える度に鈴が鳴る。絶頂している事を伝えるように、その時間を示すように、高い音を何度も鳴らす。
「はーっ…♡はーっ…♡や、やはり一度イっておいて正解でしたわ…こ、こんなにも溜まった状態で探索を続けるなど…んんっ……♡」
たっぷりと時間を掛けて、ベールの正常な思考は戻ってくる。心地良い余韻に浸りながら、いつの間にか顎へと垂れていた涎を拭う。
落ち着いてしまえば、また羞恥心が募ってくる。何が何だかよく分からない場所で絶頂するまで自慰をしたのだと思うと恥ずかしく、目の前にある姿見にはその痴態が全て写っていたのだと考えると、頬が熱くなってしまう。
とはいえ、そこまでしたおかげでベールは落ち着く事が出来た。実のところ、まだ身体には火照りがあるのだが…流石にここで再度性器を弄り始めるベールではない。
「わたくしにここまでさせた事、必ず後悔させますわ……」
もうこれは絶対に人為的なもの、少なくとも純粋な自然発生によるものではないだろうと思い、ベールは一層の意思を持ちながら部屋を出る。一先ず酷い状態は脱した事と、自慰と絶頂により色々吹っ切れた事があってか、今の姿に恥じらいながらもずんずんと廊下を進んでいく。
「……!今度はここですのね…いい加減、姿を見せなさいな…!」
開く扉を見つけたベールは躊躇無く開け、中に入る。しかし、この部屋には何もない。看板も箱もなく、それ故に何をどうしたらいいのか分からない。
一瞬ベールは、外れの部屋もあるのだろうか、と思った。次に、どこからか黒幕が現れたりするのか、と想像をした。されど、どちらでもない。どちらでもなく……次の瞬間、困惑するベールへ背後から衝撃が走る。
「んな……ッ!?」
太い縄か、ベルトか、或いは拘束魔法か。何れにせよ、何かがベールを背後から襲い、両腕を絡め取る。抵抗する間もなく、ベールは後ろ手に拘束されてしまう。
その事に驚愕しながらも、すぐさま振り向くベール。だが、振り向いた先には誰もいない。首を振り左右に目をやるも、やはり部屋の中にいるのはベールのみ。
ならばこれはどういう事か。一体何が起きたのか。ベールの頭には、そんな当然の疑問が浮かび…しかしそれについて、ベールが考える余裕はなかった。
「ひゃっ…!?こ、今度は何が……ひぃっ!?」
つん、とベールの肛門に何かが触れる。細く硬い何かが触れて、思わずベールは少女の様な悲鳴を上げる。
とはいえ、そこまではまだベールも冷静だった。冷静でいられた。されど次の瞬間、硬い何かが肛門の中へ入り込んできた事でベールは泡を食う。顔は青ざめ、一気に取り乱す。
「や、やめっ、そんな……ああッ♡!」
腕の拘束を何とかしようとするも、がっちりと固められた拘束はまるで外れず、ならばせめてと尻を振る。誰かが見ていたのなら、笑われてしまうような光景…などと考える余裕もなく、必死になって『それ』を振り払おうとするも、ぴったりと付いてくるその存在には全くの無意味。そしてベールの抵抗虚しく、ずぶりっ、とベールの肛門は深くまで挿される。
それだけでも屈辱。異物感と痛みが同時に広がり…しかしそれに苦しむ間もなく、更に何かが直腸の中へ押し寄せてくる。
「はひんっ♡!なんですのっ、なんですの"ぉぉっッ♡!?」
どろり、ごぽりと広がっていくそれは、明らかに液体。それが差し込まれた棒状のものからどんどんと押し寄せ、直腸内を満たしていく。
(まさか、これは…浣腸……!?)
自分が今されている事に気付き、更に青くなるベール。目一杯尻を振り回し、必死になって浣腸液を送り込んでいる容器を振り落とそうとするが、やはり全く通用しない。その内に腹部が張り始め、動き回るのが次第に辛くなっていく。本来の力が発揮出来る状態ならまだ違ったかもしれないが、今は身体の頑丈さや耐える力も落ちてしまっているらしく、ベールは不快感に抗えない。
「はぁ…はぁ…お、お腹がぁぁ……っ♡!」
いよいよ動きが鈍くなり、ベールは前屈みに。辛い。苦しい。だというのに何故か、また熱がじわじわと忍び寄ってくる。上手く言葉に出来ない切なさが直腸から肛門へと伝播していく。
そうして気付けば、ベールの腹部はぽっこりと膨らんでいた。ずしりと重く、まるで妊婦の様だった。
「これでは、満足に動く事も…んひぃっ♡!?あ"っ、い、今抜くのは駄目ですわっ!ぅ"、ぐっ…ふぅうぅぅ"ぅ"……ッ♡!」
こんな状態で、一体どうすれば。そんな思考をまるで読んだかのようなタイミングで、空になった容器は抜ける。これまでの張り付き具合がまるで嘘だったかの如く、あっさりと外れ…次の瞬間、急速な便意に襲われる。たっぷりと注ぎ込まれた浣腸液が、肛門へ向けて殺到する。当然ベールは肛門を締め、目一杯力を込めて浣腸液の噴出を避けようとするが、注ぎ込まれた液体はあまりに膨大。浣腸液によって排泄が促進され始めた事と、張った腹部の苦しさも手伝い、出したいという衝動が心の内を駆け巡る。
だがここで漏らしてしまえば、大恥も大恥。誰も見ていなかったとしても、恥辱として心へ刻み込まれてしまうのは明らか。それは嫌だと、必死の思いでベールは耐える事を考える。それでも便意はあまりに強く、漏らしてしまうのは時間の問題…そう、思った時だった。
「──ぐひぃぃッッ♡!?」
ぶすりっ、と音が鳴りそうな程の衝撃と共に、再び何かがベールの肛門へ挿し込まれる。しかしその形も太さも、明らかに先程までの容器とは違う。幾つもの玉が連なったような、長い棒状の何かが直腸の奥まで一息に挿し込まれ、またもやベールは品のない悲鳴を上げてしまった。
見えない、分からない。ただまた別の何かを挿れられたという動揺だけがベールの心の中を渦巻き…しかし数拍の間を経て、ベールは気付く。
(こ、この形状…ひょっとして、アレなのでは……!?)
球体が連なった形状の棒。後孔へと挿し込まれた事。そして媚薬か何かの影響を今も受けている頭という要素からベールが思い浮かべたのは…アナルビーズ。いよいよ直接的な性具が出てきた事で、再びベールは顔を赤くするが、同時にこの時、挿入されたアナルビーズによって、浣腸液は堰き止められていた。幸か不幸か…というより十中八九意図的ではあるのだろうが、アナルビーズは肛門の蓋となっていた。
「ほ、本当に…とことんまで、わたくしを弄んでくれますわね…ぁくっ……♡」
少しの時間、ベールはゆっくりと呼吸を繰り返した後、静かに…腹部へ衝撃を極力与えないようにしながら動き出す。漏らし、撒き散らすという最悪の展開は一先ず遠ざかったものの、便意や苦苦痛は当然変わらず、それどころかアナルビーズによる圧迫感で苦しさはむしろ増している。それでいて、苦しさだけではない…動く拍子にアナルビーズと腸壁が擦れると、微かな気持ち良さも感じてしまう今の自分にやるせなさを抱く。
それに何よりベールへ屈辱を与えているのが、ここまでずっといいようにされて、恥を晒してきてしまった事。だからこそ、屈するものかとベールは心を奮い立たせ、苦しみに耐えて部屋の扉の前まで来る。しかし今は、依然として両腕を後ろ手に拘束された状態。これでは扉を開けるどころか、ドアノブを掴む事も出来ず…悔しさで表情を歪めながらも、ベールは顔をレバーハンドルへと引っ掛ける。そのまま顔でハンドルを動かし、身体全体で扉を開ける。
「ふぅ…ふぅ…ふっ、くぅぅ……っ!」
腹部の苦しさで前傾姿勢となりながら、ベールは廊下を歩いて回る。歩き回るだけでも辛く、扉の開け閉めさえも一苦労。そんな状況がもたらす感情は屈辱のみに留まらず、ベールは惨めな気持ちにすらなる。
しかし辛くとも、ベールは諦めない。女神の強靭さは能力だけに頼ったものではないのだと、ここまでコケにされて泣き寝入りなどしてなるものかと、心を奮い立たせて一部屋、また一部屋と力を振り絞って回っていく。
(便意が、どんどん増していますわ…もう恥なんていいからひり出したい、アナルビーズを引き抜いてしまいたいと、本気で思ってしまうだなんて……)
何度もベールの腹部からは苦痛を訴える音が鳴る。波の様に便意が跳ね上がる瞬間が何度もあり、その度にベールは立ち止まり、床を握り締めるようにきゅっと足の指に力を込めて何とか耐える。もし腕を拘束されていなかったら、自分は苦痛の継続と引き換えに浣腸液を堰き止めているアナルビーズを引っ張り出していたかもしれないと、誇張表現なしに思う。
そんな状態、重く緩慢になった足取りで必死に回る洋館内。これまではもっと早く回れていたのに、ともどかしさを抱きながらも、脂汗を垂らしながらベールは洋館十を周り……遂にベールは、開く扉へ辿り着いた。
「頼みますわ…どうか、ここで最後となりますように……!」
願いを込めて、扉を押す。そしてベールは中を見やり…内装がこれまでと違う事に気付いて、息を呑む。
「…終わり、ですの…?…いや、だとしたらここでは一体何を……」
一瞬歓喜したベールだったが、決して出口があった訳ではない。あくまで今までの部屋とは違うというだけであり、ベールは浮ついた心を落ち着かせる。同時に先程は油断していたところを後ろから拘束されてしまった為、警戒しながらゆっくりと進む。
部屋の中に、これまでのような看板や箱はない。シャワールームの様になっている訳でもなく…代わりにあるのは、人が乗れる大きさの台座…の様なもの。他に気になるもの、目を引くようなものはなく…ベールは台座へ、ゆっくりと近付く。
(恐らくこれは、乗れという事…。そして乗る事により、何か起こる可能性が高い。…正直、乗る事で良い何かが起こる気なんてしませんけれど…乗るしか、ありませんわね……)
これは、見えている罠を踏みに行くようなもの。しかし踏まずに進む事は出来ないのだからと、意を決してベールは台座に乗る。乗った瞬間、というより足の裏が触れた瞬間、石で出来た台座のひんやりとした感触が伝わり…ベールは台座の上に立つ。そして、乗った状態でじっとしていると…不意に両腕の拘束が外れる。
「……っ!(もしや、これは本当に……)」
やっと解かれた拘束に安堵するベール。すぐにアナルビーズを抜きたい衝動に駆られるが、後少しの辛辣かもしれないのだから、とぐっと堪える。
だが数秒後、途端に堪えるのがキツくなる。括約筋に力を込め、尻を閉めていた筈が、そこから力が抜けてしまう。一瞬ベールは訳が分からず…次の瞬間、気付く。
「なっ、あぁ…っ!?脚が…脚が勝手に……っ!?」
踏ん張っていた筈の脚。台座をしっかりと踏み締めていた筈の足。その脚が、ベールの両足が、気付けば何かに引っ張られるようにゆっくりと左右へ開き始めていた。
勿論ベールに、脚を開くつもりはない。されどベールの意思とは関係なく、どんどん股は広がっていく。慌てて両手で押さえようとするも止まらず、そのままベールはバランスを崩してすとんと尻餅を突いてしまう。
その上で、尚も脚は止まらない。大きく開いたかと思えば、今度はがばりと持ち上がり、股を広げて見せ付けるような格好…所謂V字開脚となってしまう。
「なんですの…!?何が、起きて……、──っ!?」
脚の動きを止めようとしていた手すらも自由が効かなくなり、脹脛を掴んだ状態から離れない。何とか腕や脚を動かそうとするも、手足は虚しく震えるだけ。訳が分からないまま、恥ずかしい事この上ない格好をさせられたベールは耳まで真っ赤になり…だがその直後、脚が灰色になり始める。
それも、ただ色が変わっていくだけではない。それまでは力を込めれば震えていた脚が、変色と共にぴくりとも動かなくなっていく。──まるで、石にでもなってしまったように。
「ひ…ッ!?くッ、ぅ…!どうして、動け、ないッ…んですのぉ…ッ!」
脚先から膝へ、膝から腰へ。どんどんと変色…否、石化は進んでいく。その衝撃と恐怖にベールは便意や苦しさなど忘れ、必死になって逃れようとするが、身体はまるで動いてくれない。それどころか全く動かない、身体の形をした石へとみるみるうちに変わっていく。
決して進行速度は早くない。だが動けないベールにとっては、むしろ余計に恐ろしい。その内に石化は上半身にも及び、胴が、胸が、両の腕すら固まっていく。いよいよベールは、首から下が完全に固まり…最早顔すらも、石化するのは時間の問題。
「そんなっ…ぁ…いや──」
首に、顔にすら石化が及び、もうベールは何も出来ない。声が出なくなり、ベールは一切外部へと何かを発する事が叶わなくなり……そして、完全に石化。頭の先、髪の先まで一片残らずベールの身体は石となり……残ったのは、無言の空間と石像と化したベールだけ。当然ベールの意識も、石化と共に完全に途絶え……
(……──っ、ぅ…?)
だが、ある時不意にベールの意識が蘇る。ベールは、自分にまだ意識があるという事に気付く。
「──」
しかし当然、声は出ない。微かにすらも、ベールは動けず…その上で、意識はある。…否、意識だけではなく、目もきちんと見えている。そへはまるで、金縛りのような状態であり…更にもう一つ、ベールは気付く。気付き、愕然とする。
(こ、ここは教会近くの噴水公園ではありませんの…!?どうしてここに…いえそれより、こんな格好では……っ!)
そう。一体どういう訳か、ベールは洋館の外、リーンボックスの生活圏内へと戻っていた。だが、脱出出来たと喜べるような状況ではない。意識と五感はあるものの、今もベールは指先一つ動かせない石像そのものであり、しかもV字開脚という破廉恥極まりない格好。そんな状態で、不特定多数の人間が訪れる場所に現れたらどうなるか…そんな事は、考えるまでもない。
「…うん?あんな所に像なんてあったかしら」
「えー、どうだっけ?っていうか…あれ、なんかちょっとグリーンハート様っぽくない?」
「うっわ、よく見たら股をおっぴろげてる格好じゃん。え、何?タイトルは挿入待ちの像とか?」
「いやいやまさか…けど、これもアートってやつかねぇ?ただのエロ像にしか見えねぇわ」
よりにもよって、今ベールがいるのは噴水の中央。そこに台共々オブジェの様に置かれており、ベールの存在に気付いた者はその感想を口々に話す。石像が実はベール本人だとは分かる筈もなく、遠慮のない言葉があちらこちらで発される。
(〜〜〜〜っっ!こ、こんな…こんなのぉ……っ♡!)
洋館の中では感じる事のなかった人の目。それを次々と、しかも自国民から向けられる事で、ベールは凄まじい羞恥心に苛まれる。今すぐにでも隠れたかったが、今は何をする事も出来ない。
そのままベールは、絶えず視線に晒される。奇異、困惑、辟易…更に時には劣情の視線までもが、顔に、股に、胸に、尻に、全身に向けられる。それは耐え難い恥辱であり、あまりに辛い時間であり……だというのに、ベールの身体の奥底からは、また『熱』が湧き上がる。恥ずかしい筈だというのに、老若男女問わず視線を向けられ、破廉恥な像としての感想が聞こえる度に、ベールはゾクゾクとしてしまう。
(い、いけませんわ…!気を、気を強く持たなければ…!とにかくまずは、石化をどうにかする方法を……)
「おかーさーん。もうすぐ水がばーってなるんだよね?」
「えぇ、そうよ。…あ……で、でもあんまり近付いちゃ駄目よ?特にあの石像の所は行っちゃ駄目だからね?」
(……っ!?ぅ、あ、なんですの…!?また、急に…お腹、が……っ♡!)
無垢な瞳を向ける子供と、石像と化したベールの格好に気付いて引いた表情を見せる母親のやり取りが聞こえてくる中、忘れていた便意が凄まじい勢いでぶり返す。咄嗟にまた力を込めて耐えようとするベールだったが、今は何も抵抗出来ない。
しかも、あろう事か肛門を蓋してくれていたアナルビーズが、便意に負けるようにゆっくりと直腸から抜け始める。球が一つずつ肛門を刺激しながら外へと出て、頼みの綱たる蓋はどんどん緩んでいく。
(ああぁ駄目ですわっ♡!止まって、止まって下さいましぃいぃぃッ!でなければわたくしっ、わたくしぃ……──あっ…♡!)
いよいよ残り一球となったアナルビーズ。肛門から垂れ下がる形となったそれは、ベールの願いも虚しく最後の一球すらも抜けてしまう。完全に抜けた事で落ち…戒めを解かれた肛門は、待ってましたとばかりに膨らむ。
ベールは決して諦めた訳ではない。もしこのまま便意に負けてしまったら…それを想像した瞬間、石化していなければ全身が震えていたであろう程のゾクゾク感が駆け巡ったが、同時にそうなれば女神としても女性としても終わりだと懸命に肛門を閉じようとした。
されどこうなってしまえばもう、ベールは無力。完全に無力。頭がくらくらするような熱と昂りの中、ベールは一瞬たりとも堪える事など出来ず……公園の時計が音を鳴らした瞬間、それを合図とするかのようにベールの肛門は決壊する。
(駄目ですわっ、駄目駄目ダメダメぇっ♡!止まってっ、止まってぇぇぇぇええええっ♡!!)
たっぷりと溜め込まれていた浣腸液が、V字開脚で見事に晒した肛門から噴き出す。それと共に噴水も起動し、ベールの周囲でも水が上がる。それはまるで、ベールも噴水の一部となってしまったかのような光景。噴水が上がった事により、先の子供は勿論、近くにいた者達の視線も自然と噴水に引き付けられ、これまでで一番多い数の目がベールを見る。肛門から液体を噴射する、女神似の石像を周りの者が揃って認識する。そして……
「…何あれ、変態じゃん」
(……──ッッ♡!ぁああああぁあぁぁああぁあッ♡♡!)
誰かの言った、ぼそりと聞こえた、何よりも鋭くストレートな言葉。数多くの視線が集まり、股間が疼いて仕方のなかったベールにその言葉がトドメとなり……浣腸液を噴き出ししながら、多数の人間に見られながら、ベールは絶頂した。内側からの噴射の刺激と、恥辱と、何より視線でベールは達して潮を吹いた。そうして撒き散らされる、それも体勢的に浣腸液と違って上へ向けて噴き出す潮は、正に噴水の様であり……そのあまりに下品で屈辱的で、されど突き抜けるような絶頂感は、ベールの心へ鮮烈な快楽と共に深く刻み付けられるのだった。
*
「……はッ…!?…い、今の、エロトラップダンジョンの派生みたいなのは…夢、ですの…?」
朝。目が覚め状況を理解したベールの、最初の言葉。そこに籠っていた感情は困惑であり…そこから発された吐息に込められていたのは、深い安堵。夢の内容を思えば安堵するのは当然の事であり、それから如何にも夢らしい無茶苦茶な展開や、その中で自分が快感を覚えてしまっていた事に対して呆れにも似た苦笑を漏らす。そんな事がある訳ないと、心の中で一蹴する。
しかしベールが見たのは、これでもかと言う程リアルな夢。それこそ頭にこびり付いていそうな程の、忘れたくても忘れられない記憶。故に夢だと思考の上では理解していても、心は簡単に割り切れず……その後暫くの間、ベールは人の視線を感じる度に顔を赤くし、一人ドキドキとしてしまっていたとか。