灰色のひめしずか 作:かわいそうなのでも抜ける猫
あれから、一体どれほどの時間が経っただろうか。
数日か、数週間か。常人ならば既に枯渇してしまうほどの時間。それが経過してもなお、しかしゼルダは気丈に耐え続けていた。
全ては、厄災を封じるために。
そして、いつもそばにいてくれた彼と再会するために。
ゼルダは耐える。必死に、耐える。
――――けれど。
「……はぁっ、はぁっ……」
枯れた口が、水分を求めるように儚げな声を上げる。体中から奪われた潤いを求め、舌が虚空に投げ出された。
ガノンの体内は、並々ならぬ熱気で満たされている。ただそこにいるだけで、汗が噴き出て止まらないような、それほどの熱気であった。現に、ゼルダも汗が止まらず、頬を著しく紅潮させてしまっている。
そんな汗を、触手が舐め取って。
「うあ……っ」
まるで舌のように。唾液を滴らせた舌のように。
飴玉を舐めるが如く、丁寧に、丁寧に。ゼルダの玉のような肌を、じっくりと舐め回す。その肌を濡らす汗を、味わうかのように。辞め取った下にある柔らかな肌を、なおもしゃぶり尽くすかのように。
その厭らしい手付きに、ゼルダは顔をしかめた。もう何度も受けてきた辱めだったが、ほてった体は彼女の脳に鮮烈な感覚を変わらず送り続けている。
全身を舌で舐め回されるという、身の毛もよだつような感覚。ゼルダの口から、小さな喘ぎが漏れ始める。
「くあっ……」
不意に、彼女の秘裂に触手が走った。細かな、まるでイボのような触手を無数に生やしたそれが、彼女の花びらを荒々しく擦る。
襞と、陰核と、その下の窪みを。それら全てを同時に擦られ、イボの感触を直接叩き付けられたとなれば。彼女の健闘虚しく、果ててしまうことだって、致し方ないのかもしれない。
「……っ――――ああぁぁっ!!」
喉の渇きも忘れ、少女は叫んだ。
自分でもまだ名前を知らない、全身を駆け回るその感覚に思わず叫んだ。
体中の神経という神経を、電気のようなものが走る。それに体中が彼女の命令を放棄して、ただひたすらに全身を緊張させた。
指先は開き、足先は伸び、思わず首が仰け反って。粘液で塗れて汚された髪が、大きく翻される。
「……はぁっ、はぁっ……今、のっ……」
何度もその感覚に襲われているのに、まるで正体が掴めない。
ただ一つ確かなことは、そう何度もあんな刺激を与えられれば、とてもじゃないが耐えられない、ということだ。
これを続けられたら、いつか本当に自分は意識を手放してしまうのではないか。ガノンを抑えつけることができなくなるんじゃないか。そんな強い不安が、彼女に襲い掛かった。
「……リンク……リンク……っ、早く、早くきて……っ!」
懇願するように、瞳からは大粒の涙を溢して。
想い人の顔を思い浮かべながら。助けを乞うように。少女はただ、嗚咽を混ぜながら叫んだ。
そんな彼女の頬を、あの舌のような触手が撫でる。張りの良いその頬を、そしてそれを伝う涙を。触手は、美味しそうに舐め取った。
「いやっ……やめっ、やめてっ……!」
ゼルダは首を逸らしてそれを避けようとするものの、大量の触手を前では、それから逃れることは不可能に近い。
両の頬を、そしてまつ毛の長いその目元を。必死に目を瞑っているのもおかまいなしに、触手は彼女の涙を一滴残らず舐め取っていく。
それどころか、無遠慮に彼女の口内に潜り込んだ。
「ぁっ……~~っっ!!」
入り込んだ大量の触手は、まず最初に彼女の舌に絡みつく。
唾液にまみれたそれに、ゼラチンの如き柔らかさのそれに。大量の触手が、その舌を絡ませた。
一度に複数人と深い接吻をするような、されど現実ではありえないそれを、触手たちは決行する。それは、唇を重ね合わせる程度のことを、まだたった一度しかしていない少女にとっては、非常に厳しい行為だった。
「……っ、っっ!」
入り込んだ触手は舌だけでは飽き足らず、温かな頬をも舐め回す。歯茎を撫でて、歯の一つ一つ、その隙間までふき取るように、念入りに彼女の口内を弄った。
そうして、さらに唾液を奪っていく。唾液の代わりに、触手の苦く臭い粘液で無理矢理に口内を潤されていく。
「――――っっはっ、はぁっ……!」
ようやく解放されて、大きく息を吸うゼルダ。足りなくなった酸素を何とか拾い集めるように、彼女は必死に深呼吸した。
そんな少女を嘲笑うように、再び下半身に触手が走る。
「……ひっ……」
陰核を覆う皮を剥いて、その小さな小豆を露わにさせて。
薄い桃色に染まり、小豆とも言えないほどに小さくて大人しいそれは、なんとも可愛らしいものだった。姫という肩書に違わず、純真無垢な色をしている。
しかしガノンは、それをも穢す。細い触手をもって、その陰核を摘まみ、くりくりと忙しなくつねり始めた。
「うぁっ、あっ、やぁっ……それ、ダメぇ……っ!」
今まで感じたことのない感覚に、ゼルダは喘いだ。秘部の先から伝わる感覚に、彼女の脳は沸騰し始める。
そうして染み出し始めた彼女の秘裂を、再びあの大量の舌が襲った。湧き出る愛液を、さぞ美味そうにすすり始める。
「……ぁ、あ……な、なんでっ、こんなことを……っ」
舌のように細かい触手が、全身に巻き付き始めた。どれもこれもが艶やかな舌使いさながらに、彼女の全身から噴き出る汗を吸い取っていく。脇や首筋、太ももの付け根。一つ一つ丁寧に、彼女の甘い汁を搾っていく。
たわわに実った果実も、その例外ではなかった。下から細い触手に持ち上げられて、その形を大きく揺らしながら巻き取られる乳房。そこから染み出る汗も同様に、どころかその先端の淡い蕾をも、大きな触手が覆い尽くす。
イボのような触手で満たされた、されど中央に口のような虚空をもった、まるで人の手のような形をした触手。それに乳房を咥え込まれ、中の細やかな触手に乳首を舐め回されたのなら。再び、ゼルダは羽で撫でるような声を奏でるしかなかった。
「んあっ、はっ、うぅ、うぅぅぅ……くぁっ!」
全身を回る刺激に、彼女の下腹部は大きく脈動する。
我慢し続け、溜めに溜めていたそれが、いよいよ決壊せんと膨れ上がる。
「あ……ダメ、ダメっです……っ、それ以上されたら……出ちゃう……っ!」
そう、彼女のが言い切る前に。無慈悲にも、ガノンはより一層激しく貪った。
「ひゃあぁっ……ダメ……っ!」
走る軌跡。黄金色の甘い水。
過度に攻められる秘裂の奥から、金色のような輝きの水が放たれた。
「あっ、あっ……止まっ、止まらないよぉ……っ!」
一度出始めてしまったものは、もう止められない。解放された膀胱から零れ落ちた彼女の尿も、もう止められない。金の軌跡とも言えるその放尿は、この黒いガノンの体内へと注がれる。
それを、触手が飲み込んだ。大口を開けた巨大な触手が、ずるりと床から顔を出し、さらには口を開いて放尿されるそれを飲み込んでいく。
「ひっ……」
自分の尿を飲み始める。それだけでも悍ましい光景なのに、その触手は大口を開けたまま、彼女の秘部を咥え始めた。
「きゃあ……っ!?」
咥え、ねぶり、舐め回して。そんな刺激を前に彼女は放尿を止めることなどできる訳がなく。ただ為すがままに、自らの尿を飲み干されてしまう。
そんな股の感覚で一杯になっていた彼女を、鋭い痛みが襲った。
「――――あ"っ!?」
痛みの元は、視界のすぐ目の前で脈打つ、一際大きな触手だ。彼女の乳房を咥え込んだ、掌のようなそれだ。
その奥で、彼女には見えない内部では。乳首の先端に、鋭い針が突き刺されていた。
「……あっ……いっ、痛い……っ!」
乳首の中央の、小さな窪み。本来ならば、いつか生まれるであろう彼女の赤子のためにあるその穴に、ガノンは容赦なく針を突き立てたのだった。
いや、針ではない。針のように鋭く、そして固さをももち合わせた触手だ。それが、あの穴を通じて彼女の乳腺へと入り込む。先端が分かれ、無数の細い糸のようになったそれが、彼女の乳房の中に浸透する。
「な、なにっ、これっ……」
焼けるような痛みに紛れ、乳房の中を弄られる感覚。
次いで、熱い何かを解き放たれる感覚。
「っあっ……! あっ、あ……熱い……熱いっ……!」
乳房の中に、何かが注がれる。
きっと、普通じゃない人生を送ったとしても。このような感覚を味わう者など、全くと言っていいほどいないだろう。
そんな感覚を、今彼女は味わわされている。逃げることも許されず、自らの乳房が熱く変容する感触を覚えさせられている。
乳房に、熱い液体のようなものを注がれる感覚。それに彼女は、絶叫した。
股で尿を搾られる感覚も忘れ、乳首を通して激しい痛み――いや、もはや熱いとしか感じられなくなったそれに、いよいよ彼女の頭がいっぱいになった頃。
不意に、彼女の肛門に細い触手が数本入り込んだ。
「ひっ……!?」
入り込んだそれは、ただその入り口を広げるためだけの触手。
本命は、別にあった。恐る恐る振り返った、彼女の視線の先に。
今彼女の尿を啜っているものと同様の、大きな口をもった触手。まるで巨大な芋虫のように太いそれが、彼女の小さな穴に潜り込もうとしていたのである。
「……むっ、無理っ、無理です……っ! そんなの、入る訳……!!」
腰を横に振って、その触手を逸らす。
そんな彼女の抵抗も虚しく、それはいとも簡単に滑り込んだ。ぬるぬるとした体液を撒き散らしながら、彼女の体内へと入り込んだ。
「い"っ――――ッ!!」
これだけの長い間でも、未だに誰にも入られなかった彼女の肛門は。今をもって、ガノンのものとされてしまった。
裂けかねないほどの太さのそれを、悲鳴を上げながら呑み込んでいく感覚に、当のゼルダは全身を震わせる。
内側から腹を抑えられる圧迫感。異物が入り込んだ故の圧迫感。
そして、全身を這い回るような奇妙な感覚。
体の中に入り込まれるという恐怖感も相まって、彼女の震えは止まらない。歯茎の根と根が合わなず、ガチガチと音を立てた。
「いやっ、いや……いやだぁ……」
彼女の大腸に溜まっていたのは、あとは排出するだけだった茶色の物体だ。
それが出る前に、内側に入り込んだ触手が大口を開ける。芋虫のようなそれが這い回り、中で中身を貪り始めた。腸内で排泄物を吸収されるという、あまりに悍ましい感覚に、いよいよゼルダは気絶しそうになる。
――――しかし、それをガノンは許しはしない。
「う"あぁっ……!?」
痛みのあまり、取り繕うこともできない悲鳴が漏れる。
彼女の乳房を弄っていた触手が、一斉に引き抜かれる痛み。それに、彼女は叫ばずにはいられなかった。
熱だ。
まるで溶岩のような熱さ。
それが彼女の乳房を支配して、他の感覚を失わせる。
腸内で暴れ回る触手の感覚にも負けないほどの、恐ろしい感覚。
だが、恐ろしいのはここからだった。
「……えっ……うそ……なんで……」
その熱が、零れ落ちる。
白く染まった、さらさらとした液体となって、彼女の乳首から零れ落ちた。
それを、ぺろりと舌が舐め取って。
それに気付いたように、大量の触手が彼女の果実へと襲い掛かった。
「ああぁぁッ……どうして、母乳が……!?」
本来ならば、子をなさなければ出ないはずのそれ。
それが、今彼女の胸から零れ始めている。大量の触手が、我先にとそれをしゃぶり取ろうとしている。
子、と考え、彼女は頭が白くなる。
されど、自らの腹を見ては、そうではないと言い聞かせる。
妊婦のように膨らんだ腹、とは言い難かった。
ほどよい脂肪を孕んだ、柔らかな腹。豊満な尻ながらも、腹から腰にかけては、細く美しい形をしている。健康的な女性そのものだ。
「……うっ、ううぅ……」
ゼルダは、自分に言い聞かせる。
遺伝子が同種のものでなければ、子を為すことはできない。ハイリア人は、ハイリア人とでなければ繁殖はできないのだ。
だから、如何にガノンから注がれようとも、子ができるはずなどない。そもそも、怨念に子を残すなんて、そんなことをするはずがない。
彼女は、頭の中でそう訴えかける。折れそうな心を、必死に奮い立たせた。
くちゅくちゅと音を立てながら、搾り上げられる母乳。
大きな舌に舐め回されて、少しずつ啜られていく愛液。
全身の汗を、じっくりと舐め取られていって。
糞尿すらも、ガノンの口に呑み込まれていく。
ゼルダは、自分が餌であることを知った。
ガノンが君臨し続けるための、栄養源となっていることを。彼女に宿る封印の力もろとも、ガノンは彼女を飲み干そうとしていることを。
絶え間ない凌辱に、彼女は自分の中の何かが壊れる音を聴いた。