※この作品はR-18です。

灰色のひめしずか   作:かわいそうなのでも抜ける猫

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06-虎狼

「あっ……あっ……いやぁっ……」

 

 もう何度目か分からない胎内の脈動に、ゼルダは苦悶の声を上げた。

 少しずつ復興が進められるハイラルと、それとは逆に未だ手がつけられていないハイラルの中枢。その城の天守閣に陣取る、巨大な繭のような何か。

 封印の力によって押し込められた、厄災ガノンの肉の中で。少女はただ、苦しみ嘆く。内側からそれを抑えつけながら、必死に耐え凌いでいる。

 

 ガノンは、ハイラルの崩壊を望んだ。

 

 ガノンは、彼女のもつ封印の力を求めた。

 

 ガノンは、彼女の心を折って、自らを抑え込む力を砕こうとしていた。

 

 ガノンは、彼女から体力を吸い出して、少しずつ封印の力を啜ろうとしていた。

 

 ガノンは、彼女の力に満ち溢れた体を利用して、配下の魔物を増やそうとしていた。

 

 

 

「――――あぐっ……!」

 

 今日もまた、ゼルダの体から赤子が零れ落ちる。

 

 我先にと、中に詰まった十数匹の赤子が、一斉に子宮を引っ掻いた。同時にその入り口を引き裂いて、産道へと勢いよく雪崩れ込む。

 一匹一匹が、少女の腕ほどの太さをもつ赤子たち。それが一度に出ようとしているのだ。膣は張り裂けんとばかりに広げられ、ゼルダは痛みのあまり悲鳴を上げた。

 

「あっああぁッ……一度にっ、出て、こないでぇ……っ!」

 

 そんな、絞り出したかのような悲痛な声。

 それにも構わず、奇声を上げながら飛び出る幼蟲。

 

 触手の赤子――というにはやや芋虫に近いそれらが、ぼとり、ぼとりと彼女の中から生まれ出た。その一つ一つが半固体状の粘液を滴らせて、少女の股と肉の床をどろりと繋げさせる。

 繋ぐ、といえば、少女と赤子の間に走る管だろう。少女の体から、数え切れないほどの性交と出産により赤く染まったその秘裂から。十数本の管が、ずるりと伸びている。その管の先には触手の赤子があり、それらは甲高い声を上げながら母の肉を探し求めていた。

 

「はぁーっ、はぁーっ……!」

 

 あまりに激しい出産に、一度に体力を奪われてしまったゼルダ。

 肩で息をしながら、必死に命を繋ぎ止める姿に、ガノンは何を感じるのだろうか。

 ただ、奴は無慈悲にも触手を伸ばす。もうゼルダも驚かない、出産後の胎盤を喰らう触手。その存在に少女は、ただただ歯を食いしばる。

 

「……っ!」

 

 胎内をねぶられて、残骸を欠片も残さず舐め取られる感覚。

 体内を弄られることにも、もう慣れてしまった。性交も、出産も、体中の汁という汁を吸われることだって、彼女はもう驚かなくなっていた。

 数え切れないほどに受けたその行為。さて次だ、と言わんばかりにそそり立つ肉棒。

 

「はぁ……はぁっ……くぅっ……!」

 

 擦り付けられるそれに、彼女の体はぴくんと跳ねる。

 封印の力にさえ目覚めなければ、こんなことにはならなかった。触手の挿入だけで、彼女の体はいとも簡単に壊れてしまえた。ガノンも、こんな躍起に彼女の体を啜るようなことはなかっただろう。子種を送ろうとは、思わなかったはずだ。

 この力があるが故に、彼女の肉体は衰えず、裂けかねないほどの触手にも耐えてしまう。さらに全身をしゃぶり尽くされ、無理矢理子どもを作らせているのである。

 

「……もう……いや……」

 

 ガノンを封じ続けなければならない。しかしそれ故に、ガノンの凌辱を受け続けなければならない。

 そんな奇妙な矛盾を前に、もう何度目か分からない嘆きの声を乗せたまま、彼女はまたもや貫かれるのだった。

 

 

 

 

 

 幼蟲とも呼べる触手の赤子は、封印の力を全身に滲ませたゼルダの体液を啜って育つ。あまりある栄養素を存分に貪って、少しずつその体を大きくさせていった。

 

 元々は、魔物の受肉のために繁殖されているのだ。故に、彼らの肉体はそれが本来の姿ではない。幼蟲とはよくいったもので、それはまさに羽化する前の幼虫だった。

 今日もまた、新たに生まれた赤子たちが母親の体に群がっている。

 舌と舌を這わせ、汗を舐め取り、母乳を啜り、糞尿を飲み込んでいる。

 

 一方で、十分に栄養を取り終えた幼蟲はといえば。

 一回りほど大きくなったそれらは、ガノンの魔力を受けて光り始めた。

 この世界に浮かぶ魔物の魂を取り込んで、その肉塊を魂に沿った形へと変態させた。

 

「……っ!」

 

 全身をしゃぶられる一方で、ゼルダは目の前の惨状を見ては息を呑む。

 自らが産み落とした子どもたちは、幼蟲だった頃の姿の面影も残さず、各々の姿へと変貌していった。

 野蛮な亜人調の醜悪な存在、ボコブリンに。

 巨体の割に細長い身の巨人、モリブリンに。

 

 今回赤子が変貌したのは、その二種類だった。他にもオクタロックやリザルフォスなどに成長することもあるが――今回はたまたま、この二種類だったようだ。

 変身を遂げた魔物たちは、それぞれが住んでいた場所を目指し始める。母親への愛情もまるで見せずに、ただただ本能的に移動をし始めた。

 ガノンの力なのだろうか。体が一時的に闇の塊へと変わり、封印の枠をするりとすり抜けていく。

 

「う、うぅ……」

 

 不甲斐無い。そんな思いで、ゼルダは自らを責め立てた。

 ガノンを封印しておきながらも、その配下の魔物を塞ぐことはできないなんて。大元を捕らえることはできても、小さな穢れを拭きとることはできないだなんて。

 これじゃあ、ちっともリンクのためにならないと。歯痒い思いを胸に、ゼルダは自らの口を強く噛んだ。

 

 そんな彼女に掴みかかる、大柄の影。

 

「えっ――きゃっ……!?」

 

 久しく感じたことのなかった、手らしい手の感触。

 それに思わず顔を上げると、目の前には先程移動したはずのモリブリンの姿が、一つあった。彼女の産んだ、魔物の姿があった。

 

 イレギュラーなのか、はたまたガノンの意図なのか。それも分からないゼルダだったが、荒い息を上げながら彼女の腕を掴む魔物を前に、ただ身構えることしかできない。

 その仕草は、とてもじゃないが母への愛情を示すようなものではなかった。

 もう耐えられんと言わんばかりに襲い掛かろうとする、獣らしい本能に満ちた姿。ゼルダに、自らを産んだ存在に襲い掛かろうとする悪魔の姿だった。

 

「ひっ……なにっ、なにするの……っ!?」

 

 その形相にゼルダは怯え、その身を委縮させる。

 させる背後から、彼女の背中を大きく舐めるもう一つの影。

 

「きゃっ……!?」

 

 背後にいたのは、ボコブリンだった。

 ボコブリンが、その大口から舌をべろりと覗かせている。粘度の高い涎を滴らせながら、ゼルダに向けて獣のような眼光を向けている。

 

「なっ……なんで……」

 

 怨念の肉に包まれた、この暗い闇の中で。

 周りが触手で囲まれて、逃げ場のないこの世界の中で。

 少女一人と、彼女に欲情する魔物が二匹。鼻息を荒立たせ、腰の一物を大きく膨らませる魔物が二匹。

 

「いやっ、来ないで……あっ!」

 

 逃げようとして、されど出産に奪われた体力によって満足に動けない。それでも必死にたじろぐ彼女に、周囲の触手が絡みついた。

 持ち上げられた腕によって、彼女は脇は露わになって。腹はもちろん太ももまで持ち上げられて、彼女の体は宙に浮く。

 腰より高いところに絡めとられる両膝。抉じ開けられる、彼女の花弁。さながらM字状に開脚させられて、ゼルダは思わず顔を逸らした。

 

「……やだ、こんな格好……っ」

 

 無理矢理開かれ、露わになった秘部に向けて。モリブリンは、我慢できなくなったかのように吠えた。背後のボコブリンもまた、抑えられんと言わんばかりに雄叫びを上げる。

 そうして、前も後ろも同時に、その汚い男根を突き立てられた。

 

「あ"っ……ッッ!!」

 

 心の準備の、そのまた準備。それすらさせてもらえずに、いきなり行われる本番行為。

 それに少女は小さな悲鳴を上げるものの、荒ぶる獣たちはそんなものはまるで気に留めなかった。

 ただ、狂ったように腰を振る。

 かつて自らが生まれた道を。かつて自らが腹を満たした穴の奥を。

 ただただ、一心不乱に腰を振った。

 

「やっ、やめっ……あっあぁっ……! いやっ、いやぁ……っ!」

 

 抵抗もできないままに蹂躙されて、少女は泣いた。幼子のように嗚咽を漏らし、されど嗚咽の中に喘ぎを混ぜていく。

 背後のボコブリンが、不意に彼女の体を舐め始めた。

 触れれば、その触れたところが容易く美しい窪みを描くような。何とも言えない多幸感を伝えてくるような、そんな柔らかき肌を。

 魔物の舌は、荒っぽい仕草で舐め回す。飴をしゃぶるかのように、じっくりと舐め回した。

 

「ひゃあっ……やだぁ……!」

 

 背筋から始まったそれは、首筋や脇をも絡めとる。そして終いには、乳房へと伸びた。

 鷲掴んだ果実の先に、芽吹いた淡い色の蕾。そこから絞り出される、甘い甘い果汁。それを啜るが如く、ボコブリンの舌は激しく暴れ回る。

 

「あっ、吸っちゃ……っ、あっ……」

 

 背後から伸びた二本の腕が、それぞれ彼女の左右の乳房を揉みしだいて。その度に噴射される母乳が、この宵闇の肉の中に注がれていく。ゼルダにとってはもはや色の判別すら叶わぬ世界の中に、それらが染み渡っていく。

 その味を占めたのだろうか。彼女の体を拘束するだけに留まっていたはずの触手が、ゆったりとその腕を伸ばした。全身を舐め取るあの舌状の触手が数本伸びて、それぞれ乳房なり脇なりをねっとりと愛撫し始めたのだ。

 

「くぁっ……はああぁぁ……っ!」

 

 揉みしだかれた先を、片方は亜人の舌が。もう片方は数本の触手が舐め回す。

 脇や首筋といった敏感な部分はもちろんのこと、太ももやふくらはぎなど柔らかさに満ちた部分に、絡めとるように巻き付いて。

 股間の前後に走る擦られるような感覚と、全身を撫で回される感覚に、少女は声にならない悲鳴を上げた。

 

「~~~~~~っっ!!」

 

 ぞくぞくと体中を駆け回ったそれが、跳ね上がるバネのように弾け飛ぶ。それに彼女は悶絶し、脳はとうとう沸騰し切ってしまった。

 

「……っっはあっ! はぁっ、はぁーっ……」

 

 荒い息で肩を上下させて、あの電流が走るような感覚に意識の明滅を感じながら。

 それでも何とか耐えきったと、とにかく深呼吸する彼女の顎を。

 モリブリンが、右手でぎゅっと掴み上げる。掴み上げ、頬を荒く擦り持って。そのまま、無防備な口の中に、自らの舌を突っ込んだ。

 

「んっ……!!」

 

 舌というよりはもはや触手に近いというくらいに、そのモリブリンの舌は長い。それが彼女の口内に入り込んで、舌に絡むどころか、喉の奥へと滑り込む。

 

「~~っ……――――ッッ!!」

 

 呼吸など、できる訳がない。喉の奥を、食道の中を。魔物の長い舌が入念に舐め回し、自らの唾液を塗りたくっていくのだから。

 吐き気と、臭さと、喉の奥に侵入される恐怖からか。彼女は失禁し、悲痛な叫びを上げるのだった。

 

 そんな様子に興奮したのか、モリブリンは腰を振る速度を上げ始める。

 もはや麻痺した彼女の下半身は急速に収縮を繰り返し、その度に粘膜の襞が彼らの一物に絡みついた。それは膣を貫くモリブリンはもちろん、肛門を嬲るボコブリンも同様だった。

 故に、ボコブリンも昂ぶりに入る。彼女の腰を両手で掴み、獣のように腰を振り始めた。発情期に入った犬のように、激しく彼女の尻を叩き続ける。

 

「んっ、んんーっ! ん~~っっ!!」

 

 声を押し潰された彼女の心をも、蛮族の如く押し潰すかのように。

 頂点に達した彼らは、自らの子種を撒き散らした。前門の虎も、後門の狼も。ただ本能に支配された獣のように、彼女の中に精を出した。

 子宮を満たす、モリブリンの種。腸にまで届く、ボコブリンの体液。さらには、喉奥に突っ込まれた舌からも、白濁した液が飛び出してくる。

 元が触手なだけに、その構造は従来の魔物と異なるのか、なんて。彼女はそんなことを考えて意識を逸らそうとするけれど。

 それでも熱く粘ついた感触を前にして、そんな儚い抵抗もあっさりと散らせていった。

 

 

 

 ぼたぼたと、彼女の体から零れ落ちる体液。水に白の絵の具を溶かしこんで、さらにそこにチュチュゼリーでも混ぜたかのような、ねばねばとした不気味な液体。

 その鼻を塞ぎたくなるような臭いも、ゼルダには気にする余裕すらなかった。

 ただ虚ろな目で、虚空を見つめる。

 記憶の片隅にある、かつての想い人の顔を思い浮かべながら。

 少女は微かに、その人の名を溢すのだった。

 

「……リン……ク……」

 

 早く、早く来てと。

 私が壊れてしまう前に、どうか救い出してほしいと。

 

 ただ切に、彼女はそう願うのだ。

 





雑魚がすり抜けれるのはB級妖怪が魔界から来れる的なアレです(なげやり)
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