灰色のひめしずか 作:かわいそうなのでも抜ける猫
その日の赤子たちは、互いを喰い合っていた。
同じ時に受精を果たし、同じ腹の中で育ち、同じ甘い液を吸いながら育ってきたというのに。
その一回り、いや二回りほど大きくなった触手たちは、荒々しい獣のように牙を剥いた。牙を剥いて、兄弟同士で食い合った。
「何を……っ、何をしてるの……」
全身をガノンにしゃぶられながら、されど目の前で繰り広げられる光景に、彼女は目を疑うしかなかった。
如何に祖国の、そして肉親や仲間の仇であろうとも。自らを凌辱する、憎き存在であろうとも。
それでもゼルダは、優しい心の持ち主だ。故に、異形であっても腹を痛めた自らの赤子たちが食い合っている様子には、心を痛めずにはいられなかった。
ただ、やめてほしいと、心から願うのに。
それでも彼女は、自分を奮い立たせる。
それで魔物が減るなら、このハイラルにとってはいいことだ。村への被害も減る。人が悩まされることも少なくなるはず。
だから、これはいいことなんだと、自分を納得させようとして――――。
「……あ……」
とうとう、喰らい合った子らの動きが止まる。
最後の一匹が、残った。他の兄弟を全て喰らい、その身を全て呑み込んで、あまりにも肥大化した個体が、一匹だけ残っていた。
その大きさは、もはやゼルダを覆い尽くしてもなおかなりの余裕があるほどに、大きい。こんなものが自分から産まれてきたのかと、ゼルダはただぞっとした。
「うそっ……こんな……っ」
その肉塊は、受肉を果たすにしてもあまりのも大きすぎる。リザルフォスや、モリブリンと考えるのも困難なくらいに巨大だった。
しかし、それにも関わらず、黒い魂は飛んだ。その肉塊の中に、おどろおどろしいその光が溶けていく。
瞬間、変貌。
メキメキと細胞が波打って、伸縮を繰り返しながらその様相を変化させる。
そうして出来上がる、黒い巨体。未だに血管のようなものを脈動させるそれは、生まれたてのように粘液で体中を満たしつつ、されど頭頂部についた一つの目をギョロリと輝かせた。
「……あ……、この魔物……っ」
遠い昔の報告で、聞いたことがあった。
ハイラル城から南東部、りんごの森にて確認された巨影。そこで、一つ目の巨人が寝そべっていたと。
ヒノックス。そう名付けられた巨大な魔物が、今ゼルダの前に立っている。
「あっ……あぁっ……」
ハイリア人からすれば、モリブリンでさえも十分な巨人である。
しかし奴は、このヒノックスという魔物は、モリブリンなどとは比較にならぬほど大きい。
身長はそれの倍はあろうかというほどに高く、また細身なそれとは逆にかなり横幅がある。一言で言えば、巨大な肥満体だ。
普段はのんびりと昼寝をしている魔物だが、縄張り意識が強く侵入者には容赦なく襲い掛かる。また、剣などといった金属性の光るものを好み、時には積極的に人を襲うこともあった。
野蛮で、危険度の高い魔物である。ゼルダが怯えるのも、仕方がないほどの。
そんな、あまりに大きすぎるその魔物が。
今、この封じられた空間の中で立っている。逃げ場のないこの場所で、ゼルダをじっと見つめている。
「……そんな、嘘でしょう……?」
ギョロリと、品定めでもするかのように彼女を見つめていたその巨人は、ただべろりと舌なめずりした。
そうして、目の前で怯える少女に向けて、その大口を開ける。
「きゃっ!」
全身を触手に舐め回されていたゼルダ。
そんな彼女を、ヒノックスは無理矢理掴み取った。柔肌に絡みつく触手を剥がし、ドロドロになった彼女を武骨な手で握る。
「……いや……やめて……」
その掌だけで、彼女のウエストは収まり切ってしまうような。
それほどまでにサイズ感の異なる相手に掴まれ、ゼルダはただ震えてしまう。
どうしてヒノックスが生まれたのか。
どうして奴は外に行かず、ゼルダに掴みかかっているのか。
一体私に、何をするつもりなのか。
そんなことを考えながら、恐ろしい予感を覚える彼女だったが――。
全身を擦られる感覚に、その思考も邪魔される。三本の太く熱いその指に撫でられ、擦られて、彼女の体中が嫌な感触に悲鳴を上げた。
「ひっ……」
不意に、べろりと舌が舞う。
彼女の白い肌に、巨人の紫色の舌が差した。ねっとりと、まるで飴でも舐めるかのように、彼女の柔らかい腹部を舐め上げる。
「やぁ……」
下から上へ、ゆっくりと舐めて。ぺろりと、乳房あたりまで届いたそれを、もう一度下腹部へと戻し、再び舐め上げる。
そんな仕草に少女は困惑しながらも、ただその厭らしい舌の動きに悶えるしかない。拒否の思いを体で表現しようにも、強靭な指に抑えつけられては動きようもなくて。ただ、少女は顔を逸らしながら耐えるしかなかった。
「やめ……て……舐めないで……」
そんなか細い懇願も、魔物の前には通用しない。
ヒノックスは、腹よりもさらに柔らかい乳房の存在に気付いた。
たわわに実ったその果実には、突き立ての餅のような柔らかさと弾力性、そして温かみに満ちた母乳が眠っている。
故に彼は、今度は胸を集中的に舐め始めた。舐められる度に彼女の乳房は形を変え、その度に緩くなった乳腺から母乳が噴き上がる。その甘い汁が舌に乗ると、巨人は味を占めたかのようにより一層激しく舐め回し始めた。
「あぁっ、あんっ……胸はっ、だめぇ……」
揺れて、波打って、柔らかさを証明するかのように、舌の動きに合わせて変形するゼルダの果実。
そしてそこから溢れる甘い果汁に、ヒノックスも夢中になった。舐めるだけには飽き足らず、両の果実を咥えるように、そのまま二つを吸い上げた。
「やっ……!?」
舐め回されていたはずなのに、いつの間にか一度に咥えられ。口で揉みしだくように乳を搾ったかと思えば、凄まじい勢いで吸い上げられる。
ヒノックスの吸引力のあまりに、彼女の乳房は伸びた。伸びて、吸い上げる力に中身を強く搾られていく。その勢いに乗って母乳が零れ、巨人の喉へと流れていった。
「いやっ、いやいや! やめてっ、それやめてくださっ……!」
あまりの力に、彼女の乳房に痛みが走る。
少女は泣きながら許しを請うものの、母乳の甘みに夢中になった巨人には、それも通用しなかった。
ただ、彼女の果汁が枯れるまで。彼は一心不乱に吸い続けたのだった。
母乳を一通り吸い終えた巨人が次に狙ったのは、彼女の花弁だ。
「……あ……?」
不意に足ごと掴まれて、一つ目の上にまで持ち上げられるゼルダ。紅く染まり、もはや感覚の分からない胸に放心しかけていた彼女を、次の凌辱が襲う。
腰を握られるような体勢だったのが一変、今度は足ごと掴まれた。折り畳んだ太ももごと握り、しかし膝から下は指の外へと投げ出させて。
そして、丁度手首あたりで露わにさせられた彼女秘部。柔らかな尻と、艶やかな秘裂を。ぎょろぎょろと忙しなく動く瞳の前で、曝け出さされた。
「やだぁ……見な、いで……見ないで、ください……」
何度も触手に出し入れされた、ゼルダの秘部。しかし女神の力で活性化されているために、傷一つなく保たれているその花びらを。
そこに滴る愛液を吸い取るかのように、ヒノックスは舌を這わせる。
「いっ……!」
悪寒がするような、悍ましい感覚が走った。
花弁の襞一つ一つに丁寧に絡ませて、尿道の穴を入念に舐め、小さな陰核を掬い上げる。さらには尻の穴ごとしゃぶられて、少女はぽろぽろと涙を溢してしまう。
「もう、いやっ……いや、です……っ」
しかし嘆こうとも、その凌辱が収まることはなく。
哀し気に喘ぐ少女を前に、巨人は舌に力を入れ続け、そこから溢れる雌の匂いに股間を震わせる。
嫌な音を立てながら、
「ひっ……う、うそっ……こんなの……っ!」
その大きさは、もはや彼女の胴とほぼ同等か。
あまりにも巨大すぎた。少女がそれを男性器と認識するまでに、些かの時間を要するほどに、巨大。
それほどまでに醜悪なそれが、ずっと彼女の腹に摺り寄せられる。指を軽く解いて、露わにされた彼女の体に、ねっとりと擦り付け始める。
「あっ……いやっ、いやぁ! い、一体……何を……っ!」
大きすぎて、流石に入らないとゼルダが訴える前に。
ヒノックスは、彼女の柔らかな腹と、そして乳房に向けて。その一物を、念入りに、優しく、されど情熱的に擦り付けた。
口は涎と荒い息で溢れ返り、興奮したかのように雄叫びを上げている。それは奴が少女の体に欲情している、明確な仕草となっていた。
「やめっ、やめて……ッ! そんなものっ、擦り付けっ……ないでっ!」
必死に抵抗しようと手足を振りかざそうにも、太い指に両腕ががっちりと絡まれ動かせない。足は巨根の下で鎮座する二つの大きな玉に抑えつけられて、振り上げることもできなかった。
むしろ、少女のその足の感触がより良い刺激となったのか。ヒノックスは嬉しそうに唸り、擦り付ける速度を上げ始める。
「やっ、いやぁっ、いやだぁ……」
柔らかな腹が、男根の丸みに応じて曲線を描いて。
二つの果実は亀頭を迎え、醜悪な臭いを放つそれに絡みついていって。
そんな柔らかな刺激の果てに、ヒノックスは咆哮した。
咆哮し、全てを解放する。足を抑えつける玉が震え、それに合わせて巨根が脈動した。胸を呑み込む亀頭のその先から、白濁した液体が滝のように吐き出される。
「きゃあぁ……っ!!」
恐怖一色で染まる悲鳴。それをも呑み込む、巨人の精液。
乳房から上を、肩も顔も、その美しい髪までも。粘り気の強い白色で満たしたその巨人は、気持ちよさそうに口を開ける。快感にその身を震わせながら、ただ思いのままにゼルダに放射する。
一方の彼女は、顔も髪も全て汚された。目も開けられないで、ただ苦しそうに息を呑む。耐えられなくなって、呼吸をしようと口を開けると、一斉に入り込んでくるその臭い液を前に、さらに悲鳴を上げるのだった。
「~~っ……ッッ! んーっ!!」
黄金の髪を、そして玉のような肌を。
全て白い粘液で染めながら、苦しそうに喘ぐゼルダの姿。
ヒノックスは、それをじっと見た。じっと見て、未だに収まらないその柱を、少女の秘部へと擦り付ける。
「…………え?」
少女の瞳を染める、深い絶望の色。
未だに衰えないその巨根が、目の前にある。それが自らの秘部に、大きな亀頭を擦り付けている。
信じたくない光景を前に、少女は泣いた。泣いて、尊厳も全て投げ捨てて、ただひたすらに許しを請いた。
「……うそ、うそうそうそ……! お願いっ、お願いしますっ……それは、それだけは許して……っ」
みちみちと、少女の秘部が広げられた。
巨人は目を細めながら、しかし活気に満ちた瞳をもって、少女の秘膜を押し上げていく。
「そんなっそんなのっ、そんなの入らない……っ! だめっ、そんなのされたら、私……っ!」
彼女の胴ほどの太さもあるそれは、本来ならとても挿入できるものではないだろう。
挿入と同時に、破れてしまう。秘部どころか腹まで裂けて、絶命させてしまう。
しかし、ゼルダは違った。女神の力によって致命傷を防ぎ切り、裂けかねないほどの負荷を掛けられても、裂けずに耐えることができる。
ガノンの力を多く吸収したこの個体は、それを本能的に感じ取り、ただ思いのままに決行したのだった。
「だめっ――――」
少女の秘裂が弾け、巨根が中へと潜り込む。
あまりの大きさに、膣どころか彼女の腹まで膨れ上がり、まるで柱に秘部を串刺しにされたのではないかと、そう思う程に変形した。
「あがぁっ!!」
膣を通して、自分の体をもう一本ねじ入れられたような、そんな感覚に近い。
その大きさに引き伸ばされてしまった腹は、無数の妊娠を強いられた彼女にも多大な痛みを与えてくる。
体が破れそうな痛み。破れそうで破れず、むしろそれを破ろうとするかのようにどんどん押し広げられる激しい痛み。
本当に、少女は死を覚悟した。もう自分は死ぬかもしれないと、心の底から感じるほどだった。
「がっ……あっ……ああぁぁっっ……っ!」
もはや搾り出すようなその声に、喘ぎや快感などは一滴もこもっていない。
ただ体が引き裂かれる痛みと、子宮口を抉じ開けられ、その奥まで突き上げられる恐ろしい痛み。それだけで、少女の心はズタボロにされる。
こんなっ、こんなの……。
耐えられない……本当に、死んじゃう……っ!
もはや声すら出せず、恐ろしい予感が彼女を包み込んで。
糸一本で保っているような意識を何とか握り締めながら、そのほどけてしまいそうな指に必死に力を入れながら。
少女は走馬灯のように浮かぶリンクを想い、ただ彼を呼ぶ。
リンク――。
リンク……っ。
お願い、目を覚まして――――。
早く、早く目を覚まして……っ!
遠い遠い、陸の孤島。
ハイラル城から遥か南に位置する陸の舞台、始まりの台地。
その深奥にある奇妙な機械が、無機質な音を奏でる。
液体を揺らし、中に内包した人影を引き上げて。その人物の目覚めを感じ、塞いでいたウォーターベッドを解放した。
不思議な溶液に浸された青年は、目を開ける。
誰かが自分を呼ぶような声を感じ、ゆっくりとその碧い瞳を広げていく。
かつての英傑、リンクは。退魔の剣に選ばれたハイラルの勇者は。
今ゼルダの悲痛な声に応え、百年の眠りから目覚めたのだった。