※この作品はR-18です。

エロトラップ・ダンジョン ~HARD Ryona~   作:こーひーまめ

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 現在、活動報告にて特別リクエスト企画「二人同時ダンジョン」の受付をしております。
 興味がございましたら、ぜひご参加ください。


挑戦者「フェイト・T・ハラオウン」【原作名リリカルなのはsts】

 とある管理外世界において、多数の行方不明者を出しているという謎の迷宮、エロトラップ・ダンジョン。

 事態を重く見た時空管理局の執務官にして高位空戦魔導師、フェイト・T・ハラオウンは単身で迷宮の調査へと赴く。

 自らの運命が、大きく歪む淫辱が待ち構えているとはつゆも知らぬままに……。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/1F/装備・『バルディッシュ・アサルト、バリアジャケット(インパルスフォーム)』【探索中】》

 

「ここが……」

 

 今回の挑戦者、フェイト・T・ハラオウンは入り口の扉を開いた先に広がる、石造りの迷宮を見渡し、臆することなく足を踏み入れた。

 

「魔力反応なし……魔導犯罪者の根城、じゃないなら」

 

 人攫いの集団が、古い遺跡や建造物を根城にしている訳ではないと判断した挑戦者は、もう一つの線に当たりをつける。

 

「この迷宮そのものが、ロストロギアの可能性が高い……か」

 

 過去に滅んだとされる超高度文明が残した、きわめて危険な遺産たち。

 幾重もの悲しみを生み出してきた、そういった遺物の回収も自分の仕事であるとフェイトは、この場所をロストロギアによる産物であると判断した。

 

「バルディッシュ、いつでも動けるようにお願い」

《Yes sir》

 

 手にした戦斧のような形状をしたインテリジェント・デバイス、バルディッシュ・アサルトが主の緊張を受け取りながらも、いつもと変わらず無機質に返答する。

 一見すれば冷淡とすら取られかねない反応だが、長い付き合いのフェイトからしてみれば敵地だろうと座り切った物腰が頼もしい。

 

「まずは、このロストロギアの調査、場合によっては回収か封印――よし」

 

 軽く息を吸い直し、己の目的を再確認したフェイトを真っ先に出迎えたのは、紫色をした軟体生物であった!

 

「っ! コイツは……?」

 

 巨大な動く水滴、とフェイトは認識したが、この生物をもっと分かりやすくカテゴライズできる単語がある。

 その名はパープルスライム! 迷宮において、特にポピュラーな分類の魔物だ!

 

「……来るっ!」

 

 顔や肉体こそ無いものの挑戦者は、害意を持つ者だけが放つ特有の殺意を見逃しはしなかった!

 膝程ある大きさのスライムの飛び掛かりを、身を翻して回避するフェイト。

 

「みんな、この生き物に襲われて……!? バルディッシュ!」

《Plasma Smasher》

 

 心優しい彼女であるが、人間に仇なす怪物が相手であれば容赦はしない。

 雷を束ね、バルディッシュの先端から放出する砲撃魔法、プラズマスマッシャーを放つ!

 

「よしっ……!」

 

 回避する間もなく、直撃を受けたパープルスライムは爆散!

 危険な魔物ではあるが、歴戦の魔導師であるフェイトの敵ではない。

 

「いったい誰が、こんな生物を……」

 

 初めて見る魔物に戸惑いを覚えながらも、飛び散った残骸から何か分かるかもしれないとしゃがみ込む挑戦者。

 しかし、スライムに対する知識が、彼女の明暗を分けたのだろう。

 もし奴らの生態に詳しい人間がこの場に居たなら、まず揃って口にするはずだ。

 スライムが居ると分かったフロアでは、絶対に上への警戒を怠るな、と……!

 

「えっ、きゃぐぅ!?」

 

 唐突に首筋を掴まれ、挑戦者の身体が軽々と宙に持ち上げられる!

 天井だ! 最初から天井に居た別のパープルスライムが、獲物へと身体を滴らせていたのだ!

 スライムは液体とは思えない力強さでフェイトの首を締め上げ、宙へと吊るす。

 

「ぐっ……ううう……!」

 

 本来ならば首の骨が外れかねない勢いだったのだが、単純な防護服としての機能だけでなく、薄く強固な見えない障壁を纏うことによってダメージを軽減するバリアジャケットのおかげで、致命傷には至っていない。

 それでもあらゆるダメージを無効化できるほどでは無く、人体の急所を抑えられているという苦悶は、フェイトへと間違いなく伝わっている。

 

「こ、このっ……!」

 

 不意を突かれたとはいえ、敵は初撃でこちらを落せなかった。

 驚きはあったが恐れはないと、もう一度プラズマスマッシャーを放つために口を開く。

 スライムが、只の単細胞生物であると信じ切ったまま……。

 

「バルデぃぶごッ!?」

 

 その代償はすぐさま支払われる事になる!

 この瞬間を待っていたと言わんばかりの早業で、パープルスライムは僅かに開いたフェイトの口から喉奥へと侵入を果たしたのだ!

 

「ごっ、おごっ!? おごをぉ!?」

 

 魔法を使う獲物は、まず喉を狙う。

 種族の弱点を突ける存在に対して、スライムは本能的にそう動くという生態を持っている。

 時として生命とは誰が教えずとも、驚くほどの順応性と適応性を発揮するものなのだ……。

 

「がごっ……ごおぉぉぉぉ……!?」

 

端整な顔立ちを、顎を限界まで押し広げられるという形で崩され痛みと窒息の苦しみにジタバタと全身をバタつかせるフェイト。

 

(ぐっ、ぐるじっ……どうにか、どうにか、しなきゃ……!)

 

 必然的な呼吸困難で、頭に血が昇り詰めていくが、なんとか打開策を絞り出そうとする挑戦者。

 実を言ってしまえば、彼女がこのような状態でも使える魔法の数々は、現状を打開するに有り余るほど強力なモノが揃っている。

 だがしかし、現状を左右するのは地力の差ではなく、本能から来る次の行動の速さであった!

 

「ほぶぉごォ!!?」

 

 天井に張り付いていたスライムが、丸ごとフェイトの頭に目掛けて飛び降りてきたのだ!

 重力に従い、スライムに吊り下げられる形となっていたフェイトはダンジョンの石床に後頭部を強打! 視界に星が瞬くが、それ以上に危険なモノが眼前には既に広がっていた!

 

(し、しまったッ!? マウントを取られっ……!?)

 

 スライムに伸し掛かられ、とうとう顔全体が紫のゼラチン質で埋もれてしまう挑戦者。

 

「ごぼぉ!!? ごぶっ、ごごォ!?」

 

 ほんの僅かとは言え酸素を提供していた鼻までとうとう塞がれ、フェイトは本格的な命を感じ始める。

 幼い頃から幾度も大きな戦いを経験し、ジェイル・スカルエッティ事件の解決にも多大なる貢献をした彼女であっても、その実、命だけを賭した接戦の経験はそんなに多くない。

 彼女の赴く戦いには必ずそこに護りたいものと、互いに譲れない想いが存在し、それを理解して刃をぶつけ合うフェイトの姿には、どこか高潔さに近いものがあった。

 だからこそ、信念もクソもない殺るか殺られるかだけが存在する、獣同士の潰し合いにおいて、常に行動が一歩遅れてしまうのは、彼女の甘さであり、美徳であり、そして――

 

「ぐぎょぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……!?!?!?」

 

 致命的な、隙であった……。

 喉で膨れ上がる質量と、覆われた外から加わる、内外からの頸動脈同時圧迫。

 特に人体の内側はバリアジャケットで防護される範囲から外れており、フェイトの意識を一気に未知の白濁へと染め上げていく。

 こうなってしまえば、魔導師と言えど只の人と変わりなく、平等なる窒息死が待ち構えているだけだ……。

 

(い……しき……! ご……め……も……か……)

 

 走馬灯のように駆け抜けていく、親や仲間、引き取った子供たちの顔。

 

「ごぼぉ……ぉぉ……ぉぉぉ……」

 

 心は不屈であろうとも、危機に瀕した身体からは命乞いめいた失禁が漏れ、バリアジャケットのショーツを汚す。

 そんな放尿の感覚だけを最後に、ぷっつりとフェイトの意識は途絶えた……。

 ここが真っ当な迷宮であるならば、不幸な犠牲者がまた一人増えた。という、ありきたりな終わりを挑戦者に許しただろう。

 だが、ここは絶望と淫辱を嬲り喰らうエロトラップ・ダンジョン。

 このようなささやかな終わりを、挑戦者に許容することはない……。

 

「あ……れ……? わたし……」

 

 フェイトが次に目を覚ました時、身体は襲われる前と同じ、ダンジョンの石床へと寝かされていた。

 

「あの……生き物は……?」

 

 重い身体を起こし、立ち上がって見渡しても、あの軟体生物の姿はどこにも無い。

 失禁もバリアジャケットの効果によって自然と洗浄されたため、フェイトからすれば鉛を詰め込まれたような肉体の重さと怠さ以外は、本当に全てが夢幻だったかの如く思えてきてしまう。

 

「なんだった……のかな……」

 

 なぜ、あのスライムは自分を見逃したのか。

 まったく分からないが、ここが尋常ではない場所であることをよく理解させられたフェイトは、意識を先の階層へと向け、再び歩き始める。

 

「…………うぷっ」

 

 なぜか込み上げた吐き気に、思わず口元を押さえながら……。

 

 

《1Fリザルト》

『パープルスライムの襲撃だ! 首を締め上げられた後に、顔面にマウントを取られ、気絶失禁させられてしまう……。状態異常・???』

 

 

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《フェイト・T・ハラオウン/2F/装備・『バルディッシュ・アサルト、バリアジャケット(インパルスフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

 ここ2Fでフェイトを待ち構えていたのは、広大なドームであった。

 

「まさか……地下にこんな広大な空間があるだなんて」

 

 今さっき階段を降りてきた以上、地下であるのは間違いないというのに、模擬戦闘ですら問題なく行えそうな天井と広さを確保した空間は、圧巻であると同時に不気味。

 油断なく、中央へと挑戦者が歩みを進めていく、その丁度ど真ん中。

 一人――いや、一体が、彼女を待ち構えていたかのように佇んでいた。

 

「人形?」

 

 顔のない、木で出来た球体関節のマネキン人形。

 フェイトと同じぐらいの背丈がある、デパートの洋服売り場でよく使われるような普遍的な代物ではあるが、こんな寂れたドームに一体だけなのが酷く浮いている。

 

「どうして、こんなところに?」

 

 これもロストロギアなのかと、近づいて調べようとした――その瞬間!

 

「ひゃああっ!?」

 

 なんと人形の手がひとりでに動き、フェイトの豊満な左胸を鷲掴みにしだした!

 

「こっ、この! 放せっ!」

 

 友人に揉まれ慣れているため、唐突なセクハラを受けてもフェイトは怯むことなく、人形を振り払おうとバルデッシュを振り抜く!

 ただの木造人形など一撃で木端微塵にするであろう、その鋭いスイングは、しかし届くことは無い。

 

「なっ!?」

 

 信じがたい事に、どこからか出現した桃色の防御魔法陣がバルディッシュを遮り、マネキンを護ったのだ!

 

――ふふっ……ふふふっ……。

「だ、誰だ! 出てこい!」

 

 マネキンに胸を揉まれたままだが、これは疑いようもなく魔導師の仕業であり、ようやく諸悪の根源が現れたかと辺りを警戒する挑戦者。

 だが、声の主はどこにも見当たらず、ならば魔力反応を辿ってみせると意識を研ぎ澄まして、目を閉じた――その時。

 

「ここだよ、フェ、イ、ト、ちゃん♡」

「ひゃぎぃ!?」

 

 揉まれていた胸が、握りつぶされた胸と表現したほうが的確な痛みを発した!

 

「お、お前かぁ!」

「おっとっと」

 

 ここまでされれば疑う余地もない。

 あの障壁や声は、この喋り出したマネキン自体が産み出していたのだと悟ったフェイトは、更なる力を込めてバルディッシュを振り下ろす。

 まるで危なげなく、バックステップを取って回避する人形……否、違う!

 

「えっ……な、なんで!?」

 

 先程まで人形だったはずの存在は、フェイトが一瞬きした刹那に、あまりにも有り得ない姿へと様変わりを果たしていた!

 

「なっ……なの、は?」

 

 白の布地に、青のラインが入ったバリアジャケット。

 手にしたロッド型のデバイス、レイジングハート。

フェイトからすれば、親よりも長い時間を共に過ごしてきた親友の姿が、そこにはあった。

 

「にゃは♡ フェイトちゃん気付くのおそーい♪」

「いや、違う! 誰だお前はッ!」

 

 姿形こそ、間違いなく高町なのはそのもの。

 しかし変装と言うには、専門的ではないフェイトですら一発で分かるほど、余りにもお粗末だ。

 

「なぜ子供の頃のなのはの姿をしているッ!」

 

 そう、挑戦者の眼前にいる高町なのはは、子供の頃の姿なのだ。

 同じ時間を過ごし、共に大人になった自分が、その正体を間違えるはずもないと怒鳴る。

 

「それはね、フェイトちゃん。私がフェイトちゃんの心から産まれた存在だからなんだ」

「わ、私の……心から?」

 

 このニセなのはが何を言っているのか戸惑うフェイトだったが、心当たりなら確かにある。

 

「まさか、私の胸を掴んだのは……」

「大正解♪ 私はね、相手の胸の内を読み取って姿を作るの」

 

 なぜなのはが選ばれたのかは分からないが、絡繰りはよく分かった。

 だとすれば、挑戦者がやるべきことは一つしかない。

 

「意思があるなら丁度いい。聞きたいことが山ほどある」

 

 バルディッシュを身の丈以上に長大な大剣、ザンバーモードへと切り替えて、フェイトは親友の偽物へと突き付ける。

 

「この場所は何だ。何のための場所なんだ」

「にゃはは、顔が怖いよフェイトちゃん……」

「答えろ人形ッ!」

 

 流石、心を読み取って作られたと言うだけあり、いちいち仕草や口調も昔の親友そっくりな偽物が果てしなく不愉快な挑戦者は、憤怒を隠そうともせず睨みつける。

 対して偽なのはは、どこまでも涼しい笑顔のままで、あの言葉をフェイトへと投げかけた。

 

「……くすっ、それをフェイトちゃんが言うんだぁ」

「……な、に?」

「アリシア・テスタロッサの代替品として作られた、お人形さんの……フェイト・テスタロッサちゃんが」

 

 特大のブーメランだねーとクスクス笑う、偽なのはの声も既に届かない、心の内側に亀裂が生じる。

 フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。

 彼女の生い立ちは尋常のそれとは大きく違い、かつて事故で死亡した少女、アリシア・テスタロッサのクローンとして、この世に生を受けたのだ。

 文字通り、娘の生まれ変わりとして作られたフェイトであったが、外見以外はアリシアとは程遠い出来であったため、母からは憎まれ、愛を欲しながらも、終ぞ最後までその願いは叶うことがなかった。

 存在理由すら他でもない産みの母から否定され、『要らない』と捨てられた哀れな人形。

 それが、嘘偽りのない、フェイト・テスタロッサという少女の生い立ち。

 

「……な……」

「んー?」

「喋る……な……」

 

 だが、彼女は、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンはそこで終わらなかった。

 誰かのための人形は、いつしか自分の足で立ち、確かな人生を歩めていた。

 様々な人と出会い、助けられ、時にはぶつかり合いながらも――とくに、他でもない、眼前の大切な友達だけは、ずっと常に傍に居てくれたから。

 

「なのはの姿でッ……これ以上しゃべるなぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

 誰よりも強く人形であったことを否定してくれた彼女の、姿と声を真似ただけの偽物が、フェイトの逆鱗に触れた!

 コイツだけは最速で叩き潰すとインパルスフォームが弾け飛び、彼女の全力全開の姿《真・ソニックフォーム》が露わになる!

 

「ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 常人では、いや歴戦の騎士であろうとも捉えることが出来ないであろう、文字通りの雷光と化してフェイトは地を蹴り飛ばす!

 マントやガッシリとした軍服のような出で立ちのインパルスフォームとは違い、真・ソニックフォームはレオタードのようなボディラインを丸出しにしたスーツへと姿が変わり、手足にも最低限の防具しか付けていない。

 代わりに得た神速のスピード、そしてそこから繰り出されるバルディッシュが最大出力で変形した大剣《ライオットザンバー・カラミティ》の攻撃力が合わされば、フェイトの進撃を止められる者は誰も居なくなる。

 

「そう来ると思ったよ、フェイトちゃん」

 

 はず――であった。

 

「なっ……そんなっ!?」

 

 真正面から叩っ斬るつもりだったフェイトの斬撃を防いだのは、また桃色の魔法陣であった。

 衝撃の余波で周囲の砂がえぐれ吹き飛んでも、偽物のなのはは片手を突き出した状態のまま、不動。

 

「すごい威力っ。でも、あと一歩、足りなかったかな?」

「う、うそ……」

 

 間違いなく会心の一撃。

 だというのに、防御魔法陣にはヒビこそ入ったモノの、破壊には至らない。

 

「くぅ……!」

 

 だったら手数で押すと、ライオットザンバーを双剣スティンガーモードへと切り替え、スピードを活かしてあらゆる方向から襲撃する挑戦者。

 本人としては、魔導師として持てる全てを賭けた攻撃だというのに、ニセなのははそれを全て不動のまま、ギリギリの所で防御していく。

 

(おかしい……なにかが、おかしい……!)

 

どれほど鋭い攻撃を加えても、あと一歩がどうしても届かない。

 

(子供の頃のなのはをコピーしてるなら、こんなに強い筈がない……!)

 

 胆と同時に冷えていく頭が、対敵の異常さを分析し始める。

 確かに子供の頃からケタ外れの実力を誇っていた親友であったが、いま人形が真似ている姿からすれば、この強さは有り得ないとしか言いようがない。

 始めて会った頃の――デバイスもレイジングハート・エクセリオンではなく、改良前のレイジングハートを装備した、もっとも未熟であった頃の高町なのは。

 カートリッジシステムすら搭載していない旧式のデバイスや、あの頃の実力で、今の成長したフェイトを止められる筈がないのだ。

 

(だとしたら、アイツがコピーしているのは、もっと別の……)

 

 魔導師としての直感が、自分が今、策略の泥沼に足を絡めとられかけているのを感じ取り、いったん大きく距離を取って足を止める。

 

「もう終わり? じゃあ、次はこっちから行くね、フェイトちゃん!」

「くっ!」

 

 その判断が、あのなのは相手に何を招くかは、フェイトも重々理解していた。

 

「ふふっ、どこまで避けられるかなー?」

 

 なのはが杖を振るうと同時に、周囲へと大量に出現する光弾!

 

「あっ、アクセルシューターッ!?」

 

 フェイトも、親友が特に多用する魔法の一つであるため、何が襲ってくるかは瞬時に理解できる。

 それが防御を捨てた真・ソニックフォームにとって、相性が最悪の魔法であることも。

 

「くぅ……!」

 

 全速力でアリーナを駆け回り始めるのと、光弾がフェイトを追尾し始めたのは同時。

 敵へと執拗に誘導追尾するこの魔法で、まず動きを制限するのが、親友の初手なのだ。

 

(戦い方までなのはなら、次は……!)

 

 全方向から襲い来るアクセルシューターが、僅かに緩めた包囲の穴。

 そこへと全力で走りながら、

 

「はぁっ!」

「おぉ」

 

 迷わずライオットザンバーを一閃!

 何もない空間へと空振った――訳ではなく、パリンとグラスが割れたような音がして、予め仕掛けてあった拘束魔法《レストリクトロック》が破壊される。

 

「すごーい♪ こんな悪辣な戦法も見切っちゃうんだ!」

 

 悪辣……と、思わず心中で呟いてしまうフェイト。

 多数の追尾弾で敵を追い詰め、僅かに開けた突破口に罠。踏んで動けなくなった相手へと防御不能の特大火力をお見舞いする。

 そんな親友の黄金パターンをもう一度だけ悪辣……と吟味し、否定できないモヤモヤを抱えながらも、また嫌らしい位置に置かれた拘束魔法を断ち斬る挑戦者。

 

(どうやって勝つ……どうやってなのはに……!)

 

 対なのは相手の勝ち筋は、やはり機動力を生かしての強襲かつ、一瞬で決着をつけることだ。

 相手は重戦車のように不動であるのに対し、必死に逃げ回っているこちらの方が、スタミナも神経も先に尽きるのは目に見えている。

 もはや完全になのは本人と戦っている時のように、フェイトの思考は動いていく。

 

(もし、真・ソニックフォームで、一発でもなのはのアクセルシューターに当たったら……ここはインパルスフォームの方が……)

 

 最大火力のライオットザンバーも弾かれ、速さでも押せない今、真・ソニックフォームで戦っても勝機は薄いかも知れないと弱気が過ってしまった――途端、その現象は起きた。

 

「えっ」

 

 唐突に、軌道を無視して真正面に『発生』したアクセルシューター。

 どれほど神速の、いや神速であるからこそ小回りが利かず、フェイトはこの光弾を回避できなかった。

 

「おごぉっ!?」

 

 自分の速度と、アクセルシューターの勢いが乗った一撃。

 よりにもよって急所である溝内に衝突した弾は、フェイトのしなやかな身体をくの字へと折り曲げ、そのまま地面へと吹っ飛ばした。

 

「げほっ! げほっ! おえ゛っ……!」

 

 真・ソニックフォームを起動していたため、極端に落ちていた防御力が、腹部への衝撃をほとんどダイレクトにフェイトへと伝えた。

 挑戦者は強烈な痛みと吐き気に襲われながらも、もんどり打った全身に活を入れる。

 美しい金髪のツインテールや、露出した珠の白い肌も土に汚れてしまうが、どれも些細な事だ。

 一連の現象の正体が、ようやく朧気ながら見えてきたのだから。

 

(今のアクセルシューター……アレだけはコピーじゃ絶対にありえない……!)

 

 アクセルシューターは確かに複雑な挙動が可能な魔法だが、最初の発生だけは必ず術者の周囲であるという特徴がある。

 だというのに、今直撃した光弾は、完全に術者から遠く離れた場所に発生していた。

 そう、アクセルシューターがもし当たってしまったらと自分が妄想した、あの瞬間に。

 

「あはっ♪ 大正解だよフェイトちゃん」

「ッ!?」

 

 いつの間にか偽物が、なのはでは有り得ないスピードでひれ伏すフェイトに立ち塞がる。

 

「でも、答え合わせの前に」

「ぐぅ!」

 

 光弾が腕に直撃し、両手のバルディッシュを叩き落とすと、動かなくなった獲物を拘束魔法はいとも容易く捉え、腕からY字に吊り上げられる挑戦者の身体。

 

「私はね、フェイトちゃんの心そのものなの」

「心……そのもの……!?」

「正確には、ここに来た人が『絶対に勝てない』と思っている存在を、私が写して嬲る――この戦場は、そういう場所なの」

 

 確かにそれなら一連の現象に合点がいくと、フェイトは歯噛みする。

 だから、この偽物は身体が幼く、戦闘力に関しては大人以上なのだ。

 高町なのは。一番の親友。そして、フェイトが最も叶わないと思っている人間。

 精神面において一番最初にそれを悟ったのは子供時代での会合であり、戦闘面においても未だ絶えず進化を続ける彼女には心のどこかで負けを認めていた。いや、確かに勝とうとすら思っていなかった。

 

「土壇場で化ける人もたまーに居るんだけど、フェイトちゃんはそうじゃなかったみたい。ざんねん」

「だっ……黙れっ……人の姿と力を借りないと、何もできない癖に……!」

「違うよぉ、私は姿は借りてるけど、力は借りてないの」

「なっ……?」

「言ったでしょ、心そのものだって。フェイトちゃんはね、フェイトちゃんの心の中にいる私に負けたの」

「わ、私の心のなのはに……私が……?」

「最初から最後まで全部そう。少し勝てない、一方的に負けはしないけど僅かに届かない、どれだけ健闘しても最終的には『何かが起こって』絶対にどこかで負けてしまう――よっぽど無敵なんだね、フェイトちゃんの中の私は」

「そんなっ……そんなっ、ことって……!?」

 

 あの日からずっと大切な仲間であり、その心身共々の強さにずっと惹かれていたフェイトは、鍛錬こそ怠らないが決して彼女を越えようと思ったことが無く、いやむしろ一種の聖域のようにすら捉えており――それが、まさかの所で、自らに牙を剥いたのだった。

 

「さて、答え合わせも終わったし、これからはメンタルが弱っちいフェイトちゃんへのお仕置きターイム♪」

「おっ、おしお……き……!?」

「フェイトちゃん的には慣れっこだと思うので、さっそく始めちゃいまーすなの♡」

 

 無数のアクセルシューターが、フェイトの周囲に展開された。

 

「さっ……良い声で鳴いてね、フェイトちゃん」

「ま、待ちあごぉ!?」

 

 再び、フェイトの無防備な溝内にアクセルシューターが叩き込まれ、それを契機に、全方位から光弾がフェイトへと襲い掛かった!

 

「あぎっ! いだっ! ああっ! ぐいっ!? ぎぃい!?」

 

 魔法による執拗なリンチ。

 顔を、胸を、腹を、太腿を、尻を、背中を、絶えず光弾で殴りつけられ、嬲られていくフェイト。

 

「はぁっ……はぁっ……はぁっ……!」

「おお、流石フェイトちゃん。こういう虐待には慣れてるねぇ。プレシアさんの教育の賜物かな?」

「くうぅ……!」

「うーん、鞭じゃ面白い反応してくれないなぁ」

 

 大切な親友の声で、傷口をえぐり倒してくる卑劣な人形に、憎悪が尽きることのない眼で挑戦者は睨み返す。

 身体中に痣が浮かびながらも、これで泣き叫んだりしない所は、確かに教育の賜物と言えたかもしれないが、次に偽なのはがとった責めはフェイトにとっても未体験の領域であった。

 

「じゃあ、アメの方で行こっか」

「アメって、きゃあああぁぁぁっ!?」

 

 苛烈な責めではなく、ニセなのはは小学生の外見に違わない、簡単なセクハラを――真・ソニックフォームの股間部分を隠す短い布を捲り上げた。

 

「もう、この程度で可愛い悲鳴上げるなら、こんな服にしなきゃ良いのに」

「だ、だって……じゃ、じゃなくて! 手を放せ!」

「こんなにエッチな身体してるのに、そんなドスケベバリアジャケットで戦ってたら、ぜーったい他の男性職員さんのズリネタにされちゃってると思うの」

「ず、ズリネタ?」

 

 美少女なのにセクハラ大好きで親父臭いもう一人の親友なら分かっただろうが、そういった方面の話題に関してはさっぱり知識がないフェイトに、その質問を待っていましたとばかりに満面の笑みで耳元へと浮かび、人形は甘く囁いた。

 

「いっつもフェイトちゃんが、お股をくちゅくちゅしてる時に、私を思い浮かべてるのと同じこと、だよっ♡」

「なっ……なあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

 なぜそれを知っているのか!?

 誰にも知られてはならないと思った秘密を、初対面の存在に暴露され、耳まで赤らむ挑戦者!

 

「もー、面白いなぁ♡ 私はフェイトちゃんの心から創られたんだから、フェイトちゃんの事なら何でも知ってるに決まってるの♪」

「だっ、黙れっ! わ、私が、私がなのはを想いながら、そんな、そんなっ!」

「ちなみに、最近はヴィヴィオの身辺手続とかで私が忙しいからお互いに時間が合わなくて寂しさも切なさも積もりっぱなしで、ここに来る十五時間前も、久しぶりに家に帰ってきた私が出迎えたフェイトちゃんへとケダモノのように有無を言わさず唇を奪ってそのままレイプするみたいにおっぱいを揉み潰しておマンコを手でぐちゅぐちゅにしてくれるのを妄想しながら自分の手で」

「わー! わー!!! わぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 よりにもよってオカズにした本人の声で近況と昨晩の痴態を丁寧に解説され、フェイトは半狂乱で叫ぶ。

 

「にゃはは♡ 私も罪作りだなぁ、こんな遊び甲斐がある子を放置して別の女に執心中だなんて……あ、でもこれもお預け放置プレイっぽくてフェイトちゃん的にはありだったり?」

「お、お前がなのはを語るなぁっ!」

 

 もはや否定できるところが人形の存在そのものぐらいしかなく怒鳴り散らすが、もう先程までの勢いは完璧に失せてしまっている。

 

「はーい♪ じゃあ代わりに、フェイトちゃんのココと話すことにしまーす♡」

「こ、こらっ! だからそこを捲るなぁぁぁ!」

 

 また再び、真・ソニックフォームの一番無防備な部分を捲り、フェイトのヴァギナと会話を始めるニセなのは。

 

「ごめんねぇ、フェイトちゃんのおマンコさん……私がフェイトちゃんのムラムラした発情スケベオーラに気付かない唐変木なせいで、いっつも寂しい思いさせちゃって……」

「だっ、誰がっ」

「だから今日は、私がいーっぱい可愛がってあげるからねー♡」

「ひゃぐぅぅぅ!?」

 

 陰毛が生え揃っている辺りへと、真・ソニックフォームのハイレグから小さな手を伸ばしたニセなのはは、そのまま布地を掴み上げた!

 

「やっ、やめろぉぉぉ! そ、そこ引っ張るなぁぁぁ!」

「えー? これだって、こうやっておマンコ虐めるためにハイレグにしてあるんじゃないの?」

 

 フェイトの女性器に黒いバリアジャケットが食い込み、下布をマン肉で挟み込む卑猥な形状にされる真・ソニックフォーム! 黄金の陰毛もチラチラと間から覗いている!

 

「そ、そんな訳ない! これは機動力を上げるために」

「でも私、こうやってフェイトちゃんのことイジメるの、好きだけどなぁ」

「なぁっ!?」

 

 突然の世迷言に言葉を失ったフェイトに代わり、なのはの声をしたソイツは、ウットリと饒舌に語りかけてくる。

 

「フェイトちゃんがこうやってね、無様にひどい目にあってると私、とーっても興奮しちゃうの♡」

「わ、私で……なのは、が……?」

 

 偽物だと分かっている。

分かってはいるのに、その甘美な響きが脳を揺るがしてたまらない。

 

「うん♡ フェイトちゃんを虐めたい。首輪をつけて全裸でご奉仕させたい。気絶するまでGスポットをぐちゅぐちゅしてあげたい。バイブを付けたまま今日一日お仕事してきてって命令したい♡」

「っ……っ……」

 

 親友の声で語られていくシチュエーションの数々。

 

「縄で縛って目隠しと猿轡を噛ませた裸フェイトちゃんを吊り下げて、ミッドチルダの街を遊覧飛行したい。ガチオナをカメラで撮影して、私の許可なくイったらはやてちゃんやクロノくん、リンディさん達に見せるって脅したい。模擬戦で衆人環視の中、わざとバリアジャケットがズタボロになるぐらいイジメて、観戦してる人全員にフェイトちゃんの大事なとこみっともなく大公開しちゃいたいの♡」

「あ……あっ……あぁっ……♡」

 

ゾクゾクと、耳から背筋へと駆け抜けていく背徳の数々。

 挑戦者の開いてはいけない扉が、言葉による凌辱で次々とこじ開けられていく……。

 

「ふふっ、想像だけでもう濡れてきちゃった?」

「えっ……え、あっ……!?」

 

 気付けば、今の言葉攻めだけで挑戦者の蜜壺からは涎が滴っていた。

 親友から受けるド変態なMシチュで、興奮を覚えてしまった隠しようがない証である……。

 

「こ、これは違っ!? お、お前が私に変なことするから……!」

「にゃはは、素直じゃないなぁ。本当は、私がぜーんぶ体験させてあげたいんだけど――残念」

「残念って、きゃっ!?」

 

 拘束していた魔法が唐突に解かれ、地面に再び這いつくばらせられる挑戦者。

 今まで淫靡な笑みを絶やさなかった人形が、どこか寂しげ笑って呟く。

 

「もっと遊びたかったけど、時間切れなの。楽しかったよ、フェイトちゃん」

「な、一体なにを言って」

 

 フェイトが全てを言い終える前に、小さく手を振る高町なのはの姿は、再び無地のマネキン人形へと戻り、あれだけ自分を苦しめた存在とは思えないほど……あっさりと砕け散った。

 

「…………人形、か」

 

 あれほど憎たらしく思えていたのに、己の役目を終えた瞬間、何も残さずに壊れてしまった人形に、ふと同情を覚えてしまう挑戦者。

 

「私は……貴方とは違う。要らなくなってもまだ、私は生きているよ……母さん……」

 

 フェイトは塵に背を向け、バルディッシュを拾い上げる。

 この未明のダンジョンで、下手に力を温存することが得策だとは思えない。

 先のフロアのスライム相手からの経験から、下手に防御力を取るより全て回避できるよう機動力を取ったほうが正解なのではないかという思惑から、彼女は真・ソニックフォームのままで進むことを選択した。

 

 

《2Fリザルト》

『自分がもっとも勝てないと思っている存在との強制戦闘だ! 敗北し、嬲られ、言葉責めにあった挑戦者は、力を温存することをやめて衣装を切り替えた。装備変更、真・ソニックフォーム』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/3F/装備・『バルディッシュ・アサルト、バリアジャケット(真・ソニックフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

「くっ、早速っ!」

 

 3Fへとたどり着いたフェイトを待ち構えていたのは、無数の触手だった!

 有無を言わさず襲い掛かってくる相手であろうとも、戸惑うフェイトではない。

 すぐさまバルディッシュに記録させた魔法を行使する。

 

《Plasma Lancer》

 

 文字通り雷の槍が何発も射出され、容易く触手たちを焼き裂いていく。

 先程のフロアの人形に比べれば、実に与しやすい相手だ。

 

(だけど……!)

 

 単体であった人形に比べ、このFの触手たちはひたすら数が多い。

 今は一直線の回廊から我先にと押せ押せで来ているため、なんとか正面火力で押すことが出来ている。

 

「根比べなんて、したくないけれど……!」

 

 だが、それもいつまで続くのか、続けられるのかが挑戦者には分からない。

 まさか全魔力を使い切っても、この触手たちを全滅できないとは思わないが、万一の不安だけは拭いきれなかった。

 

(それに、この触手たち……大きくなってる!)

 

 初めは錯覚かと思ったが、触手たちは倒せば倒すほど、大きさが増していっているように挑戦者には感じ取れた。

 大きくなるということは、単純に倒すための労力が増えていくということであり、更なる高威力の魔法が必要になって来ることを意味する。

 

「バルディッシュ!」

《Trident Smasher》

 

 バルディッシュから魔力カートリッジが二つ装填、排出され、トライデントの名の通り三又の雷撃が触手たちを貫いていく。

 本命はクロスレンジを得意とする魔導師が放ったにしては、法外としか言いようがない出力を誇る砲撃魔法。

 

(……ダメだ!)

 

 それでもなお、触手は尽きることなく奥から湧き出てくる!

 オマケにサイズも増していく一方だ!

 

(どうする……これは、もう切り込むしかないか……?)

 

 トライデントスマッシャーでも押しきれないとすれば、この戦い方ではいずれ間違いなく物量に圧殺される。

 ならば、多少のリスクは覚悟で次のフロアまで切り込むしかないかと選択を迫られる挑戦者。

 

(そもそもどうしてコイツ等は、こんな狭い場所でここまで巨大になれる……?)

 

 最初はフェイトの細腕ほどしかなかったはずの触手は、気付けば一本がフェイトの胴体と同じぐらいに巨大化していた。

 だというのに量は減っている気がせず、元からそこまで広くない回廊にギチギチに詰まっていたはずの触手であるのに、なぜこんなにも巨大化できるのか?

 

(くっ、この密集のどこかに隙間さえできれば……隙間?)

 

 ようやく、フェイトは自らが恐ろしい勘違いをしていたことに気付き始める。

 

(いや、違う! まさか、触手達が大きくなってたんじゃない!)

 

 前面に集中していた視界を、左右へと広げる。

 その横幅は、最初に戦い始めた頃に比べ、明らかに広すぎるほどのスペースが広がっていた!

 確信する挑戦者!

 

(私が小さくなっているんだ!?)

 

 そう、この階層に仕掛けられた罠は収縮のトラップ!

 居座る挑戦者を徐々に縮め、最終的には小人サイズにまでダウンサイジングさせてしまう恐ろしいFなのだ!

 トライデントスマッシャーの放射を受けながら、なおも巨大化していく触手、いや収縮していく挑戦者!

 

「う……うおおぉぉぉぉ!!!」

 

 これ以上、サイズに差が出てしまえばトライデントスマッシャーで押しとどめるどころか、ザンバーで切り抜けることすら出来なくなる!

 もう迷っている場合ではない、フェイトはライオットザンバーの二刀流で壁に見えてしまいそうなほど大きくなってしまった触手を斬り分け始める!

 

「このっ! このっ! このぉっ!」

 

 触手の樹海を、数多の返り血を浴びながらも斬り進んでいく挑戦者。

 当然、やっと手の届く位置へと潜り込んできた獲物を、無数の魔手がタダで通すわけもない!

 

「やああぁぁぁぁぁ!!!」

 

 左の壁伝いに飛び、最低限の安全地帯を確保しながらでも、触手達はあらゆる方向から襲い掛かってくるが、雷光を掴むことは叶わない! 全て紙一重で回避していく!

 視界が赤黒く蠢く何か一色と化しても、その先の出口を信じてフェイトは金色の双刃を振るい続けた!

 

(よし、これなら……!)

 

 気付けば、既にフェイトの身体は掌に乗れてしまいそうな最小サイズまで縮んでいたが、なお進撃が留まることは無い。

 実際に彼女は、最悪の中での最良を見事に選んでいた。

 しかし、状況は常に移ろい変わる。

 触手たちは、そんなフェイトの最良を逆手に取って来た。

 

「なっ!? カップ型!?」

 

 今まではキノコのようであった触手の先端が変形し、半透明のお碗のような形状となった触手がフェイトへと襲い掛かる!

 本来は犠牲者の乳房へと吸い付くための形状は、今の小人となった挑戦者からすれば、自らを最も効率よく捕獲するための網に他ならない!

 

「こ、これじゃあ……!?」

 

 一気に動揺がフェイトに走る。

 今までは最小限身体を逸らすだけで良かったが、カップとなってしまうと必然的に大きく回避しないといけなくなってしまうからだ。

 狡猾な触手たちは、その動揺と隙を見逃さなかった!

 

「しまっ、きゃあぁぁぁぁ!!?」

 

 お碗をなんとか回避した瞬間、続けて襲い掛かった横殴りの触手がとうとうフェイトに直撃する!

 

「がうっ……!?」

 

 羽虫のように壁へと叩きつけられる挑戦者。

 そこに、即座の追撃!

 

「っ!? だっ、出せ! ここから出せ!」

 

 壁を背に、触手カップがフェイトの逃げ道を封鎖!

 挑戦者は完全に捕らえられてしまった!

 

「な、なら……!」

 

 これも切り裂いてみせると、カートリッジをバルディッシュに装填していく魔導師。

 この程度ならまだ挽回できるとフェイトは諦めなかったが、文字通り彼女は手の内で踊る虫に過ぎない。

 もっとも有効な手を打てたのは、言うまでもなく触手の方だった……。

 

「いくよ、バルデひゃぼぉ!!?」

 

 横殴りの濁流が、フェイトに叩きつけられる!

 触手が先端のカップへと、大量の精液を流し込んだのだ!

 

「あぶっ、がっ、ごぷっ!!?」

 

 一瞬でザーメンプールへと叩き込まれ、精液に溺れるフェイト。

 

(なっ、何これ!? 生臭くて、ね、ネバネバするっ……!?)

 

 やはりこういった知識には疎い挑戦者は、自分が今どういった目に合っているのか正しく認識できていないが、逆にそれが好都合。

 

(は、はやく、ここから脱出しないと!)

 

 瞬時に意識を切り替えて、ザンバーを構え直した。

 バリアジャケットは生命維持装置も兼ねており、先程は内側から頸動脈を圧迫されたため窒息したが、本来ならばこのような無酸素状態でも問題なく装着者は活動できる。

 更に、毒が充満しているような危険地帯からも防備してくれると、実に高性能だ。

 

(はっ、はやく……はやく、く、は、く……くっ、くっ)

 

 ただ、やはり限度というものはある。

 例えば、子宮に注入されるだけで、女を一瞬ではしたないメスへと変貌させてしまうような凶悪な媚毒に全身浴してしまうような状況では、完全防御は不可能だろう……。

 

(くひにいいいぃぃぃぃぃぃいいいいぃぃぃぃ♡♡♡)

 

 毒を遮断しきれなくなり、フェイトは絶頂!

 背中や首の筋肉がイキ跳ねてエビぞりとなる!

 

(あっ、あああああ、なにこれ、なにこれなにこれなにコレぇぇぇぇぇ♡)

 

 ヤりなれた売女ですら、それ以下のメス豚へとイキ堕とす触手のザーメンを全身に受けて、処女のフェイトがまだまともな思考を維持できるのは単にバリアジャケットの効果だ。

 それが幸運とは一概に言い切れないが……。

 

(おっ、おっおっおっ、熱い、アソコも胸も全部全部熱いぃぃぃぃ!?!?)

 

 人並以上に女として成熟しながらも初体験はおろか、オナニーすら嗜好はともかく健全な範囲でしかやってこなかったフェイトに襲い掛かる、重度の発情!

 

(んいいぃぃぃぃ!? イクっ、何もしてないのにまたイっちゃうぅぅぅ!!?)

 

 愛撫など無くとも、フェイトの乳首やクリトリスはビンビンに勃起を始め、膣肉から絞り出される愛液はマン筋をクッキリと浮かび上がらせる。

 

(ダメっ、ダメぇぇ♡ 集中、集中っ、できないいぃぃぃ♡)

 

 押し寄せる快楽の波に、意識がどんどん流されていく。

 脱出が遅れれば遅れるほど、バリアジャケットの防御も限界が近づいていき、こうしている間もフェイトを蝕む発情は濃密さを増していった。

 

(や゛っ、やめでぇぇぇぇ!!! これ以上イカせないでぇぇぇぇ……♡)

 

 ここから出れないのか、出ようとしないのか、出ようとしたくないのか。

 誰も分からないまま何時間もが経過し――縮小空間の効果が切れた頃、『ソレ』は触手カップが吐き捨てたザーメンから姿を現した。

 

「――――――」

 

 黄ばんだドロドロで塗り固められた、女の像。

 固まる瞬間まで絶頂に抗っていたが故にみっともなく歪んだ食いしばりアヘ顔に、剣を振り上げた姿勢で脇を開いた両腕、もはや男根を求めすぎて閉じられなかったのであろうガニ股。

 いったい誰なのかは説明するまでもないだろう。

 カップ触手の特殊ザーメンで動かぬ像にされた、挑戦者こと、フェイト・T・ハラオウンである……。

 

「――――――♡」

 

 このような姿にされてもバリアジャケットの生命維持装置で生きてこそいるが、過度な絶頂により気絶しているため、自分が今どうなっているかも分かっていないだろう。

 そしてこれから、自分の身になにが降り掛かるのかも……。

 まだお楽しみはこれからだと、サイズ比が元に戻った触手が、時より揺れるザーメン像の股間部分を叩く。

 

「―――――――――」

 

 すると、ドロドロの殻は簡単に割れ、蒸れた中身の秘部だけが無防備に露出した。

 

「――――――――♡」

 

 器用に触手が邪魔な布を引き千切ると、パックリとびしょ濡れに糸を引く処女マンコが露わになる。

 パクパクと、塞がれた口の代わりに、物欲しげに開閉する膣口。

 挿入を躊躇う理由など、触手チンポにある訳が無かった。

 

「―――――――ッ♡♡♡」

 

 ゴトゴトと、ひときわザーメン像が震える。

 処女破瓜の痛みと、発情マンコにやっと挿入れてもらえた歓喜からだ。

 

「~~~~~~っ♡」

 

 破瓜血とマン汁をかき混ぜながら、フェイトの膣内を犯していく触手。

 初体験だというのに、文字通り身動き一つ取れないまま嬲られていく挑戦者だが、彼女の媚薬に狂った膣は悦びに打ち震え、強く強くつがいを締め付けていた。

 実に理想的な使い捨てマンコに、触手はピストンペースを速めていく。

 

「~~~、~~~~♡」

 

 優しく、凛々しく、美しい彼女の純潔が、このように瞬き一つ出来ないよう固められながら触手で無様に散らされるなど、果たして誰が想像しただろうか。

 涙や声ひとつ出すことができない、まさに人形相手に行っているような触手セックスはラストスパートを迎えていく。

 

「~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

 子宮口まで赤黒の触手がミチミチに詰まった状態で、膣肉が裏返ってしまいそうなほど強烈に擦り上げられ――子宮へ向けて、触手精子が大量にぶちまけられる。

 成人男性の何十倍もの射精精子が、当たり前のようにフェイトの膣内を逆流し、マン肉の隙間から噴き出していった……。

 

「――――――――――っ♡」

 

 レイプという形で蜜壺に男を教え込まれても、挑戦者は動けない。

 人生初の膣出しをキメられても、動けない。

 様々な体液に塗れた触手チンポが引き抜かれ、すかさず次の触手が挿入されても、やはり動けない。

 

「~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

 このザーメンで出来た殻は、時間によって砕けるように出来ている。

 しかし、それまでに42本もの触手が彼女を凌辱し、ガチハメし、膣内出しし、挑戦者が自由を取り戻したころには、彼女の開発され尽くされたヴァギナはザーメンを噴き出しながら閉じることができなくなっていた……。

 

 

《3Fリザルト》

『縮小トラップの間だ! 小人にされてザーメンフォンデュにされた挑戦者は、そのまま身動き一つ取れずに処女を散らされ、42本もの触手に膣内出し凌辱されてしまった!』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/4F/装備・『バルディッシュ・アサルト、バリアジャケット(真・ソニックフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

 

「………………」

 

 先程の鉄火場とは打って変わって、不気味なほどに静かな4Fは、挑戦者の気分を反映しているかのようだった。

 

「わた……し……あんなの……に……あんな風……に……」

 

 実は途中から既に意識を取り戻しており、泣き叫ぶことすら許されない文字通りのイキ地獄を味わっていた挑戦者。

 普通に触手に犯されるだけでも一生モノのトラウマ確定だというのに、異常極まりない初体験は挑戦者の精神を深く病ませていく。

 

「…………でも」

 

 それでも、と、口にする薄桃の唇。

 身に降り掛かった大きな不幸と絶望が、他の人にまで降り掛かるのは許せない。

 それが、多くの絶望を背負った彼女が、時空管理局の魔導師となる際に、胸に刻み込んだ想い。

 その痛みが分かる。その怖さも分かる。その辛さだって誰よりも分かるから。

 世界は、こんなことばっかりじゃない筈だから。

 生涯を尽くすと決めた証明の戦いは、まだ終わっていない。

 誓いが、フェイトの震えを、支えへと昇華していく。

 

「行こう……バルディッシュ」

《Yes sir》

 

 瞳に再び光を宿して、相棒を強く握りなおす女戦士。

 当たり前の弱さを揺るぎない強さに変えて戦い続ける彼女の姿は、多くの存在を惹き付けてやまない。

 そう――それを蹂躙して汚して破壊することに身震いするほどの快感を覚える、危険な迷宮さえも涎を滴らせているとは気づかないまま……。

 

――カチリ

「うんっ?」

 

 唐突に、何かを踏んでしまった感覚。

 即座に身を引くという発想は、ダンジョンという建造物の知識や経験が不足している挑戦者には、存在しない。

 

「……バルディッシュ?」

 

 だが、言い知れない不安は確かに感じたフェイト。

 警戒を強めて、バルディッシュに語りかける。

 

「いま、何を踏んじゃったか分かる?」

《Yes sir》

「解析をお願い」

《Yes sir》

「…………?」

 

 どうにもデバイスとのやり取りに違和感を覚え、フェイトは眉をひそめた。

 無口とはいえ、バルディッシュは一度口を開けば常に的確な助言を放つ。

 だというのに、今の返事は妙に淡白であったというか、どうでも良さげであったというか……。

 

――いいなぁ~。

――ふふん、早い者勝ちよ。こういうのは♪

「っ!?」

 

 その時、曲がり角の向こうから聞こえてきた人の声。

 人外魔境と思い込んでいた挑戦者は、僅かに身を竦ませる。

 

――む~、私にも使わせてよぉ。

――だーめ、コレは私専用って決めたの。

――ずるーい! 二人で頑張ったのにー!

――いいじゃない、どうせすぐに新しいの手に入るだろうし。そっちはアンタにあげるわ。

 

 声色から察するに、年端もいかぬ子供が二人。

 

(こっ、こんなところに子供がっ!?)

 

 確かに行方不明者が何人も出ているが、まさか向こうからこちらに来るとは思っておらず、心臓が跳ね上がる挑戦者。

 フェイトですら命の危機を何度も感じたような魔境で広げられる、まるで玩具を取り合っているかのように能天気な子供たちの会話に、居ても立ってもいられず飛び出していく。

 

「あなた達、無事っ!?」

 

 曲がり角に居たのは、案の定二人の可憐な少女であった。

 肌の色が白か褐色かで分かれてはいたが瓜二つの双子のようであり、外見とは打って変わった欲情的なボンテージ風の衣装に身を包んでいる。

 

「わっ!? ビックリしたぁ」

「もう大丈夫。私は時空管理局の執務か――」

 

 驚いた。と、いう感情にも、いくつかの反応パターンがある。

 白い方の少女のように、可愛らしく口元を覆って驚く姿もあれば――

 

「………………ぇ?」

 

 挑戦者のように、あまりにも多くの驚愕を叩きつけられ、何も考えられなくなるパターンも珍しくない。

 

「ほら言ったでしょ? チンチンしごく穴なんて、新しいのすぐに来るって」

「う、うん、こ、この人すごく綺麗。ちょっとおチンチン、限界かも」

 

 少女だというのは間違いない。

 なのに、彼女達の股間からは自身の背丈より大きいバッキバキに勃起した男性器がそそり立っており、

 

「むっ……そうね、私のチンポケースより良さそうかも」

「お……えごっ……♡♡♡」

 

 黒い方の少女の巨根には、まさにねじ込むように下の口でそれを呑み込まされた女性が突き刺さっていた……。

 

「ふっふーん♪ さっき次は私にくれるって言ったよね? 病気持ちを強引にってのも滾るわよね~とか、カッコつけるからーっ」

「う、うっさいわね! エクリ何とかが感染とかどうとか言ってたけど、むっちゃ抵抗して来てかなり元気だったしこんなヤツ仮病よ仮病!」

「うぇ……あ゛ェ……♡♡♡」

 

 元はしなやかで強靭な女戦士だったのだろうか。

 女性らしい曲線を帯びながらも鍛えられた褐色の肉体や右目の眼帯、クリーム色の長髪もあまり手入れがされているように見えないからこそ、只者らしからぬ気配を放っていたのだろう。

 

「ゆ゛……ゆ゛るじ……で……おなが……もどら……な……♡♡♡」

 

 しかし、人外の巨根をヴァギナにぶち込まれ、腹筋はチンポの形でボコォと膨らむだけならいざ知らず、子宮も完全に拡張破壊し、皮の外から持ち前の巨乳でパイズリできてしまいそうなほど胸元近くまでせり上げられている。

 当然、こんな凶器を女性器に挿入れられた女戦士は、余裕を絶やさなかったはずの顔面をアヘ逝き一歩手前で鼻水を垂らし、力なく四肢をチンポへと預けていた……。

 

「おチンチン、その人でもう一杯だから、あのお姉ちゃんは要らないよねー?」

「ハイハイ、わーかーりーまーしーたー! じゃあ何も持って無かったらいいんでしょ!」

「おぎょをッ!?!?!?」

 

 どうやって自分より遥かに体格のいい女戦士を抱えているのかは分からないが、黒い少女は腰を思いっきり叩き付け、ふたなりチンポで女戦士を激しく犯し始めた!

 

「ぎょおおぉぉ!? ふぎゅ、あげっ、いぎっ、ん゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!!」

「ったく、アレだけ使ってんのに頑丈なんだから……! さっさとぶっ壊れなさいよっ!」

 

 もはや膣を犯されているというより、内臓をかき乱されているといった方が適切な死刑ファックを受けても、女戦士はまだ生きているようであった。桁外れと言っても過言ではない凄まじいタフネスは、もう彼女に地獄しかもたらさない……。

 

「じぬうううぅぅぅぅ!? イグ、いぐ、逝ぎだぐないぎゃああああぁぁぁぁぁ!!?」

「安心なさい! 無駄に丈夫なアンタでも、確実に逝けるような強酸ザーメンぶちまけてあげる!」

「ぎょ、ぎょう、ざん!!?」

 

 恐るべき発言が嘘ではないと証明するように、黒い少女の頭や背中に悪魔の翼が生える!

 なんと彼女たちはふたなりロリサキュバスだったのだ!

 自らの睾丸に魔法をかける少女サキュバス。

 これによって、本当に彼女のザーメンは内臓ぐらいなら余裕で溶かす強酸と化す。

なんのために……? 当然、不要になったメスを最高の方法で処分するためにだ!

 

「あーっ、ずるいずるいずるーい! それ使ったら絶対に壊れるに決まってるじゃない!」

「聞こえてるお姉さーん? 恨むなら、独り占めしようとしたコイツか楽に逝けないお姉さん自身を恨んでねー♡」

「い゛やっ、い゛やっ、い゛や゛ああぁぁぁぁぁだずげっ、だずげでぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」

 

 命乞いの失禁を漏らしながら、最後の力を振り絞り、手足も使ってチンポを抜こうと必死に身体を捻じる女戦士。

 だが、それは自らの内臓を犯し焼く凶器に、トドメの刺激を与えているだけに過ぎなかった……。

 

「んひっ♡ これだから堪らないのよねぇ、この魔法っ♡ 最後の締め付けごくろうさまっ……じゃあね~♪」

「びっい゛や゛あああぁああぁぁぁぁああぁぁぁあ゛ッあ゛ッあ゛ッあ゛あ゛ッ!!?」

 

 断末魔の叫びと共に、大量の強酸を流し込まれ、一瞬でボテ腹にされる女戦士の腹!

 残った左目の焦点が出鱈目に動き回り、妊婦よりも遥かに子宮がパンパンに膨れ上がるが、彼女が子を生すことはもう永遠に無い……。

 

「あ゛っ……あ゛づ……ぁ゛…………」

 

 サキュバスのふたなりが縮む形で、ようやくチンポから解放されたボテ腹女戦士の、ガバガバになった俯けマンコからは、痙攣と共に赤い精子が止めどなく流れ落ちていく。

 その赤が何を意味するのか、ようやく楽になれた彼女が知ることはなく――ゼンマイが切れた玩具のよう、ゆっくりと動かなくなっていった……。

 

「うー……勿体ない」

「じゃあ、中身入れ替えてオナドールにでもすれば? 私はその間に、こっちのお姉さんを頂くけど」

「……………ぁ」

 

 自分へと狙いを付けた。

 目の前で繰り広げられた何もかもが理解の範疇から外れすぎていて、犠牲者を目の前で出してしまったという事実すら飲み込めていなかったフェイトだったが、自己防衛の精神が辛うじて理性と現実を結びつけることに成功する。

 

「う、動くなっ!?」

 

 ライオットザンバーの切っ先を突き付け威嚇するフェイトだが、サキュバス達はその姿に子犬が愛らしく吠えたような喜悦を見出して嗤う。

 

「あはっ♪ いいわねぇ、おっぱい大きいし、お尻もムッチムチしてるのに、髪の毛もサラサラ。さっきのみたいな女捨ててますーって気取りながらあっさりチン負けするようなのより、こういう女としても自信ありますーってメスの方が気丈で私好みなのよねぇ」

「……さっきは『女々しい奴より鍛えた奴の方が命乞いが素敵―』とか言ってなかったー?」

「それはそれ。需要と供給」

 

 のらりくらりと黒い方の少女に振り回されている、白い方の少女。

 微笑ましさを感じてしまいそうなほどに仲睦まじい光景だ。

二人の殺人的なイチモツと内容から目を逸らせば、だが。

 

「あ、あなた達は……何者なの」

「何者って、サキュバスだけど?」

「さ、さきゅばす?」

「もしかしてお姉さん、サキュバスも知らないの~?」

 

 人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべる褐色の少女。

 小悪魔的と言えるだろうが、中身は正真正銘の悪魔に他ならない。

 

「文字通り、女の人を食い物にするこわ~いこわ~い迷宮の悪魔。私たちはその中でも、特にひどいことするのが得意な種族かなぁ~♡」

「ひどいこと……って……」

 

 ちらりと、ヤリ捨てられた女戦士がフェイトの視界に入る。

 なにもかもを蹂躙された跡の逝きアヘ顔が、彼女たちの邪悪さを雄弁に物語っていた。

 

「あー、お姉ちゃん。これが特別タチ悪いだけだから、全部が全部そう思わないでくださいねー」

「なによ、あんたも大概趣味悪い癖に」

「悪くないもーん! 気に入った子は簡単に壊れないよう、魂を入れ替えてシコシコ人形さんとしてず~っと使ってあげるだけもーん!」

「そういうとこナチュラルに悪魔なのよねアンタも……」

 

 互いに性癖を自己弁護していくが、犠牲者にとってはどちらもたまったものではない!

 外見はどれだけ幼く人の言葉を話すとしても、コイツ等は先のスライムや触手達となんら変わらぬ外道だと判断したフェイトは強く両手のザンバーを握りなおす!

 

「今すぐ私の前から消えろ……そうすれば、後は追わない」

「……あ、ごめんなさい。すごいストライク、そういう甘々なとこ、ポイントすごい高い」

「お姉さーん。その悪魔っ子、ド直球な正義の味方ムーブする人が大好きで、好感度上げれば上げるほど後が残酷になるから注意してねー」

 

 ギンギンに自己主張を止めない巨根を抱えながら白いサキュバスは、頭と背中に羽根を生やし、もう堪え切れないと挑戦者ににじり寄る。

 

(やるしか……ない!)

 

 人間の姿形をしている相手であるため非殺傷モードにしておくが、加減はこちらの身を滅ぼす相手だと、初手から全力のプラズマランサーを放つ決意をフェイトは固める!

 

「バルディッシュ!」

 

 だが、彼女の意見に同意してくれる存在は、誰も居なかった。

 

《………………》

「えっ……? バルディッシュ?」

 

 それが、どんな時でも主に忠実であった相杖だろうとも……。

 

「バルディッシュ!? どうしたの、プラズマランサーを!?」

《…………………》

「バルディッシュッ!」

 

 どれほどフェイトが語りかけても、バルディッシュは反応を返さない。

 

(そんな、このタイミングで故障!? でも、そこまで酷使した覚えは……)

 

 バルディッシュはかつて、彼女の母の使い魔が、フェイトのためだけにコストを度外視して作り上げた特注品のインテリジェンス・デバイスだ。

 あれから歳月こそ経っているものの、常に改良を加えられてきたその性能や耐久性は折り紙付き。

 ここよりもっと過酷な戦場でも最後まで彼女を支え抜いた実績があり、そう簡単に故障するものではない。

 だというのに、現実は過去をあっさりと裏切り、ライオットザンバーから伸びる光の刀身すら消えていくではないか!?

 

「ど、どうなって……?」

「私のカキタレになってぇー! お姉ちゃーん!」

「カキっ!?」

 

 分からないが、ロクでもない意味なのはおそらく間違いないだろう。

 巨大なペニスで押しつぶさんと飛び掛かってきたサキュバス相手に、無防備なフェイトは最終手段を使わざる得なくなる!

 

「り、リアクターパージ!」

「きゃあ!?」

「おわっと!?」

 

 叫びと共に、閃光になってはじけ飛ぶ真・ソニックフォーム!

 魔力で編んだ衣装であるバリアジャケットを、そのまま無形の魔力へと変換して攻撃に転用したのだ!

 

「なにこれ目くらまし!?」

「あ、逃げた!」

 

 しかし、威力については全く期待できるものではなく、フェイトも期待したのは激しい発光による目くらまし程度!

 急ぎ反転して迷宮の別通路へと駆け抜けていく!

 

「バルディッシュ! しっかりして、バルディッシュ!」

《……s………sⅰ……》

 

 真・ソニックフォームから、着慣れた時空管理局執務官の制服に戻ったフェイトだが、こちらの姿では最低限の防壁すらないまさに丸裸の状態。

 このままバルディッシュがマトモに動かなければ、最悪の場合この無防備な姿であのサキュバス達と戦わなくてはならなくなる!

 あのまま戦うより、一度体勢を立て直すほうを選択した挑戦者であったが、果たして彼女の選択は正解であったのか……?

 

「どうして、バルディッシュ。いったい何が……」

 

 待機形態である三角形のペンダントに戻りはしたが、やはり不調なのは間違いないようだ。

 思えば、この階層へと踏み入れ、何かを踏んでしまった時から様子が少し変だったとフェイトは思い返す。

 

(間違いない。あの時に、バルディッシュに何かが起こったんだ……!)

《……Yes……sir……》

「っ! やれるの、バルディッシュ!?」

《Yes……》

 

 口調はどこか虚ろでどうみても万全ではないが、余裕もない。

 

「お姉ちゃーん! 逃げないでー!」

「その体力、私たちのケースになる時まで温存しとかないと後が辛いわよー!」

「っ……足が速い!?」

 

 あれだけのイチモツを抱えながらも、既にロリサキュバス達はフェイトのすぐ後ろへと追いついてきているからだ!

 

「バルディッシュ!!!」

 

 これ以上の接近を許せば、纏う暇がなくなる。

 意を決したフェイトは、バルディッシュに記憶しているバリアジャケットを再度展開した!

 光を纏い、フェイトの姿が再び戦いに望む魔法少女の戦闘服へと変わる――はずだった。

 

「ふぉ~!?」

「うわっ、すごっ……」

「……えっ? なっ!? えっ!?」

 

 バリアジャケットのデザインは、しっかりと腰を据えて調整しなければ弄れない。

 その筈なのに、今のフェイトのバリアジャケットは、先程まで纏っていた形状から様変わりを果たしていた。

 異常に――ドスケベな姿へと。

 

「なっ、なにこれぇぇぇぇぇぇええぇえ!!?」

 

 デザインの基本そのものは、真・ソニックフォームである。

 だが、彼女のたわわに実ったおっぱいを隠す胸部がハートの計上でくり抜かれており丸出しの放り出し状態。更に股の部分も、下の陰毛やヴァギナが丸出しになるよう同じくハートで切り抜かれており、大切な部分だけを一切隠さない卑猥なビッチ衣装と化している!

 当然、フェイトはこのような衣装、登録すらしていない!

 

「ばっ、バルディッシュ!? こ、これ一体どうなひぐぅ!?」

 

 最後に、ペンダントから『戦闘形態』になったバルディッシュが、フェイトに『装着』される。

 金色のスフィアが付いたリアクターが両乳首とクリトリスに装着され、ヴァギナとアナルにピストンシリンダー付きのマシンパンツが装着された、新たなる姿へと!

 

「ば……バル……ディッシュ……?」

《Yes……Yes……Yes……》

「これ、いったい何!? ちゃんと説明し」

《YeeeeeEEeeeeeeeeeeeeeS!!!!!!》

「ひっ!?」

 

 問い詰めようとした矢先、デバイスから加減無しの大音量で流された音声が迷宮に響き渡る!

 

《Yes! oh,Yes……oh,Yeah,Yeah,YeeeeeeeeeS!!!!!》

「バルディッシュ! お願いだから静かにっ、聞いてバルディッシュ!!!」

 

 負けじと大声で命令するフェイトだが、音割れするほどの音圧で叫び散らす今のバルディッシュにはまるで届かない!

 

「わー、すごいシャウト」

「うんうん、あんなメカロッドでもスケベ心が分かるのね。あんな姿見せられたら、チンチンついてるなら誰でもああなる、私もああなる」

 

 元から際どかったが、完全にチンポに奉仕するような姿へと変わり果ててしまった挑戦者を視姦し、各々のコメントを残すサキュバス達。

 

「そ、そんな、バルディッシュにチ……お、男の人のアレなんてついてない!」

 

 フェイトの口にしていることは正しいが、それは数分前までの正しさだ!

 先程のトラップを踏んでしまった結果、バルディッシュは迷宮の呪いを受け完全に故障してしまっていたのだ!

 ぶっ壊れた今の彼は主に忠実な剣ではなく、メスをいたぶるための淫具でしかない!

 

「無理、もー無理! そんなドチャシコスケベ第二形態卑怯だよお姉ちゃん! 孕ます、絶対孕ませたあと加工するッ!」

「うーん、流石の私も、そこまで犯してくださいって気概を見せてくれるなら、一発でヤリ捨てるのは可愛そうに思えて来たなぁ」

「す、スケベでもないし、気概も見せてなぁいっ……!」

 

 もう半泣きになりながら、胸元と股間を腕で隠す挑戦者だが、状況は何も変わっておらず、むしろ好転したはずだと必死に自分に言い聞かせる。

 

(こ、これも真・ソニックフォームと一緒なら……!)

 

 魔法や武装は変わらず使えるはずだと、バルディッシュに命令を飛ばす!

 

「トライデントスマッシャー! わ、分かるよね!?」

 

 やはり閉所である回廊ならば、外すことは絶対に無いと、カートリッジ二本を使おうとも確実に勝負を決めるため、トライデントスマッシャーを選択したフェイトに、ふと疑問が過る。

 

(……でも、今カートリッジってどこに付いていて、魔法もどこから発射するんだろう……?)

 

 その答えは――

 

《YeeeeeeeeeS!!!!!》

「ほぐぅぅ!?!?」

 

 バルディッシュの雄叫びと共に、フェイトの子宮へと叩きつけられた!

 

「おっ……ほごっ……!?!?」

 

 まるで構えていたなった子宮へと襲い掛かった、外側から下腹部が突き上げられたのが分かるほどの衝撃に、思わずフェイトは口をパクパクさせながら悶絶!

 蜜壺に挿入されていたピストンシリンダーは、なんとカートリッジシステムと連動して動くようになっていたのだ!

 

「ま゛っ……でっ……バルデ……まっ……」

 

 肺からすべての空気が吹き飛んでしまうような一撃を受けながらも、フェイトはトライデントスマッシャーの中止を命じる。

 なぜならば、トライデントスマッシャーの行使に必要なカートリッジは二発!

 もう一発の子宮直撃ピストンが、既にフェイトへと狙いを定めているからだ!

 万が一、もう一発受けてしまえば、挑戦者の子宮が今度こそ壊れてしまうかもしれない……。

 

《Sie No sir!!!》

「の、ノーっ!?」

 

 だというのにバルディッシュはあっさりと命令を断り、装着者の子宮口を全力でぶち抜いた!

 

「の゛お゛お゛ぉぉおおぉぉおぉぉぉぉぉぉぉ!?!?!?」

 

 子宮を叩き上げる一発をもう一度くらい、整った顔立ちをみっともなく歪ませながらアヘ叫ぶフェイト!

 この時点で彼女の意識は刈り取られていたが、動かなくなった身体をバルディッシュがサポートし、発射に適したポーズへと変える。

 両脇を大きく開いて、ガニ股を大きく開く、下品極まりないポーズへと!

 

「ぷっ、あははは! なにあれ傑作! 子宮ボコォって、アヘ気絶って、ガニ股ポージングって、みっともなさすぎアハハハハハハっ!!!」

「で、でもなんか、ヤバそうな気が……するんだけど……」

 

 白い方のサキュバスの懸念は当たっていた!

 気絶しているというのに、挑戦者の乳首リアクタースフィアからはバチバチと雷撃が漏電し、激しい燐光を放ち始めている。

 誰が見ても明らかに穏やかな雰囲気ではない!

 

「くひひっ……ごっ……ごめっ……ツボった……! ひひっ……動け……ない……」

「えっ、ええー!!?」

 

 何をやっているんだと白いサキュバスが、蹲る黒いサキュバスを抱えて作った転移魔法陣に逃げ込むのと、フェイトの乳首とクリから雷撃の暴威が放たれるのは、ほぼ同時であった。

 

《Trident……Smasheeeeeeeeeeeeeeeeer!!!!!》

 

 もはや親友の全力全開かと見紛うほどの雷が、ダンジョン内を焼き尽くす!

 このFに残っていたモノ全てが、高すぎるバルディッシュのテンションに呼応するようなオーバーキルの魔法によって塵になり――あとにはガニ股を開いたまま床で、涙と鼻水を垂らしながら痙攣する、フェイトの姿だけが残っていた。

 

 

《4Fリザルト》

『バルディッシュが呪われてしまった! バリアジャケットの形状がドスケベに変化し、バルディッシュも下品な方法でなくては魔法が行使できなくなってしまう。装備変化『バルディッシュ・アサルト(呪)、バリアジャケット(ドスケベフォーム)』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/5F/装備・『バルディッシュ・アサルト(呪)、バリアジャケット(ドスケベフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

「どうしよう……」

 

 手で隠しているのにスースーする胸元や股間に、凍えるのは何も身体だけでは済まない。

 戦慄に背筋も凍らせながら挑戦者は次の階層へと進んでいた。

 

「これじゃあ戦えないよ……」

 

 まだじんじんと痛みを発する子宮と、目を覚ました瞬間にほぼ更地となっていた前フロアの様子は、今後の魔法の使い方を大幅に改めなくてはならないとフェイトに自戒させる。

 バルディッシュは強引に音声を切ることに成功したものの、胸と股間が開いたバリアジャケットや、更に丸出しのそこへ装着されたデバイスの姿は変わっていない。

 それでもフェイトが脱ごうとしないのは、防御力だけはこんな姿でも変わっていないようであったからだ。

 ほぼ裸の防護服を着るか、しっかりとした外見だが裸とさして変わらない防御力の制服でダンジョンをうろつくか。

 苦渋の決断であるが、挑戦者が選んだのは前者だった。

 

「できるだけ、バルディッシュに頼らなくて……どこまでやれる……?」

 

 痛みも無論、制御できないところが特にバルディッシュの使用を挑戦者に躊躇わせた。

 あくまでデバイスは、記録した魔法を即座に引き出してオートで発動させることや、武具へと形を変えることで幅広い状況に適応できるようにする戦闘の補助具であり、魔法を使うだけならば魔導師だけでも問題はない。

 ただ、フェイトの戦い方は当然、バルディッシュがあること前提で鍛えられてきた。

 それが使えないとなると、大幅な弱体化は避けられない。

 

(できれば、ここから先は誰にも見つからないでくれれば……)

 

甘い願いだが、それが通るほど生易しい場所ではない。

 次の刺客は既に、フェイトを視界に捉えていた!

 

「っ!? ま、また!?」

 

 天井や壁の僅かな隙間から、触手の群れが飛び出してきたのだ!

 3Fに比べれば微々たる量であるが、今のフェイトはそれ以上に弱体化しており、なにより距離が近い!

 

(だ、ダメっ! この距離じゃ魔法が間に合わない!?)

 

 普段ならば飛行魔法で飛び退くなり、防御魔法で弾くなり、いくらでも対処が可能な雑魚であるが、デバイス抜きではそのような基礎魔法すら間に合わない!

 

「ばっ……バルディッシュ!」

 

 ならば、比較的低出力な魔法で凌ぐしかないと、フェイトはハーケンフォームを起動する!

 迷宮内での取り回しを考えるなら二刀流のライオットザンバーなのだが、現状で最強フォームを制御できる自信はない。

 鎌状のハーケンフォームで、触手達を切り払う算段は――懸念とは別の意味で、フェイトの想像を超えた結果を生んでしまう!

 

「な、なぁっ!!?」

 

 なんと、ハーケンの刃が乳首に装着されたリアクターから出現したのだ!

 両胸から母乳でも飛び出すかのように伸びる、二つの光刃。

もはや顔から火が出そうなほど恥辱的で、間抜けな姿だ!

 

「う……うああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 しかし、火が付いているのは顔ではなく、己の尻!

 無抵抗は凌辱の始まりだと分かっているフェイトは、自分の胸を横掴みにして応戦を開始する!

 

「こっ、このぉぉぉぉぉ!」

 

 持ち前の巨乳を縦に振り下ろし、襲い掛かってきた触手の一本を一刀両断!

 さらにもう片方のおっぱいで、続けて迫っていた一本も切り裂く!

 この場に先程の黒サキュバスが居たなら笑い死んでいたかもしれない滑稽ささえ除けば、実に鮮やかな動きだ!

 

(き、基本はライオットザンバーと似てる……似てるっ!!!)

 

 強引に頭を戦闘用に切り替えることで、羞恥心を誤魔化すフェイト。

 

「えぇぃ! そこっ! たあぁぁぁぁ!」

 

 自らの乳を掴んでぶるんぶるんと揺らしまくるその姿は、場末のストリップ劇場すら連想させるほど下品で無様極まりないのだが、当の本人は過去最高クラスに神経を尖らせて凛々しい表情を崩さない。

 即興のおっぱい剣法は、本人は絶対に認めないだろうが実に効果的だった。

 触手達も、一筋縄ではいかないと勢いを弱らせる。

 

(よしっ、隙が出来た……!)

 

 文字通り女を武器にして、追撃をしかける挑戦者。

 

「これでぇぇぇぇっ!!!」

 

 走りながらパイズリもかくやという勢いで、乳を上下に激しく動かし敵を切り刻んでいく!

 残った触手達も千切れ飛び、おっぱい剣法の前に敗れ去っていった!

 

「や、やった……!」

 

 無難な勝利だが、それが限りなく喜ばしい。

 勝つことにここまでの高揚を抱いたのは久方ぶりであり、この迷宮にやってきて初めての笑顔が思わず挑戦者からこぼれた。

 

「よしっ、これならやれる!」

 

 状況は確かに不利だが、こんな戦い方でも通じるなら絶望的ではない。

 それが分かっただけでも、挑戦者にとっては非常に大きな収穫であり、

 

「これを……! また……やるしか……ないんだよ、ね……」

 

 今後も、こんな女を捨てたような戦いをしなくてはならないという事実が、急転直下にフェイトの気分を沈めていった……。

 

 

《5Fリザルト》

『能力が殆ど使えない中、触手に襲われる挑戦者! だが、即興で編み出したおっぱい剣法を巧みに操り、なんとか撃退に成功する!』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/6F/装備・『バルディッシュ・アサルト(呪)、バリアジャケット(ドスケベフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

 まだまだ続くエロトラップ・ダンジョンの闇を体現するかのように、6Fは暗闇に包まれたエリアであった。

 

「これは……普通の暗闇じゃない?」

 

 階段の灯りや、簡単な魔力光で辺りを照らしてみても、足元の一本道以外はまったく明るくならず、このFも一筋縄ではいかないのだろうと挑戦者の緊張を高めていく。

 

「こ、このバルディッシュも、いつでも使えるようにしとかなきゃ……」

 

 もはや直視することすら憚られる、乳と股間へと装着されたまま外せないバルディッシュだが、外見も裸よりは多少マシであり、なにより挑戦者にとっては唯一の護身具でもある。

 気にしないか、受け入れるしかないのだろうと、小さく溜息がこぼれ落ちた。

 

「はぁ……先、行こう……」

 

 見えている道以外を踏んだ瞬間、何が待ち受けているのか分かりやしない。

 半ば諦めに近い決意を固め、フェイトは闇の回廊へと足を踏み出す……。

 

「どうなっているのかな……」

 

 何も見えないのに、自分の姿と足元の周辺だけは異様にハッキリ浮かんでいるのが、挑戦者の不安を掻き立てた。

 

(……もう、思い出さなくていいのに……)

 

 一人ぼっちでこんな場所に居ると、フェイトは嫌でも昔を思い出してしまう。

 使い魔しかまともに話す相手がおらず、ただ母の願いを叶える為だけに奔走していたあの頃を。

 

(……いや、止そう。私はもう、あの頃の私じゃないんだから)

 

 胸を締め付ける痛みは、忘れていいものではないが、今必要ではない。

 気持ちを切り替えようとしているのに、過去は嫌でも身体へと絡みついていく。

 

「……ッ?」

 

 だが、それは果たして気持ちだけのモノだろうか?

 一歩、一歩と進むごとに、全身を締め付けていく痛みは強くなっている気がする……。

 

「……っ……なにが……」

 

 どの方向から襲われてもいい様に、周囲から目を離したくないフェイトだったが、いい加減に痛みと化してきた締め付けの煩わしさに、視線を下におろした。

 これは、最初に気付いておくべきだっただろう。

 そもそも先程までの彼女の衣装は、胸と股間に布がなかったのに、なぜか今はその部分までも締め付けられているという矛盾に……。

 

「起こっ……て……」

 

 過去がフェイトを縛り付けている、というのは比喩表現ではない。

 実際の姿形として、気が付けば彼女は過去の衣服を身に纏っていたのだ!

 

「な、なんで……昔のバリアジャケット、に……?」

 

 かつて纏っていたライトニングフォームと呼んでいた形態。

 ハイレグの水着に、マントや前が開いたスカートを付け、手袋とニーソックスを装備した、アダルティックな印象を受けながらも少し子供らしい可愛らしさが残っているデザイン。

 しかしこれらは、九歳だったフェイトが纏った時の印象だ。

 

「さ、サイズまで昔のまんま……!?」

 

 今の一九歳に成熟した肉体で纏ったライトニングフォームは、サイズがまるで合っておらず、先程までのドスケベジャケットとは別の意味で目も当てられないような姿となっていた!

 

「き、キツい……!」

 

 九歳児のなだらかな胸を守っていた胸部は横からはみ出かけており、中のおっぱいや乳首がこぼれ落ちる寸前で、下のハイレグは完全にマン肉へと食い込んだ艶姿。お尻もTバックなどというレベルをオーバーして外気にさらされ、インナースーツの役割を完全に果たしていない。

 太腿のニーソックスも締め付けたハムのように肉が上にのっていて、かつて慣れ親しんだライトニングフォームは、マントもあって今となっては完全に変質者が着るような変態スーツへと変わり果てていた。

 

「こ、これ……! ほんと、お股が、キツい……!」

 

 他の部分の痛みならまだしも、女性器に食い込んだハイレグはそうもいかない。

 歩くために足を動かすだけでも彼女のスジをキツく締め上げ、擦りつけ、濡らしていき、望まぬ甘美さをフェイトへと伝えてしまうからだ。

 

「くっ……はぁ……んっ……♡」

 

 感じてはならないと思えば思うほど、刺激は挑戦者の意識を股座へと沈めていき、隠しようもなく黒いインナーの下から乳首が浮かんでくる。

 

「だ、だけど……!」

 

 言ってしまえばそれだけだ。

 既に汗と混じった愛液が太腿へと滴り始めている以外に問題らしい問題もなく、さらに道は暗いだけで先程から何の妨害もない。

 

「これなら……!」

 

 問題ない――と決めつけてしまうのは早計だ。

 このダンジョンの主目的を理解している人間なら、誰もが分かるだろう。

 どう考えてもこれが、更なる恥辱の下準備に過ぎない事など……。

 

「おほぉっ!?」

 

 早速、時は来たと言わんばかりにこのFの凌辱が始まった!

 フェイトの膣肉が、内側から強引に押し広げられる!

 

「ひっ、んいいいぃぃぃぃいいぃぃぃぃ!!? で、出てるぅぅぅぅぅ!!?」

 

 謎の何かは、一突きでフェイトの子宮口にそのまま射精!

 いきなりの膣内出しレイプに困惑する挑戦者だが、異変はこの程度では収まらない!

 

「ひぐっ! えっ、なっ、消えっ……?」

 

 射精をし終えた何かの感触が、そのままスッとフェイトの膣内から消える。

 

「い、一体どこに消えでぃっ!?」

 

 すかさずまた、フェイトのマンコへと侵入する何か!

 

「なっ、こ、こいつもんううぅぅぅ!!!」

 

 やはりこれも、深くフェイトの子宮口へとザーメンをぶちまけて、膣内から消えてしまう。

 

「ど、どこにいる!? 姿を現せひゃん!」

 

 またまたフェイトを犯す何かだが、今度は大ヒントと言わんばかりに異常の本質がハッキリ現れていた。

 

「こっ、これ、ち、小さんんっ!」

 

 膣内射精して消えていくのは一緒だが、今までのとは明らかに違う短小さ。

 

「ま、まさかあうぅぅぅ!!?」

 

 かと思えば、今度はまた太く逞しいサイズとなるが、この挿入で彼女の蜜壺が感じ取っていた疑念が確信へと変わる!

 

「こ、これ、全部別の人がっんいぃぃ! て、転移魔法でぇぇぇ……」

 

 概ね正解であるため、解説に入ろう。

 この部屋は世界中のありとあらゆる膣内出し射精寸前の男根が、一時的にワープされてくる空間なのだ!

 犠牲者の子宮に一発出しては送還され、再び次の誰とも分からない射精寸前チンポが転送されてくる。

 ここを出るまで、このチンポ以外なにも分からない誰かに膣内出し射精されまくる淫獄は、終わりを告げることが無いのだ!

 

「い、急が、急がないとまたンおぉぉぉぉ!!!」

 

 送られてくるチンポは完全にランダムであり、今度はひと際太いのがフェイトの膣内に叩き込まれる。

 

「いっ、いやぁぁぁ……こ、こんなのぉぉ……」

 

 性知識に疎いフェイトであるが、流石に子供の作り方ぐらいは知っており、そして自分のヴァギナから大量にひり出される白いドロドロが何を意味しているかも分かっているからこその、恐怖と絶望。

 

「は、孕む……! こ、こんなことされ続けたら、誰かもわからない赤ちゃん、孕んじゃうぅぅ……!」

 

 対処法などある訳がない。

 とにかく妊娠する前に逃げるしかないと、全力疾走を始める挑戦者!

 

「お゛っ! ほっ! うぐっ! あぐっ!」

 

 その間も絶えず膣内出しだけ凌辱は続き、もはやオークや触手の大量射精と大差ない量のザーメンがごぷごぷとフェイトの痴丘から垂れ落ちていく。

 

「こっ、こんなの……! こんなの酷すぎるよぉぉぉ!」

 

 たった一回の挿入を断続的に続けられるだけで感じることや達することができる訳もなく、ただただ女性の一番大切な部分を誰とも分からぬザーメンで汚されるだけの不快感は、気丈な挑戦者をしても涙がこぼれそうになってしまう。

 

「うっ……ううっ……!」

 

 女であるならば皆が皆、泣き崩れて蹲ってもおかしくないほどの仕打ちであるが、やはりこの挑戦者の強さは本物であった。

 どれほど打ちのめされ、汚されようとも、前に進むことだけは止めない信念、いや人形ではなく人として生きると決めた執念が、次の階層を彼女の視界へと運んできた。

 

「あ……あと少しっ!」

 

 ようやく見えたゴールに、大股を開いて走り出す挑戦者。

 運勢はここに来て、ようやく彼女の味方をし――すぐに掌を返して裏切った。

 

「あごぉ!?!?!?」

 

 そう、ここはありとあらゆる男根が集う場所なのだ。

 例えそれが、人ではない――怪物の射精寸前チンポであろうとも、等しく……。

 

「あぎっ……あ゛っ、あ゛あ゛あ゛……」

 

 フェイトの膣内に転送され、いま彼女のバリアジャケットを突き破りながら子宮を腹ボコ状態にしているのは、巨大な牛の怪物ミノタウロスの牛チンポだ!

 姿は見えないが全長からしてフェイトの三倍はあろうかという巨体の太さ、長さ、硬さ!

 人間のソレなど、比べ物にすらならない!

 

「へっ、あ゛っ、はっ、ぎいぃぃぃぃぃ……!」

 

 先程までの人間精子が全て押し出されてしまうほどの圧倒的ボリュームは、ガニ股を開いてお腹を抑えなければ、意識を保てないほどの凶悪さだ。

 こんなものが突然、子宮を押しつぶしただけでも挑戦者は白目を剥いて歯を食いしばらずにはいられないと言うのに、この部屋の法則は無慈悲にフェイトへとトドメを刺し始める……。

 

「はぎいぃぃいいぃ!?!?」

 

 不快感程度だった今までとは明らかに違う!

 まるで消火用のホースを秘部へと突っ込まれ、全力で放水されているかのような射精が挑戦者を襲った!

 

「ぎゃああぁぁぁああ!!? お゛っ、お゛な゛がああぁぁぁぁああぁぁ!?!?!?」

 

 清貧なフェイトが一度も発したことのないような大絶叫と共に、牛チンポの形に膨らんでいたフェイトの腹部が、みるみる水風船のように膨張していく!

 

「おごっ、お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!? い、いづ、いづ止まるの゛おおぉぉぉおおぉ!?!?」

 

 ミノタウロスの射精は、なんの処置や改造も施されていない人間にとっては拷問にも等しい!

 

「お゛ーっ! お゛ーっ! お゛ーっ!?」

 

 叫びが呼吸か分からない、ケダモノめいた声を上げながら、フェイトは自分のザーメンボテ腹を見やる。

 もはや確実にミノタウロスの子を妊娠しているか、子宮が使い物にならなくなっているかの二択といった有様だ!

 

「いぎいいぃぃぃいぃ!!! やぶ、じぎゅ、じぎゅう破れるぎぃいいいぃぃぃぃいい!!!」

 

 射精が終われば消えるはずなのに、まだまだ萎えて消える気配のない牛ペニス。

 限界は先にそちらの方ではなく、フェイトの生殖器の方へと、予想もしない形で訪れた……。

 

「ひっ、ひがああぁぁああぁぁぁぁ!!?」

 

 なんと、ザーメンの水圧によって押し出されたフェイトの身体が、宙へと飛んでしまったのだ!

 本来ならばミノタウロスの強靭な四肢がメスを抑えるために、このような事態は起きないのだが、この部屋に送られたのは彼のペニスのみ。

 固定する物が無ければ勢いよく押し出されてしまう、暴徒鎮圧の車両に搭載されるような放水砲めいた射精は、もはや一種の凶器とすら言えるだろう!

 

「あ゛っ、まっ、こんっ!?!?」

 

 ブシャァァァとガバガバになったマンコから牛ザーメンを噴き出す、無様すぎる痴態で宙に投げ出された挑戦者。

 いくら空戦魔導師だとしても、こんな異常でみっともない飛行など経験している訳もなく空中でもがぎ溺れながら、次の階層へと続く扉の角に頭をぶつけてしまう!

 

「ふげッ!?」

 

 まともな対処など何一つできないまま、一瞬でブラックアウトするフェイトの意識……。

 一応、出口まではたどり着いたので、この際限のない凌辱は、今のを最後で終わりである。

 

「げっ……ひっ、あびっ……げっ……」

 

 だが、パンパンに膨れ上がった腹のザーメンを、俯けの自重でマンコから大量に垂れ流し、完全に白目を剥いて床を舌で舐める挑戦者が受けたダメージは、心身ともに深刻極まりなかった……。

 

 

《6Fリザルト》

『チンポ転移の暗黒空間だ! 新たなドスケベジャケットに着替えさせられ、何度も代わる代わる射精だけを子宮に受けた後、トドメにミノタウロスの射精圧で空中飛行! 無様に墜落してしまい、気絶してしまう……。装備変更・バリアジャケット(ライトニングフォーム)』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《フェイト・T・ハラオウン/7F/装備・『バルディッシュ・アサルト(呪)、バリアジャケット(ライトニングフォーム)』/状態異常・???【探索中】》

 

「ぐっ……ひぐっ……うぅ……♡」

 

 全身を食い込み続ける小さすぎるバリアジャケットに苦悶の声を上げ、迷宮の石壁を伝いながらも、フェイトは7Fの回廊を進んでいた。

 

「ふぅー……ふぅー……ふぅー……♡」

 

 前の階層のダメージも抜けきっておらず、破損していては防御力が落ちると魔力で修繕したライトニングフォームの食い込んだハイレグからは、まだ白濁液が滴り落ちている。

 

「バルディッシュ……も……戻ってたり……しない、かな……」

 

 ライトニングフォームに切り替わった瞬間、あの卑猥な姿へと変えられたバルディッシュは外れてくれたが、おそらく元に戻ってくれた訳ではないだろうと、諦め半分にフェイトは自嘲する。

 自分を苦しめるためなら何でもするこの迷宮が、そんなこちらに都合が良い現象は起こしてくれないだろうと、達観に似た諦めを込めながら。

 

「私は……帰るんだ……みんなの、所に……!」

 

 しかし、諦めるのはここまで。

 挑戦者はまだ、このエロトラップ・ダンジョンからの生還については諦めてはいなかった。

 

「なのは……アルフ……はやて……母さん……お兄ちゃん……エリオ、キャロ、ヴィヴィオ……!」

 

 地上へと残してきた、大切な人々の名を口ずさみ、足へと込める力に変えていく。

 

「まだ……いける……!」

 

 ボロボロの身体を押し込んだ先には、またドーム状の空洞エリアが待ち構えていた。

 

「くっ……またコイツか……!」

 

 身震いと共に、挑戦者は中で再び待ち受けていた魔物を睨みつける。

 

「最初のフロアのより、格段に大きい……!?」

 

 そう、再びフェイトに立ち塞がったのはパープルスライムだ!

 しかも、今回は1Fで遭遇した個体より遥かに巨大であり、普通自動車ぐらいならマルっと包み込めそうな体積を誇っている。

 あれに飲み込まれたら、今度こそ窒息死は免れないであろう。

 

「う、うぅぅ……ば、バルディッシュ!」

 

 不意打ちとはいえ一度敗北を喫した相手に、下手な加減をするのは危険と判断したフェイトは、今の全力全開をぶつけることを決意する。

 

「んひっ……♡」

 

 元から零れかけていた胸部は、完全に谷間の間に挟み込まれ、ようやく顔を出せた生乳にはスフィアリアクターが。

 きゅうきゅうとクリトリスやマンコを締め付けていたハイレグには、直接上からディルド付きの機械パンツが装着される。

 

「く、うううぅぅ!」

 

 ライトニングフォームで装着しても変わらず、正気の人間がするような格好ではない自覚がありながらも、戦うためには装着するしかない。

 自分は間違ったことはしていないと言い聞かせるよう、呪文を唱える!

 

「プラズマスマッシャー!」

 

 胸のスフィアから雷撃が発射!

 フェイトの扱う魔法ではカートリッジを使用せず、そして先程のスライムを一撃で撃破できた魔法ならばと唱えた選択だったが、今回は相手のサイズが桁違いだ。

 

「まさか、効いてない……!?」

 

 サッカーのゴールネットのように大きく変形させることは出来たが、すぐに元の形へと戻り、何事もなかったかのようにフェイトへと薄く伸ばしたスライム触手をいくつも飛ばしてくる!

 

「よっ、寄るなぁッ!」

 

 今度はスフィアから雷刃を出現させ、迎撃する挑戦者。

 フェイトの腕前なら、この程度の触手など全て斬り伏せられるのだが、腕と比べて遥かに取り回しが悪いおっぱい剣法ではそうもいかない!

 左右の胸を掴んで振り回し、変幻自在の動きに苦戦している内に、両乳を横から縛り上げられてしまう!

 

「し、しまっ!」

 

そのままスライム触手は、フェイトの胸を思いっきり絞り上げた!

 

「ぎぃいぃいいぃいぃぃぃぃぃ!!!」

 

 豊かでたわわなフェイトの巨乳が真っ赤に充血し、ザクロめいた丸い果実のように絞られる!

 

「は、離せ、離せぇぇぇええ!!!」

 

 おっぱい剣法も、剣先がある乳首より奥の懐に潜られてしまえば届かない!

 必死の形相でスライム触手を叩くフェイトだが、当然そんな非力な打撃が通用するわけがなかった。

 

「ひっ、ん゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁあ!!?」

 

 捕まえた獲物を弱らせるよう、スライムはフェイトの巨乳を拘束したまま大きく横回転をし始めた!

 

「ぢっ、ぢぎれるうぅぅぅ! おっばいぢぎれじゃううぅぅぅぅう!!?」

 

 まさに胸を掴んでのジャイアントスイング!

 遠心力によって引っ張られ、ブチブチと音を立てて変形させられていく挑戦者の乳房!

 

「あべっ! おげっ! ぐげぇっ!」

 

 それだけに留まらず、スライムは何度もフェイトを石の床へと叩きつけていく!

 釣った魚を大人しくさせるように残酷ながらも効果的な仕打ちは、バリアジャケットの上からでも挑戦者をズタボロにするには充分過ぎるほどの拷問だ!

 

「あ゛ッ、あがっ……あががっ……」

 

 かつて、黄金のツインテールをなびかせながら、華々しくも勇敢に空を駆け抜けた空戦魔導師が居た。

 それがこの、ボロ雑巾のように汚れくたびれた衣装で露出した胸を吊り下げられ、ぐったりと眼球を裏返しながら痙攣する、無惨な敗者と同一人物だと、誰が思うだろうか……。

 

「こ……ぎ……」

 

 巨大なパープルスライムは、獲物が完全に沈黙したのを確認すると、その手足を掴み取り、自らの体内に呑み込むようにして四肢を拘束する。

 身体だけをハンティングトロフィーのように、前面に突き出すよう拘束された挑戦者。

 こうなってしまってはもう、胸からしか魔法を発射できないフェイトに脱出は絶望的だろう……。

 

「あーあ、やっぱりこうなっちゃったの」

 

 完全敗北したフェイトを嘲笑うかのように、どこからか声が響く。

 

「本当は戦いなんて、これっぽっちも向いていないのに、下手に才能があって、それで犯した罪に旋毛まで浸かっちゃって、抜け出せなくなって……最後は、こんな無様に嬲られちゃう」

 

 同情しているような口ぶりだが、声色には隠し切れないほどの喜悦が滲んでいる。

 

「うんうん、自分が望んだんだもんね。望むしかなかったもんね? あの頃は何かをぶっ壊すことしか出来なくて、罪を償うにはそれしかなかったもんね? 時空管理局に目を付けられて、ずーーーっとあの人たちの戦いに都合よく使われる生き方をしてきたんだから、こうして最後は誰かにぶっ壊されちゃうのも、自然の帰結って奴だもんね?」

 

 彼女が歩んだ全てが可笑しくてたまらないと言わんばかりに、芝居がかった語り部は嘲笑し続ける。

 

「あーあ、とっても可哀そうなフェイトちゃん。結局最後まで、だーれも弱っちい本当の貴方を理解できなくて止めてくれなかったから、こんな風に誰かの道具として使い潰され」

「……が……ぅ……」

「うん?」

「ちが……う……」

 

 うわ言のようだが、確かなNo。

 

「私は……道具じゃ……ない」

 

 なんと、こんな仕打ちを受けても挑戦者の精神はまだ折れていなかった。

 敗北し、どうしようもなくなっても、心だけは決して汚さない。

 常人には決して宿らない、あまりにも眩い気高さだ。

 

「私は……後悔……していない……」

「へぇ? その強がりが、フェイトちゃんをこんな風に凌辱しちゃっても?」

「して……いない……」

 

 周囲の皆が皆、自分の事を完璧に理解できていたとは思わない。

 期待に応えるために、押し殺していた部分があることも否定しない。

 それでも、懸命に生きてきた人生に後悔はあったかと問われれば、フェイトはこうなってもハッキリと示すことができる。

 

「私は……最後まで、後悔なんてしないっ……!」

 

 例え、ここで凄惨な凌辱の果てに倒れるとしても、そこに嘘だけは無かったのだから。

 胸を張って、先に友人たちを待つことが出来る。

 母や姉に会いに逝くことが出来る。

 

「さぁ……どうにでもしてみろ……それで満足するんだろう、お前たちは」

 

――ごめんね、みんな。

 

 僅かな無念こそあれど、誇り高く、人として死ねるならば全うはできたはずだ。

 己の最後を悟りながらも、静かにフェイトは瞳を閉じた――。

 

「ふふっ、変なの。それはおかしい、おかしいよ、フェイトちゃん」

「ふん、笑いたければ笑っていろ……」

 

 どうせ、お前みたいな人形には分からない。

 聞く耳持たずと、道化を見下すような哀れさすら感じ始めていた挑戦者の心が、

 

 

「だって、フェイトちゃんはもう、とっくに道具になっちゃってるのに」

 

 

 おぞましすぎるその宣告に、凍り付いた。

 

「…………………………は?」

 

 ようやく口から出たのは、事態をまるで呑み込めていない、そんな一言。

 

「うんうん、察しの悪いフェイトちゃんに分かるように説明するとね、もうフェイトちゃんの身体は、エロトラップ・ダンジョンに潜る前とは全く違うの♪」

「な、なに……を……」

「ほら、フェイトちゃん。1Fでこのスライムくんと、一緒の色をしたスライムくんに襲われて気絶しちゃったでしょ?」

「だ、だから、どうした」

 

 死を眼前にしてなお、恐れなかったフェイトの喉が震える。

 

「あの時ね、スライムくん実は、気絶したフェイトちゃんのお口から、体内に入って行っちゃってたんだ」

「…………な…………」

 

 1Fでこちらを倒したのに、消えたスライムの行方。

 気にはなったが、問題ないと忘却していた過去が、ゆっくりとフェイトの意識を混濁させていく……。

 

「でね、このスライムくんは、女の子の体内に入ったら、ゆーっくり、ゆーっくり作り変えていくの。こんな感じに、ね」

 

 ヒュン、と風を斬る音がフェイトの右頬を掠め――彼女の右腕を、両断する。

 

「えっ……?」

 

 あまりにも呆気なく胴体と別れを告げ、スライムからも吐き出された挑戦者の右腕は、重力に引かれて落ちていく。

 激痛が走り、止めどなく血が噴き出し、絶叫が喉から振り絞られる――

 

「へっ……?」

 

 と、いった、人としてごく当たり前の痛みすら、道具にはもう与えられなかった。

 代わりに与えられたのは、着脱可能なパーツが外れた程度の呆気なさと、地面に滑り落ちた腕が――

 

「……………く、ずれ、た?」

 

 どちゃりと、ゼリーを叩きつけたかのように、腕だった物が呆気なく紫色のぶにゅぶにゅになって崩れ落ちるという現象。

 

「うん、それが今の、スライムくんにドロドロに改造されちゃったフェイトちゃんの中身」

「は……は?」

「この子はね、女の子をオナホールに加工するのが得意なスライムくんなの♡」

 

 分からない。分からない。分からない。

 フェイトには、この声が何をほざいているのか、分からない。

 ただ、もう腕の形をしていない、地面のぶにゅぶにゅを呆けた表情で眺めている。

 

「痛みとかが出ないように、少しずつ、少しずつ女の子の中身を作り替えていってね。ほら、心当たりない? あれだけ酷い目にあったのに、途中から涙とか出血とか嘔吐とか、しなくなったでしょ?」

 

 一言、一言が、フェイトの中で、決定的で致命的な何かを壊していく。

 

「で、これが最終加工。あとはオナホスライムくんがフェイトちゃんを呑み込んじゃえば、手足は溶けてなくなって、お楽しみに残してた余計な器官もぜーんぶ無くなって、おマンコから髪の毛一本まで、立派なオナホール――フェイトちゃんは、おチンポしごいて性処理するためだけの道具になっちゃうの♡」

「―――――――――――――――――」

 

 そして、これから辿る自らの末路を示された、理解できた瞬間、

 

「……け……て……」

「んー?」

「たすけ、て……ください」

 

 もう、そこに気丈な女魔導師の姿は消え失せていた……。

 

「お願いしますお願いしますいや、いやこんな最後いや、わたしっ、わたし……」

「えー、さっきまでどうにでもしていいって言ってたのに?」

「おねがいじまずだすげでくだざいッ!!!!!」

 

 人としての死ぬのではなく、みっともない道具に堕とされる。

 犯されるよりも、孕まされるよりも、殺されるよりも、フェイトにとっては遥かに受け入れがたい残酷な最期。

 

「こ、殺してください、犯してからでもいいです触手でもサキュバスでもなんでも、なんでもいいから殺してっ、お願いだから私を、人間で、人間扱いで殺して……」

 

絶望に目の焦点が揺れ動き、ガチガチと歯をならしながら――それでも涙は流れず、なりふり構わない台詞が挑戦者の口からいくらでも出てくる。

 

「それは無理かなぁ。でも、大丈夫フェイトちゃん。これはおかしくないから」

「お、おかしく、な、ない?」

「だってそうでしょ? フェイトちゃんは道具として産まれたんだから……」

 

――最後は、道具になっちゃうのがとってもお似合いなの♡

 

「い゛……い゛や゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁま゛っ、なごぶぅ!?!?!?」

 

 道具には断末魔すら不要だろうと、パープルスライムは挑戦者を呑み込んで……最後の加工が、始まった。

 

(出してぇぇぇえ、ここから出してぇええぇぇぇぇええぇ!?!?)

 

 まず、邪魔な衣服や装備、手足を溶け落して、自らの栄養として消化する。

 

(か、変わって、と、とけ、とけて……いや、いやいやいやぁぁぁぁぁあ!?)

 

 全裸にした胸や神経、外皮も浸食して既に加工完了している内側と同化。弾力のあるシリコンゴムのような物質へと変質させ、固定。

 あえて残していた臓器も、全てオナホには不要であるため侵食を開始していく。

 

(み、耳から入っあ、あ、あ゛ん゛びょおおおおおぉぉぉぉぉぉおおぉぉぉぉ♡♡♡)

 

 脳がオナホへと変化し始め、二度と味わえない絶頂に獲物の腰がヘコヘコと激しく暴れ回るが、すぐに鎮静。

 こうなってしまっては逝きアヘった表情は戻らなくなるので、そのまま眼球も同化して固定。

 

(お゛……あ゛……あべっ……)

 

 この工程が済んだ段階で、本来ならば物言わぬ状態になるはずなのだが、獲物の体内にある異物がなんらかの影響を及ぼしているのか、微弱ながらも意識があるようだ。

 

(え゛っ……え゛へっ……へべえぇ……♡)

 

 しかし、知的生命体である以上、脳が機能しなければまともな思考は不可能であろう。

 特例として放置する。

 

(お、びょ、おま、おひぃぃ♡♡♡)

 

 続いて一番重要な、性器の加工だ。

 生殖能力などオナホにはもっとも不必要な機能であるため、性器から内部へ侵入。

卵巣や子宮といった器官は全て撤去し、膣道だけを加工して増設していく。

 腹部、胸部、喉元へとホールを作っていき、

 

(お、お、おぶえぼぉぉぉ♡♡♡)

 

 口までぶち抜いた貫通式にすれば完成だ。

 使用すれば、唇や鼻の下が現状のようにみっともなく伸びきるが、使い終わればまた戻るような弾力性は確保してある。

 

(んぴっ……ぁ……ぁぁ……)

 

 最後に、大きすぎるサイズを収縮させていく。

 手で握れるような一般的なサイズに調節すれば、ようやく完成だ。

 

「―――――――――――――――――――」

 

 どちゃりと、パープルスライムから湯気を上げて完成品のオナホールが排出される。

 

「―――――――――――――――――――」

 

 ツインテールの髪型も、アヘり狂って舌を突き出した表情も、パックリと開いて誰かの使用を待ちわびるマンコも、確実にフェイト・T・ハラオウンの面影を残しているが、そのような存在はもういない。

 ここに落ちているのは、シリコンのような紫色の物質で出来たオナホール――ただの、性処理用の道具であった。

 

 

《7Fリザルト》

『巨大なパープルスライムに敗北した挑戦者! 取り込まれてしまい、1Fから着実に進んでいたオナホ化の最終加工を受け、挑戦者は物言わぬオナホールへと加工されてしまった……』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

【フェイト・T・ハラオウン 最終リザルト】

 

《1F》

『パープルスライムの襲撃だ! 首を締め上げられた後に、顔面にマウントを取られ、気絶失禁させられてしまう……。状態異常・オナホ化進行』

 

《2F》

『自分がもっとも勝てないと思っている存在との強制戦闘だ! 敗北し、嬲られ、言葉責めにあった挑戦者は、力を温存することをやめて衣装を切り替えた。装備変更、真・ソニックフォーム』

 

《3F》

『縮小トラップの間だ! 小人にされてザーメンフォンデュにされた挑戦者は、そのまま身動き一つ取れずに処女を散らされ、42本もの触手に膣内出し凌辱されてしまった!』

 

《4F》

『バルディッシュが呪われてしまった! バリアジャケットの形状がドスケベに変化し、バルディッシュも下品な方法でなくては魔法が行使できなくなってしまう。装備変化『バルディッシュ・アサルト(呪)、バリアジャケット(ドスケベフォーム)』

 

《5F》

『能力が殆ど使えない中、触手に襲われる挑戦者! だが、即興で編み出したおっぱい剣法を巧みに操り、なんとか撃退に成功する!』

 

《6F》

『チンポ転移の暗黒空間だ! 新たなドスケベジャケットに着替えさせられ、何度も代わる代わる射精だけを子宮に受けた後、トドメにミノタウロスの射精圧で空中飛行! 無様に墜落してしまい、気絶してしまう……。装備変更・バリアジャケット(ライトニングフォーム)』

 

《7F》

『巨大なパープルスライムに敗北した挑戦者! 取り込まれてしまい、1Fから着実に進んでいたオナホ化の最終加工を受け、挑戦者は物言わぬオナホールへと加工されてしまった……』

 

 

【エンディング】

 

 

――そこの店主、すまない。少し良いか。

――人を探している。この女性なのだが……そうか、知らないなら構わない、邪魔をしたな。

――……なに、商品を買っていけ、だと? い、いや、手持ちはあるが……なんだこれは、人形か?

――ずいぶんな量を並べているようだが……消耗品だと? にしては、一つ一つデザインが凝っているように思うが……ん?

――…………似ている? いやまさか、サイズや重さ、質感、どれをとってもこれは人形……なに? 人形ではなくオナホール? なんだそれは?

――………なっ、なぁぁぁぁぁ!!? お、男の、せっ、せせせ……ふざけるなッ! こんなものを売りさばくとは恥を知れ恥を!

――な、なにぃ!? 握りつぶしたなら買えと!? うっ、いや、確かに商品を潰したのは私なのだが……ええい、金は置いていく。だがそれはいらん! 汚らわしい!

――まったく、とんでもない場所だ……ええい、騎士とあろう者が、この程度で気を散らすなどと……

 

―――――――――――――♡

 

――ッ!? 今のは、リンカーコアの反応……微弱だが間違いない奴の……待っていろよテスタロッサ。いま助けに行くからな!

 

 

《フェイト・T・ハラオウンだった物は、ダンジョン内で営業するオナホ商人の店先で、今日も使ってくれる存在を待ち続けている……》

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