※この作品はR-18です。

エロトラップ・ダンジョン ~HARD Ryona~   作:こーひーまめ

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挑戦者「武者巫女トモエ」【原作名 クイーンズブレイド】

 クイーンズブレイド。

 それは、世界中から集まった美闘士たちが己が栄光と隷属を剣に託し、身技をぶつけ合う、もっとも強く美しい女王を決めるための武闘典。

 神主が夢で受けたお告げに従い、クイーンズブレイドに参加した、東の果ての島国、ヒノモトを守護する武者巫女トモエ。

 彼女もまた美闘士として、他の美闘士たちと死闘を繰り返していたある日、神聖なる闘技場へと突如謎の迷宮エロトラップ・ダンジョン出現してしまう。

 調査と解体に挑んだ数多の兵士や名乗りを上げた美闘士たちが消息を絶ち、このままではクイーンズブレイドの進行に甚大な影響を及ぼすと、トモエにも王国から直々に調査の依頼が舞い込んだ。

 人に害成す存在を討つことも、また武者巫女の使命。

 迷うことなく、トモエはエロトラップ・ダンジョンへの扉を開いた……。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《武者巫女トモエ/1F/装備・名刀クチナワ、御札、武者巫女衣装【探索中】》

 

「うっ……!?」

 

 入口の扉を閉じ、数歩進んだ瞬間、今回の挑戦者トモエはあまりに濃い瘴気に、巫女服の袖で口元を塞いだ。

 

「これほどまでとは……」

 

 武者巫女として様々な妖の巣を駆除してきたトモエをしても、このエロトラップ・ダンジョンから漂う只ならぬ気配に戦慄を隠せない。

 

「確かにこれでは、他の方々では手に余るでしょう……」

 

 悔やむように、唇を噛む挑戦者。

 初めは国の女兵士や、迷宮に眠る宝が目当ての美闘士たち数名が対処すると意気込んで居たため、トモエは静観を決めたのだが――ここまでの魔窟であったとは。

 本来ならば、武者巫女内でも選りすぐりの猛者を集めた討伐隊を編成し、事に当たりたいと思うが、このような遠方の国では叶わぬ願いだ。

 武者巫女衣装の下に秘められた、本人の性格とは裏腹に実った慎ましさゼロの巨乳を揺らし、深呼吸するトモエ。

 

「いざ――参ります」

 

 油断なく、音も立てず、ヒノモト独特の気配を最小限に留める歩き方で進むトモエ。

 この進行が妖魔の腹へと呑み込まれていくのと変わらないという自覚は、不意の強襲から強く今回の挑戦者を守るだろう。

 ならば、コソコソと動くこともないだろう。

 まるでそうせせら笑うように、最初の関門はトモエを真正面から待ち受けていた。

 

「ほう、また来たか」

 

 際どいボンテージのような衣装に身を包んだ、妖艶なサキュバスだ!

 姿を肉眼で捉えても臆することなく相対したトモエを、上物な獲物だと悦び、視姦するような下卑た視線と言葉を投げかけてくる。

 

「なるほど、今度は黒髪ロングなデカパイ巫女さま? ありきたりだが悪くない、なんど食っても飽きぬから普遍と呼ばれるのだろう」

「………聞きたいことがあります、妖」

 

 本来ならば、このような下品な妖と口を交わすことすら御免願いたい。

 しかし、知能がある相手であるならば、トモエもいくつか尋ねなければならないことがある。

 

「その口ぶり、先にここへと来た兵や者達について何か知っておりますね」

「ああ、知っているぞ。なんせ、この私が直々に壊してやったのが幾人も居るからな」

 

 サキュバスは腰に下げていた、紫の光を纏った怪しい鞭を両手で伸ばす。

 

「最初の兵達は何人かイキ殺してやると我先に次の階層へ逃げ込み、次に来た褐色の女は一発叩いただけですぐに煙幕を使ってな。残っていたのは無様に小便を垂らしながら、階段へと逃げた跡よ。そして――」

 

 パァンと、風を切った鞭の先端が床を叩く。

 それを合図に、躾けられた獣が迷宮の奥からヨタヨタと姿を現した。

 

「ふご……♡ ふご……♡」

「コイツは、なかなか頑丈だったから私が手を加えてやった」

「―――――――――」

 

 絶句。

 このような場所で消息を絶った以上、覚悟はしていた。

 必ず無事では済まないだろう、と。

 だというのに、そんな挑戦者の半端な予測など真っ向から粉砕するように、彼女の知人であった美闘士は惨い姿へと変わり果てていた。

 

「ぷご……ほご……♡」

「どうだ、いい家畜になったろう?」

 

 脳が、見えていた。

 裸であることや、四つん這いで這って来たこと。目隠しをされ、ボールギャグを咬まされていること。栓をされるように乳頭へと打ち込まれた杭から、なぜか母乳が噴き出していること。

 それらが、全部どうでも良くなってしまうほどに、頭頂骨から前頭骨辺りが切り取られ――見知った人間の脳みそが、外界へと露出させられていた。

 

「ふむ、こういった牧畜を見るのは初めてか? 中々これが便利で、こういった促進薬を与える場合に脳が露出しているとだな……」

 

 サキュバスが胸元から取り出した、透明な薬瓶の中身が、トロリと家畜の脳へと垂らされた瞬間、

 

「ぽぶ――ぼぶぎょおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♡♡♡」

 

 破壊的な快楽によって孔という孔からあらゆる体液が、雌牛から一気に噴き出す……。

 嬌声と体液をサキュバスに効率よく献上するため加工された無惨な姿に、かつてしのぎを競い合った美闘士としての面影や誇りは、微塵も残っていなかった……。

 

「このように、直接摂取させることで手早く一気に体液の収穫が可能でな! 便利だろう、その分保護に魔法が必須なのと、潰すのが早くなってしまうのは偶に傷だが――と」

 

 もはや問答無用の、首を狙った鋭い踏み込みと剣閃!

 不意打ちなど武者巫女にあるまじき振る舞いだが、もはやこの悪鬼を一秒たりとも生かしておく方がトモエには我慢ならない。

 

「その膂力に、弾む乳房。貴様もよく鍛えているな? なお良い、その方が長持ちする」

 

 だが、挑戦者の行動は予測済みであったとサキュバスは僅かな動きで避け、すかさず大きく距離を取る。

 

「さあ、踊り狂ってみせろよ? そこの家畜のようになりたくなければなぁ!」

 

 そして、手にした鞭がまるで意思を持った蛇のように、トモエへと飛来した!

 ああいった裂傷を狙う武器に対しての防御効果は期待できない武者巫女服であるが、挑戦者は……あえて迷わず突進!

 

「……お覚悟を」

 

 鞭という武器は、本来ならば家畜や奴隷――いわば、無抵抗の獲物へと振るうために考案された武器だ。

 遠心力によって威力を増す構造上、懐に潜り込んで来る相手への攻撃は想定されていない。

 下手に逃げ回らず、速攻で対敵の弱点へと飛び込んだトモエの豪胆さは、清廉な外見からは想像もつかない。

 

「ふっ……!」

 

 対してサキュバスも、すぐに鞭を持つ手を翻し、トモエを迎撃するように巧みに操る。

 挑戦者の横腹へと当たるように軌道修正したこちらもまた、並外れた技量が必要な神業だった。

 このままでは先に直撃が免れない、変幻自在の挙動。

 兵士や美闘士を打ち破ったのは、間違いなく実力だとトモエに確信させるほどの鞭捌きであったが――それだけだ。

 

(押し斬らせて頂きます……!)

 

 多少の痛みこそ予想はできるが、所詮は鞭。

 挑戦者が手にした名刀クチナワの一刀に比べれば、その殺傷力は遥かに劣る。

 間合いが詰まり、相打ちになれば、間違いなく最後に立つのはトモエだ。

 

(来るっ……!)

 

 丹田に力を込め、鞭の一撃を受けようが決して怯まないよう不退転の覚悟を固める。

 たったそれだけで、挑戦者の勝利は確定する。

 しなる鋭痛が横腹へと予定調和に打ち込まれ、あとはすれ違いざまに斬るだけの道を、

 

「んひいいいぃぃぃぃぃぃぃぃいいぃ!!?」

 

 トモエは生娘のような悲鳴を上げて転倒し、敵の隣を転げ過ぎていった……。

 

「んおぉぉ!? ぎっ、ぎひっ、いいいいぃぃぃぃ!!?」

 

 たった一撃を受けただけで、迷宮の床をのたうち回る挑戦者。

 あの程度の攻撃を受けただけで、歴戦の武者巫女がここまで悶絶するものだろうか……?

 答えは、横腹を打たれたのに、なぜか股間を抑えて蹲るトモエのみっともない姿が示していた!

 

「効くだろう? クリトリスへの一撃は」

 

 ウットリするように、自らの鞭へと頬擦りするサキュバス。

 そう、このサキュバスが振るう武器は、ただの鞭ではなかったのだ!

 

「この子はね、呪いがかかっていて、どこに当てても痛みが全てそいつのクリトリスに行くようになってるのさ。どんな女でも、ソコまで鍛えている奴はそうはいない」

「ふーっ……! ふーっ……! ふーっ……!」

 

 なんと恐ろしい魔具か!?

 先に挑んだ兵や美闘士たちは、この女性の急所のみを滅多打ちにする攻撃の前に、なすすべもなく敗退するしかなかったのだ!

 

「ふー……っ」

「さぁさぁさぁ! 休んでいる暇なんかないよ!」

 

 一度当てれば、もう体勢を立て直す暇など与えない。

 あとはイキ死ぬか、激痛に白目を剥きながら命乞いするまで呪いの鞭で嬲り倒すのが、このサキュバスの戦法だ。

 ようやく震えながらも膝で立ちあがったトモエに、振りかざされた鞭を躱す方法などありはしない。

 ただ――

 

「――なっ」

 

 迎撃する方法なら、持ち合わせていたが。

 膝でようやく立っていた状態から、すかさず右足で踏み込んで、抜刀。

 数多の女を破滅させた悪しき邪鞭を、細切れに粉砕する。

 

「にっ?」

 

 そのまま、すかさず立ち走り、サキュバスの驚愕に歪んだまま面貌を両断。

 まともな悲鳴を上げる間すらなく、妖艶な女サキュバスは縦一文字に斬り裂かれ、亡骸へと変わり果てた。

 理解の範疇の外で死んだことを抗議するように痙攣し――やがて動かなくなった魔物を前にして、トモエも息も絶え絶えと床へ両手を付いた。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 淫芯に走った激痛の残痕に紅潮した頬や肌、武者巫女服へと張り付く珠の汗。

 紙一重の死闘から生還できた開放感が、張り詰めていた挑戦者の力を一気に奪ったためだ。

 

「九死に……一生の勝利、でした……」

 

 トモエとサキュバスの生死を分けたのは、ヒノモトに伝わる『イアイ』という独特な剣技の存在であった。

 膝をつき、座っているような姿勢からでも、即抜刀、即斬撃に移ることが可能であるという、他の武術では類を見ない特殊技法。

 妖相手ではまず使う機会がない手綱が、このような所で命を救うとは。

 紙一重の結果に酔えるわけもなく、ただ己の浅慮を恥じ入るばかりの勝利であった。

 

「…………」

 

 なんとか痛みも引いていき、呼吸のリズムも元に戻った挑戦者。

 あとは屍を踏み越え先へと進むだけなのだが――まだ、彼女にはここでやらなくてはならないことがあった。

 

「…………」

「お゛ぉ~……♡ んご、んご……♡」

 

 抜き身のクチナワを手に、家畜となってしまった美闘士の背後へと立つ挑戦者……。

 

「ん゛ごぉ~……♡」

「こうなってしまっては……もう」

 

 秘部は別生物のようにパクパクと動きながら愛液と尿を垂れ流しており、不浄の穴も開いたまま戻らない。

 自由を取り戻したはずなのに、よく躾けられた牧畜は尻や胸を物欲しげに振りながら、主人の命令を忠実に待ち続けていた。

 それがもう、永遠に来ない事すら分からなくなってしまったまま……。

 

「……っ」

 

 せめて顔だけはもう一度見るべきではないかと、目隠しと猿轡を外そうかと過った思考を、首を振って振り払う。

 特別な親交があった訳ではない。だが、友の友であり、品は無かったが豪快に笑い、荒々しくもどんな時でも荒野の咲いた花のように、力強い美しさを讃えていた女性であったことを、トモエは記憶している。

 

「ん゛お゛お゛~~……お゛っ、お゛っお゛っ♡」

 

 そんな彼女の最後が、このような母乳と小水を垂れ流す惨めなモノであっていい筈がない。

 故に――トモエは首元へと、クチナワを振り抜いた。

 

「……御免」

「おごっ」

 

 ゴトリと落ちる音。噴水が床へと飛び落ちる音。どちゃりと加護を失った柔らかい何かが、地面にぶちまけられる音。

 全てを確かに耳にしながら、すかさず挑戦者は、浄化の火を放つ御札を数枚投げ放つ。

 霊力を宿した御札から放たれた燃え盛る炎が、目を覆いたくなるような無様な最期を、優しく覆い隠すよう呑み込んでいく……。

 

「その御霊が、せめて迷うことなく涅槃へと辿り着かんことを――異国の強く、美しい闘士よ」

 

 作法に則り、薄く目を閉じ、手を合わせるトモエ。

 帰還と共に、トモエは地上で待つ友へと、こう告げるつもりであった。

 彼女は最後まで猛々しく戦った、立派な美闘士であった、と……。

 

 

《1Fリザルト》

『ダメージが全てクリトリスへと移る、呪われた鞭を使うサキュバスとの戦闘だ! 一撃イイのを貰い悶絶するが、なんとか撃破に成功する!』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《武者巫女トモエ/2F/装備・名刀クチナワ、御札、武者巫女衣装【探索中】》

 

 階段をゆっくりと降り、2Fへと到達した武者巫女トモエ。

 この迷宮は一刻も早く浄化しなければならないと分かった以上、彼女の意志は鋼よりなお堅く、唇も凛と結ばれて揺るぎない。

 

(………不覚です)

 

 それでも、彼女が人間である以上、生理現象を抑えることは出来ない。

 

(まさか、敵地で催したくなってしまうだなんて……)

 

 確かに出撃する前、すっきりしてきた筈なのに、トモエの膀胱は尿意の限界をしきりに訴えて来てしまっていた。

 

(まさか、先程の妖が振るっていた鞭に、何か毒が……)

 

 クリトリスを全力でぶっ叩かれた衝撃が、まだジンジンと疼く。

 あの下品な妖なら、その手の毒を仕込んでいても可笑しくないが、確かめる方法は既に前階層で塵となって消え去った。

 

(どこかで、結界を張って……)

 

 万が一、妖の巣でそうなってしまった時の対処法も、武者巫女には伝わっている。

 敵を警戒しながらも、同時に程よく影になっている場所も探していたトモエは、そこで予想だにしない物を発見することになる。

 

「えっ……厠……?」

 

 厠。そう、簡易式のトイレだ。

 薄い木の板に囲まれた、和式の便器。トモエの祖国ヒノモトでも、見慣れた形式のトイレを発見し、逆にトモエは警戒心を募らせる。

 

「なぜ、このような場所に……」

 

 化け物の巣窟には不釣り合いな文明的な建造物を、訝しむようにしてトモエは精神を研ぎ澄まし、妖の気配を手繰る。

 

「……どうやら、ただの厠のようですね……」

 

 危険な気は感じられず、ついでに探った周囲にも反応はない。

 しかし、ここに厠が配置されている意図が分からず、踏み込んでいいものかと巡思してしまう部分もある。

 

「……う……っ……」

 

 だが、ヒノモトの女性に漏れず、トモエは恥じらいを美徳とする価値観を有しており、結局だれに見られるか分からない外で致すよりも、個室のトイレで排泄することを彼女は選んだ。

 

「だ、大丈夫ですよね……」

 

 恐る恐る、同時に早足で便座に跨り、袴をたくし上げてふんどし下着の紐を解くトモエ。

 彼女の男を知らぬ淫口が露わとなり、綺麗に整った肉ヒダが、排泄物を落す穴へと向けられる。

 

「んっ……ふぅ」

 

 甘美な痺れと共に始まる放尿。

 黄金水がアーチを描き、チロチロと放たれた尿が便器の底へと付いた瞬間、

 

「おオ゛ッッ!?!?」

 

 この階層に仕掛けられた悪辣な罠が、トモエへと襲い掛かった!

 

「オ゛っ、オ゛っオ゛っヲ゛っオ゛ッを゛っ!?!?!?」

 

 唐突に全身を走り抜ける電流!

 何が起こったのか分からないまま、感電してしまったトモエの身体が巨乳を震わせ、ガクガクと痙攣する!

 

「お゛お゛オヲ゛を゛~~~~~!!?」

 

 舌を突き出し、首をのけぞらせ、アヘ顔を晒すと共に大失禁!

 残っていた尿を、全て盛大にぶちまけてしまう!

 

「お゛っ……ごっ……」

 

 放尿が終わると同時に電流から解放され、露出した下半身をガニ股に広げ、仰向けに転落する挑戦者。

 この便器の底にはなんと、高圧電流が流れていたのだ!

 トモエの尿がそれに触れた瞬間、排尿のアーチを電線として昇りつめ、彼女の秘部へと激しく感電。

 電気の概念が未発達であり、更に妖気のみを探っていたトモエがこの罠に気付ける筈もない。

 凛とした武者巫女は迂闊さの代償として、下半身を丸出しにして、ガニ股でアヘったまま気絶する、余りに無様な姿をさらす事となってしまった……。

 

 

《2Fリザルト》

『底に高圧電流が流れる和式トイレを使ってしまった挑戦者! 感電し、ぶちまけるような大失禁をして無様なポーズで気絶してしまう……』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《武者巫女トモエ/3F/装備・名刀クチナワ、御札、武者巫女衣装【探索中】》

 

「うっ……うぅ……」

 

 未だに痺れが抜けきらない身体を引きずり、意識を取り戻したトモエは3Fの回廊を進む。

 

「い、一生の、不覚でした……あのような罠が厠に仕込まれているだなんて……」

 

 ヒノモトでは未発達である電気の特性についてトモエが無知であるのは致し方ないことではあったが、挑戦者は己の無知と迂闊さを呪わずにはいられない。

 

「あのような……は、破廉恥な……」

 

 電気ショックを受け、どこかの筋がまだ痺れているのか、絞まりが悪くなった気がする秘部の感覚に、挑戦者は顔を赤らめる。

 

「い、いえ、今は気落ちしている場合ではありませんね」

 

 だが、敵地でいつまでも後悔を引きずっている場合ではないと、気を取り直した矢先、次の試練が気丈な武者巫女へと襲い掛かる!

 

「っ! こ、この魔物は……!?」

 

 ダンジョンの一本道に待ち構えていたのは、怪しく蠢く、大きなチクワのような生物だった!

 目や耳のような物が無い、ブヨブヨとした脂肪の管のような怪物は、それでもゆっくりとした動作でトモエににじり寄って来る……。

 

「なんて、しゅ、醜悪な……!」

 

 怪物の体皮は不潔な人肌のようであり、腐卵臭が少し離れた挑戦者の所まで漂ってくる。

 ああいった品のない生物は生理的に苦手であり、思わず武者巫女服の袖で口元を押さえてしまうトモエだったが、眼光に油断は欠片もない。

 

「……ここは、押し通らせていただきます」

 

 意を決してクチナワを抜き、青眼に構える。

 このような妖は熟練の武者巫女であるトモエをしても初見の相手であり、どのような攻撃をしてくるのか見当もつかない。

 じりじりと、すり足で対敵との間合いを詰め、一跳躍で斬りかかれる位置を見極めていく。

 そして、同じく距離を詰めてくる怪物が、完全に一刀の距離へと入った瞬間、

 

「――今っ!」

 

 トモエは太腿に渾身の力を込め、跳ね馬のように疾走!

 手にしたクチナワを横に寝かせ、胴抜きにて両断を狙う!

 

「せぇぇぇい!」

 

 挑戦者の刀は、怪物の肉を裂いて容易く滑り込まれ――

 

「…………ッ!?」

 

 斬り抜けると同時……有り得ないほど軽くなった手首にかかる重量に、背筋が凍り付くほどの悪寒が走った。

 

「そ、そんな、クチナワが……溶け……て!?」

 

 脅威の生態!

 この怪物の体液は、金属を一瞬で腐食させ、吸収する恐ろしい特性を持っていたのだ!

 いかに数多の血を吸った名刀といえど、爛れた鉄棒となってしまえば、もはやガラクタと変わりない。

 もっとも信を置く愛刀を、思いもよらぬ形で失ったショックに浸る間もなく、餌の存在に気付いた魔物は、打って変わった機敏な動きで頭を伸ばし襲い掛かってくる!

 

「ひっいおぶっ!?」

 

 挑戦者を悲鳴ごと、頭から蛇のように踊り食いにしてしまう怪物!

 

「んん~~! んんん~~~~~~!!?」

 

 その状態で再び縮み、逆さでトモエを咥え上げた!

 上半身を丸呑みにされ、袴が重力で捲れ上がって御脚や下着が丸見えとなりならがも、それどころではない非常事態に足をバタつかせる挑戦者。

 

(くうぅぅぅぅぅ!? み、身動きが取れない……!)

 

 なんとか脱出を試みるも、粘液塗れの肉管でギチギチに締め上げられ、腕は殆ど動かすことができない。

 もがいても一向に締め付けは緩まず、擦れてはだけ始めた巫女服とサラシから零れた、Eカップの巨乳も痛むほどに押しつぶされてしまう。

 幸い、この生物の粘液は金属にこそ強烈に作用し、実際トモエが額に巻いていた蜂がねも瞬く間に融解していたが、人体には特に影響は及ぼさない。

 トモエをあのような形で捕食したのも、唯一の食料である金属が額に巻かれていたからで、それ以外には別段興味を示さない変わった生態を持つ魔物だ。

 装備をロストさせられる危険がある以外は、そこまでの害はない。

 

(ど、どうにかして脱出を――ひっ!?)

 

 コイツ単体の場合ならば、ではあるが……。

 

(さ、触って……いま誰か、私の、私のお尻を……!?)

 

 ゴツゴツとした無骨な、それでいて子供のように小さな手が、トモエの磨かれた真珠のような臀部へと触れる。

 瞬く間に手は数を増やしていき、ヒップ以外にも腹部や背中、無防備な内股にも無遠慮で触れ、そして下着の下に潜む陰部と不浄の穴をさらけ出そうとした所で――

 

「んむんん~~~~~!!?」

 

 我に返ったトモエは、半狂乱になりながら足を暴れさせた!

 その拍子で何体か蹴り飛ばしたのか、肉と骨の手ごたえが伝わってくる!

 

(あ、あの小さくも荒々しい手……まさか、小鬼!?)

 

 ヒノモトで言う小鬼とは、大陸では広くゴブリンと呼ばれる魔物であり、トモエの予測は当たっていた!

 気付かぬ内に挑戦者の周囲へと群がっていたのは、下卑な涎を垂らすゴブリンの群れ!

 生体でも人間の子供程度しか大きくならず矮小ながら、数で攻め、簡素な道具を使い、狡猾な知能と下劣な品性で、弱っていたり罠にかかった者を好んで襲う嫌われ者だ!

 装備を失くし、下半身を丸出しにして拘束にされている今のトモエなど、まさに彼らからすれば絶好の獲物に他ならない!

 

(そ、そんな……嫌、いやぁぁぁぁぁ!!?)

 

 小鬼に襲われた村娘や、敗北した武者巫女がどういった目に合うかを幾人も目にしてきたトモエは、過った己の未来に全力で抗うよう足を振り回す!

 バタバタと暴れる下半身は滑稽であったが効果はあり、体格が小さいゴブリンたちは迂闊に触れることができなくなる。

 しかし、ゴブリンは人間同様に知能があるのだ。

 こういった暴れる獲物を、効果的に黙らせる道具を使うための、確かな知能が……。

 

「もぶぃいいぃぃいいいぃぃぃ!!?」

 

 貫くような鮮烈な痛みが、トモエの尻へと叩きつけられる!

 

(いっ、ぎいいぃぃぃぃ!!? い、いまの、今のはぁ……!?)

 

 乾いた快音が耳を打ち、同時に筋状に走る痛み!

 

(まさかこの小鬼たちも、む、鞭を!?)

 

 トモエの予測は、またしても虚しく的中する。

 ゴブリンたちは鞭を打ち付け、獲物の体力と気力を奪う作戦に出たのだ!

 

「ぶびぃ! ぼぐっ! ごぎゅうぅ!」

 

 口元も締め付けられているため、みっともない悲鳴を肉壺内から漏らす挑戦者を、ゴブリンの鞭が容赦なく痛めつける!

 武者巫女の白い下半身に、無数の赤筋が刻まれて行き、痛々しい色で染め上げていく!

 

(こ、この、程度、でぇ……!)

 

 だが、そこはトモエも歴戦の武者巫女だ。

 痛みに対する耐性は並の戦士よりも高く、普通の鞭で打たれた程度で易々とへこたれはしない。

 

(拘束さえ、解ければ……!)

 

 自分を飲み込んだ妖がどれほどの時間、獲物を飲み込むのかは分からないが、これだけ暴れれば嫌がって吐き出すこともあるだろう。

 そうなればクチナワを失った状態だとしても小鬼など、トモエの敵ではない。

 耐え忍び続ければ、勝機は必ず訪れる。

 そう目論んだ挑戦者の計算は、

 

「ぼっ――」

 

 今までの鞭とは比べ物にならない、無数にえぐられるような激痛の前に吹き飛ぶことになる!

 

「ぎょおおおおおおぉぉおおぉぉぉぉ!?!!!?」

 

 壮絶な苦痛をお尻に受け、ピンと足が天井に向かって伸び、純白のふんどしに黄色いシミが僅かに浮かび上がる!

 普通の鞭では効果が薄いと判断したゴブリンたちは、固く鋭いトゲが生え揃った木の実を先端に括り付け、それを無数に束ねた拷問鞭を使い始めたのだ!

 その威力は、先程までの皮鞭とは比べることすらおこがましい!

 

「お゛ーっ、お゛っ、お゛~っ!!?」

 

 思考が一瞬で白濁し、くぐもった絶叫を上げなければ気を保てない挑戦者。

 流石の武者巫女といえど、地肌に特効と言っても過言でないこの鞭には耐え切れず、打ち込まれた珠の肌は裂け、血が滴り始めている。

 

「お゛っ!?」

 

 そうしてトモエが悶え苦しんでいる隙に、一匹のゴブリンが昇って来ていたのか、トモエの内股を上から押し広げた!

 下着を強引に剥ぎ取られ、黒い陰毛の茂みに囲われながらも、男を知らず綺麗な形を保った割れ目が露わにされてしまう!

 

(や、やめ……!?)

 

 ゴブリンが何をするつもりなのか頭では理解しながらも、先程の拷問鞭で腰が抜けてしまい力が入らない!

 完全に詰みであった。

 震えることしか出来ないトモエの肉筋を掻き分け――

 

「ぶっ、んぎいいぃぃいいぃぃぃぃぃいぃぃぃ!!?」

 

 ゴブリンのペニスが、処女マンコの最奥へと打ち付けられる!

 

(ひいいぃ!? ふ、太いぃぃいぃ!?)

 

 苛烈な痛みに麻痺していた挑戦者の感覚が真っ先に訴えたのは、破瓜の痛みではなく、ゴブリンペニスの太さと逞しさだった!

 トモエの処女膣道をミチミチと使用済みに拡張し、子宮口を叩く、ゴブリンの体格とは明らかに不釣り合いなほどのデカマラ。

 それもそのはず。エロトラップ・ダンジョンに生息するゴブリンは、外の種族とは違い、女を犯すためだけにペニスが異様に発達しているのだ!

 

「ごっ!? お゛っ!? え゛お゛っ!? あ゛お゛っ!?」

 

 低級魔族のチンポで子宮をガン突きされ、潰れた声で喘ぐしかできないトモエ。

 女としての快楽などあるはずもなく、ただ肉で肉を潰される圧迫感と、護るべき純潔を無惨に散らされたショックが責め苦となって、武者巫女の高潔な精神を蝕んでいく!

 

(こんなっ、こんなぁぁぁぁっ……!)

 

 己の不徳と呼ぶには、あまりに理不尽な敗北からの凌辱に、目尻には涙すら浮かび始める。

 

(わ、私、このまま、このままでは……)

 

 逆さにされたトモエの脳裏に浮かび上がるのは、敗北し、虚ろな目で陰部から精子を垂れ流し倒れた他の武者巫女や、連れ去られ慰み物にされて孕んだ村娘の姿。

 彼女とて、性交渉に関する人並の知識ぐらいは持ち合わせている。

 そして小鬼が、餌食となった女性をどれだけ惨たらしい目に合わせるかも。

 しかし、知識はあくまで知識であり、何よりも穢れを知らない武者巫女程度が予測できるほど、このエロトラップ・ダンジョンに踏み込んだ女の末路は生易しいモノではないのだ!

 実証するように、パンパンと一心不乱に腰を打ち付ける別方向から、ゴブリンがもう一体昇り、トモエの傷だらけの尻を力任せに広げる!

 

(ひっ!?)

 

 外気に晒される、トモエの菊門。

 ひくひくと、挑戦者の戸惑いがそのまま伝わるように、もう一つの肉穴が動く。

 

(な、なにを……!?)

 

 不浄の穴を広げ、いったい何をするつもりなのか?

 この場でそれが分かっていないのは、間違いなくトモエだけであった!

 

「ほびっ!?」

 

 菊門に、生暖かい亀頭が当てられた感触。

 そこから一気に根元まで!

 

「んぎょおおおぉぉぉおおおぉぉおぉぉぉぉ!?!?!!」

 

 太く長いゴブリンチンポが、トモエのアナルへと侵入を果たした!

 

(そ、そこはっ、ちが、ちがああぁぁぁぁぁ!!?)

 

 アナルセックスの存在など知る由もなかった挑戦者にとって、あまりにも未知で冒涜的な性行為!

 繁殖などの意味など無く、ただ快楽のためだけにケツ穴へとザーメンをコキ捨てるような汚辱に、パニックを起こす挑戦者!

 

「お゛お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉぉ!!? お゛っ、ぐぎょぼおおぉぉぉぉ!!?」

 

 二匹のゴブリンに太腿を抑えられているため、膝ぐらいしかマトモに動かせない無様すぎる姿でジタバタともがくたびに、絞まりと活きの良さを控えているゴブリンたちにアピールしていることなど気付ける筈もないまま、二穴ファックされる武者巫女。

 清楚で精強な武者巫女だろうと、一皮剥けばチンポに勝てない肉穴でしかないと教え込むような下品な交尾音がダンジョンに響き渡る……。

 

(ごっ、ごわれるっ、ごわざれるうぅぅうぅぅ!?!?)

 

 膣と腸の間を潰す肉槍に、どちらの穴も無惨に汚され、使い込まれ、拡張され、最後の受け入れ態勢が完璧に整ってしまう。

 それを見越したように、ずるりと両方のチンポが引き抜かれていき――

 

「ごっ、おっ、おぉぉ……?」

 

 渾身の力を込めてから勢いよく肉槍を押し戻し、最奥へとトドメの射精を繰り出した!

 

「んぼおおおぉぉおぉぉおぉぉぉぉおおぉ!!?」

 

 煮立ったかのように熱い、濃厚なザーメンを膣と腸にぶちまけられ、肉管内のトモエの眼球が裏返る!

 誰も見ていないことが幸いとしか言いようがないアヘ顔を晒し、気絶してしまう挑戦者。

 

(あ゛っ……あ゛ぁ……)

 

 ゴブリンがペニスを引く抜くと同時に、露出した両穴から噴水のようにザーメンと、ついでに黄金水を噴き出す。

 その無様で品など欠片もない姿は、人間で造られた前衛アート染みており、ゴブリンたちの股座を大きくいきり立たせた。

 全てが出終えるよりも先に、これ以上堪え切れないと別のゴブリンがトモエの穴へと昇り、ペニスをぶち込んで犯し始める。

 全てが終わったのは、13時間後……。

 

「ほっ……ぎ……ほへ……ぇ……」

 

 ほぼすべての装備を失った挑戦者は、閉じなくなったマンコとアナルから大量のゴブリンザーメンを垂れ流しながら、次の階層へと続く階段の前へとゴミのように打ち捨てられていた……。

 

 

《3Fリザルト》

『挑戦者の貴金属を好んで食らう怪生物に襲われる! 殆どの装備を食われ、上半身を丸呑みにされてしまい、その状態でゴブリンの群れに遭遇! マンコとアナルの処女を無惨に散らされてしまった! 装備ロスト・名刀クチナワ。装備破損・武者巫女衣装(壊)』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《武者巫女トモエ/4F/装備・御札、武者巫女衣装(壊)【探索中】》

 

「はぁ……はぁ……!」

 

 刀を失い、純潔を汚され、残ったのは僅かな御札のみ。

上はヨレヨレ、袴はズタボロで、下着のふんどしは行方不明の、非処女マンコを曝け出すようなノーパン状態。

 かつての凛とした美しさを著しく損なったみすぼらしい姿に成り果てようとも、トモエは武者巫女として己の使命を全うするため、4Fに進んだ。

 

「はぁっ、はぁっ、はぁっ……!」

 

 当然、13時間にも及んだ凌辱の後だ。

 精も根も削れ果て、並大抵の体力と精神力ならば、あの場から二度と動くことは出来なかっただろう。

 しかし時として、気合や根性といった精神論は、限界を超えて肉体を動かすことがある。

 苦難を乗り越えた先に、必ず活路はある。

 トモエは己にそう言い聞かせ、痛む股間やふら付く身体に鞭を打ち、ここまでたどり着いた。

 

「はっ、はっ、ハッ、はぁッ!?」

 

 だからこそ、この階層でトモエを待ち受けていたのは、これ以上に無いほど分かりやすい絶望であった……!

 

『オ……オ゛オ゛ォ……ォォ……』

 

 縦幅も横幅も、トモエの何倍もある巨体。

 人ならざる者が持つ、脂肪で爛れきったブルーグレーの肌。

 羊のような角や、意味があるのか分からない羽根。

 全体的に人に近くも、決定的に相違したシルエットは、どれもこれも上位魔族、デーモンだけが持つ特徴だ……。

 何を食らい続ければ、ここまで不摂生な肉体と化すのか。

 常軌を逸した肥満体の巨大デーモンが、階段を降りたすぐそこで、トモエを待ち構えていたのだ……。

 

「はぁっ……あぁぁ……!?」

 

 掛け値なしの絶望と恐怖に、とうとう呼吸すらままならなくなる。

 圧倒的な存在感と魔力。間違いなく人里を単身で滅ぼせるほどの大妖であり、一体でも出現すれば国が総出で当たらねばならないほどの災厄。

 万全の状態ですら、一人では万に一つの勝機があるかどうか。

 刀も持たず、防具もない、丸腰同然の自分を縮み切った瞳孔で見下ろす。

 勝てない、勝てるはずがない。

 苦難を乗り越えた先に待っていた悪夢に、トモエの心は完全にへし折れていた……。

 

「あアぁ……」

 

 身を抱くように竦み切ったトモエの、白く覗く太ももから黄色い水筋が伝って流れ落ち、下の石床に水たまりを作った。

 恐怖からの失禁である。

 

『オア゛ァ……?』

「は……ひっ……ぃ……」

 

 挑戦者の全感覚が漂白されていくのとは対照的に、肥満デーモンの怪しくも鮮烈に光る赤い瞳がトモエを真っ直ぐに捉えた。

 

『ア゛ッ……ア゛ア゛ア゛……!』

「え、ひ、ひいぃっ!?」

 

 ズシン、と股から零れ落ちたと思った瞬間、見る見るうちに勃起し、凶悪な大きさと形状へと本来の形を取り戻すデーモンのペニス。

 圧倒する雄々しさ。根元で蠢く睾丸。猛烈な悪臭。

 ゴブリンのソレとは、何もかもが桁違いであった。

 見上げる必要すらあるソレが何のために勃起したのか考えるだけで、挑戦者は意識が混濁していきそうになる。

 

「ひっ……ほっ……へ、へひっ……?」

 

 ふと、食いしばられていた口形が、吊り上がっていく。

 襲い掛かる悲劇を前にして、気が触れた人間が浮かべる表情に似ていたが――今、トモエを襲っていたのは、お前はそんな所へは逃がさないと、肥大デーモンが放っていた残酷な魔法であった……。

 

「ひっ、あひっ? いイっ?」

 

 かけられたのは、魅了の魔法だった。

 このような外見でも、デーモンは非常に高位な魔物だ。

 深い魔法の知識と、非常に高い知性を併せ持ち、目で相手を見るだけで魔法にかけることなど他愛もなくやってのける。

 

「イ゛っ!? ……あ、はぁ……♡」

 

 真っ白なキャンパスに自分好みの色を塗ることなど、赤子ですら容易い。

 ギリギリまで追い詰められていたトモエの意識は、僅かな抵抗すらなくチャームへと落ちてしまう。

 

「あ~……お~……♡」

 

 目の光彩にハートの形状をした光が刻まれ、普段のトモエならば絶対にしないであろう、蕩け切った売女そのものな表情で、デーモンへと引き寄せられる挑戦者……。

 

「お~……ちん、ぽぉ……♡」

 

 茹で切った脳は、もはや快楽を貪ることしか考えられず、股間からは愛液がいくらでも滴り落ちていく。

 一見すれば、蛇に睨まれた蛙であったトモエを捕らえ、犯すだけならば、魅了の魔法で自意識を奪う必要は無いように思える。

 だが、この肥満デーモンは非常に賢く、同じくらい残忍で狡猾だ。

 今から始める行為を正気で受ければ、一瞬で心が壊れることが分かっていたからこそ、一種の精神防護のために魅了をかけたのだ。

 ここで終わるのは惜しいが、壮絶な凌辱は受けてもらうと、惨たらしいエゴを押し通すかのように……。

 

「おぉ……♡」

 

 わざわざ、知能が限りなく低下するタイプの術で自我を奪ったトモエの胴を、容易く鷲掴みにし、軽々と持ち上げるデーモン。

 

「お、おひぃぃ~♡ え、えげつなすぎますぅ……♡」

 

 サイズを確認するかのように、そのまま獲物の腹部へと、自らの勃起ペニスを乗せる。

 イボが至る所に出来ており、血管がそのまま一般的なバイブの大きさぐらいはありそうなイチモツは、トモエの胸下ぐらいでまだ半分ほどの長大さであり、そのまま挿入すれば一発で子宮を突き破るだろう。

 だからこそ、デーモンは下準備を続ける。

 

「はひっ♡ あ~、子宮がぁ、あちゅぃでしゅ~♡」

 

 指先で子宮をなぞり、淫紋を刻む。

 この淫紋は一般的な発情を促す代物とは異なった、エロトラップ・ダンジョンだからこそ重要視される効果を発揮する。

 それは――

 

「ふっギヒゴギイィィィイイィィィィ!?!?」

 

 刻まれた人間の延命効果だ!

 この淫紋を受けた対象は、たとえ今のような腹ボコセックスで、子宮を顔ほどの位置まで無茶苦茶に突き上げられる、使い捨てオナホ扱いされようとも、

 

「ホギっ、ギヒっ、イヒギイイイィィィィィィィ♡♡♡」

 

 チンポを子宮に突っ込まれている限り、死ぬよりも早く治癒がトモエを襲うよう仕組まれている!

 

「ゲヒっ、あ、あ゛、ア゛、アギャアアァァアアァアア♡♡♡」

 

 右手を動かし、瞬時に再生する子宮に腹筋、内臓を何度もぐちゃぐちゃに押し潰す感覚を堪能しながら、自らのチンポをトモエの全てで慰める肥大デーモン!

 せり上がってくる自らのチンポ入り腹部で巨乳をぶるんぶるん弾かれながらも、痛みは微塵もなく、破壊的な快楽に挑戦者はアヘ狂う!

 これだけの扱いを受けても、淫紋がある限り、彼女には死すら許されない!

 

「ヲ゛ッ、ほっ、ガッ、げっ♡ イギイイィィィ……しゅごしゅぎいいぃぃぃぃ♡」

 

 一突きされるごとに、先程のゴブリンファックでは感じ得なかった女の幸福に飲み込まれていき、顔をだらしなく崩壊させていくトモエ。

 ここで魔物に犯され、壊れた笑みの隙間から泡をこぼす浅ましいメスが、あの武者巫女トモエだと教えた所で、何人の知人がそれを信じられるだろうか……。

 しかし、この凄惨なオナホ凌辱すら、肥満デーモンにとっては前戯に等しかった!

 トモエを仰向けにチンポに深く突っ込んだまま、手を離すデーモン。

 そして――!

 

「へひっ?」

 

 そのまま、肥大デーモンは重力に身を任せ、俯けに倒れ込んだ!

 

「ぶぼぐっ!!?」

 

 当然、悪魔のチンポに刺さっていたトモエは、その分厚い脂肪の下敷きに、押しつぶされる形となってしまう!

 

「ぼ、ぼぎゅ……ごっ……」

 

 大質量に圧迫され、横を向けたトモエの整った顔立ちも潰され変形。

 呼吸すら不可能なほどの、絶命必至な状態だ!

 

「げごっ……ご……お゛……」

 

 だが、こんな状態ですら淫紋は生命維持を無慈悲に続ける。

 猛獣すら圧殺できそうな脂肪布団を正面から受けても、チンポで膣を凌辱されている限りあらゆる法則を歪め、淫紋はトモエの肉体を生かし続けるのだ……。

 

「おげっ、げげげっ、え゛っ……♡」

 

 その状態で、デーモンはトモエごと自分のペニスを床に擦り付け始める。

 人間ならば、床オナと表現される自慰行為の姿勢だ。

 腰を振るたびに、トモエの背中が石床に激しく擦り削られ、同時に再生していく……。

 

「いががががが……あげ、げげっ……♡」

 

 そんな状態でもペニスケースとしての役目を全うし、デーモンチンポを膣肉でギチギチと締め上げるトモエ。

 どのようなことでも役目を全うする生真面目な彼女へと、肥満デーモンは満足気に褒美をぶちまけた。

 

「ぼほおおぉぉぉおぉぉぉぉおおぉぉぉぉぉ♡♡♡」

 

 ホースで直接ぶちまけられたかのような大量ザーメンで行われる、膣内射精!

 縦に限界を超えて伸びたトモエの子宮を、今度は横にどれだけ広がるかを試すように膨張させていく!

 

「ほ、ほぎっ……♡ ほべぇ~……♡」

 

 当たり前のように収まりきらなかった精子が、高所から叩き落とされ、潰れ漏れた血液のように床に広がっていき――億劫な動作で、肥大デーモンが立ち上がる。

 

「ほ、ひへっ……♡ げっ、あげっ……♡」

 

 あれだけの扱いを受け、身に纏っていた武者巫女服は当然身体に引っかかったボロ切れと化していながらも、腹ボコ拡張され、チンポから反り返ったような形で白目を剥いている以外は傷一つ付いていないトモエの肉体……。

 今までの階層で受けた傷も副次的に完治しているが、この迷宮において、彼女に刻まれた淫紋が持つ意味合いは、あまりに重い……。

 

「オほぉっ♡」

 

 土埃に塗れた後ろ髪を掴まれ、じゅぽりと引き抜かれるデーモンの巨根。

 粘り強く生臭い特濃ザーメンがゴポゴポとマンコから放出され、その瞬間、淫紋から淡い光が消えていき、アザのようになると同時に肉体の超再生が止まる。

 

「あ……へ……ぇ……♡」

 

 肥満デーモンに黒髪を掴まれ、ぶらんと吊り下げられるトモエの身体。

 中途半端な所で止まった再生は、生命活動に重要な臓器は全て修復できていたが、拡張した子宮を戻すところで終わっている。

 結果としてザーメンを詰め込まれ妊婦のように膨らんだボテ腹と、中を覗いて子宮を確認できてしまうほどのガバマンが凌辱の跡として残り、トモエは全く気付かぬうちに女として完全に使い物にならない身体にされてしまっていた……。

 

《4Fリザルト》

『強大な肥大デーモンといきなり遭遇! 何もできないまま魅了の魔法をかけられ、再生の淫紋を刻まれてから、巨根で好き放題オナホファックされてしまう! 装備ロスト・武者巫女服。状態異常・再生淫紋』

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

《武者巫女トモエ/5F/装備・御札/状態異常・再生淫紋【探索中】》

 

 生かすことなく、しかし決して殺すことなく。

 まるで侵入者がどこで完璧に壊れるのかを楽しんでいるかのように、意識を取り戻したトモエの前には、次の階層へと進む階段が口を開けていた。

 デーモンに睨まれてからの記憶が一切ないトモエだったが、腹に水を大量に詰め込まれたような苦しさから目を背けるよう、足元の辛うじて残っていた装備をかき集め、階段へと逃げ込む。

 一心不乱。

 この機会を逃せば、あの悪魔から逃れる機会は一生訪れないと、腹部と股間が訴えるおぞましい違和感を全て無視し、トモエは段差を駆け下りる。

 転がり込むように開いた、5Fの扉の先で待ち受けていたのは……。

 

「……えっ?」

 

 粗末なベッドが置いてあるだけの、簡素で手狭な小部屋であった。

 

「これ、は?」

 

 他には、恐らく次の階層に続くのだろう扉ぐらいであり、まるで牢獄のようであったが、今までの地獄に比べれば極楽と呼んでいいほどの空間だ。

 逆にそれがトモエの警戒心を煽るが、妖の手勢が待ち構えている様子もなく、実際にここはエロトラップ・ダンジョンに設けられた数少ない休憩所。

 幸運にもトモエは、挑戦者を狙うモノが存在しない、安全地帯へとたどり着くことが出来たのだ!

 

「うっ……ぷっ」

 

 僅かに気が緩んだ瞬間、込み上げてきた吐き気を抑えきれずその場に崩れ落ち、床に吐瀉する挑戦者。

 同時に、嫌でも膨らみ切った自らのボテ腹が目に入って来てしまう……。

 

「な、なぜ……こんな、お腹、孕んだ、よう、に……?」

 

 恐る恐る、トモエは自らの腹部に手を当てた。

 ありえない張りで膨らんだ子宮を、僅かに押し込むだけで、何かが膣道を逆流してくる……。

 

「ひゃっ……ぁ……」

 

 漏らしてしまったかのような覚えに、咄嗟に伸ばした指が触れたのは、

 

「な、に……これ、は……?」

 

 パンパンに膨らんだ子宮の中身こと、デーモンの精子ミルクであった……。

 

「ぁ…………うぐっ!?」

 

 震えた手が、かつて3Fで覚醒した時に拭き取ったゴブリンのザーメンを想起させる。

 まだ、拭き取るだけで外見上は取り繕えていたアレとは異なり、自分の子宮が膨張するほどにコレは詰め込まれているのだと理解した瞬間、

 

「げっ、ええぇぇぇぇ……!」

 

 生理的な嫌悪を抑えきれず、再びトモエはその場で吐瀉した。

 胃の中身などとうに無くなり、胃液を吐き出すだけだとしても、抑えきれるモノではない……。

 

「…………ぅ、ぁ、ぅぅ……」

 

 そのまま蹲り、トモエはしばらく、一人涙を流した。

 例え打ち倒されようと、汚されようと、武者巫女としてヒノモトを守護する誓いを立てた日から、彼女は七難八苦を前にしようとも折れぬ覚悟を抱いていた。

 だが、それでも同時に、トモエもまた一人の女。

 果てしなく続く、終わりの見えない凌辱の魔窟を前に、涙の一つも見せないような鉄人ではないのだ。

 

「…………っ」

 

 嘆きの嗚咽を零していた口元が――やがて強く結ばれる。

 涙をぬぐった瞳に、変わらぬ輝きが戻る。

 

「果たされていません……使命は、まだ……!」

 

 クイーンズブレイドに参加せよ。

 神託が示した意味を、まだトモエは見つけていない。

 あれだけの凌辱を受けていながらも、武者巫女の高潔なる魂は、未だ日輪のような眩さを失ってはいなかった。

 

「ふ……くっ……!」

 

 戦に臨むと決めたのなら、やる事は自然と見えてくる。

 立ち上がったトモエはまずベッドに移動し、腰掛けて己のボテ腹を改めて見下ろした。

 

「これでは、戦えない……!」

 

 刀を失ったトモエだが、何が起こるか分からない戦に備え、体術も一通り修めてある。

 しかし、その技を存分に発揮するためにも、なにより今後の探索のためにも、膨らんだ腹部を抱え続けるのは悪手だ。

 

「ふっ! んんんっ!」

 

 大きく股を開き、気張るような声を上げ、トモエは腹のザーメンをひり出し始めた。

 

「ふっ、ふっ、ふううぅぅぅ!」

 

 子宮を押し込み、気張れば気張るほどドボドボと床に精液が垂れ流されていき、次第に腹部も現実的な大きさへと戻っていく。

 

「はぁ……はぁ……はぁ……!」

 

 数十分に及ぶ悪戦苦闘の末、軽い砂場の山ほど床にザーメンをひり出した結果、美しかったボディラインは弛み、崩れてしまったが、辛うじて許容範囲までボテ腹を引っ込めることには成功するトモエ。

 それでも、子宮を汚す汚物はまだまだ膣内に残っている。

 

「こ、こんな、不浄、を……体内に残して、おく、わけには……!」

 

 あの大妖の精子で人間が孕むのかなど考えたくもないが、小鬼のようにそういう方法で数を増やす種族も居る。

 武者巫女としても、女としても、可能な限り掻き出しておきたいというのが、トモエの本音であった。

 

「んふうううぅぅぅぅ! んひいいいぃぃぃ!!!」

 

 まるで赤子を生むかのように、大きく足をM字開脚し、精子を押し出そうとする挑戦者。

 ただ、こういったモノは得てして、残りが少なくなればなるほど、出すのが困難になる。

 

「ふーっ……! ふーっ……!」

 

 恥を忍んで取った姿勢で行った排泄でも、これ以上不可能だというのならば、あとはもう直接掻き出すしか手段は残っていない。

 

「……くっ!」

 

 大切な場所に指を入れることに思わず躊躇してしまうが、他に方法や器具もない。

 とりあえず届く所までと、心に貼った予防線は、

 

「……? えっ……そん……う、そ……」

 

 あまりにも無慈悲に、ガバガバに拡張されたマンコに呑み込まれていった。

 超再生で治り切っていないトモエの膣肉は、彼女の人差し指を、手を、そして細腕までもをあっさりと咥えてしまったのだ。

 

「………………」

 

 そう、あまりに、あっさりと。

 痛みも快楽も感じないほど、自然に、残酷に……。

 

「………………」

 

 そこからは、まさに無心であった。

 ただ、肉の穴に手を突っ込み、中から白くドロドロした液体を掻き出して、捨てる。

 突っ込み、掻き出して、捨てる。

 

(なんでしょうか……このアザは……?)

 

 ふと、下腹部に浮かんでいた見慣れぬアザが片隅に引っかかるが、すぐに些事と消えていく。

 そして、手が届く範囲に限られるが、ひり出す時と比べれば、何の苦も無く膣内から精液を取り除くことに成功した。

 

「………………」

 

 これ以上は無理だと判断したトモエは、そのままコテンと横になり、疲れを癒すことにした。

 女として、致命的なモノを失ったことを本能的に察知する前に、溜まり切った疲労が彼女の意識を落す。

 何時間か、そのまま死体のように動かず――次に目を覚ました彼女は、支度を整えることにする。

 ズタボロになった装備品から辛うじて無事だった三枚の御札を、護符として両乳首と股へと張り付けたのだ。

 ニプレス、もしくはテープのようであり、下手をすれば全裸よりも卑猥な恰好であったが、トモエの霊力により、生半可な妖は今の彼女に指一つ触れることすら叶わない。

 

「必ずや……使命を……」

 

 今できる万全を期して、6Fへと続く扉を開いた挑戦者が零した言葉は、縋りつくような脆さに満ちていた……。

 

《5Fリザルト》

『挑戦者は休憩所を引き当てることに成功する。体勢を整え、充分な休息を取り、今できる中で万全の装備を作成し次のFへと向かう……。装備変更、御札→全裸護符』

 

 

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《武者巫女トモエ/6F/装備・全裸護符/状態異常・再生淫紋【探索中】》

 

 

 疲れを癒し、体勢を整えて向かったエロトラップ・ダンジョンの6F。

 そこはトモエにとって、未知の世界としか表現できない、幻想的な場所であった。

 

「壁が鏡で出来ているとは……面妖な」

 

 彼女がいる世界と、また別の世界ではミラーハウスと一般的に呼ばれ、規模こそ違えど子供向けのアトラクションとしてポピュラーな施設である。

 当然、エロトラップ・ダンジョンの内部であるここには子供を楽しませる意図など一切なく、子供の教育上不適切極まりない淫猥な罠しか眠っていないのだが。

 

「一体、何のためにこんな部屋が……」

 

 全ての鏡があらゆる角度で進むトモエを映し、更に鏡合わせで何十にも姿を増やしていく。

 鏡とは古来より化粧道具だけでなく、災い招く呪物とも、厄を払う神器とも扱われてきた。

 しかし、本質的な意味合いは、概ねどこでも変わらない。

 前に立ったモノを映す。

 このエロトラップ・ダンジョンでも同じように、そしてより邪悪な形で……。

 

「……っ!?」

 

 神経を尖らせ歩いていた、視界の片隅。

 挑戦者は、思わず足を止める。

 

「今……笑った……?」

 

 いま通り過ぎた鏡に映っていた口元が、僅かに綻んだ気がしたのだ。

 当然、奇抜奇怪な空間だろうが迷宮の危険性を知るトモエの口元は、今も横一文字に強く結ばれている。

 

「……気の、せいでしょうか……?」

 

 数秒程立ち止まって、鏡で自分の姿を眺めても、特に代わり映えはしない。

 黒い長髪に、ほぼ裸の装備、腹部以外は引き締まった身体。

 思い過ごしであったのかと、再び視界を前へと向けた先に、

 

「っ!?」

 

 それは、映っていた。

 

「な、なぜ、この鏡、私が……」

 

 台詞だけでは当たり前のことを口走っているようにしか聞こえないし、実際に彼女の正面の鏡に映し出されていたのは紛れもないトモエの姿だ。

 ただ――

 

「私が、失くしたはずの衣服やクチナワを、身に纏って……!?」

 

 道中で損失したはずの装備を全て着用した武者巫女の正装を、挑戦者の正面に向けられた鏡だけが、なぜか一式身に纏った状態で反射している。

 思わず自分の恰好を挑戦者は確認するが、相も変わらず乳首と股に護符を貼り付けただけの姿だ。

 明確な異常事態に、身構えたトモエの表情が強張るのとは対照的に、

 

「や、やはり、これも……!?」

 

 鏡の中の武者巫女は、新たな犠牲者を歓迎する、邪悪な笑みを浮かべていた!

 そして、ゆったりとした足取りで、『こちら側』へと踏み出してくる。

 

「ふふふ、初めまして。と、自分に申し上げるのは、少々滑稽かもしれませんね?」

「……いえ、貴方とは間違いなく初対面です。物の怪」

 

 声も、姿も、まさに鏡から出てきたとしか表現できない、もう一人のトモエ!

 このミラーハウスは、映し出された存在をあらゆる角度で隅々まで視姦し、合わせ鏡からもう一人の挑戦者を産み出すのだ!

 

「物の怪とは心外です。私は武者巫女トモエ、ヒノモトの守護者にして、今はクイーンズブレイドに身を置く美闘士をさせて頂いております」

「世迷言を!」

 

 どれほど似ていようが、鏡の中から出てくるような怪しい存在に、自分自身の名を騙られては不快感しかない。

 これもまた、身も凍るような罠の凶兆であると信じて疑わない挑戦者を、どこか軽蔑するよう巫女服の袖を手に当て、武者巫女は顔を背ける。

 

「まぁ、貴女……そのような裸同然の恰好で、はしたない」

「こ、これは……!?」

 

 人の言葉を話す存在に改めて指摘され、耳まで紅潮させながらトモエは胸と股間を隠す!

 

「胸とそこに札を貼り付けただけだなんて……羞恥心は無いのですか?」

「わ、私も、ここで装備を失わなければ、このような格好は!?」

「それに、とても酷い臭い……まるで烏賊のように生臭く、銀杏のように鼻をツンと突くようで……それでよく、人前に姿を現そうとお思いになられますわね」

「ッぅぅ……!!!」

 

 もとより潔癖気味なトモエに、女の指摘は白刃よりも深々と突き刺さる。

 実際、とっくに臭覚は麻痺しきっていたため自身では分からないが、肉管に呑み込まれ、ゴブリンに凌辱され、デーモンの精液を大量に詰め込まれ、更には自分の吐瀉物すらまみれながらも行水一つしていないトモエの身体は今、凄まじい悪臭を放っていた!

 

「一つ、訂正させて頂いてもよろしいでしょうか? 貴女のような汚物にも等しい方が『自分』だなんて、私、我慢なりません」

「お、おぶ…………!?」

 

 人に汚物呼ばわりされることなど、当然のように未経験な挑戦者は、怒りを露わにするより先に、呆然と絶句してしまう。

 

「ですが、この異国の井出達。物珍しくも、中々に雅で美しく……ああ、とてもよい方法が、一つだけございましたわ」

「よい、方法……?」

 

 これで万事解決するとポンと手を合わせ、光明が刺すような微笑みを浮かべ、

 

「貴女が、武者巫女トモエでなくなれば良いのです」

 

 眼前の汚物の排除にかかった。

 

「……え」

「隙あり」

「ほごぉ!!?」

 

 挑戦者が事態を把握するよりも先に、クチナワの柄を下腹部に叩き込まれ悶絶!

 

「すんすん……うっ、この程度でも酷い悪臭。刃で臓物を掻っ捌いては、一生取れなくなるかもしれません」

「お゛……ご……を……!!!」

 

 腹部を抑えて背を丸め、白目を剥きながらも何とか踏み止まる挑戦者より、愛刀に臭いが付いてしまう事の方が気掛かりだと武者巫女は眉をしかめる。

 

「を゛っ……を゛ッを゛っを゛っ……!」

「あら……まぁ」

 

 そして、子宮を柄で全力で突かれた結果、まだ中に残っていたデーモンザーメンが御札の内側から漏れ、床へと滴り落ちていく!

 

「なんて浅ましい。殿方とついさっきまで致していたのですか?」

「ち、ちが……これ、はぁ……!」

 

 犯していたのは殿方などではなく妖共であると訂正しようとするトモエだが、どちらでも武者巫女の侮蔑するような詰りは変わらなかっただろう。

 

「身なりだけでなく、素行まで汚らわしいだなんて……度し難い。どこまで女を捨てれば、ここまで浅ましくなれるのでしょうか」

「わ、たし、ではっ……な、くぅ……!」

 

 このような無様な姿を晒している背景に、トモエの自発的意思など微塵もないのだが、そんなことを配慮する武者巫女ではない。

 本気の軽蔑と共に――何かを閃いたようであった。

 

「男女のまぐわいは快楽のためではなく、子を生すためのモノ……節操のない貴女には、一度それを身をもって知る必要がございますね」

「な、なにをヒッ!?」

 

 まだ満足に動けないトモエとは裏腹に、蛇のような素早さで武者巫女は屈みこみ、デーモンの精子がはみ出ながらも役目を果たす護符に指を当てる。

 

「これは身から出た錆――そうお思いくださいまし」

 

 その指先が、青白い光を纏った。

 トモエもよく知っている現象だ。

 霊力を込め、御札に触る。それが意味することは、

 

「ま、まさか……!? 貴女、それおぐおっ!!?」

 

 御札の効果を書き換える、という事であった。

 

「お゛っ!!! お゛っ!!! お゛っ!!! お゛っ!!!」

 

 光が収まると同時に、変化は劇的に始まった。

 一呼吸するごとに、ぶくぶくと膨張していくトモエの子宮!

 

「妊娠促進。本来は、妖魔の仔を孕まされた武者巫女が、出来るだけ迅速に降ろすための字ですが……」

「おほオ゛お゛オ゛オ゛ぉぉぉおおおぉぉぉぉ~~~~~!!?!?」

「地に腹が付くほどの赤子、一体何を孕まされたのですか、貴女?」

 

 あの肥大デーモンの子を確定妊娠され、更に臨月まで一気に成長させられたトモエの腹が、一気に嵩を増して膨れ上がる!

 赤子であるのにどれだけ巨大なのか。もはや足が立たずとも、ボテ腹が支えになるほどの有様だ!

 

「腹があ゛あ゛ぁぁぁぁ!!! おなががぁあああぁぁぁぁ!!?」

「これは予想外でした。このままでは激痛に果ててしまうかも……ご安心を、私も鬼ではありません」

 

 鬼よりも遥かにタチの悪い、鬼畜の弧月を口元に浮かべ、武者巫女は再び霊力を指に纏わせ、トモエの右胸を札ごと揉み潰した!

 

「ごぎいいいぃいいぃぃぃぃぃ!!? お゛、おむね゛えええぇええぇぇぇぇ!!?」

「こちらも、妊婦らしくさせて頂きますね?」

「へえ゛ぇ!!?」

 

 宣言している間にはもう札の書き換えは終わっており、やはり変化は速攻で現れた!

 

「お、お゛、おひいいいぃいいぃぃぃぃぃぃ♡♡♡」

 

 なんと、トモエの巨乳が腹に負けないほどの爆乳へと変化!

 薄桃色だった乳輪が見る見るうちに黒ずんでいき、そこから妊婦らしく、札を吹き飛ばして母乳が勢いよく噴き出し始めた!

 

「ぼ、ぼにゅううぅぅぅうう!!? なんで、ど、どまらないいいぃぃヒぃぃいぃぃぃ♡♡♡」

「ふふ、痛みが和らぐよう、ついでに催淫も施させて頂きました。これでいつ赤子が産まれても大丈夫ですね。ですが、まぁ」

 

 武者巫女は、改めて今の挑戦者の姿を観察する。

 

「ほーっ! ホーッ! おっほぉぉぉぉおぉぉぉぉぉオオォォォ♡♡♡」

 

 片方だけ膨大化し、母乳を噴き散らす乳。

 明らかに人外を孕んだ、床に付き身を預けられるほどのボテ腹。

 涙も鼻水も垂れ放題なみっともなくオホらせ、メス雄叫びをあげ続ける顔。

 どれもこれもが――期待通りの仕上がりであった。

 

「ふふっ、もし私たちが並んだら、みな一体どちらを『武者巫女トモエ』と呼ぶでしょうか。ねぇ?」

 

 もはや健常な人間なら近づきすらしようとも思えない怪物一歩手前のオホメスと、それを清廉な武者巫女服で身を包み、柔和な微笑みでたおやかに見つめる和風美女。

 もし何も知らされずこの二人を見て、客観的に判断しろと問われれば――

 

「んごっ、お、へっ、へっ、へえ゛っ!!? おっひょおおぉおおぉぉぉ♡♡♡」

「申し訳ございません。こんなアホ面に、賢い質問した私が愚かでしたっ」

 

 表面上はまるで天女のように、しかし内面はドス黒いヘドロのような醜悪さを以て、武者巫女は孕み袋の髪を掴んで引きずる。

 

「お゛おっ!?」

 

 不要になったゴミを捨てるかのような足取りで、向かった先は――自らが出てきた鏡だ。

 その鏡だけは他の鏡とは違い、まるで中身が無くなったからと屁理屈をこねるように、正面に立っても人間を映さない。

 

「そーれっ」

 

 そして、彼女が力任せに挑戦者をそこへ向けて投げ込んだ瞬間――

 

「おい゛っ――――――――」

 

 彼女の挑戦は、そこで終わりを迎えた。

 

「ふっ……ふふふっ……アハハハハハハハハハハハ!!!」

 

 今まで徹底して、武者巫女と振舞ってきた鏡の魔物が、本性のまま歓喜に狂った嗤いをミラーハウスに響かせる。

 

「やった、やっと自由! 自由に動ける、鏡の法則にも縛られない! これが私! こんな綺麗な私! 私は――武者巫女トモエ!」

 

 焦がれ続けた、本当の世界の肉体。

 心から愛おしむように強く強く抱きしめて――最後に、背後を振り返る。

 

〈――――――――――――――――――――〉

 

 そこには鏡の中で、同じ顔をしていながらも浅ましく醜い姿になった女のガバマンが、大量の液体を噴き出していた。

 恐らく、破水が始まったのだろう。

 

「ふふ、なんて浅ましく汚らわしい鏡なのでしょう?」

 

武者巫女は、腰に下げた名刀クチナワを鞘ごと抜いて、振り上げる。

 

「こんな物はもう……要りません、ねっ!!!」

 

 そのまま鋼の鞘が渾身を込めて叩きつけ、鏡は、あっさりと砕け散った。

 粉々に、その向こう側に居た、浅ましい『鏡像』ごと、バラバラに……。

 

「では、失礼させていただきます。……さようなら、鏡の向こうの、誰かさん」

 

 パリン、パリンと、鏡片を踏みつけて、『武者巫女トモエ』が去っていく。

 挑戦者がどうなってしまったのかを知る術は、もう、この世のどこにも存在しなかった……。

 

 

《6Fリザルト》

『6Fは一面鏡張りのミラーハウスだった! 鏡の一枚から出現した、偽物の自分が襲い掛かってくる! 偽物に敗れた挑戦者は、逆に鏡へと閉じ込められて割り砕かれ、脱出不能となってしまった……』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

【武者巫女トモエ 最終リザルト】

 

《1Fリザルト》

『ダメージが全てクリトリスへと移る、呪われた鞭を使うサキュバスとの戦闘だ! 一撃イイのを貰い悶絶するが、なんとか撃破に成功する!』

 

《2Fリザルト》

『底に高圧電流が流れる和式トイレを使ってしまった挑戦者! 感電し、ぶちまけるような大失禁をして無様なポーズで気絶してしまう……』

 

《3Fリザルト》

『挑戦者の貴金属を好んで食らう怪生物に襲われる! 殆どの装備を食われ、上半身を丸呑みにされてしまい、その状態でゴブリンの群れに遭遇! マンコとアナルの処女を無惨に散らされてしまった! 装備ロスト・名刀クチナワ。装備破損・武者巫女衣装(壊)』

 

《4Fリザルト》

『強大な肥大デーモンといきなり遭遇! 何もできないまま魅了の魔法をかけられ、再生の淫紋を刻まれてから、巨根で好き放題オナホファックされてしまう! 装備ロスト・武者巫女服。状態異常・再生淫紋』

 

《5Fリザルト》

『挑戦者は休憩所を引き当てることに成功する。体勢を整え、充分な休息を取り、今できる中で万全の装備を作成し次のFへと向かう……。装備変更、御札→全裸護符』

 

《6Fリザルト》

『6Fは一面鏡張りのミラーハウスだった! 鏡の一枚から出現した、偽物の自分が襲い掛かってくる! 偽物に敗れた挑戦者は、逆に鏡へと閉じ込められて割り砕かれ、脱出不能となってしまった……』

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

【エピローグ】

 

 多くの犠牲者を出した謎の迷宮が陥落し、消滅する。

 生還者はただ一人。異国の美闘士、武者巫女トモエであった。

 この功績はその日の内に国中へと知れ渡り、国民から圧倒的な人気を得たまま、トモエは破竹の勢いでクイーンズブレイドを制し、女王として君臨した。

 始めこそ、異国産まれの女王に戸惑いを覚える者も多かったが、公平で甚大な政治、思慮深くも懐の深い人柄、なによりも凛としながらも神秘的な柔らかさを常に欠かさない、異文化の美しさを讃えた君主へと、誰もが心から跪くのに時間はそうかからなかった。

 四年に一度開催される、次のクイーンズブレイドにおいても、そのまた次においても、圧倒的な実力で優勝を修めていくトモエの名は、長く歴史に残ることになる。

 後世にも、必ずや輝かしく語り継がれていくだろう、異国産まれの女王の伝説。

 ただ、その中に、一つだけ――

 

――ほ、本当に、この地下迷宮から生還すれば、私たちを解放してくれるのね……?

――はい、女王の名に賭けて。たとえ勝者に絶対服従を誓わねばならない、クイーンズブレイドの敗者であろうとも、もしこの迷宮から戻って来られれば、必ずや貴女とご子息の自由をお約束いたします。

――分かったわ……いい? ここまでは貴方を連れて行けないわ。だから、私が少し出かけている間、いい子にしているのよ? ……ええ、愛してるわ。じゃあね。

 

 彼女に敗れた美闘士は皆、その後必ず姿を消すという逸話があることを知る者は、あまり多くはない……。

 

――The END――

 




 リクエストは引き続き受け付けておりますが、次回は7割ほど既に完成しているエロトラップ・ダンジョンとは無関係な短編小説の投稿を予定しております。

 短編のノリはひぎぃでオホォな概ねいつも通りですが、頂いているリクエスト消化が少々遅れてしまうことを、ここでお詫びします。
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