気づけば俺の意識は、宙に浮かんでいた。
色も温度も無い。
何も無い空間で、俺はぼんやりと自分の状況を察した。
――ああ、また死んじまったか。
この世界に転生してから、もう何度目だろうか。
きっと今頃、あの駄女神が俺に蘇生をかけている事だろう……
「…ズマ、…………さい、……カ……!」
「カズ……、…………んだ、………マ!」
――ほら、意識を澄ませば、あの頭のおかしい爆裂娘と、ドMクルセイダーの声が聞こえてくる。
普段はロクな奴らじゃないのに、俺が死ぬとその度わんわん泣いて心配してきやがる。
本当はこんな世界、今すぐにでもおさらばしてやりたいが……しょうがねえなあ。
「……れば、…………だな。…………」
「………ね、……………です………よ?」
……そういえば今回はエリス様と合わなかったけど、これは今まさに蘇生中なんだろうか。
それとも、死んだばかりでこれからエリス様とご対面なんだろうか。
――マ!カズマ!ねぇ、聞こえてるんでしょ、カズマってば!
……この声はあの駄女神か。やはりここは死後の世界で間違いないらしいな。
――だぁれが駄女神よ!さっさとこっちに戻ってきなさいよヒキニート!!
……うるせぇなぁ。せめてエリス様に挨拶ぐらいさせてくれても……
――……はぁ!?アンタあれだけ死んどいて何をまだ挨拶とか言ってるのよ!これ以上待たせると、またダクネスやめぐみんがアンタの身体にイタズラしちゃうんですけど!?
……?俺はまだエリス様に会ってなかったと思うんだが……まぁ、良いか。
それよりも、俺の身体にまたとんでもないことしやがる気だな……。アクア、さっさと蘇生してくれ!
――……なんか今回のカズマ、会話が噛み合わないんですけど……。流石に時間がかかりすぎたのかしら。
まぁ良いわ、早くこっちに来なさい!
いつもならここでエリス様がパァ~っと光を昇らせて、俺はそこに導かれる感じなんだが
今回はちょっと手順が違うみたいだ。まぁ、人が死んだり生き返ったりするんだ。
たまに違う事が起きる程度では俺は焦ったりしないぞ。
それよりも、身体がエロい痴女セイダーや、頭のおかしい爆裂ロリが俺の身体に何をしやがるのかが問題だ。
復活した時の状況次第ではあの二人にどういう仕打ちをしてやるか。
そんな事を考えながら俺は、あの女神の声とどこか暖かい光を頼りに、どこなのかわからない空間を進んでいった。
視界が光でいっぱいになると、だんだんと忘れていた身体の感覚が戻ってくる。
初めに感じたのは、「少し寒いな」という感覚と身体にのしかかる重みだった。
「……カズマ、カズマ!目が覚めたのですね、カズマ!」
「よ、良かった……本当に……カズマ……」
目を開いた時に視界に映ったのは、冒険仲間であるめぐみん、そしてダクネスの二人。
ふああああああん!!と俺の腹に顔を押し付け、抱きつきながら大泣きしている。
柔らかくて良い匂いなのだが、気まずいし恥ずかしいし、ダクネスにいたってはもうそこ股間だから!グリグリするのはやめなさい!違う意味で元気になっちまうわ!
「今回はどうなることかと思ったけど、流石は私ね!完璧な蘇生よ、ほらカズマ?今度こそちゃんと褒めなさいよ。もっと私を女神として敬って!もっと私を褒め称えて!」
「……まぁ、サンキューな。今回は危なかったっぽいし、助かった」
そしてドヤ顔で胸をふんぞり返らせてる、見た目だけは素晴らしい駄女神が今日も承認欲求がにじみ出ている。
こいつは何かある度自分の手柄と認められないと死ぬ病気にでもかかっているのか?
まぁ、胸を張っているポーズのせいでツンと上を向いた形の良い胸がふるるん、と揺れる様は眼福なので心の中でそこだけには拝んでおく。ご馳走さまでした。
「なんかヤケに素直で怖いんですけど……というか私を見る目が穢らわしいんですけど」
「……まぁまぁ、良かったじゃないですか。こうしてカズマは無事だったわけですし」
「そうだな。暫くは養生して、完治したらまた冒険に行こうじゃないか」
泣き止んだめぐみんとダクネスが、泣き腫らした目を擦りながら安堵の笑みを浮かべている。
迷惑ばかりかけられているこの二人でも、こんなしおらしい一面を見せられるとこう……クるものがある。
しかも胸元に縋り付いているめぐみんのどこか甘い匂いと、腹のあたりで押しつぶされてるダクネスの豊満な双丘の感触のせいで……その、なんだ。
「よ、よし!何はともあれ俺はもう自分の部屋で寝るとするよ!おやすみ!」
「あ、カズマ!まだ蘇生したばかりなのですからまだ安静に」
「お構いなく!」
めぐみんの静止の声も振り切り、俺は自分の部屋に駆け込んだ。
マズい。
完全に俺の聖剣エクスカリバ……じゃなくて、カズマさんのカズマさんが
こんな状態を同居している仲間に見られれたら、明日からどんな顔して会えば良いんだよ。
めぐみんからは『うわ、カズマ……ごめんなさいそれ以上近づいたら撃ちます』
とか殺伐とした扱いを受けるだろうし、アクアに至っては『エロニート』とか新しい称号で呼び始めるに決まってる。
ダクネスは……まぁあんまり変わらないかもな。アイツ普段から俺に期待の眼差し(スケベ的な意味)で見てくるし。
にしてもズボンの感触に違和感があるな……、走ったから変な角度に……て、
「な、なんじゃこりゃ……」
――俺の股間に、聖剣エクスカリバーが鎮座していた(チ○コだけに)
というのはまぁ例えで、普段風呂やトイレで毎日対面している俺の息子が、10年の修業を経た戦闘種族が如くとんでもない戦闘力をズボンの中で誇示している。
日本人男性の平均(だと俺は思っている)サイズからは考えられない膨張率。
よく酒場での下ネタ会話で男性の性器は前に生える尻尾なんて喩えられるが、こんなの腕だろ。
しかも土方の屈強なおっちゃんとかの腕だ。
「とにかく、脱ぐか。ってかパンツ破けてるし……どうなっちまったんだよ俺」
ベッドに座り、ズボンと破けたパンツを脱ぐとその全貌が顕になった。
日本のエロ漫画とかでたまに見る「肉棒」とも呼べる存在がそこにはある。
俺はああいうのを見て「こんなチ○コ、現実にあるわけありませんしwwwww」とか思っていたが、
よく考えたらここはファンタジー世界。とうとう俺の隠れざる才能が……
「って、そんな訳ないよな。なんかのバッドステータスか?にしてもこれなんとか何ねーのかよ……もう一種のモンスターだろ」
俺の股間のカズマさん(Lv100)は、それはもう荒ぶった見た目をしていた。
まず、デカい。説明不要。
長さは正確じゃないが30センチはくだらない。
そして太い。片手で握ってみるが根本だとギリギリ指が回らない。
んでもって固くて熱い。ビキビキと音が聞こえてると錯覚しそうだ。
火を通した鉄棒とか官能小説で比喩されるけど、これ基礎体温超えてるんじゃないのか?
反り返って天井を見上げているほど勃起しているが、これ俺の血をどんだけ吸い込んだんだよ。
カリ太とか超えてもう傘みたいになってるし。サバイバル動画で見たタマゴダケみたいだな。
んで陰茎部分は太い血管がミミズ腫れみたいにビクンビクンしながら何本も脈動してる。
そしてぶら下がったお金玉袋は、握りこぶしでも入ってるの?ってくらい存在感があった。しかもちょっと張ってて痛みを感じなくもない。
……もうなんか誇らしさ超えて単純に怖かった。
そりゃあ俺だって、男たるもの自分の逸物がでかくなったら良いなぁ~なんて妄想はあるが……
というかその妄想で、サキュバスさん達のお世話に何度なった事か。
「こんなの、あいつらには見せられないな……」
長い付き合いになるあの3人に、こんなブツを見せた時の反応を考えると……
いや別に見せる予定があるわけじゃないが、万が一って事もあるだろ?
風呂場でめぐみんとご対面したり、着替え中にダクネスと遭遇したり、酔っ払った勢いでアクアと裸踊り対決したり……。
俺、仲間にチ○コ見られすぎ?
そんな事を考えていると、枕元に置いてあった冒険者カードが光った。
なんだ?もしかして、何かステータスに影響があったんじゃないのかと俺はカードを手に取り、そしてその内容に目を通した。
サトウ・カズマ Lv24
種族:人間
職業:エロゲ主人公
スキル
・マジカルチンポ:Lv1
「なっ」
なんじゃあ、こりゃあああああ!?!?
――その日から俺は、冒険者からエロゲ主人公になったのであった。
※※※※※※※※※※パーティ状況※※※※※※※※※※
・カズマ(転生日本人:エロゲ主人公)
スキル「マジカルチンポ」を手に入れた!
・アクア(女神:アークプリースト)
蘇生を頑張った自分へのご褒美として高級シュワシュワ
・めぐみん(紅魔族の娘:アークウィザード)
カズマが心配
・ダクネス(貴族の令嬢:クルセイダー)
カズマが心配
◆次回予告
今までのスキルと引き換えに「マジカルチンポ」という頭の悪いスキルを手に入れたカズマ。
そして鬼のように勃起した状態で泥酔状態のアクアと遭遇してしまう!
今までは目を背けていた女神の肢体に、獣欲がカズマを突き動かす……。
次回、第1話「この駄女神と童貞卒業を!」