戦い済んで日が暮れた
次に皆が目を覚ましたのは、日曜日の朝だった。
梓が上半身を起こし、栗の花の匂いが充満した防音室に顔をしかめながら……あゆみと優季の痴態を見る。
2人とも体力を消耗しきって、白濁の混じる体液の池の中で泥のように眠っていた。
「あれ?」
視界がはっきりしてくるにつれ、二人の最後の体位がはっきりと見えてくる。
優季は、あゆみのペニスを咥え、口から白濁を止めどなく流し続けていた。
白濁が微かに波打つので、呼吸は出来ているようだ。
そして、電池の切れた電マが、あゆみの睾丸と膣口の間に、押し当てられていた。
おそらく、勃起を維持できなくなったあゆみに、最後の射精をせがみ、口と電マで刺激を続けているうち……事切れたのだろう。
「優季は、凄いな」
ちょっとまゆを曲げて苦笑いを浮かべた梓の顔が……とたんに真剣な表情になる。
優季の身体が、おかしいのだ。
腹が、妊婦、いや、空気を尻から入れられたカエルのように膨れ上がっており、足の間からときおりこぷ、こぽぽっ、と白い液体が溢れていた。
「あや、あや! 起きてっ!」
「えー、まだ寝てようよー」
「優季が、ヤバいの!」
「え……?」
呼吸ができている以外はぴくりともうごかないあゆみから、そっと優季を引きはがして仰向けにさせる。
半分白目を剥き、舌をだらしなく出して、鼻と口から精液を垂らして、僅かに震える優季。
あやと梓が視線を合わせ、意を決して、パンパンに膨れ上がった白いお腹を、ちょっと指で押してみた。
ぶじゅっ……ぶぴゅーっ!
足を大きく開いた、赤く腫れ上がった優季の割れ目から、白い粘液が水鉄砲のように勢いよく飛び出した。
「!!」
大変な事になった。いくらなんでもこんなにあゆみが射精し続けるなんて。
産婦人科! 救急車! ICU!
ここまで来れば、学校にも報告が行くかも知れない。
どうしよう……。
「……全部、外に押し出す。それから考える」
神々しい声が、カーテンの隙間から朝日の射し込む薄暗い部屋に厳かに響く。
立ち上がっていた紗希が優季の傍らにしゃがみ込み、両の指で優季のボテ腹を静かに押し出した。
びゅーっ、びゅーぅ、ぶじゅじゅじゅっ!!
「ねえ……梓ちゃん、あやちゃん、あゆみちゃんのおちんち*……ボロボロになってる」
「わっ!?」
桂利奈の不安げな声に、あゆみの股間を見た三人が思わず口を押えた。
何十回、いや何百回射精させられたか分からないあゆみのペニスは、萎え、傷ついた芋虫のように腹の上に横たわっていた。
赤黒く変色したグロテスクな物体は、優季の唾液で舐め尽くされ、赤く腫れたままふやけていた。
「オロナイン効くかな?」
「さぁ」
ぷじゅーっ! ぷじゅーっ! と、紗希が優季の胎内の精液を絞り出す異様な音が聞こえる中、
優季とあゆみへのケアをどうするか、考える必要が出てきていた。
/////////
日曜日の夕方。
優季が瞼を僅かに開け、首を小さく振った。
どろーんとした瞳に、部屋の蛍光灯の光が眩しく、一度目を閉じる。
「あっ!」
梓の声か? 誰かが、歓声に近い短い叫びを上げた。
「……んっ」
「おはよ、優季」
「よかったー、目を覚まして」
再び目を開くと……梓、桂利奈、あや、紗希の、嬉しさ半分、不安半分な複雑な表情が、優季の顔を取り囲んでいた。
「あゆみ……ちゃん、は?」
「大丈夫。まだぐっすり寝てる」
首を横に向けると……、昨晩何度も何度も、数えきれないくらい愛し合い、交わり合い、精を授かり、一つになった愛しい山郷あゆみが、すぅ、すぅと静かな寝息を立てている。
顔に疲労が色濃く残ってはいるが、表情はどことなく満ち足りていて、口元もうっすらと微笑みを浮かべていた。
「ポカリ、飲む?」
「うん」
紗希に支えられ、ゆっくりと上体を起こした優季は――自分のお腹がすっかり凹んでいることに気が付いた。
ネグリジェの裾を上げて、まだひりひりする割れ目をたぐると……甘ったるい栗の花の匂いがぷんと匂い立ち、少しだけ粘っこい体液が指にまとわりつく。
「あゆみちゃんの、せーえき……いっぱいだったの、なくなってる」
「気が付いたらお腹が風船みたいに膨らんでて……優季が死んじゃうといけないから、つい……ごめん」
「ううん、助けてくれてありがと、でも……赤ちゃん、いっぱい、出てっちゃった……」
生臭い匂いを放つ指を愛おしそうにしゃぶり、目を潤ませて涙をこぼす。
その瞳に……怪しい光が宿っている事に、他の四人はまだ気づいていなかった。
/////////
「あのねぇ、わたし……危険日なんだ」
「「え?」」
ポカリをひと口すすり、お腹をそっと撫でる優季の発言に、梓とあやと桂利奈が目を丸くする。
「あゆみちゃんの赤ちゃん、産みたいのぉ。わたし、ちっちゃい身体だけど、いっしょうけんめい骨盤ひろげて、栄養とって、お腹の中で赤ちゃん育てるんだぁ」
「……優季?」
「男の子がいいな~。あれだけいっぱいせーし貰ったら、大丈夫だよね~、ね? 私の子宮ちゃん❤」
優季……優季?
大変だ。優季がおかしい
ずっとセックスしつづけて、膣内射精され続けて、絶頂し続けて……どこか壊れてしまったのだろうか。
「産婦人科でアフターピルって売ってるかな」
「いや、私らが行ったらヤバいって」
「でもでも、あゆみちゃんのお汁はせーし入りだから……」
「……」
紗希がそっと立ち上がり、部屋の隅に向かう。
ひとかたまりにしてあるバッグや紙袋の中から、あゆみの私物――プラウダ製薬の通販の段ボール箱を取り出した。
「こらっ! 紗希、人のもの勝手に漁っちゃダメ!」
「……妊娠、止める薬」
「「!?」」
紗希の手には……2種類のカプセル錠が入ったパッケージが握られていた。
「ハエールXの付属品。……こっちは、*ちんちんを消す薬『キエールX』』」
「えっとぉ……」
「ハエールXはおちんち*とタマタマが生えっぱなしになるから、元に戻るには解除薬が必要なんだ!」
こくん、と紗希が頷くと、小さな声でぼそり、とつぶやいた。
「……アフターピルも付いてて、ケアも万全」
「さすがは信頼のプラウダ製薬だね、やるじゃん!」
「早く飲めば飲むほど効果が増すんだっけ、優季、ほら。……優季?」
ふと気が付くと、優季は話の輪から遠ざかり、壁に貼りついて震えていた。
青ざめた顔を震わせながら、涙の滴を零しながら、首を小刻みに横に振る。
「優季?」
「や……や……やだっ。飲みたくないっ!!」
/////////
「産む! 絶対産む! あゆみとわたしの赤ちゃん、絶対産むんだからっ!」
「優季! バカなこと言わないで! あなたまだ高校生なんだよ!?」
「ダメだよ優季ちゃん、退学になっちゃうよ……もしかしたらあゆみちゃんも一緒にっ!」
「どうやってご両親に説明するの? 『おちん*んの生えた女の子とエッチして赤ちゃんできました、私たち結婚します!』って言うつもり?」
「……そんなの無理」
四人が取り囲んで必死の説得をするが、優季は両手で耳を塞いで首を横に振るばかり。
その間も……彼女はネグリジェの下で、強く内股になってふとももをぴったりとくっつけ、割れ目からあゆみの精液が余分に零れ落ちるのを防いでいた。
「分かった、今日はもう寝よう。時間はまだあるからゆっくりと話し合って――」
「今日もあしたもないよっ! ぜったい、産むんだからぁっ!!」
優季の腹の底からの絶叫に……眠り込んでいたあゆみが不意に目を覚ます。
彼女の細く小さく、背中から腰にかけて柔らかなラインを描く身体をながめ、力なく微笑んでから、ゆっくりと口を開いた。
「優季、ママに……なりたいの?」
「なりたいんじゃなくて、なるんだからっ!」
「本当にそれでいいの?……優季は学校に通えなくなるし、みんなとも……お別れになっちゃうじゃん」
優しく、すこしかすれた声で喋るあゆみの言葉に、一瞬優季が言葉を詰まらせた。
俯いて、しばらく考え込んでから……あゆみに向き合い、決然と言い放った。
「あゆみちゃんがパパになってくれるなら、わたしそれでもかまわない!!」
「そっか……ねぇ、あや、おっきなクッション持ってきて」
「う、うん」
大きなクッションを背にして力なくもたれかかるあゆみが、優季を呼び寄せて抱きしめる。
軽いキスをあげて、頭を撫でて……へその下を静かに撫で回した。
/////////
「優季」
「あゆみちゃん……」
「私、優季と一緒に戦車道をやりたいし、一緒に卒業したい」
「え?」
「赤ちゃんできちゃったら……それも出来なくなる。もしかしたら、優季も私も、ここにいられなくなる」
「や、やだっ!」
優季が涙を流しながら首を大きく振っていやいやをすると……あゆみはさらに強く抱きしめ、長い時間をかけてゆっくりとキスをする。
「ん……ふっ、うんっ」
口の中で蠢く舌の感触と、喉を流れ落ちる唾液に、優季が身をよじると、シーツにぽたっ、と白濁りがこぼれて、また栗の花の匂いがあたりに漂った。
「赤ちゃんはいつでも作れる事が分かったんだから、卒業してから結婚すればいいじゃん」
「でも、でも……」
「離れ離れになったら、梓やみんなが悲しむよ?」
「……」
優季が顔を離して、不安そうに見守る四人の顔を見回す。
「わたし、赤ちゃん産んじゃ、ダメなの?」
「…………」
答えを出せるものは、四人の中にはいなかった。
困惑の表情を浮かべ――紗希すら、戸惑いを隠せず、黙って二人の成り行きを見つめていた。
「私の可愛い優季、みんなを困らせないで」
「……」
「卒業まで、赤ちゃん作るの以外で、たっぷり愛してあげるから。……陸で就職先見つけて、両親に説明して、結婚して……赤ちゃんつくろ? それからでも遅くないよ?」
「……」
「お願い、言うことを聞いて」
「あ、あのね、あゆみ、優季……。私たち、ちょっとコンビニ行ってくるから……その間に二人きりで話し合って。1時間くらいで戻るから」
「わかった……ありがとね、梓」
/////////
あの場で、2人の重い会話を聞き続けていいか、梓は迷った末……二人に未来を選ばせることにした。
全員で説得に回っても良かったが、追い詰めたうえで薬を飲ませては、後にしこりを残すだろう、と。
途中、重苦しい空気の中で喫茶店に立ち寄り、約束の時間まで過ごしてから……、まだすこし力の入らない足腰を叱咤し、マイバッグに弁当やジュース、お菓子を詰めて帰路についた。
「あたし赤ちゃんなんて、遠い未来の話だとおもってたけど」
「……」
「そうでも、なかったんだね」
「……うん」
まだお子様の桂利奈も、自分が子供を産める身体だと自覚すると、ちょっと不思議な気持ちになる。
いずれ、愛し合う男と「あの行為」をすることになると思うと……ちょっとの期待と、おっきな不安がないまぜになった、複雑な感情で胸がいっぱいになった。
「どうなったのかな、あの二人」
「帰ってみないとわかんないよ」
そんな話をしているうちに、寮に戻ってくる。
梓が高級学生寮のカードキーと暗証番号で、玄関の自動ドアを開ける。
エレベーターの中も、重苦しい空気に包まれていた。
「ただいまー……?」
ドアを開けてリビングに入った途端、四人はマイバッグを取り落して、その場で凍り付いた。
くちゅ、ちゅぷ、くちゃ、こくっ、んふ……っ。
リビングで、誰に憚るともなく……あゆみと優季はぴったりと抱き合い、ディープキスをしていた。
こく、こくと、液体を飲み干す喉音が聞こえる。
昨日の乱交で何度も見た光景だが、日常生活に戻った今となっては、見てはいけないもの。
慌てて玄関に引き返し、喘ぎ声や舌の絡む音や、喉音が止むのをじっと待ち続ける。
長い間キスは続き、やがて淫らな音はしなくなり……あゆみの声が聞こえてきた。
「ごめんね、入ってきていいよ」
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「あの薬は?」
「ポカリに溶かして飲んだ」
「?」
すんすんと小さな泣き声を鳴らす優季を膝に抱えながら、あゆみが1時間の空白の間に起きた出来事を語りだした。
優季は不承不承ながら、アフターピルのカプセルを飲むことを承知した。
でも、自分では飲みたくない、あゆみが飲ませて、と。
だから、あゆみはカプセルの中身をポカリに溶き、一口ずつ含んで、時間をかけて、口移しで飲ませた。
あゆみのペニスは、長時間の性行為で腫れあがり、ひどい痛みに悩まされていた。
女性器と違って外に露出しているのと、女性の下着と服では、きつく擦れて余計に痛みを増す。
優季は、男性器解消剤『キエールX』をジュースに溶き、やはり口移しであゆみに飲ませていった。
「効果が出るまでしばらくかかるみたい。お*んちんが消えるのは明日の朝だって」
「アフターピルは、12時間後にまた飲んで、って書いてあった」
「ふたりとも疲れてるみたいだから、今日は泊まってって」
「いいの?」
「でも、またおっ始めちゃダメだよ?」
黄色い笑いが巻き起こる。泣いていた優季も、釣られてちょっとだけ笑みを浮かべた。
みんなで弁当やお菓子を食べて、ちょっと駄弁って、お風呂に入って、解散。
優季とあゆみは、四人が昼の間に必死で掃除と脱臭を済ませた防音室で、布団を二枚並べて寝ることにした。
「おやすみ、あゆみ、優季」
「おやすみなさい、梓……ありがとね」
「あ、優季、もし副作用で……身体が辛かったらすぐに言ってね。アフターピルっていろいろあるみたいだから」
「うん、いまのところはだいじょうぶ」
「気を付けて、それじゃ、ね」
本当に優季は避妊できるのか、あゆみの身体は元に戻るのか、少し不安はあるが……。
自分が心配しても仕方がない。
二人ほどじゃないにせよ体力を消耗していた梓も、ベッドに横になった途端にすぐに強い眠気が襲ってきて、意識を眠りの中に溶かしていった。