※この作品はR-18です。

撃ち抜いたその後で   作:杜甫kuresu

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ようやくおせっせします。
8.5割が独学で、しかも初めて書く。


アフター【前編】

「俺さ、言うとアレなんだが…………抱きつかれると我慢利かなくなってるって気づいてるか?」

 

 心臓を太鼓のように打ち鳴らす黒髪の男。昼とは打って変わって口を緩ませた余裕のない顔、けれど彼女には見えていない。

 彼女、言い改めてKarが彼に抱きついてからというものの早数分。時計を見るのも躊躇う長い一刻に指揮官は、少しばかり限界が近づいていた。

 

 彼は基本的に五感に訴えかけるものにかなり弱い。例えば横目に輝く銀髪の甘い匂いや、否応なく伝わってくる鼓動の音だ。正直なところ、手に触れるだけでもあまり精神的に良くないのが事実。昼間は触れるのを恥ずかしがる彼女に深く息を吐くのは、実は彼の方だった。

 

 人形だと言うのに何故鼓動が有るのかと聞いたことが有ったが、曰く「設計者がロマンチストだったから」と笑っていたのを思い出す。

 

「知ってます」

 

 Karの一回り小さい腕が彼の背中へ更に強く回される。確信犯か、と彼は困ってしまう。

 頭の奥底に疼く暴力に近い其れを軽めに抑えつけると、彼はとうとう宙に遊ばせていた腕で彼女の背中を強く抱き寄せる。心なしか息が荒く、いつもより獣チックな様子だ。

 

 コートごと何かを耐えるように握りしめる彼の手の感触に、Karはひっそりと口元を釣り上げた。いつもは鳴りを潜めた意地の悪くてワガママな笑い方。

 

「後で泣いても知らないぞ」

「そういうの、実はお好きでしょう? 乱暴な人ですものね」

「バレたか」

 

 駄目押しと言わんばかりに彼女が首元に軽くキスすると、そんなちょっとした仕草で限界が来た。

 バネのように跳ねる勢いでベッドにKarを押し込むと、身体を離して彼女の顔を熱っぽい蕩けた瞳で見つめる。彼はそんな理性のない自分が嫌いだが、彼女はそういう彼を見るともっと好きになる。

 

 悪戯っぽく赤い瞳を細めたKarに顔を押し付けると、触れ合う唇の間で舌が行き交う。手際よく誘い込まれた彼は貪るような勢いを見せるが、Karはそれに頬を染めただけで拒否はしない。

 むしろ其れを望んでいるような目尻の下がりように彼も遠慮がなくなってくる。

 

「んっ…………息が出来なかったのですけど?」

「嘘をつけ、人形が息なんて」

 

 まるで躾のように、もしくは刻みつけるようにまた貪る。

――――――少し経って、彼の方が息が続かなくなってきた。そんな様子で顔を離そうとした瞬間に

 

『もっと』

 

 とでも言わんばかりに首を抱き込まれて、逆に彼が目を少し潤ませてしまう。しかし彼女のゆっくりとした優しくて、そして蝕むような舌遣いに興奮で頭が紅色に食い潰されていく。

 気づけばむしろ存分に味わわれてしまった彼は、漸く緩められた腕の力に焦り調子で顔を離して、そのまま横に倒れ込む。

 

 少しだけ糸を引いた唾液に言葉の出ない高揚感。ゆっくりと横に目をやると、案外Karも瞳が潤んでいる。

 

「気づけば随分グイグイと来るようになった」

「お望みなら何時も通りでも良いですよ」

「いや、欲に正直な君も好きだ」

 

 特に捻りもない告白。

 

「知っています、だからそうしてるのよ?」

 

 荒い息を口元ごと抑えて小さく笑うのに、何だか反則じみた蠱惑を感じてしまう。

 彼の頭の奥底から沸々とまた乱暴ばかりの想像図が暴れだす。しかし本当にそれが嫌いで、嬲り殺しにしてしまったかと思うと息を整えて身体を起こす。

 

「君はそっちが素なのか、いつもが素なのかどっちなんだかな。俺には分かりかねるよ」

「どっちが好き?」

「どっちも好き」

「じゃあどうでも良いでしょう? 今ぐらい私に夢中になってください」

 

 コートと軍帽を捨てると、彼の足の間にするりと滑り込んできたKarの額を軽く小突いて押し返す。

 不思議そうな惚けた顔をしている彼女に顔を逸らして籠もった口調。

 

「汚いからいい加減辞めた方が良い」

「あら、良いじゃありませんか。貴方に汚されるのは好きですもの」

 

 いつものように柔らかく微笑み返す彼女の顔に少しだけ見惚れたが、誤魔化して苦虫を噛み潰したような表情をする。何やら言いたげな様子だ。

 

「君は飲むだろ、流石にアレは駄目」

「でも殿方ってああいうものを好むとばかり」

 

――いや、何というか。其れを否定は出来ないんだけど。

 言い切れない自分に苛立って髪を掻きむしる。Karは実は自分の反応で遊んでるんじゃないか、とこの問答に入る度に思う。

 

 じわりじわりと外堀を埋められてる感触に若干諦めつつももう少し抵抗する。

 

「そういう問題じゃないぞ」

「私のこと、嫌いになってしまいましたか…………?」

 

 潤ませた瞳で切なげに訴えかけられると、彼は途端にもう為されるままだ。

 しばらく騙されまいと奥歯を食い縛っていたようだが、耐えかねたようにベッドを軽く叩くとやけっぱちな返事を寄越す。

 

「ああもう卑怯だな君は! すれば良いよ、飲まないならもう好きにしろ!」

「ふふっ、そういう優しい所が好きです」

「都合のいい好きで困るよ、全く…………」

 

 目を手で覆った消沈気味の彼を置いて、少し上機嫌なKarがズボンのチャックを下ろす。

 真面目な話をすると嫌では有るのだが、快楽に身を任せてしまうとそうも言えないのが困りどころだろう。

 

「本当に好きじゃなければしませんのよ? こんなイジワル」

「今の君の言葉には重みを感じない」

 

 ちょっとムッとした顔の彼に

 

「女の子に絡む時の指揮官さんのほうがよほど軽いわ」

「其れを言われると反論は無理」

 

 答える間もなく、彼の頭に甘い痺れが走る。

 彼女の舌使いは上品なのかと言うとそれはもう行為の時点で違うだろうが、丁寧なものでは有る。

 

 舌を伸ばすというよりは顔ごと埋めて綺麗に舐めていく姿は内容の割に少しばかり美しく、また艶かしくも有る。身も蓋もなく直感的に表現するなら、絵になるのだ。

 そのまま施しを受け取るだけの彼であるが、時折聞こえる

 

「んっ…………はぁ、ふう」

 

 というような色気の籠もった吐息に少し乱暴しそうになるし、そのゆっくりとした焦らし方に期待以上の欲みたいなものが顔に出てしまいそうになる。

 

 舌の這う湿り気に目を白黒させながら彼が問いかけた。

 

「一体何処でそんなやり方覚えてきたんだか」

 

 赤い瞳が弄ぶように細められる、答えが分かることはないらしい。

 これは何時に限ったことでもないのだが、Karは彼のソレを咥えるときには必ず片手で髪を掻き上げる。ああだこうだと口では言ってのけた彼だが、その動作を見て、片足に載せられた温かな指先の感触を味わう頃にはもうどうでも良くなってしまっている。

 

――だからこそ良くない。

 

「他の方から、だったとしたら?」

「今日は乱暴かもしれないな――――――――」

 

 黙らせるように亀頭にキスをすると、そのまま咥えこんでしまう。

――また巧くなってる。ある程度保たせたいが。

 

 思わず浮きそうになる腰を抑えつける。

 ウォーミングアップとでも言うのか、ゆっくりとしたストロークに彼は無理やり彼女の顔を引っ張ってしまいそうになる。元々分かりきっていたとは言え、彼も所詮雄でしか無い。快楽に流されそうな瞬間だって無数に有った。

 

 それに彼女のやり口は狡猾で、またいじらしい。あんな言い方をして「イジワル」をしたつもりでも、その瞳はいつも彼の顔色を窺っているのだ。自信有り気な態度こそ見せるが、本当に気持ちいいのかと不安になっているのは付き合いで分かる。

 だから単に獣欲と言ってしまうより、「Kar98kであるからこそ」彼は乱暴にしそうになる所があった。彼女には、相手を暴力的にする異性としての悪い魅力が有るらしい。

 

「ヤバイな、そんなに長くしないでくれよ」

 

 ぶるりと快感に身を任せそうになるのを何とか堪える。あんまり速いとそれはそれで何だか物足りな気な顔をされてしまうのだ、彼にはよく分からないがこれはこれで彼女にも利のある時間らしい。

 

 が、逆にペースが段々と早くなってくる。言った側からこれなのに彼は奥歯を食いしばった。

 

「バッ、もう無理だ――――――っ!」

 

 そう言うと味をしめたように根本までぐいと呑み込んでしまう。

――やっぱりじゃないか! 何でそう其処に拘るのやらな!

 

 Karの顔を引っ剥がそうと躍起になるが、辛抱はしなくてはならないし人形の力は強いしとまるで勝負にならない。時折喉奥がうねるのに限界が来るのもそう遠い話でもなかった。

 彼女の喉に流し込むような勢いで思い切り射精する。我慢していた分、止めようもない。

 

 しまったと何時も通りに顔色を見る彼だが、これもまたいつものように目を閉じて味わうように喉を鳴らす彼女の姿。何時になったら反省するのか、と脳裏で怒りつつ快楽に頭が埋め尽くされる。

 ごくり、と飲み込む一際大きな音の後にゆっくりと口が離れていく。

 

「結局またこうなった! 本当に辞めてくれ、牛乳とかじゃないんだから!」

「…………んっ、喉に絡まりますよね。これ」

 

 話を聞いている様子がない。もうどうすれば良いのやらと彼もお手上げだ。

 呆れているのを良いことにまた咥え込むと、そのまま尿道に舌を入れられる。残っていたものまで全部無理矢理に搾り取られるのは少し屈辱的でも有り、また受動的ながら別種の心地よさが有る。

 

 彼が余裕のない表情で彼女の頭を押しのけようとするのを、何処か上機嫌な様子でKarは見つめる。

 理不尽な搾取が終わると、顔を彼が突き飛ばす。

 

「しかもペースも滅茶苦茶だ! 俺はドリンクバーの機械じゃない!」

「でも気持ち良かったですよね」

「うっ――――――ああそうだ、悪いか!」

「嬉しいです」

 

 本当に嬉しそうに子供っぽい照れた微笑みを見せられたので、耳を赤くすると彼はそれ以上叱りつける勢いを失ってしまった。




 私は生々しいのが苦手なので、雰囲気でえっちな気分になってもらおうと努力しました。具体的にはモノの描写をしたくないです。
 Karが攻めってよくない…………よくない? でも何でこうなったの? 私がわからない。しかも前戯ながい…………。

 Karは髪をかき上げないと咥えない。すき…………(語彙力不足オタク)。
 興奮してもらうより「コイツらヤッてる最中ってこマ? イチャつきすぎだろ………」ぐらいの反応が来る設計をしています。私がそう思ってます、君達それマジでやってるの?

 根本的な思想として「セックスも色が濃くなる瞬間」と思っています。欲望に基づく行動こそ、それがどんなケダモノなのか映る。
 こういう感じだからえっちそのものを期待してはいけない。大体未経験ですし。

 指揮官って書くと何だか醒めるので「彼」ばっかり書いているんですけど、何か手はないものでしょうか…………。
 そして後数話ぐらいは肩慣らしです、勝手が本当にわからない。
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