トブの大森林、南端──カルネ村から目と鼻の先の距離で、エイとルプスレギナは和やかに談笑していた。二人だけを見れば、それは男女の逢い引きとも見て取れただろうが、しかし二人のすぐ近くには多数の死体が所狭しと転がっていた。血生臭さが漂うこの場で、平然としている彼等こそが──下手人で相違ないだろう。
「これめっちゃ美味いっすね!」
「ポテチは『関西だし醤油』が至高だからねー……まあこんなところで食べて美味しいと言える感性はわかんないけど」
「…? なんでっすか?」
「僕はグロ耐性あんまないんだよ。それ抜きにしても、食事は食事で集中したいし……ご飯食べながらフェラさせる男の神経とか、一生わからない自信があるね」
「ご飯と一緒に…? そういうのもあるんすか……こんどエンちゃんにやってもらうっす!」
「…まあ好き好きだけどさ。それにしても──ザイトルクワエの影響をもうちょっと考えるべきだったか。ちょっと反省」
「ザイトルクワエ?」
「そそ。ユグドラシルのレイドボス……まあ適正はレベル八十以下だから、そんな脅威でもないけどね。プレアデスじゃちょっときついかな? …“プレイアデス”ならなんとかなるだろうけど」
「ウンはなんでも知ってるんすねー」
「おいやめろ、ウンコみたいに聞こえるだろうが。エイにして、エイに」
魔樹の復活はラキュースの活躍により阻止されたが──天を貫く程に巨大な化け物は、森のほとんどから臨むことができた。当然、それによる恐怖で生存本能を刺激された森の住人はてんてこ舞いである。一も二もなく逃走した者、諍いをやめ、団結して事にあたろうとする者。巣の中で震えて引き籠もった者と、それぞれ普段とは違う行動を強いられた。
そんな騒がしい森の状況に、カルネ村が平穏でいられる筈もなく、ありとあらゆる危険が降り注いだ訳だが──その全ては、水面下で抑えられた。もちろんエイとルプスレギナの活躍によるものであり、村の住人たちは危険など知る由もなく安全を謳歌していた。
「それにしても、イウェンが『ウン=エイ』だとは思わなかったっすけど……一つ聞いていいっすか?」
「いや、並べ替えただけなんだから気付けよ……で、なんだい?」
死体の上に座り込みながら、ポテチを口に放り込みつつエイに問いかけるルプスレギナ。あまり優雅な座り方とは言えず、スリットからは下着もちらちらと見えていた。血の匂いに刺激されたせいか、性欲が少々高まっているエイには目の毒である。
「見すぎっす」
「だってエロいんだから仕方ないじゃないか……それより聞きたいことって?」
「…至高の御方々が帰ってこないって──ほんとっすか?」
「ああ──うん、事実。ルプスはもう聞いたんだ?」
「アルベド様がシモベを選別して話してるっす。一定以上の地位にいる者にしか話さないとは言ってたっすけど…」
「プレアデスはお眼鏡に適ったってことかい?」
「…派閥より、個人で見てると思うっす。ナーちゃんとシーちゃんには伝えてないみたいっすから」
「へぇ。まあナーベラルちゃんは隠し事できなさそうだしな……シズちゃんはショックがでかいからとか? 顔には出なくても繊細みたいだし」
「…ほんとになんでも知ってるんすね」
「運営だからね」
物憂げな表情で俯くルプスレギナ。既に諦めてはいたのだろうが、断言されてしまうと堪えるものがあるのだろう。そのまま数分がすぎ、やがてヤケ食いのように残ったポテチを流し込み、立ち上がった。
「ならせめて、アインズ様がお隠れにならないよう頑張るっす!」
「うん、その意気だ。シモベの中だったら、きっと君は重要な立ち位置になると思うぜ」
「へ? なんでっすか?」
「ギルマスが欲しいのは『シモベ』じゃなくて『友達』だから。その垣根を超えられる──『越えようと行動できる』シモベってあんまりいないでしょ。ルプスはその辺、得意そう」
「──私の忠誠心が低いって言ってるんすか?」
エイの言葉に、喉の奥で少しだけ唸り声を上げるルプスレギナ。獣のようなそれは、やはり彼女が人間以外であることを──そして自身の忠誠を他者に疑われることへの怒りを如実に表していた。しかしそんな彼女の様子を気にすることもなく、飄々と答えを返すエイ。
「『忠誠』って人によって多少異なるんだろうけどさ……やっぱ重要なことは、主人の望みを叶えること……叶えようと努力することだと思うんだよね」
「…」
「気兼ねなく付き合える関係を望まれてるのに、『私はシモベで御座います』、と。『恐れ多く御座います』、と。まあそれも忠誠なんだろうけどさ、本人からすれば寂しいもんだと思うよ。その辺りを柔軟に考えられる『忠誠』が、君にはあるって言ってるんだけど……買い被りかい? ルプス」
「…アインズ様は、本当にそれを望まれてるんすか?」
「望んでいるかどうかまではわからないけど、君らの重すぎる忠誠を心労には感じてるね。アルベドちゃんにも言ったんだけど──あの人の中身は、割と普通の人だから」
「そんなわけないっす! アインズ様は至高の御方々を纏められ、最後までナザリックに残ってくださった慈愛の御方…! その智謀も──」
「だからそれが重いって言ってんのさ。たとえば君が他の姉妹にこう言われたらどうする? 『ルプスレギナ様は我等の姉妹なれど、本来は会話すら許されぬ御方…! 普段の砕けた態度も私達を慮ってのこと…! ありとあらゆる事態は、まさにルプスレギナ様の掌の上!』って。しかもずっとそれが続いたら?」
「それは……つまりアインズ様を過大評価しすぎってことっすか?」
「まさにそうだね。彼は偉大じゃないし、飛び抜けた頭脳なんてのを持ち合わせてもいない。君達を創った造物主とはいえ…」
「──黙れ」
死体から飛び退いたルプスレギナの瞳には、完全な敵意が宿っていた。縦長の瞳孔は殺気を剥き出しに、たとえ敵わずとも、決死を以って一矢を報いる気概に満ち満ちていた。犬歯を見せながら唸る彼女を見て、エイは目を細め──指先で宙空を弄った。
その瞬間、ルプスレギナの瞳は驚愕に揺れた。敵意は雲散霧消し、起きた事態を受け入れられずに棒立ちとなる。
「な、なん、で…」
「──まあ、こういうことだよね。理解できた?」
なぜ彼女が動けずにいるか。それは、エイの体から感じ取れる『支配者の気配』によるものだ。ナザリックのシモベたちは、例外なく『至高の四十一人』の気配を感じ取ることができる。そしてナザリックに連なる者──要は同僚や配下なども識別できる。
そして現在、その感覚器官がエイを『至高の存在』であると訴えていたのだ。彼女の混乱も無理からぬことだろう。加えて、NPCは
「…解除、と」
「あ──え…」
「一時的にナザリックのメンバーになってみた訳だけど……さっきの瞬間、君から見た僕はどうだった?」
「…敬服すべき御方……だったと思うっす」
「だよね。でもその前までの僕は、どういう人間だと思ってた?」
「ドスケベで女装癖のある、どうしようもない人間だと思ってたっす…」
「そこまで!? …い、いやまあ……とにかく、そんな印象ですらあったのに──『ナザリックの支配者の一人』になった瞬間、素晴らしい存在に映ったわけだ。どれだけ『至高の存在』にフィルターがかかってるか、自覚できた?」
「…っす」
「なら、その認識がどれだけ重荷かもわかるだろ?」
「…ど、どういうことっすか?」
「僕の目から見てもね、ギルマスは虚栄心の強い人じゃない。ならなぜ偉大な支配者を装っているかって言うと……まあ君達の『期待』に応えてる訳だ。『我等の支配者であれば、世界で一番素晴らしい御方である筈』──なんて、一種の脅迫とも言える期待に。ギルマスは君達に失望されないよう頑張ってるんだろうね……健気だと思わないかい?」
「…っ!」
「でもそんな強がりを何年続けられる? 何十年、何百年……アンデッドの精神抑制ってのは、不変を意味してる訳じゃないぜ。永く在ってほしいと望むなら、求めるばかりじゃないだろうに」
唇を固く結びながら、ルプスレギナは顔を伏せる。言い返したい言葉は山程あれど、そのどれもが
「…というような趣旨のことをアルベドちゃんに伝えといたんだけど、聞いてないみたいだね」
「…へっ?」
「いや、別に諭すつもりもなかったんだけど……ただね。手をこまねいてると、ギルマスの心をアルベドちゃんに全部持ってかれるよー……って言いたかっただけ。たぶん実際のギルマス像を自分だけが知ってる状況にして、『私だけがアインズ様のお心を全て理解しておりますわ!』って懐柔していくつもりなんだろうね」
「なっ…!?」
「ないと思う?」
「やりかねないっす!」
「だろ? ちょっとアンフェアかなって思ったからさ。まあそれでギルマスが安定するなら良いのか、それともずるいと思っちゃったりするのか……僕はNPCじゃないからわかんないけどね。実際のとこ、どう思うんだい? アルベドちゃんにギルマスを独り占めされたら」
「ずるいっす!」
「なら頑張りな。そのためのアイテムもあげよう」
「………メガネ?」
縁の厚い、赤色のメガネを渡されたルプスレギナ。それは
誰もいないというのに、何故か耳打ちでゴニョゴニョとメガネの説明を始めるエイ。様式美というやつだろうか。新しいオモチャを手に入れたように、目を輝かせるルプスレギナ。そしてそれを満足気に見たエイは、ようやく“本題”へと入る。
「さて、ではでは……『友人』と『メイド』。これは両立できるものであり、メイドとして生み出された以上、君はそうである必要がある」
「…?」
「アルベドちゃんやらシャルティアちゃんは、友人ではなく妻の座を狙ってる訳だけど──やっぱ物理的に
「…ん? それってこの指輪じゃないんすか? 量産できたとかで頂いたっすけど…」
「や、それは女の子に生える指輪。そもそも物が違うよ」
「…ってことは……昨日の一件はつまり……茶番ってことに…?」
「イエス!」
「噛んでいいっすか?」
「どうぞご自由に」
晴れやかな笑顔でサムズアップするエイへ、身体中に手当たり次第に噛み付くルプスレギナ。この世の生物を『弄り役』と『弄られ役』にわけるとすれば、彼女は間違いなく前者である。だからこそしてやられた事実に、釈然としないものを感じるのだろう。
「話を戻すけど……そう、メイドとしての役回りの話だね。ギルマスはアンデッドだからこそ、美女や美少女を侍らしつつも手は出さない訳だ。しかしアイテムによるものとはいえ、
「えーっと…?」
「君も生えた時の自分を思い返せばわかるだろ? ギンギンになってる時に可愛い女の子が傍を通れば?」
「ヤりたいっす!」
「そう。そして君も含め、プレアデスの女の子は超美形だ。となると?」
「──っ! ア、アインズ様の……お手つきになれるっすか?」
「可能性は高い。そうなると、当然“ご奉仕”しなきゃいけない訳だけど……そこで上手くできなきゃ…」
「次はない……ってことっすね」
こくりと頷くエイ。そして深刻そうな表情のルプスレギナに、いよいよ最大の目的を話し始めた。『プレアデスエロ化計画』の、その全貌を。しかし──なんという悲劇か、その計画は始まりの時点で破綻していたのだ。
「そこで君だよ! そのチンポでもって他の姉妹のテクを上げていけば……君も気持ちいいし、結果的にギルマスも大満足だぜ! ──ついでにちょっと動画にとってくれれば僕も…」
「や、それはちょっと無理っす」
「──な、なんで?」
「いや、だって姉妹っすよ? …エイには姉とか妹とかいなかったんすか?」
「僕? …“前”の“前”にはいたね。お姉ちゃんが」
「ヤりたいと思うっすか?」
「…いやー、ちょっときついっす」
「っすよね。いくら可愛いったって、姉妹は無理っす」
「うーん……なるほど。確かにそこは盲点だったな…」
人には“線引き”がある。倫理と言い換えてもいいそれは、個人個人によって上限は様々だ。魅力的な女性だけれど『人妻』だからアウト。魅力的な上に『人妻』だから逆に良い。
可愛いけれど『幼女』だからアウト。可愛くて『幼女』なんて最高。ヤりたいけど男の娘だったから残念。ヤろうとしたら男の娘だったとか神。そういった、人によっての線引きは数多存在する。
エイにとってのそれは、余人には理解し難い部分がある。例えばプレアデスで言えば──ルプスレギナ・ベータ以外に手を出すのは『なんか悪い気がする』という、適当な線引きである。しかし彼にとっての『なんとなく』は、ともすれば人生に直結するほどに重要なものでもあった。
そして適当だからこそ、ルプスレギナが他の姉妹に手を出すのはセーフという、普通の人間にはいまいち理解しにくい方向へと誘導し、せめて動画だけで楽しもうという魂胆であったのだ。
「ま、そんなら仕方ないか。ルプスとセックスできただけでよしとしよう」
「なんか釈然としないっすけど」
「ふふん……僕ってやつは、エッチなことが好きな知り合いが多いんだぜ」
「…ん? どゆことっすか?」
「エロが好きな友達の輪を広げていけば、そのうち世界はエロで溢れる……馬鹿な妄想だと思うかい?」
「…っ!」
「とりあえず、レイプシチュが好きな聖王女様と……アナル弄りが好きな女の子を紹介できるけど」
「──私とエイは親友っす!」
「おお、我が友よ!」
死体の山の傍で抱き合う二人はまさに変人で──そして変態であった。
■
トブの大森林──その中心にある湖は、ひょうたんのような形をしている。ざっくばらんに分けるとするならば、北側がトードマンの縄張り──そして南側が蜥蜴人の縄張りである。そんな湖の南端で、クレマンティーヌは回復に努めていた。
「いちち…」
「動かないでくださいな」
「んむ…」
刻んだ薬草を腫れた顔に貼り付けていくのは、一目で高貴な存在であると理解できる王女様。エイによってクレマンティーヌのところへ飛ばされた彼女は、目的が理解できないながらも、とりあえず怪我人の治療へと着手したのだ。
「これほんとに効くの?」
「本来はすり潰すものだったと記憶していますが、器具もありませんし……でも、やらないよりはマシでしょう」
「…ったく、あの糞女……ま、結果的に戦争になりそうだし? くっ、ふふ…! あー、面白いことになりそう」
「戦争……ですか?」
「そーそー、聞いてよ! 法国と評議国が──や、たぶん法国と竜王かな? 戦いおっ始めんの! わくわくするよねー」
「…そうなんですか。リ・エスティーゼにまで被害は……いえ、確実に及ぶでしょうね」
「人類全土巻き込まれんのも面白そうっちゃ面白そうだけどねー……ま、それなりのとこで落とし所はつけるだろうけど」
「そうなんですか?」
「あっは──頭が良すぎて飛ばされたとか言ってた割に、察しは悪いじゃん」
「“予測”とは前提となる情報があって初めて成り立つものです。なにもない状況から推測できたなら、それは未来予知の類ですね」
「ま、それもそっか。なんつーか……法国は本気で評議国に敵対する気概なんかないし、あっちもあっちでかなり穏健派って聞くし。となれば神官長たちはかなり分の悪い条件でも飲むだろうし……まあ番外席次の身柄要求と、神の遺産の一部譲渡くらいってとこかな。後は折り合いつけるための小競り合い……戦争なんてそんなもんでしょ?」
「ええ、その通りです」
身も蓋もない会話をしながら、治療は続く。膝枕をされながら意気揚々と喋るクレマンティーヌは、それだけ法国が被害を受ける事態が楽しいのだろう。偶に薬草が口の中に入り咽るが、それでもお喋りは止まらない。
「しっかし……私のとこなんかに飛ばしてきて、どういうつもりなんだか」
「なにか、そういった専門家様ではないのですか?」
「んー? 絶望させるのは得意だし、心が壊れるのを見たりってのは楽しいけど──どう考えても人選ミスでしょ」
「そうですか……その割には、私に優しくしてくださいますが」
「借りを返してるだけ。あいつを利用したって言えば聞こえはいいけどさー、結局ただ守ってもらっただけだし。あんたの世話で返せるなら、まあ悪くないでしょ……あいつもそれが狙いだろうし。ったく、軽薄なんだか細かいんだか…」
あくまで願いを叶えてから、納得ずくのセックスをしたい。貸しの押しつけで、引け目の積み重ねから体を許すのは“違う”──そういうことなんだろうと、クレマンティーヌは解した。『王女様の世話で貸しはチャラにしてやる』と。ヤりたいのかヤりたくないのか、『変な奴だ』と彼女は皮肉げに笑った。
「さってと……法国はもう私なんかに構ってる暇ないだろうし……『ぷれいやー』の監視もなんか無くなってるみたいだし、やっと森から出られるー…」
「よくわかりませんが、大変だったんですね」
「ほんとにねー。とりあえずポーションか神官探すかしないと、この顔じゃキッツイって」
「ええ。私もクレマンティーヌ様の素顔を見てみたく思います」
「あんたほどお綺麗でもございませんけどねー」
「それは仕方ありませんわ」
「おい」
「冗談です」
腫れは治まらないものの、ようやく痛みが引いてきたこともあり、クレマンティーヌは行動を開始した。現状の彼女にとってもっとも注意すべき相手は、法国でもなくアインズでもなく、秘密結社『ズーラーノーン』である。
彼女がエ・ランテルでの事件の首謀者『カジット・デイル・バダンテール』へと協力していたことは、ズーラーノーンも把握している。しかしそれが失敗し、首謀者の死亡は確認されても、彼女の情報が一切上がってこないとなれば──追手をかけるのは明白。
クレマンティーヌはズーラーノーン幹部『十二高弟』として在籍してはいるものの、秘密結社とはいえ所詮は“組織”。派閥での争いや諍いなどは当然のように存在し、その性格故に煙たがられていた彼女を蹴り落としたい人間は多かった。となれば、捕らえられた時点で釈明の機会を封殺される可能性は十二分にある。彼女が仮宿に戻る必要性は皆無だ。
ズーラーノーンの拠点は主に帝国、そしてそれより東──小国家群が主たる活動の場だ。故にクレマンティーヌは湖の縁をなぞるように西へ進み、リ・エスティーゼ王国を目指すことにした。ラナーを最終的に送る場所というのも、ある程度は関わっているだろう。
「…あん? …こんなところに集落? 物好きだねー」
「森の湖には蜥蜴人が住んでいると聞いたことがあります。おそらくはそれでしょう」
「ふーん……ポーション持ってるかな?」
「…そのような技術があるとは思えませんが」
「うわ、出た出た
「別に見下しているわけではないのですが……というより、法国出身の方に言われると物凄く違和感です」
「法国はそうすることで強国を維持してんの。そっちは単なる自尊でしょ」
「…耳が痛いですね」
そういって、ズカズカと蜥蜴人の集落へと踏み込んでいくクレマンティーヌ。ラナーがキチガイを見たように必死で止めるが、意味をなさない。顔を腫らした女戦士の背中にしがみつき、ズルズルと足を引きずる王女──そんな出で立ちで現れた二人に、集落の蜥蜴人が壁を作るようにして集まってくる。
「…何者だ!」
「なになに? ものものしー。二人ぽっちの侵入者なんかに、こんな集まっちゃってさ」
既に見張りから通達が入っていたのだろう。毛色の違う戦士たちが続々と近寄ってくる。蜥蜴人は見た目に反し、魚を主食とする穏やかな種族だ。仮に人間が迷い込んできたとしても、追い払いこそすれ襲うことはあまりない。だというのに、彼女達の前に集まってきた蜥蜴人は非常に殺気立っていた。
そんな中、蜥蜴人の集団を割るように出てきた人物が六人。黒い鱗を持つ、威風堂々とした蜥蜴人。氷の塊のような、奇妙な剣を持つ蜥蜴人。片方の腕だけが異様に太い、巨躯の蜥蜴人。頭の先から背にかけ赤髪を携えた、骨の鎧を着込む蜥蜴人。真っ白な鱗を持つ、白蛇を思わせる蜥蜴人。そして斑色の鱗を持つ、青いモヒカンの蜥蜴人。
「この人数を前にして、肝の据わった人間だな……人間だよな? 顔はゴブリンに似ているが…」
「腫れてるだけだっつーの。殺すぞ」
「…今すぐ出ていけば殺しはしない。今は皆、あの化物のせいで殺気立っている……留まるというなら、命の保証はせんぞ」
「…殺気立ってるぅー? く、ひゃひゃっ……アッハハハハ!」
「クレマンティーヌ様? 皆様、かなり興奮状態にあるようですし……治療は諦めて先を急ぎましょう」
「ああ、ほんと世間知らずのお嬢様ねー……くく、あれは殺気立ってんじゃなくて──ビビってんのよ」
クレマンティーヌの言葉を聞いた瞬間、蜥蜴人からの圧力が数倍にも変化する。野生に生きる以上、蜥蜴人は多かれ少なかれ“強さ”への信仰を持っている。五つある部族の内、その一つは強さのみを崇拝しているほどだ。それをあろうことか、外部の人間に侮辱されたのだ。この時点で、普通の人間であれば生きて帰れる芽はない。
──普通の人間なら、ではあるが。
「イカツイのが雁首揃えて『ボク怖いでちゅー』ってさぁ、くひっ──殺気立ってんなら殺しにくればー? …雑魚共ぉ!」
「──なっ!」
前に進み出ていた、六人の蜥蜴人──各部族の族長と、一人の“旅人”。本来であれば、同種族であるとはいえ、部族間での交流など行わない彼等。しかし先日現れたザイトルクワエの威容は、そんな部族同士の壁を粉々に砕いた。
どんな融和政策よりも効果がある、『共通の強大な敵』という認識。彼等からすれば、ザイトルクワエは突如表れ──そして突如として消えたにすぎない。またいつ現れるともしれないそれを、とにかくは部族の族長達で寄り集まり判断しようと、彼等は結束したのだ。
そんな折、クレマンティーヌが侵入者としてやってきたのである。まさに踏んだり蹴ったりというやつだろう。不幸中の幸いと言えば、彼女の武器が殴打武器のみであったことだ。エイとの最初の邂逅時に、スティレットを四本全て消し飛ばされたため、彼女の武器はいまだにこれ一本である。
「は──っはぁ!」
「ぐっ、なんだこの強さ──!」
巨躯の蜥蜴人──ゼンベル・ググーが、飛びかかってきたクレマンティーヌの一撃を右腕で受け止め、しかしただ一合の元に骨を砕かれた。モンクである彼の最大の武器であり、最硬の盾である右腕が、だ。
次に標的となったのは、斑色の鱗を持つ蜥蜴人──スーキュ・ジュジュ。彼が得手とする攻撃手段は『投石』であり、元より近接戦闘は苦手としていた。その上、この人数を相手に人間が向かってくるなどとは露程も思っておらず、結果として腹部へ強烈な衝撃を受け昏倒した。
そのまま流れるように次の相手へと移ったクレマンティーヌだが、結果としてそこで攻撃の手を止めることとなった。その相手は骨の鎧を着込んだ蜥蜴人──キュクー・ズーズー。彼が纏う鎧は蜥蜴人の四至宝の一つ『白竜の骨鎧』であり、その硬度はアダマンタイトにも匹敵する魔法の防具だ。
知力と引き換えに凄まじい防御力を引き出すこの防具は、かつて蜥蜴人で最も聡明と言われた彼の智慧を奪い、そして正しくその真価を発揮していた。ユグドラシルの法則を当てはめるのならば、『呪われた装備』とは──場合によっては込められたデータ量を上回り、ワンランク上の性能を発揮する。
「──砕けない…? 相当なアイテムだねー。それにどっちも死んでないかー……割と頑丈じゃん。全員このレベルならちょっと厳しいかな? …ま、あんたらだけだろうけど」
「…取引だ!」
「あん?」
「先程、そちらの女が『治療は諦めて』と言っていた。察するに、その顔の怪我を癒やしたいのだろう! 俺は治癒の魔法が使える……治療する代わりに矛を収めてくれないか?」
「正気かシャースーリュー! そいつは俺達を侮辱したんだぞ!」
「あの化物がまた出かねない状況で、これ以上戦力の低下は避けたい。そもそも──勝ち筋が見えん。後ろの女が同じくらいの実力だとすれば、全滅は必至だぞ。俺は族長として、部族の者達の命を取りたい」
「ぐっ…!」
黒い鱗の蜥蜴人──シャースーリュー・シャシャの言葉に、うめき声をあげるゼンベル。砕けた腕の痛み故か、それとも族長としての責任感か、ズサリと地面に座り込んだ。クレマンティーヌの圧倒的な強さに、場が静まり返る──その瞬間。後方で静観していたラナーから小さな悲鳴が上がった。
「──武器を捨てろ!」
「げっ……マジ?」
「も、申し訳ございません…」
振り返ったクレマンティーヌの目に入ったのは、戦士の一人がラナーに剣を突きつけている光景だった。そもそも“誰かを守る戦い”などしてこなかった彼女は、戦闘に入った時点でラナーのことなど忘却の彼方である。
一応お守りを引き受けただけに、どうしたものかと立ち尽くすクレマンティーヌ。人質のために自分を顧みないなどという、殊勝な人物ではないが──とりあえず武器は捨てるかと、モーニングスターを数メートル先へ放り出した。武器がなかろうが、所詮は彼女にとって己の足元にも及ばない亜人の群れだ。最悪でも逃走くらいはできるだろうと踏んでの、義理と保身に揺れた選択肢であった。
しかしそんな彼女を見て、初めて“本当”の驚きを見せたラナー。親ならば理解できる。騎士ならそれが責務。王国民ならば、あるいは。しかしクレマンティーヌはラナーに縁もゆかりもなく、大した義理も絶対の義務もない。異性ですらないのだから、魅力に惚れたというわけでもない。だというのに、この状況下で武器を捨てたのだ。なぜ私のために自殺行為を──という勘違いをしていた。
──しかし戦士の行動を阻んだのは、誰あろう蜥蜴人その人であった。
「やめろ! ──お前のその行動は……祖霊に誇れるのか! こんな状況で拾った勝利を! 俺達が喜ぶと思うのか!」
吼えるように放たれた言の葉は、静かな森へ響き渡った。氷の剣を持つ蜥蜴人──ザリュース・シャシャ。ただ一人、族長ではないというのに前へ出た蜥蜴人だ。四至宝『フロスト・ペイン』を持つ勇者であり、帰還した“旅人”の一人である。
そんな彼の覇気に気圧され、戦士の手から剣が滑り落ちる。ほっと一息ついたクレマンティーヌと、そんな彼女をじっと見つめるラナー。ひとまず──戦いは終わったようだ。
「…失礼をした。手当をしよう、こちらへ」
「ついでに食料かなんかない? あ、人肉は勘弁ね」
「我々は基本的に魚しか食わん……というか、あまり余裕はないのだが」
「お気になさらずー」
「むぅ……それはこっちのセリフではないか?」
「じゃあ適当にその辺で取ってくる」
「ま、待て! 今は弟が養殖というのをしていてな……あまり荒らされたくないんだ。こちらで用意する」
「よろしくー」
傍若無人なクレマンティーヌの態度に、あからさまな態度でため息をつくシャースーリュー。弟であるザリュースをちらりと見ながら、頷きあって湖の方へと向かう。そしてそんな彼等を見て、ラナーは後ろについていく。
「…ん? なぜついてくる」
「少し興味がございまして。なぜあのまま私を人質にし続けなかったのですか?」
「…あの時に言った通りだ。あのような方法で勝ちを奪えば、祖霊に顔向けができない」
「祖霊……ですか。あなた方の信仰はそこにあるのですね」
「人の世界は──四大神、だったか? だが俺達は遠く歴史を重ねてきた祖霊こそを大切にするんだ」
「あら、よくご存知ですね」
「俺は“旅人”──外の世界を知りたくて旅をした、蜥蜴人の中でも変わり者だ。だが、そのおかげで養殖というものを知ることができた。かつて起きた部族間での戦争も……この技術があれば、せずにすんだのではないかと思う。過去を悔やんでも仕方ないが、教訓は活かすべきだろう」
「…」
「──さ、ここが生け簀だ。一人一匹で足りるか?」
「いえ、二人で一匹で充分です。ところでこの生け簀ですが……あまり水質に気を使っておられませんが」
「…どういうことだ?」
「餌の食べ残しや排泄物、死骸の堆積による水質汚染は無視できません。特に稚魚の生存率が大きく変わってきますし…」
「──ま、待て。書くものを持ってくる」
湖の縁でしゃがみ込むラナー。本で得た知識とはいえ、ザリュースが記憶を頼りに手探りで作成した生け簀よりは、よほど実践的だ。慌てて家に戻る彼をクスリと笑い、先程の一連の流れを思い返す。彼女は、人の善も悪も理解しているつもりだった。むしろ理解していなければ、遠隔で人を操ることなどできよう筈もない。
ただ彼女にとって予想外だったのは──当事者になった際の感情の振れ幅。たとえ暗殺者が目の前に現れても、心を動かすことなどないだろう。そう思い込んでいた彼女の心は、意外にも命の危機に対し少なからず動揺し、救い出そうとしてくれた人物への、憧憬にも似た感情を自覚した。
甘味や辛味、酸味という味覚を知っている上で、リンゴの味を説明されたとしよう。それが甘酸っぱいものであると彼女は理解し、知った気になっていた。しかし食べた際の感動など、説明だけで得られよう筈もない。ようやく彼女は“体験”を知ったのだ。
『こういった状況下では、人はこういった感情を持つ』。それを図式に当て嵌めて人を操る少女は、計算式に間違いはなかったと確信しつつも、その揺らぎは実に面白いものだとようやく気付いたのだ。
──その晩、クレマンティーヌよりシャースーリューへ魔樹の説明がなされ、蜥蜴人の警戒態勢は終わりを告げた。同時に泡沫の協力体制も消滅したが……しかし養殖という技術はラナーにより昇華され、ザリュースによって各部族に伝えられた。
久しく途絶えていた交流は復活し、蜥蜴人はかつての隆盛を多少は取り戻すだろう。まさに万々歳、ここで物語が終わればきっと素晴らしい話となるのだろうが──主人公は腐ってもクレマンティーヌである。むしろ性根が腐りきっている彼女であるからして、華麗な幕引きなど有り得ない。
蜥蜴人が寝静まった深夜、ラナーは彼女に揺り起こされた。出発準備万端といった彼女の腕には、蜥蜴人の四至宝が一つ『白竜の骨鎧』が抱えられていた。
「あ、あの…?」
「いやー、やっぱ私って誰かを守るのって向いてないからさ……かっぱらってきちゃった。あの硬さならオーガの一撃くらい耐えられるだろうし。んじゃ──行こっか、お姫様」
「ぷっ……く、ふふ…! ──クレマンティーヌ様」
「あん?」
「私、あなたに逢えて良かったです」
「は、はぁ…? まあ勝手に思う分には別にいいけど……ほら、さっさと鎧つけて」
「はい!」
差し出された手を取り、暗闇の森へ駆け出すラナー。その笑顔はクライムを想う時よりなお美しく──そして鎧を纏った彼女の知力は、『異次元の天才』から『普通の天才』へとだだ下がった。ちなみに鎧が呪われているとされる由縁は、『一度下がった知力は戻らない』という事実に起因するものである。
「あら…? なんだか頭がふわふわします…」
「なに言ってんだか…」
■
使い込まれて良い感じに熟れたオマンコを、ズンズンと突く。腹の下で喘ぐエルフに興奮していると、横からディープキスをされ、更に逆の手にはキュンキュンと閉まるアナルの感触が心地良い。初めての四人プレイだが、これは中々いいものだ。
欲を言うともうちょいおっぱいが欲しかった。僕はロリっ娘が好きだけど、つるぺた趣味という訳ではない。成人女性とヤるならおっぱいの感触はぜひ欲しいところだろう。
エルフの奴隷制が無くなった帝国では、色んな商人や個人が影響を受けた訳だけど──そんな中、かの高名な噛ませ役『エルヤー』さんはいまいち納得いかなかったようだ。三人の元奴隷エルフ達を開放したはいいものの、扱い自体はなにも変わっていなかった。
もちろん逃げることは出来ただろうが、そもそも奴隷のエルフとは『徹底的に心を折られた』エルフである。自分が奴隷であろうがなかろうが、主人に逆らう気概が起きないのも当然の話だろう。
そんな彼等とばったり出会った僕は、お決まりのようにエルヤーさんからエルフ達を救って、感謝のセックスと洒落込んだわけだ。しかしまあ、なんというか……性欲処理用の道具にされていただけあって、男が悦ぶツボを抑えている。穴も良い感じにほぐれてるし、申し訳ないながらも気持ちいい。
そんなこんなで真っ昼間から数時間ほどサカり、事が終わった後は皇城へと出向いた。ジルが奴隷を解放して『はい終わり』などという杜撰な政策を取る筈もなく、元奴隷の支援機構はきっちり用意してある。そこへ彼女達を預け、なにかあったら連絡するように伝えてお別れした。
その後はジルとのお喋りタイムである。なんせ僕って男の友達がいないから、彼との会話には割と癒やされる。もちろんジルは打算込みで友人関係を続けているんだろうが、そもそも成人して以降の友人関係など、割と損得や利害込みのものだ。長年続けば普通の友情くらいにはなるだろう。
「…それでドラウがさー、こっちにも塔を造れっておねだりしてきて…」
「うーむ……若作りのババアにおねだりされるとか、ゾッとするんだが」
「ギャップ萌えってやつだよ。見た目が幼女で中身がババアだからこそ、そこに価値があるんだ。ロリババア最高!」
「なるほど、わからん」
「ジルだってロクシーちゃんだかロキシーちゃんだかを愛してるじゃん? もっと綺麗な娘も可愛い娘もいるのに」
「む……まあ、そうだな」
「“ギャップ”ってのはそれだけで一つの萌えさ。昼は貞淑、夜は淫乱……ほら、男の夢だ」
「どこがだ?」
「人前ではツンツン、二人きりの時はデレデレ……これはツンデレじゃなくて“ギャップ萌え”だぜ。そう、男の夢だ」
「うーむ…」
「可愛い娘にアプローチしたら
「ホモでは?」
「…うん、それはそうだった」
最近フタナリ娘とか相手にしてたから、ちょっと緩んでたぜ。しかし的確なツッコミを入れてくれるジルとの会話は、やはり楽しい。たまにお見合いを勧めてくるところとかが、近所のオバサンみたいでアレだけど。後腐れなくヤれる可愛い娘とかなら、いくらでも紹介してくれていいんだけどなあ。
「そういやアルシェちゃんの働きぶりはどう? 上手くやってるかい」
「ああ。つい最近、四位階に到達したらしい……魔法省全体でみても類稀な才能だ。フールーダの後継筆頭だな」
「そりゃ良かった。やっかみとか嫉妬とか大丈夫かな?」
「無いとは言わんが、本人で処理できる程度だ。何かにつけこちらが守っていては、魔法以外の部分が育たんしな」
「ごもっとも」
練磨の塔の調整段階で手伝ってもらったからか、アルシェちゃんもちょこちょこレベルアップしてるんだよね。触手部屋でアヘ顔も見れたし、本人も強くなったし、僕も気持ちよかったしで良いことだらけだった。
「そういやフールーダお爺ちゃんはまだ見たことなかったな…」
「…ほう、興味がないのかと思っていたが……そうでもないのか?」
「や、興味って言うか──いや、興味だな。興味本位」
足ペロお爺ちゃんとか、中々見れるもんじゃないからな。魔力量を可視化できるって、MP無限にしたらどうなるんだろう。アルシェちゃんはゲロ吐くんだろうけど。
「…会っていくか?」
「んー……そうだね。アルシェちゃんのついでに見ていこっかな」
「逸脱者をついで扱いにするのか…」
「僕は超越者だし」
ジルに案内してもらい、魔法省へと向かう。皇帝直々の道案内とは、なんとも贅沢だ……おっ、あっちから歩いてくるのは、もしやフールーダお爺ちゃんでは? ぞろぞろと弟子を引き連れて、実験室にでも向かっているのだろうか。後ろの方にアルシェちゃんもいる。ちょうどいい、さっき言ってた魔力無限状態にでもしてみよう。足ペロを回避する避けゲーの開始だ。設定変更……そいっ。
「──目がぁぁぁ!?」
「目ぎゃぁぁぁ!?」
うおっ! なになになに!? 二人共、目を抑えながら倒れ込んでしまった……あれか、光の量で位階を判断してるから──光量が強すぎて、閃光弾みたいな感じになったのだろうか。ごめんアルシェちゃん。
「…何をしたんだ?」
「や、魔力無限にしたらどういう反応するんだろうと思って……ごめんジル」
「いろいろ無茶苦茶だな……命にかかわるものではないんだな?」
「たぶん。寝起きに強い光を向けられたような感じだろうし」
「そんなレベルではなかったような気がするが──まあいい。お前たち、二人を医務室に運んでおいてくれ」
「は、はいっ!」
…めっちゃビビられてる。そういやタレント持ちとかじゃなくても、マジックキャスターならある程度の魔力は感じ取れるんだっけ。とりあえず魔力は普通に戻しとこう。驚かせて申し訳ない。
「心配だし、僕も医務室行ってくるよ」
「ああ。私は溢れっぱなしの仕事に戻るとしよう……最近、色々ときな臭くて敵わんな。お前が関わっているのか? エイ」
「関わってるのもあるし、関わってないのもあるし。まあそうだね──よっぽど困ったことがあれば、手伝うよ」
「ふん……まったく、心強いことだ」
手をひらひらとさせて執務室に戻るジル。弟子たちが数人、慌てて付いていく。皇城で暗殺もないだろうけど、自由奔放な皇帝である。さて、じゃあ僕はアルシェちゃんのお見舞いにでも行くか。網膜が焼き切れてたとかだったら、土下座しよう。
「アルシェちゃーん……お元気?」
「──『ウン=エイ』様。フルト様のお見舞いでございますか?」
「うん。具合はどんな感じ?」
「なにやら強いショックで気を失っておられますが……直に目を覚ますでしょう」
「そっかそっか。あれ、フールーダお爺ちゃんは?」
「医務室は男女別でございますので、隣の部屋におられます」
ほうほう……しかし広い割に利用者は少ないな。まあ皇城で怪我人なんて早々でるわけもないか。さてさて、それでは──ちょっとイタズラでもするか。ピンク髪のメガネっ娘な女医さんには眠ってもらい……ん? 地味に可愛いな。ちょっとおっぱい揉ませてもらお。ケツもいい。後でお誘いでもかけてみるかな。
「アルシェちゃーん? 起きないとイタズラしちゃうよー」
「ん…」
うーん、起きないな。ってことはイタズラオッケーってことだ。たまには睡眠姦というのもありだろう。うつ伏せにして、お尻を高く上げてみる。ズボンと下着をずり下ろせば、可愛いアナルとオマンコが丸見えだ。
…なにやらアナルビーズ的なものが刺さっているが、気のせいということにしておこう。まあ準備する手間が省けたってことで、むしろ有り難い。指を一本挿れると、吸い付くように奥へ誘い込んでくる。うん、いい感じにほぐれてるし……チンポ挿れちゃおう。
「──っ、ん、ぐ…」
相変わらず極上の締まりだ。くぐもった声で鳴くアルシェちゃんだけど、起きる気配はない。なんか犯罪行為してるみたいで興奮するな……や、まごうことなき犯罪行為だけど。尻たぶを強く掴み、ピストンを速める。さっきの奴隷エルフちゃんたちには申し訳ないけど、やはりアルシェちゃんの尻穴は比べ物にならないほど気持ちいい。
「ひぅ、んっ──は、ぁ…」
最後にひときわ強く腰を打ち付け、精液を流し込んだ。そのままぐるりと回転させ、繋がったままキスをする。小刻みに揺らしながら二度目の射精を行いつつ、舌で口内を蹂躙していると──ようやくアルシェちゃんが目覚めた。
「ん……──っ!? な、エ、エイ…?」
「おはよ、アルシェちゃん」
「な、なんで──んむっ!?」
覚醒と同時、アルシェちゃんの尻穴がぎゅっと締まる。気絶して緩んだ状態ですらあの極上っぷりだったんだ。気の入ったアナルがどれほどの雌穴かなど、言うまでもない。そのまま乱暴にピストン運動を開始し、三回戦を始める。
「あ゛っ、ん、ひぅ…! こ、ここっ、医務室…?」
「そうだよ。ほら、お昼寝してる女医さんに見せつけてあげよう」
「だっ、あ、だめ……んぅっ!」
「あ、起きそう」
「──ふぅっ、ん、あぅっ…!」
女医さんの眼前に繋がってる部分をもっていくと、顔を真っ赤にしたアルシェちゃんの尻穴が更に締まる。ゆるふわトロふわなのにキツいって、矛盾してるけど──きっと雌穴だけがこの相反を体現できるんだろう。
「射精すよアルシェちゃん」
「あ、い゛っ──んきゅぅ…!」
都合三度目の射精で、アルシェちゃんのお腹もタプタプだ。名残惜しそうにチンポを離すアナルは、けれどぴっちり閉じて精液を溢さない。何も言わずともお掃除フェラをしてくれる甲斐甲斐しさに、またぞろチンポが熱り立つ。
さて、四回戦目でも始め──
「失礼します。こちらにエイ様が向かったと……あっ」
──ようとしたら、レイナースちゃんが扉を開けて入ってきた。アルシェちゃんが驚きのあまりチンポを噛んだのが、地味に痛い。慌てて布団を被ってるけど、流石に手遅れだと思うぞアルシェちゃん。
「こっちおいでー、レイナースちゃん」
「え、あ、え……は、はい」
最近思ったんだけど、浮気への嫉妬に対する最適解って──女の子にチンポを生やすことなんじゃないだろうか。頭隠して尻隠さず状態のアルシェちゃんの下半身を撫で回し、レイナースちゃんに指輪をはめて、剥き出しのアナルへとチンポを誘導する。事態を理解できていないのか、混乱の声を上げる彼女であったが──数分後には、アルシェちゃんのアナルに魅了されていた。四騎士『重爆』が魔法省期待の新人の尻穴を犯してるとか、その事実だけで既にエロい。
うんうん、仲良きことは素晴らしきかな。ルプスにも言ったけど、ぜひぜひこの輪を世界に広めていきたいものだ。夢中で腰を振る彼女達を見ていると、心の底からそう思う。そう──エロは世界を救うのだ。ペロロンチーノさんもそう言ってた。
昨日メイドインアビスのアニメをアマプレで全話見たんですが、珍しく涙腺が緩みました。原作は大好きで、昔に短編小説を書いたこともあるんですが、やっぱりアニメもアニメでいいものですねー。
この先、申し訳程度のシリアスが入るとすれば、どのくらいの絶望感まで我慢できますか?
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飛行機に乗ったらコナンがいた
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ホテルにチェックインしたら金田一がいた
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見滝原に転校したらメガほむがいた
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ド田舎に引っ越したら梨花ちゃまがいた
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藍染を刺したと思ったら雛森だった