いや、したな。すいません、なんか違う方向いっちゃいました。
国家間での戦争とは、あらゆるものが激しく動く。人の移動、兵糧の運搬、その他諸々。いかに質の高い兵士を揃えようとも、数の力とはそれを覆しかねない。故に少しでも多くを揃えようとするのは、国として当然の行動だ。例年行われるバハルス帝国とリ・エスティーゼ王国との戦争──前者は専業兵士を揃え、後者は農民を徴兵しているため、質の差など歴然だ。しかし王国は数に物を言わせ、曲がりなりにも帝国の侵攻を防いでいる。その事実を鑑みれば、数は力と断言できるだろう。
しかし──あるレベル以上の『個』が出現した時、『数』は意味をなさなくなる。難度にして二十にも届かない弱者の群れなど、限界近くまで鍛えられた強者にとっては塵に等しい。何をしようとも傷一つ付けることすら叶わないだろう。
もしその『強者』がアンデッド等であれば、弱者にとってはもはや悪夢だ。疲労もせず、空腹も覚えず、睡眠すら不必要な絶対の『個』。どんな奇跡が起ころうとも勝利は掴めない。仮に敵がアンデッドでなくとも、終わりを迎える時間が遅くなるだけで、結果は変わらない。
つまり絶対的強者を抱える国同士での戦いとなると、暗黙の了解が成り立つのだ。それすなわち──『代理戦争』。現代で言うならば、オリンピックのようなものだ。一流のアスリートとは、富国ならずして育たない。メダルの数は強国としての象徴のようなものだ。だからこそ、国家ぐるみでドーピングを奨励する事案なども発生する。競技の勝敗は、国の優劣を決めると言っても過言ではない。それと同様に、強者と強者の戦いの行方こそが戦争の勝敗を決めるのだ。
取り決めもなしに戦争が始まってしまえば、強者のすれ違いの果てに、互いの領地での蹂躙が始まる。それはどちらにとっても不利益で、言うまでもなく『無駄な犠牲』だろう。それを避けるため、竜王と法国の戦争とは『個人での戦闘』に代替されるのだ。
『ツァインドルクス=ヴァイシオン』と『番外席次』の激突。法国にはツアーの他にも『真なる竜王』は存在するものの、その全てが個人主義である。そもそも現状で生き残っている竜王とは、八欲王との戦争において無視を決め込んだ者達だ。世界の命運を分かつほどの戦いにすら興味を示さなかった者達が、たかが一国との諍いに出張る筈もない。
そして法国において真なる竜王を相手にできる存在は二人しかいない。一人は言うまでもなく『番外席次』──そしてもう一人は存在を秘された『神人』。番外席次の存在が明るみに出てしまった今、残った一人は法国の希望だ。今回の戦争に出張るとすれば、国が滅びかねない危機においてのみだろう。
──しかして『戦争』は『戦闘』となり、決戦の地は『王国』となる。
元々王国は『法国と評議国が諍いを起こさないため』の折衝地としての役割が大きい。となれば、両者が決裂した時に被害を受けるのもこの地だ。そもそも両国とも、街一つ消えかねない強者同士の戦闘を、自国で起こすことなど認めはしない。ゲームとは違い、相手に当たらなかった攻撃が消える筈もない。近接同士の戦いであればともかく、一方は空を飛び広範囲のブレスを吐く“竜王”なのだ。となれば中間に位置する王国での戦闘になるのは、自然の成り行きとも言えるだろう。
二国間のちょうど中心──王都『リ・エスティーゼ』と『エ・レエブル』に挟まれた平原。そこでツアーと番外席次は相対し、睨み合っていた。
「はーぁ……憂鬱」
「心中察するよ。僕も荒事はあまり好きじゃないし」
「あら、じゃあ戦わなくてもいいじゃない。お互いに戦いたくないなら、意見の一致ってやつよね? はい、終わり!」
「それは助かるね。なら君の身柄と──プレイヤーが残したアイテムを全て差し出してほしい。それで今回の裏切りは見逃そう」
「無理に決まってるでしょ?」
「なら残念だけど、戦うしかないね」
「う~……別にいいじゃない、強者の一人や二人。そっちの国の方がずっと強いことなんてわかってるでしょ?」
「問題はそこじゃないよ。“プレイヤーの血を引いた存在が”“至高の領域に至った”ことが問題なのさ。君達の魂は世界のバランスを崩す……もちろん一人や二人程度で揺らぐことはないけど、だからといって放置はできない。明確に盟約を破られるような状態が続けば、いつのまにか世界が汚れるかもしれないしね……君が短命種であれば、少しは違ったんだけど」
「魂?」
「強いことが問題じゃないんだ。“存在すること”が問題なんだけど……まあ散々話し合って理解しあえなかったんだ。これ以上は話す意味もない」
「…」
会話が終わり、数瞬の時が流れ──戦いは始まった。難度にして三百を超える存在の戦いとは、真実、おとぎ話に語られる戦闘だ。余人には何をしているかも理解できない、高速の戦闘。白金に光る鱗が縦横無尽に空を駆け、十字槍に似た奇妙な鎌が鋭く走る。
かつて世を支配した“始原の魔法”が飛び、今の世を示す“位階魔法”が受ける。牙が、刃が、ブレスが、尋常ならざる威力の攻撃が飛び交い、大地を削り取っていく。純然たる実力で言えば竜王に分があり──しかし、少女にも十二分の勝機があった。
席次の番外という称号は伊達ではない。職業構成こそ無駄な部分はあるものの、それを補って余りある『タレント』が彼女にはあった。奇跡のような確率で生まれた『強者』──そんな存在に神が与えたのは、世界に二つと無い奇跡のようなタレント。
その二つが合わさった結果が、上位のプレイヤーにも引けを取らない『番外席次』という怪物だ。ともすれば、大墳墓の支配者すら打倒しうる実力を彼女は持っていた。
「しぃっ──りゃあぁぁ!!」
「…っ!」
空間が歪曲し、予想された軌道から外れた鎌の一閃が、ツアーの翼を──その皮膜を傷付ける。神人とはいえ、自身の実力からは大きく下回るだろう……そんな推測をしていたツアーは、即座に慢心を戒めた。敵は己を殺し得るのだ、と。
「…強いね」
「はぁっ! ──っふぅ……降参してもいいわよ」
「うん、そうだね。負けそうになったらそうするよ」
「むぅ……そんなの想像もしてないって顔じゃない」
「そんなことはないさ、君は十分に強い。ただ、長く生きてるとね……なんとなく想像もついてくるもんさ──三、四十回も戦えば一回くらいは落とすかもね」
「あら、朗報じゃない。なら──それをいま持ってくればいいだけだもの!」
「はは、そういうことだね」
人外の膂力で振られた鎌が、ツアーの瞳を正確に狙う。しかし刹那の攻撃を見逃すことなく、その頑丈な顎と牙で鎌を咥えるツアー。空間がギシリと軋めいたのもほんの一瞬──ツアーが体を半分に折り曲げ、番外席次の無防備な背を、尾で強かに打つ。
あまり戦闘の経験がない上に、その少ない機会もほとんどが人型との模擬戦だった番外席次。予想もしていなかった攻撃手段とその衝撃に、思わず武器を手放し、肺の中の酸素を咳き込みながら吐き出す。
──幼さの残る言動とは裏腹に、ツアーの戦闘は老獪そのものだ。あからさまな勝機を見逃す筈もなく、そのまま番外席次の胴に尻尾を巻きつけ、咥えていた鎌を放り出し──鋭い牙で首を落とさんと噛み付いた。
「…ぐっ、──あ、あぐっ…! ふ、ぅ…っ!」
胴に尾を巻きつけられたとはいえ、両腕は健在だ。その細い腕からは考えられない程の力をもって、番外席次はツアーの上顎と下顎を掴み、抵抗を試みる。しかし人間種と異形種はそもそもの能力値に大きく差があり、その中でも“竜”はあらゆる面で優遇され、世界に祝福された最強の種族だ。
断頭台の如く、ゆっくりと顎が閉まり──番外席次の腕が圧力に耐えきれず、小刻みに震えだす。尾の締め付けも強まり、口の端からは血の泡が溢れだしていた。勝敗は既に明らかだが、しかしツアーにとっては彼女を捕虜にするより、殺してしまった方がなにかと都合が良い。自他共に温厚な性格と認識されている彼であっても、必要とあらば厭いも躊躇もない。
──硬いナニカが千切れる、無情な音が平原に響いた。
■
黒いポニーテールが目の前で揺れる。対比が鮮やかな白い肌は、うなじからヒップまで染みひとつ無い。何度も下半身を打ち付けたせいか、結合部の周囲だけがほんのり桜色で淫らだ。そして目の端から悔し涙を滲ませる様子は、嗜虐心をこれでもかと煽ってくる。
「ほら、もっと締めなよ『ナーベラル』。ルプスと比べると緩いぜー」
「ぅ、っ、ぐ……こ、の…!」
「あれ、なんか反抗的? ふーん…」
「っ! ふぐっ、んっ、ぐっ…!」
「おっ、そうそう。やればできる娘って素敵だぜ。頑張れナーベラルちゃん、ナザリックの存亡は君の雌穴にかかってるぞー」
潤滑液でまみれた穴がキュンと締まる。それでもまだ名器とは言い難いが、抜き穴としてはギリギリ合格点だろう。ピストンを早め、チンポを昂ぶらせる。中のヒダがいまいちなので、穴の入り口をカリ首で擦るように小刻みに体を揺らす。
うーん、もうちょっと刺激が欲しいな。ひくついてるケツ穴に指でも突っ込んでみるか。排泄の必要がないだけあって、汚さとは無縁だ。出す穴じゃないってことは、用途としては挿れるためだけに存在してるんじゃなかろうか。なら無遠慮に突っ込むのも、むしろ当たり前の行為だろう。
「んぅ゛っ…!? き、きさ──」
「なに?」
「…う、ぅ…!」
こちらに顔だけを向け、呪い殺すかのように睨んでくる彼女。応じるように、親指で乱暴にケツ穴をほじくる。まさに『くっ、殺せ』といった風だが、僕にできるとすれば精々イキ殺しにするくらいのものだ。
ケツ穴を弄る手とは逆の方で、乱暴に後頭部を押さえつける。完全無欠にレイプの場面だが、ちゃんと合意の上でのセックスだ。何も問題はない。
「あー出る出る…! く、ふ…!」
「ひっ、あ、熱っ…!」
「あーあ、美味しそうに飲み干しちゃって。この穴はご主人様のためのものだろ? だらしないマンコだなぁ……それとも僕を主として認めたってことなのかな?」
「だ、誰が──んぅ゛っ!?」
「まだ出し終わってないんだから、気を抜くなよ。ちなみにこの精液……“的中率”百%の大サービス中だぜ」
「ひっ…!? や、やめ──!」
「もう遅いって」
四つん這いで必死に逃げ出そうとする彼女だが、僕の方でガッチリと腰を押さえつけているため、射精からは逃れられない。むしろ動いたせいか、より膣奥に精液が流れ込んでいく。やがて諦めたのか、嗚咽混じりに動かなくなった。ただ精液を流し込まれるだけの、哀れな雌と化している。
「ご主人様にちゃんと報告しなよ? 初めてのチンポで淫らにあえいで、立派にメイドとしての役目を果たした──ってさ。膜はもうないけど、ご褒美に抱いてくれるかもしれないぜ」
「ひっ、うっ、……ひぐっ…」
「泣いてないでさぁ、射精が終わったんならお掃除だろ? …それとも、使えないメイドだったって報告しとこうか?」
「…っ! き、清めさせていただきます……、っぅ…!」
雌穴から精液を溢れさせながら、汁にまみれた肉棒を頬張る彼女。できる限り接触面を増やしたくないのか、舌でチロチロと精液を舐め取っていく。人外の美貌でそんなことをされると、確かに興奮するけど──じれったいよね。
「んぶぅっ!? ん、ぐっ──じゅぶっ、じゅるっ、……ぷはっ、や、やめ──……んぐっ!?」
「おー、喉奥の方が雌穴より締まりいいんじゃない? ほら、もっと舌を動かして」
「…ん゛っ、ん゛っ……っ、あえ゛っ、じゅぶっ、ん゛──んぐぅっ!?」
「ほら、さっきの三倍ぐらい早く射精できたぜ。ナーベラルは下の穴より上の穴が名器……っと。覚えとこう」
後頭部をこれでもかと押さえつけ、えづく喉の感触を楽しみながら射精を堪能する。苦しさのせいかマンコから逆流した精液が迸っている。まるで喉奥に流し込んだものがそのまま流れ出ているようで、少し滑稽だ。モデルのように整ったボディが、お腹だけポッコリ膨らんだ頃──ようやく射精を終える。
ベッドの上で苦しげに嘔吐する彼女。まあ胃の中にあるのは精液だけだから、これも一つの射精と言えるのかもしれない。四つん這いのまま、上から下から精液を垂れ流す姿はひどく惨めで……無性に虐めたくなる。
「え……なっ、や──」
ご主人様にケツを向けたまま嘔吐するなんて、失礼だろ? でも完璧なメイドである君がミスをする訳はないんだから──その醜態は誘惑の一環ってことにしといてあげよう。思わず逃げようとした彼女の体を、ベッドに押し付ける。まだ未使用の新品アナルに肉棒をそえ、一気に突き挿れた。寝バックと言えばいいのか、体全体で押さえ込みながら全力で腰を振る。もっとも征服感のある体位の一つだろう。
何百回ピストンを繰り返しただろうか……諦めたように脱力する彼女の、そのケツ穴がポッカリ開ききって戻らなくなった頃、ようやく僕の性欲も落ち着いた。最後の射精を堪能した後、柔らかくなったチンポを尻タブで挟み、擦る。にゅるにゅるとした感触が心地よく、火照った体が落ち着いていくのを感じる。スポーツでいうクールダウンってやつだろう。
──さて、もういいかな。
「いやー、名演技だったよ。ありがとね」
「はっ! 恐悦至極に存じます!」
哀れなレイプ被害者といった姿から一転、シュタッと立ち上がって敬礼するナーベラル……ならぬドッペルゲンガー。まあナーベラルちゃんもドッペルゲンガーだけど、もちろん彼女は僕が作った別個体である。その能力を使い、ナーベラルちゃんに変身してもらっていたのだ。
無理やりが良くないってのは確かだけど、たまにレイプもので抜きたくなるのは男の本能だろう。チンポの具合によって、ケモナーにもレイパーにも熟女好きにもロリコンにも純愛信者にもなるのが、男ってものだ。
「ご満足いただけましたか?」
「うん、充分充分。強いて言うなら、本当の彼女だったらもう少し言い返してきそうかな……ってとこくらい?」
「も、申し訳ございません! 精進いたします!」
「あ、いや、充分に高水準だったからね? 余は満足じゃって感じー」
感極まったように震えるドッペルちゃん。なるほど、一言一句にいちいち感銘されるというのはこういうものか。ギルマスの苦労の一%くらいは理解できたような気がする。さて、性欲も落ち着いたことだし今日はナニをしようかな。
頭を撫でる代わりにケツを撫でながらそんなことを考えていると、監視システムからメッセージが入る。何事かと思えば、ちゃんツアーと番外席次ちゃんが戦闘を開始したとのことだ。まあどちらにしても国力を消耗させたくないだろうから、トップ同士の対決になるのは既定路線か。
僕に関係ないのなら放って置くところだけど、思いっきり近くでドンパチされてるこの状況。王国に被害が出るのをよしとしない友人が多い関係上、無視はちょっとあれかな。なにより番外席次ちゃんの可愛さは、ラナーちゃんに勝るとも劣らない。機会としては絶好ではなかろうか。
困った時に、苦しい時に助けてくれた人には恩を感じる。そしてそれが講じて愛へと変わる。本能に依存した当たり前の反応とも言えるだろう。つまり僕が番外席次ちゃんの危機を颯爽と救えば、待ち受けるのは感謝のセックスである。ほとんど謎に包まれている彼女だが、一つだけ覚えていることがある。『私より強い男とエッチしたい』──だったっけ? もうちょっと真面目な言葉だったような気もするけど、まあ似たようなものだろう。
つまり今は恩を着せるいい機会でもあり、これ見よがしに実力を見せられる素晴らしい機会でもあるということだ。
…しかし気になるのは、番外席次ちゃんの陰毛だ。つーかあの髪の色は本当にどうなってるんだ? 真ん中できっちり白黒になってるとか、モノクマなの? 似たような毛色の猫とかいるけど、あれと同じなのかな。遺伝子って不思議。
まあそれは置いといて、さっさと現地に向かおう。甲斐甲斐しく服を着せてくるドッペルちゃんにお礼を言い、転移する。どれどれ……おお、強いな番外席次ちゃん。現地の人間でプレイヤーに勝つ人ってまずいないと思ってたんだが、あれだと準廃人クラスはある。ロマンビルドにしてるギルマスなら負けもありうるかも……まあ実際に戦えば、使えるアイテムの差からして結果は見えてるけど。
決着まだかなー。まだかなー。ちゃんツアー、早く決めちゃってよ。ちらちら見えるフトモモが目の毒なんですけど。クール系とサディスティック系と不思議ちゃん系が混ざった彼女に、『なのはの声でヤってよw』とか言ってみたい。単芝はやしたい。
しかし彼女のゆかりん声といい、クレマンティーヌのまどか声といい、どういう絡繰なんだろうね。まあ人の声なんて機械で再現可能だし……というかアニメの声だって実際は機械が発してる音声な訳だし、今更か。そもそも前世の地球上でも、ほぼ同じ声の人間は多数存在した筈だ。常識的に考えて、人の可聴域という狭い範囲で、何十億種類もの声に分かれるってことはないだろう。だからこそ──
…ん? ──っ!? ば、番外席次ちゃんの首が無くなって…? しまった、決定的瞬間を見逃した。この場合、蘇生魔法は頭にかけるべきなのか? それとも体? ちゃんツアーがペッと吐き出した頭には、絶望の表情が彩られている……うわぁ、グロテスク。
重い何かが落ちた音が、都合二つ連続した。勝利の咆哮を上げる竜王さん……そういうとこあるんだ、意外。いやまあ殺し合いの後だと、種族問わずに昂ぶるものなのかな。彼に少しでも危険を感じさせる敵なんて早々いないだろうしね。とりあえずさっさと蘇生させよう。レベルダウン、意識混濁なしのスペシャル仕様だ。
「──っ! …君は? 戦闘中だったとはいえ、僕の知覚をすり抜けるなんて──」
「あいあい、ちょっと待ってねー」
「…? あ、あれ……私、死んで…?」
「大丈夫かい?」
「え、えっと…?」
状況を充分に理解してくれていないのは残念だけど、まだ挽回は可能だろう。とりあえず僕が蘇生魔法をかけた旨は伝え、彼女をかばうようにちゃんツアーへと向き直る。軽い警戒に、探るような瞳。知性ってのはやっぱり目でわかるんだなぁ……というのがよくわかる、深慮遠謀を感じる眼差しだ。
「どうも、ウン=エイです……プレイヤーって言った方がわかりやすいかな? 君の知ってるそれとはかなり違うだろうけど」
「…! そっか……もうそんな時期だったか。ちなみに、彼女を助けた理由を聞いてもいいかい?」
「美少女は助ける主義なんだ」
「…つまり誰かに頼まれたとか、国の事情とかは関係ないってことでいいのかな」
「はいかイエスなら、前者かな」
「………。…彼女との戦いは正当な理由あってのことだし、なるべくなら死んでいてほしいというのが僕の希望なんだけど……やっぱり竜と人なら、後者に寄っちゃうか。君も人間種みたいだし」
「んー……異種族に偏見とかはないよ。でもツアー、君が幼女になれるなら君寄りになることもあるね」
竜の人化といえば古今東西、幼女である。いやまあ最近の風潮だろうけど、やはり竜=幼女は鉄板だ。狐娘、吸血鬼、このあたりも幼女でいてほしい存在である。
「…百年くらい前にも聞いた言葉だよ、それ。プレイヤーだと理解できるセリフなのかな? ちなみに僕は雄だからね」
「そりゃ残念……でも人化はできるんだよね? じゃないとドラウの存在自体おかしいことになるし。となれば、変化の際の性別くらいは選べる筈だ。だって元から人の姿が固定されてる訳はないんだから──となると幼女姿にもなれる!」
「なぜ人の子にこだわるのかが理解できないんだけど」
「様式美ってやつ? まあどっちにしても中身が雄なら意味はないけど」
「ふぅん…? まあそれは置いておくとしよう。先に答えてほしいことがあるんだけど──」
「うん?」
「──君はこの世界でどう生きるつもりなんだい?」
ふむふむ……ちゃんツアーの問いの真意は、結局のところ『ワールドアイテムによる世界の法則改変』に集約するんじゃないだろうか。他にもあるのかもしれないけど、ワールドチャンピオンズの行動ログと、ウロボロスや五行相克の使用履歴からしてもそんな感じだろう。
位階魔法を使いやすくするための法則改変は、主流であった始原の魔法の仕様に大きく制限がかかった。要は竜王たちの既得権益を犯した形になったのだろう。彼等がどれだけプレイヤーのことを理解しているかは知らないけど、また同じことをされたらたまったものじゃないだろうことは理解できる。
「んー……まあ僕の幸せって、なかなかちっぽけだからさ。大したことをするつもりはないよ。もちろんできるかできないかで言うなら前者だけどね。君達が結局どうにもできなかった八欲王……が、仮に八百万欲王になったところで、僕には逆らえない」
「…!」
『僕には逆らえない』。『僕には逆らえない』。言った後で思ったんだが、中二病全開だなこのセリフ。どこぞのキセキの世代が使いそうな言葉だ。『僕に逆らうやつは雄でも犯す』ってか──いや無理無理。
「『プレイヤーとは違う』ってさっき言ってたね。詳しく教えてもらってもいいかな?」
「うーん……短く纏めるのって中々難しいんだよね。わかりやすく言うなら……そう、君らと一緒かな? 真なる竜王は『世界の管理者』を自認してるんだろ? それと一緒。君達が見てきたプレイヤー、苦戦したプレイヤーは、元いた世界で言うとごく普通の人々。僕はその世界での、管理者の一人」
「…!」
難しい顔をしている……のだろうか? 目で知性がわかるといっても、表情までは読めない。異種族の顔の違いなんてわからない、という言葉がよく理解できるな。別にちゃんツアーを屈服させたい訳でもないが、僕という存在がどういったものか不明のままだと、あちらとしても気持ちが悪いだろう。
という訳で、わかりやすい形で示してみるか。彼がこの世界でほとんど動かない理由は、遥か遠くにあるギルド拠点──『浮遊都市』のギルド武器を守護しているからだ。どういう経緯かは知らないけれど、彼はあの都市が滅びることを良しとしていないのだろう。ギルド武器の消滅とは、すなわちギルド拠点の崩壊と同義。いま離れているだけでも、彼にとっては非常に不本意な状態である筈だ。
そしてギルド武器は権限がなければ絶対に動かせない。だからこそ自由に羽ばたける翼を持ちながらも、一所に留まり続けているのだろう。ならそれをどうにかすれば、そこそこ友好的にはなれるんじゃなかろうか。
「まあ証明はできるから、実際にやってみるよ。まず君が守ってるギルド武器をこっちに移動させて…」
「…え?」
「おー……白金水晶のフランベルジュか。そういやミズガルズのチャンピオンがフランベルジュ使いだったっけ? 装飾弄るのは失礼だし……サイズだけ変更して、と。アクセにしたから、首にかけときなよ。破壊不可オブジェクトにしといたから、壊れる心配もないぜ」
「…!」
おお、驚いてる……のだろうか? さっきも言ったけど、表情の変化がマジでわからない。もっと『アリエナイんですけどおぉぉぉ!!』とか『魔女様すごすぎですぅぅぅぅ!!』とか言ってくれたらわかりやすいんだけどな。
「これで信じられるかい?」
「う……ん、…そうだね。確かに僕が守っていたギルド武器だ。ここに来る前に、何重にも防護魔法をかけておいた筈なんだけど…」
「まあほら、僕の管理者権限って結構エゲツないからさ。という訳で、そんな僕の顔に免じてこの娘は諦めてくれないかな?」
「…うーん……仕方ない、か。そのかわり、また話す機会をつくってもらえるかな。君がプレイヤーを管理する存在だって言うなら、頼みたいことがいくつかあるし。君は──プレイヤーに対して責任を持ってるって認識でいいんだよね?」
「…ん、それは……この世界にきた時点で、その関係は破綻してる……かな? 君達みたいな自主的な責任感じゃなくて、僕が彼等を管理してたのは仕事の一環。彼等が管理されていたのは遊びの一環。それでも多少なり気を使ってるのはさ……んー…」
「…?」
「んん……言語化できない感覚ってあるよね。そんな感じ」
「訳がわからないよ」
「ま、理解して欲しいとも言わないよ。とりあえず、今見たように──僕の管理者権限なら大抵のことはできるからさ。もし争い事でしか解決できない案件があるなら、最初に相談してくれるかい? 大局的な考え方をする君の頼みなら、たぶん優先するだろうから」
「…ずいぶん買ってくれてるんだね」
「プレイヤーに関する過去ならある程度まで見れるからね。君は──竜の癖に人間に気を遣うみたいだ。そうだろ? ツアー」
「…」
笑った……のか? 口元を歪められても、威嚇してるのか笑顔なのかわからない。ワンピースみたいに特徴的に笑ってくれたらわかりやすいんだけどな。『ツァツァツァツァ!!』とかどう? 嫌? そっか、残念。ではでは……うん、また後日。
…さて、では長くなってしまったが本命だ。やあやあ、命拾いしたねモノクマちゃん……じゃなかった、番外席次ちゃん。その髪どうなってんの?
「え、えっと…」
「どこか痛いとことかない? 蘇生はちゃんとうまくいったと思うけど」
「は、はい……あの、その」
感謝よりも困惑が強いなー……くそ、手順を間違えてしまったな。かっちょよくギリギリで助けて、ちゃんツアーを相手にちょっとした無双でもすればまた違ったんだろうけど。まあ育ち的に対人関係に難はあるけど、頭が悪いという訳ではなさそうだ。
僕とちゃんツアーの話を理解していたからこそ、かしこまっているのは間違いないだろう。つまり僕が自分より強いと認識はしている……となれば、もうそのままイっちゃっていいんじゃないか? 『自分より強い男の種が欲しい』とか公言しちゃってる系の女の子だし、そうだ、断るまい。
「よし、セック──」
「ご無事ですか!」
…そこかしこからぞろっと現れる謎の集団。いやまあ謎っていうか、法国の人達なんだろうけどさ。そりゃ見張ってないわきゃないかー……急いで来たからシナリオもクソもないし、理想通りの展開など望むべくもない。というかめっちゃひれ伏されてる。魔法的な監視では認識できなくとも、物理的な視覚は制限していない故に、番外ちゃんの蘇生とちゃんツアーを追い返した場面はしっかり見ていたのだろう。
口々に神の再臨を叫んでいる……うーん……法国で祭り上げられると、ちょっと面倒くさい感じなんだよな。そりゃあ女の子は選びたい放題できそうだけど、こちらを妄信する信者とのセックスは、催眠セックス以上に気味が悪い。
ちなみに僕は催眠系の作品では抜けないタイプの人間である。肉体だけが勝手に動き、意識はちゃんとある系の催眠なら好きだけど……え? 細かいって? いやいや、性癖というのは人間の願望の中でもっとも細分化されるものなのだ、仕方ないだろう。
ま、ここはいったん退こうかな。番外席次ちゃんとの顔合わせは済んだわけだし、彼女の願望を考えればいつでもセックスできるようになったとも言える。
『お待ちをー!』などと叫んでいる宗教好きな人々を尻目に、王都へと転移する。どうにもこう……三つ子の魂百までと言うべきか、日本人の感性が抜けないというか。“信者”というものへの忌避感が否めない。
たぶん僕みたいに自己愛が強い人間は、彼等みたいな人種と相容れないんだろう。得体の知れない存在に縋り、敬う人というものが、どうにも気持ち悪くて仕方ない。言い換えてみれば、信者とは純粋な人間で、僕みたいなのは汚れた人間とも考えられる。要は価値観の違いでしかないんだろうけどさ。
『私はこうします、だから神様、どうか見守っていてください』──そんな考え方は好きだ。けど実態は、信仰を言い訳に他人を害する信者も多い。行き過ぎた信仰は寛容の幅を狭めるのかもしれない。そもそも日本においての神は、古くから『敬うべき存在』ではなく『どうにもできない存在』を指すことが多いのだ。
歴史を紐解いても碌なエピソードがないしな……まあそれは日本以外もそうだけど。というか思考が逸れまくってるな。そんな高尚な考えは前世に置いてきたのだ。今の僕はオマンコがあればそれでいい。ちゃんツアーにも言ったけど、僕は適当に楽しく生きればそれでいいんだから──さ。
なんか微妙な出来で申し訳ない……次回から調子あげてきます。あとタイトルがあれなのに幼女成分薄すぎない? との声が割とありましたので、さっぱりさせてみました。
いまいち面白い話が書けない病にかかってるんですが、客観的に見て何が足りませんか?
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ギャグ
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エロ
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ストーリー
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キャラ
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ガゼフ