「あ、そうそう。今日から暫く外出するから荷物の準備をしておきなさい」
「……それまた随分と急ですね」
ベッドの上で昨日の情事のまま、お互いに全裸の状態で目を覚ましたアルが急にそう告げた。
家族の一件があってから私の畏まった感じも取れてきたと思う。
「というかアルって日光に当たっても平気なの?」
この数ヶ月で漸く慣れてきた呼び方で主人を呼ぶ。
「当たり前じゃない。そもそも日光が弱点なのを克服してない特S級なんて居ないわよ?」
「…………そうなんですか」
改めてとんでもない人に間違えて襲い掛かったものだ。
「それで行く場所というのは?」
「貴女の居た学園よ」
「え」
そのまま何気なくベッドから出ようとしたアルの肩を掴んで引き留めた。
「いやいやいや!ちょっと待って下さい!私今半吸血鬼!殺されちゃいますよ!?」
「そうかしら?」
「そうですって!それに私学園で結構宗教家の人達に恨まれてるんで、吸血鬼になってるなんて知られたら真っ先に殺しに掛かかられるんですけど!」
「そう♪」
駄目だこの人全然聞く気ねぇ。
尚も説得を続けようとしたものの「ここで雁字搦めに縛って荷物のように運ばれるのと自分の足で歩くの、どっちがいい?」と笑顔で訊かれたのですごすごと引き下がった私であった。
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「馬車で戻ると思ったんだけど、何で汽車に乗っているのでしょうか」
「それは年一度の集会に出る為ね」
「集会って……何の?」
「吸血鬼とか狼男とか、所謂向こう側の存在で社会に溶け込んでる人達と教会の人達の集まりよ」
何かサラッと衝撃的事を言ってないだろうか、このお方は。
「……溶け込んでるんですか」
「結構居るわよ?」
人類との共存を選んだ人外達は、人類を無闇に襲わない、対話も可能なので討伐対象としては一番後回し扱いにされて結構居るらしい。
その中でも特S級で扱われている人は少数らしい。
「手を出してきた馬鹿共を迎撃するのは問題ないのよ」
「それでこのあいだ撃ち殺した人達の報復で誰も来なかったんですね」
最近漸く吹っ切れてきた殺人の事を思い出した。
「いや、そもそも人が来る事自体おかしいのよ。まぁその辺の確認とか牽制も込めての今回の遠出ね」
「私の事を奪還しに来た人達についてですか?」
「そうね。もう私の身内だし、手を出したらタダじゃおかないって言うつもりよ」
強引に連れ出されたと思っていたけど、私の事を考えてくれての事だったらしい。
少し嬉しい。
…………汽車の個室に連れ込まれて、上半身をはだけさせられていなければ。
「で、これは何故?」
「着くまで暇じゃない?」
「そんな暇潰し感覚で人の服を脱がさないで下さい!」
というかここで致されるとなると、私が到着地で目にも当てられなくなりそうなんだが。
「大丈夫、ちょっと血を吸っておっぱいを揉むだけよ」
「大丈夫じゃない……」
僅かに抵抗したものの、騒いで人が来るともっとまずい事になるので、私は大人しく耐える事にした。
のだが……
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「んんんっ!?……っく、ん!」
「人が来るかもって興奮しちゃった?」
「……っ!!も、やめ……!」
全然耐えれるとかの話じゃなかった。
このいつもと違う環境で声を抑えようとしてる私に興奮したのか、ねちっこく下半身を責められ、いつもは意識をすぐ飛ばされて泣き叫んでいたのが、理性をギリギリ保てる位の絶妙なバランスで私は半泣きになりながら必死で声を抑えていた。
「ほら、こんなにして……替えの下着は持ってきてるわよね?」
「ぐぅっ!……もって、あっ、きて……っくぅ」
下着は替えれるけど、上着はどうしようもないので汚す訳にはいかない。
目的地に着いたら電車から降りれる。
それだけがただこの時間を耐えるよすがだった。
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私は目の前で快感に震えている可愛らしい生き物に、深く牙を突き立てながら思案した。
そもそもシオンは勘違いしているが集会があるのは3日後であり、今日はこのまま電車に乗り、会場近くの宿に泊まる予定なのである。
なので衣服の汚れを気にする必要は全くない。
まぁ勘違いしてくれた方が私の責めでどうやっても生理現象として分泌される涙や涎や愛液から衣服を汚さないように身をよじって耐える姿を見れるのでありがたい。
(はぁー可愛い❤)
この子は射撃の腕が立つ。勿論『魔弾』としての無自覚な能力もあったのだろうが、射撃の勘等はこの子特有の体質が原因だ。
「それにしても敏感ねぇ」
汗でしっとりと湿った乳房に手を這わせて乳首を苛める。
それだけで身体を震わせるシオン。
そう、シオンは元々肌が敏感なのだ。それのお陰で射撃時の空気の流れ等を感じて正確な射撃を直感で行っている。
孤児であった所からも余り人と触れ合って来なかったのだと推察できる。
(それなのに敏感な場所を触られたら……)
背筋についばむようなキスをしながら両手で下半身の一点をくちゅくちゅと攻撃する。
くぐもった悲鳴を聞きながら、私は電車が目的地に着くまでの残り時間を利用して、たっぷりとシオンが乱れるのを堪能したのであった。