幻影の魔族 作:オーク初心者
感度3,000倍。不知火に施された、服と肌が擦れるだけで簡単にアクメしてしまうほどの肉体改造。ゆきかぜや凜子はまだ虜囚期間が短かったのが不幸中の幸いと言えたのかもしれない。なお、アサギは幾度もこの調教を受けつつも、強靭な精神力で今も現役の対魔忍というのだから、本当に別格である。
「ふふっ。リィズのぉ、お陰なんだからぁ♪ この一年弱の間、ずぅーっと癒しの魔力たっぷりのザーメンを注いでくれたからぁ、感度も何百倍ぐらいに落ち着いてきたんだものぉ♪」
長い虜囚生活の中で、感度を3,000倍に引き上げられた不知火も精神力ならばアサギといい勝負ではあるが、眷属としての主人であり恋人となったリヴァイスに抱かれて、身体中を駆け巡る悦楽に逆らう必要もなく、むしろ自分の感度の良さを利用して心行くまでオーガズムに溺れる楽しみを覚えてしまっていた。
不知火が嬌声混じりに呟いたことも事実で、ゆえに異常にまで高まった感度を能動的に楽しんでいるところもある。リィズの伝手で感覚過敏について緩和する薬も入手できるのだが、不知火からすればこの数百倍の感度ならば恋人と楽しむためのエッセンスに過ぎなかった。
「ああ、ゆきかぜに見られてるのにぃ、また私イってるのぉ! リィズのザーメンミルクぅ、子宮でごくごく飲み込んで喜んでる悪い母親なのぉっ!」
ナディアやメイアも正式にリヴァイスの女になったことで、既存のものと入れ替えになった、三人は楽に並んで眠れるサイズのベッドの上で噴きあげる母乳をリヴァイスの顔に吹きかけて、眼球が転がり白目を剥きながら、身体をガクガクと激しく震わせて、不知火は深いアクメをキメている。
娘の前に醜態を晒す羞恥心や罪悪感すら、不知火の身体は悦楽をより深く味わうための反応へと転換してしまうのだ。ただ、その様子を傍で見つめるゆきかぜの顔に嫌悪は浮かんでおらず、むしろ羨望の色を浮かべていた。
「あんっ、お母さん、あんなにおっぱい吹き出してぇ、ものすごく気持ちいいんだね……ああ、私も早くお兄ちゃんのが欲しいよぉ」
ゆきかぜの声には男に媚びる色艶がたっぷりと込められている。最初は即堕ちヒロインと化した凜子を心の内で責めていたゆきかぜであったが、まず、不知火にも負けず劣らずの腕前となったリヴァイスの三食の食事でがっちり胃を捉まれてしまった。
また、広い屋敷の庭で家庭菜園を手広く手がけている彼は不知火と一緒に熱心に世話をしており、土に頬や服を汚しながらも、手入れをしている時の表情は充足感にあふれていた。既に彼の忠犬と化した感のある凜子もその輪に加わり、ゆきかぜはナディアやメイアとお茶やタオルを差し入れる側に回ったのだが、前回よりも作物の実りが良かったなど嬉々として話す様子に、魔族の若手の実力者の評判との乖離に困惑しつつも、親しみを覚えたのも事実だ。
「うん、あとでちゃんと相手するからさ。もう少し待っててな、ゆきかぜ」
普段の接し方は優しい兄がいたらこんな感じだっただろうかと思わせてくれるもので、こんな淫らな時間であっても頭を撫でる手の動きは宝物を慈しむように優しい。
それでいて日々の鍛錬時は戦意を全身に漲らせて、容赦ない攻撃を叩きつけてくる厳しさを見せる一面があった。飴と鞭ではないが、優しさだけではなく厳しさを持ち合わせる点も、ゆきかぜからすれば評価できるポイントである。鍛錬で痛めつけられることすら、悦びに変えている節のある凜子のようにはなろうと思わなかったが。
リヴァイスと交わった際に自分の雷遁、凜子の空遁も彼に写し取られていたことを知ったが、その雷遁の使い方も、今までゆきかぜが考えもしなかった活用法をしてくる。身体や反応速度の向上、磁場の形成により、銃や不知火の薙刀、凜子の刀が地面に引き付けられて、持ち上げることすらままならなくなったりと、自分の戦い方の幅を広げることにも繋がっていた。
「はぁい♪」
何より娼館の機材に頼っていた調教師連中や自分を洗脳支配しようとした、成り上がりを狙っていたアンダーエデンの生き残りの魔族達など比べようがないほど、リヴァイスの性技というのはズバ抜けていた。
身体や心の性感を強引に引き上げられたはずの自分が、初心な少女のように鳴かされながらも、全身が蕩ける感覚と快い倦怠感、さらに行為の後の幸福感や不思議な開放感を毎回経験されられている。抱かれる度に身体や心が力を取り戻す、相手に力を与えるセックスがあるのだと、リヴァイスから学んだのだ。いや、学ばされたというのが正しいか。
本人や不知火に言わせればまだまだ発展の余地があり、半分流れる淫魔の回復力に頼り過ぎている部分があるというが、不知火は本気になれば七日七晩ずっと交わり続けられる身体に変えられていると嘯いていたこともあり、母の肥大化させられてしまった性欲を受け止めて満たすとなれば、リヴァイスはそれこそ淫魔の王を名乗れるぐらいの性豪を目指すしかなかったのかもしれない。
「あぁん♪ お兄ちゃんの、逞しいおちんちんが、また私の中に入ってきたぁ♪」
痛みには歯を食い縛って抗える。だが、身体と心が気持ち良く、それも後遺症が残らない性質のものだと分かってしまえば──元々、纏の任務の経験などなかったゆきかぜだ。悦楽を受け入れるのでもなく、耐え忍ぶのでもなく、ただ『流す』には圧倒的に経験が足りなかった。
相手に自分への悪意──娼館のあの胸糞悪い連中のように──があれば、まだゆきかぜは抗い続けただろう。ただ、相手が自分をただただ慈しみ、力を取り戻させるために抱く毎日にどう闘えばいいのか分からぬまま……彼女は兄と慕うようになってしまった男の性戯に、心はともかく、身体は完全に篭絡されていた。
「あんっ、達郎もぉ、お兄ちゃんみたいに、強く、逞しくなってくれるかなぁ♪」
達郎への想いそのものは消えたわけではない。自分でもそう信じている。達郎のことを思えば、胸のうちが温かくなることに変わりもない。だが、父と呼ぶには若過ぎる彼を血の繋がりのない兄と認め、身体が正常に戻るまでは彼との情事に溺れるのも仕方ないのだと……思えるぐらいにはなってしまっている。
彼限定ではあろうが、一気にマゾヒスト化が進んでいる凜子に、兄が頭を抱えている様子にもどことなく親しみを覚えてしまう。豹変した凜子に苦悩する仲間に近い意識もあった。
「それは純粋な強さ? それとも……」
「両方♪ 夜も逞しくなきゃ私が満足できないもんっ♪」
「うーん。戦闘力は対魔忍やれる以上、やりようで何とでもなるとは思うんだけどな。夜はなぁ……魔族になればある程度解決してしまうところはあるけど、安易に人を捨てるってのもどうかと思うし。人の身でとなると、ぱっと思いつくのは気功術の活用とかになってくるのか……?」
問いかけてしまった自分が悪いのだが思考に埋没しかけるリヴァイスを、自分の膣内を埋めている彼の分身を子宮口で吸い付きつつヴァギナ全体で締め付けることで、彼の意識を自分へと戻しにかかる。また、悦楽に口元は緩み、瞳も潤んでいるものの、ゆきかぜは頬を膨らませて私は不満だという意思を分かりやすく示している。
「ごめん、ゆきかぜ。確かに今考え込むことじゃなかったな。今はゆきかぜに集中するよ」
不知火や凜子同様、彼の精を子宮で浴びて飲み干すことに完全に絆されてしまった身体を、どうしようもなく幸福感を感じてしまっていることをあえて分からない振りをして、ゆきかぜは治療の一環なのだからと男の愛撫に身を任せていく。日に焼けた褐色だった肌色も娼館での生活や魔界での療養期間を経て、随分と色が薄くなってきているのと反比例するかのように、演技だったはずのお兄ちゃんという呼び方にすら、想い人の達郎のことを呼ぶのと同じくらいに愛おしさが込められてしまっていることに、彼女自身の自覚はまだなかった。
「あぁん♪ 私ぃ、お兄ちゃんの形、完全に覚えちゃったよぉ♪ 子宮ごりごり押し上げられるの、クセになっちゃってるのぉ♪ お兄ちゃんのオチンポで今日もイっちゃう、イっちゃうんだからぁっ!」
この後間を置かず、ゆきかぜも母親同様、子宮口にピタリと押し当てられた突端から子宮に直接ザーメンを浴びせかけられたことで、白目を剥きながら失禁アクメをキメて、深いオーガズムとともに強い解放感を得たわけだが、彼女の両脚はリヴァイスの腰にしっかりと回されて離そうとしなかった。
娼婦として自分の身体を通り過ぎた男達と決定的に違う、ゆきかぜ個人を欲して慈しんでくれる相手。まして、一度や二度では満足できなくなっている淫乱なこの身をちゃんと満たしてくれる精力と確かな技術。
ひょっとしたらもう、戻れないかもしれない。達郎の逸物で満足出来る自分が想像出来ない。物足りなさを感じて、結局は──。
「お兄ちゃんは苦笑いしながらも、きっと受け入れてくれるよね……」
情交のあと、ゆきかぜは中庭のベンチで一人物思いに耽っていた。仮に達郎の元へ戻り、そのあともう一度リヴァイスの側へと帰るような身勝手な選択をしても、それがゆきかぜが出した結論ならばと兄は受け入れてくれる確信がある。ただ、母やナディア達はそう簡単に許しはしないだろう。
「どうした、ゆきかぜ。ため息をついて」
そんなゆきかぜに声を掛けるのはヴィクトリアン風のクラシカルメイド服が板についてきた凜子であった。手には雑巾を縁に掛けたバケツを手にしており、外窓の掃除を終えたところの様子だ。
不知火やナディア達の正妻格を押し退けるには到底及ばないと判断した凜子は、まずはグレイ家の、ゆくゆくはリヴァイスの専属メイドとして側仕えにしてもらうという結論を出したのだが、ゆきかぜには当然その思考は理解出来ないものであった。それでもまずは形から実践し、家事スキルについても不知火の指導の下、しっかりと基本を学び直し、ナディアやメイアにも身の回りの世話を任せられるに至っている。こうした砕けた言葉使いをするのもゆきかぜや、リヴァイスに余裕を奪われた時ぐらいになっており、凜子のメイドぶりはしっかり板についてきていた。
なお、メイド服については不知火謹製のものであり、掃除などの作業に適するように動きやすく、また、ヘッドドレスやエプロンに施されたフリルなどのバランスも含め、可憐さもしっかり引き出している。主人であるリヴァイスが思わずお手つきしたくなるような従順で働き者なメイドさんがコンセプトとかどうとか、不知火のみならずナディアやメイアも一緒にデザインを考えてくれたと、凜子から聞かされたゆきかぜは思わず真顔になったのは笑い話になるだろうか。
「凜子先輩には分からない悩みですよっと」
自分の道を見定めてしまった凜子は落ち着きを増したように見える。大切な人達以外への無関心さは元からそう変わらないが、自分の評判が我が主人であるリヴァイスの評価に直結すると認識してからはそつのない対応が熟せるようになりつつあった。
自分も似たようなところがあるが、凜子もこうだと決めたら一直線なのだ。決めた以上は迷わないし突き進むのみ。まして経験豊富な年長者が周りにいて、明確な誤りがあれば正してもらえる安心感もある。
「おおよそ、達郎とご主人様を天秤に掛けてしまっているのだろう? 悩みぐらいなら、ご主人様にお願いしてさっさと達郎に会えばいいものを。アイツにも一度抱かれてしまえば結論も出せるだろうさ」
「……それで、見切りをつけろっていうことでしょ? サイテーだよね、それって」
「仕方ないさ、より女を深く満たしてくれるご主人様を見つけてしまってはな。私達を一晩で全員相手にしても、次の日は普通に動けるのだ。それでいて、紳士的で優しく誠実で……」
「そりゃ、吸血鬼なり淫魔の力があるからこそだからね。相手から精気を拝借するから、相手は脱力感も合わさってより深く達してしまうし、俺は回復するって寸法だから」
「うむ、それに増長などしないからこそご主人様は素晴らしいの……だ?」
ぽんぽん。凜子の頭を撫でるのはそのご主人様である。安全が確保されている屋敷の中庭ということもあり、ゆきかぜも凜子も気は緩んでいたのだろう。リヴァイスが少し気配を薄くしており、害意を感じない相手でもあったことで接近に気づかなかったのだ。
「凜子に褒められるのは嬉しいけど、あまり煽てても調子に乗るからね。ほどほどに頼むよ」
あっという間に顔を真っ赤に染めて俯きながらも、自分の言葉に何度も頷く凜子の頭をもう一度そっと撫でてから、リヴァイスはゆきかぜの隣に腰を下ろした。
「チップも摘出出来て、縫合の跡も目立たなくなったことだ。体質や上がりすぎた感度の治療途中ではあるけど、そろそろ達郎くんと一度会っておくのも大事じゃないかな」
「お兄ちゃん、私がいなくなってもいいってこと?」
自分から離れることを勧めるような口ぶりに、ゆきかぜは不満の色を隠せなかった。そんな自分の反応に嫌気が差して落ち込みかけたところに、リヴァイスの手がそっと彼女の髪を撫でる。
「ちょっと違う。ゆきかぜと一緒に暮らすのは楽しい。俺にも母違いの姉はいるって話、以前にしたよな? ただ、父親の愛情を独占したいがあまりにこちらを殺しにかかってくるような姉に、魔族そのものを嫌悪していて、やっぱりこちらを仕留めにかかってくる姉しか知らないんだ。だから、兄だって呼んでくれるゆきかぜはもう本当に妹みたいに思ってる。その妹と身体を重ねていて、何を言うって感じだろうけどさ」
仮に肉体関係を解消したとしても、不知火が自分のパートナーであるのだから、ゆきかぜが家族であることに代わりはなく、距離を隔てたとしても、自分はこれからもゆきかぜの兄のつもりでいるのだと。
「父というのは勘弁だけどね。ゆきかぜが娘っていうには無理があり過ぎるよ」
ちょっと遠いけれどいつでも会いに来ればいいし、連絡をくれればこちらから迎えに行く。どのみち、五車町に戻った後もしばらくはゼキナ経由の定期連絡を習慣化するつもりだったとリヴァイスは口にする。
「魔界と人界と隔てていても即座に連絡が取れるような通信機も作りたいんだ。『賢者の石』の欠片はあるから、空蝉の術を合わせてなんとかならないかと研究中だけど、実用化には時間がかかりそうだからさ」
「しれっととんでもないことを口にされませんでしたか、ご主人様?」
「必要でしょ? 最終的には小型の携帯型『異界の門』発生機まで進めたいよね。そしたら、ゆきかぜが本格的に復帰しても、任務のない週末にこちらに泊まりに来ることも手軽に出来るじゃないか」
優しい兄ではあるが、変に拘ると止め処なく突っ走るのも変わりはなく、そんな部分も愛嬌だなと思えるぐらいにゆきかぜも絆されているため、くすりと笑みをこぼす程度のものだ。
「ま、そんな先の話は置いておくとしても、ゆきかぜと並び立って戦える力があって、背中を安心して預けられる存在は絶対に必要だと思う。それが今までは凜子だったわけだけど、凜子は復帰するつもりは無いだろ?」
「はい、ありません! ご主人様の専属メイドとしてお仕えするために、私は日々修行を積むしかありませんから!」
鼻息荒く答える凜子に分かってはいたものの、がくりと肩を落とすリヴァイス。凜子からすれば自分を捧げていいという男に初めて出会えたものの、ライバルの強力さに独自路線でアピールする決心を固めたわけだが、これまで恋愛経験が無かったことが妙な方向へ走らせている。
「自分の男に他の女を宛がうって、どこの貴族社会や戦国時代の正室の話だってんだよ……」
自業自得の一面が確かにあるものの、不憫さを感じるリヴァイスの肩を叩いて励ましつつ、ゆきかぜは達郎との再会を通して、自分の心の動きをしっかり見定めようと決めるのだった。
実際は自分の母親が鍛え上げた若手のベッドヤクザに骨抜きにされそうになっている娘の図という。
さて達郎くんをどう描写するかなー(´・ω・`)