ときめきメモリアル2短編集 ~永遠に響く鐘の物語~ 作:未来星
「ふぁ、ねむ……ん?あれ、詩織?」
「あ、達也くん…お、おはよう」
「…?あ、ああ、おはよう……」
いつもの時間に家を出ると、家の前に詩織が立っていた。
どうしたんだろう?
「どうしたの?こんなに遅いなんて珍しいな」
「う、うん。ちょっと寝坊しちゃって……」
いつも真面目な詩織が寝坊なんて、本当にどうしたんだろうか?
「まあいいや。どう?久しぶりに一緒に学校行く?」
「う、うんっ!」
柔らかい日差しのなか、俺たちは学校へと向かって歩き始めた。
「そういえば、こうやって登校すんのも久しぶりだよなぁ?」
「…そ、そうね」
相づちを打つように、詩織は俺の言葉に返事をする。
だが、その返事にはなんとなく感情が篭っていない。
「本当にどうした?熱でもあるのか?」
俺は本気で心配になって、詩織の額に手を当ててみる。
「あっ……」
少し声を上げて、手を避けるように頭を逸らそうとするが、そうさせないように俺は片手で包むように頭を抱く。
「…熱があるじゃないかっ!」
確かに、俺の手には普通以上の熱があった。
俺は詩織の頭を抱えなおし、両手で挟むようにして正面に向かせる。
よく見れば、詩織の頬は紅く火照っていた。
「何でこんなに熱あんのに学校に来るんだよっ!」
「だって……」
「だってじゃないっ!いくら学校が好きだからって、無理をすると俺も怒るぞっ!」
少しきつく言ったが、詩織にはこれぐらい言わないと聞いてくれないからだ。
俺は詩織の手を掴むと、元来た道を戻った。
「ちょ、ちょっとぉ……」
「今日ぐらいは休めっ!」
詩織の非難の声を無視して、俺は詩織の家へと向かった。
「水枕はここら辺…だったかな?あ、あった」
俺は詩織をベッドに寝かせ、水枕を作っている。
もともと幼馴染なんだし、良くこの家にも来た事もあったので、どこに何があるかぐらいは憶えている。
「しっかし本当に詩織も真面目だなぁ……
何も38度もあるのに学校に行かなくてもいいのに」
俺に会いたいから、とか…等という都合のいいことを考えつつ、作った水枕を抱えて詩織の部屋へと向かう。
「詩織~、ちゃんと寝てるか~?」
俺は詩織の部屋へと入っていった。
詩織は俺に言われたとおりにちゃんとベッドに横になり、布団を被ってこちらを向いている。
「おっ、ちゃんと寝てるな?」
俺はそれだけ言うと、詩織の枕もとまで来た。
「達也くん…学校は行かないの?」
詩織は先程歩いていた時よりも弱々しい声で聞いてくる。
多分、ベッドに入ったことで安心したんだろう。
手を当てた時よりも紅く、火照っている。
不謹慎にも、そんな顔が可愛いと思ってしまう。
「旅は道連れ、世は情けってね。
熱が出てたんじゃ流石の詩織も何も出来ないだろう?おばさんも居ないみたいだし、それに学校には連絡入れといたよ」
そんなもっともらしい事を言ってはいるが、実際のところ、学校をサボりたいからだったりもする。
「達也くんが?」
「いやいや、俺が入れたら変に思われるだろう?うちのお袋に頼んでおいたよ」
ふうん…と言って詩織は再び目を閉じた。
しばらくの静寂が二人を包む。
「別に、皆勤賞狙ってたって訳じゃないだろう?」
「それは、そうだけど……」
確か一年の時、詩織は熱を出して休んだ事を俺は憶えている。
そのときも確か、無理して学校に来て更に悪くしたんだったよな。
「なあ詩織……詩織?」
「すぅすぅ……」
耳を立てて微かな音を聞くと、詩織の小さな寝息が聞こえてきた。
いくらか詩織の寝顔を見ていたら、暖かい日差しのせいか、俺自身も眠くなってきた。
流石に俺まで寝ちまう訳には…とは思ってはいるものの、時間を見れば授業中、いつも寝ているような時間だったから、なんとなく納得してしまった。
納得してしまったら、先ほどとは比べ物にならないほどの眠気が襲って来た。
俺は不覚にも、眠ってしまった。
「んっ……詩織……
はっ!し、詩織…って、あれ?俺、寝ちゃったのか?」
目が覚めた時、ベッドに寝てるはずの詩織の姿が無かった。
辺りを見回すが、部屋の中には詩織の姿は無かった。
「詩織…まさかっ!」
学校に行ったんじゃ!?
そう思って俺は、詩織の部屋から飛び出した。
もしこの家におばさんが帰ってきていたら…という考えは、寝起きの思考が鈍った俺の頭では考えられなかった。
「達也くん…きゃっ!」
部屋を飛び出したところで、俺は詩織にぶつかってしまった。
「いてて……あれ?詩織じゃないか」
「達也くん、起きたんだ」
「起きたんだ…じゃないだろう?何で起きてるんだよ?」
「だって、達也くん気持ち良さそうに寝てたから……」
「寝てたからって……起こしてくれればなんでもしてあげたのに」
「それは悪いよ」
詩織はそう言って、まだふらふらとした足取りでベッドの方へと歩いていった。
しかし、ベッドに入る前に、詩織は倒れてしまった。
「し、詩織っ!」
俺は急いで詩織に近寄り、抱き起こした。
「達也くん……ごめんなさい」
「いちいち謝るならそんなことするなよ」
気付いたら、俺は詩織を抱き上げて、まっすぐに顔を見つめている体勢になっていた。
「あ、ごめん……」
「いいの…達也くんなら……」
「達也くんなら……?」
俺は言葉に出して復唱してみる。
どういう意味だろう?
もしかして、さっき想像したようなことなのかな……?
…馬鹿らしい。
そんな都合のいい事がある訳ないよな。
どうせ幼馴染で、気心が知れているからなんだろう。
「別に…変な意味じゃないのよ?」
「…あ、ああ。
それよりもほら、ちゃんと布団に入んないとな」
布団を捲り、詩織を抱き上げた。
想像していたよりも軽い詩織の身体。
なんとなく、詩織はやはり女の子なんだなと再確認してしまった。
小さい頃は男女関係無く遊んでいたのに、今の俺たちにはたくさんの壁がある。
友達以上、恋人未満……そして、幼馴染。
こんなに出来た幼馴染を持てて、誇りに思ったこともあった。
でも、今はその幼馴染と言う言葉が、俺の行く手を阻んでいる。
幼馴染だから、これからもいい関係でいたい。
でも、それ以上の感情が俺にはある。
その感情を彼女に告げれば、確実に今の関係は崩れるだろう。
それを思うと、俺の心はきつく締め付けられるような感じがした。
「達也くん?」
「詩織…どうして……」
「えっ?」
「どうして俺たちは……幼馴染なんだろうな」
抑えきれなくなった感情を呟きながら、詩織をベッドに下ろした。
「こんなに辛いんだったら、出会わなければ……」
「達也くん、そんなこと言わないでっ!?」
掠れた声で、詩織は俺に向かって声をあげた。
はっとなって、俺は詩織の瞳を見る。
もう長い付き合いの俺たちは、互いの目をみればそれが本気かどうかわかるぐらいになっている。
悔しいけど……
「私は・・・達也くんに逢えてよかったと思ってるのに…そんな悲しい事…言わないで……」
最後の方の言葉は、もう声になっていなかった。
それでも、必死になって詩織は言葉を絞り出す。
「信じてもらえないかもしれないけど……でも言うね?
私が今日学校に行こうと思ったのは、学校が好きだからじゃない。勉強がしたいからでもない。
ただ……達也くんに会いたかったから……だから無理して行こうと思った!」
「詩織…お前……」
「だって私……私、あなたのことばっかり考えてる」
詩織は窓の方を向いた。
可愛らしいレースのカーテン向こうには、俺の部屋が見える。
「ちゃんと勉強してるかな?ちゃんと朝起きられるかな?今日はどこに行ったのかな?
いつも……そんなことを考えてた。最初はこの部屋だけだったけど、何時からか…学校でも、街中でも、友達と喋ってても……ずっと……あなたのことだけを考えてるの」
「……」
「まだ分からない。もしかすると、この気持ちを整理するのには年単位で掛かるのかもしれない。でも……」
「急がなくていいよ」
詩織の言葉を遮った。
自分の気持ちを伝えてくれた幼馴染を、俺はしっかりと、今度は正面から抱き締めた。
「ずっと待ってるから、別に急がなくてもいいよ」
「達也くん……んっ」
詩織は俺の腕の中で、少し背を伸ばして唇を重ねた。
「んっ…はぁ…詩織……」
「達也くん……お願い、私に、勇気を下さい。
いつか、ちゃんと私の想いを伝えられるように……」
「ああ、わかった……」
ベッドの上で、俺と詩織は身体を重ねる。
暖かい…普通ならそう思うのだろうが、今の詩織は熱い位だった。
風邪を引いているんだから当たり前か。
「詩織…寒いか?」
「うん…ちょっと」
詩織はうっすらと笑みを浮かべるが、その笑顔には少しの無理が感じられた。
「わかった……」
俺は詩織の身体を温める為に、急いで服を脱ぎ捨てた。
「た、達也くん……」
「何恥ずかしがってんだよ?昔一緒に風呂入ったりしただろ?」
素肌で触れた詩織の身体は、やはり熱かった。
「そうだけどぉ……」
詩織は顔を真っ赤にして、俺の胸に顔を埋めてきた。
その時の仕草が、とても可愛らしかった。
「暖かい……」
「詩織も……」
しばらくそうやってふたり抱き合っていた……。
幾等かの時が過ぎ、すっかり互いの緊張感が解れたところで、俺は詩織の身体を擦った。
「なんか…動きがいやらしい」
「そりゃ…ま、今からそういうことするんだから、仕方ないだろ?」
「そうだけど……」
そう言って、詩織は拗ねてしまった。
(あの頃はこんな事するなんて思ってなかったな……)
俺は昔の事を思い出しながら、更に行為を続ける。
服をたくし上げ、ブラを外さずにずらす。
「は、外さないの?」
「…いや、外し方がわからない」
正直に訳を話すと、「仕方ないなぁ」と笑いながら言って、詩織はブラを外した。
外の空気にさらされた丸く、見るからに柔らかそうな胸は、ほのかに赤く染まっていた。
掌で触れてみると、やはり柔らかかった。
「恥ずかしいか?」
「もう……
恥ずかしいに…決まってるでしょ……」
詩織は羞恥心からか、それとも風邪のせいからなのか真っ赤になった顔を背け、俺の部屋のほうへと向けている。
「こら詩織。俺はここにいるんだから部屋のほうを見るなっ」
「きゃあ、ごめん、ごめんなさぁい」
子供のようにじゃれあい、そして落ち着いたところで再び行為に移る。
何度かそれを繰り返しながら、それでも俺たちは互いの存在を確かめ合った。
「はぁ……
なんか…変な感じ」
「感じてるんだよ、きっと」
両手で胸を包み込み、感触を確かめるように揉む。
指の隙間から、胸がはみ出している。
幼かったあの頃よりも数倍に女らしくなった詩織。
幾等か愛撫していると、詩織の胸の先端が硬くなってきた。
それと同時に、詩織の息づかいも荒くなってきた。
「大丈夫か?」
「うん、平気。気にしないでね……?」
詩織の体調を気にしつつも、俺は胸の先端を口に含み、舌の先端でころころと転がす。
「はあっ、くすぐったい」
一旦口を離し、もう片方の胸にも同じことをする。
そうしながら、俺の片手は詩織の背中を撫で、もう片方で髪を撫でる。
「詩織の髪…柔らかいな。それに、いい匂いもする……」
「気持ちいい…もっと撫でて……」
詩織は気持ち良さそうに目を細くしている。
あれだけ勉強が出来るんだから、頭を撫でられる事も多いだろう。
髪を撫でながら、二度目のキスをする。
最初は普通のキスだったが、俺は我慢が出来ず、舌で詩織の唇を舐め上げる。
そうすると、詩織は瞑った目蓋を震わせた。
少しの間舐めていると、詩織は自ら口を開き、舌を絡ませてきた。
「んっ…んふぅ……」
熱い吐息が互いの唇から零れる。
俺は詩織の歯茎の辺りを舐め、唾液を詩織の口内に送り込む。
こくっと喉を鳴らして俺の唾液を飲み込むと、今度は詩織が俺の口に唾液を送ってきた。
詩織と同じように、俺も唾液を飲み込む。
また舌を絡ませ、互いの口内を犯しあった。
「詩織…そろそろこっちの方も……」
「うん……」
着ていた服をそのままずらして、大切な部分を曝け出させる。
俺はその部分を見て、ごくりとと喉を鳴らした。
それほどにも、詩織のそこは魅力的で、俺を興奮させた。
そこに触ってみると、思ったよりも熱かった。
「ひゃっ……」
詩織が小さく声を上げた。
俺はその声が決して悲鳴でない事を祈りながら、指で割れ目の部分を擦る。
「熱で…敏感に…なってる……」
途切れ途切れに詩織は声を出す。
息の荒くなった詩織にキスをしながら、俺は中心に指を埋めていく。
「うっ…はあん……」
きらめき高校のアイドルで、俺の大切な幼馴染の藤崎詩織が、喘いでいる。
少なからずその事実は俺を昂ぶらせ、そして愛しさを膨らませていった。
「詩織…どう?」
「わかんないっ…でも…嫌じゃない……」
くちゅくちゅと指を静かに動かしていると、指との結合部から蜜が溢れ出してくる。
「じゃあこれは?」
俺はおもむろに大切な部分に顔を近づけ、指の隙間から溢れる蜜を舐めとる。
「あっ…やだっ、き、汚いよ……」
「汚くなんか無いよ……詩織のだもの」
舌で舐めとりながら、指の動きを止めずに責め続ける。
ちゅるちゅると蜜を啜り、そして舌の先端を硬くして膣内に出し入れする。
そのたびに詩織は甘い声を上げ、俺の名前を呼ぶ。
「あっ…達也くぅん…やぁん…すご…いぃ……」
上気した顔で俺を見つめる詩織。
俺はペニスを取り出した。
「詩織、入れてもいいか……?」
「はぁ…はぁ……」
返事は無かった。
その代わりに、詩織は四つんばいになって俺に向かってお尻を突き出してきた。
「正常位じゃなくていいのか?」
「うん……」
詩織はとろんとした瞳で俺を見つめる。
わかったと短く返事をし、俺は中心にあてがう。
「詩織、いくよっ……」
ちゅ…という水音を立てて、俺のモノ詩織の膣内に挿入っていく。
処女のヴァギナというのはこんなにもきついものなのか…そう思えるほど詩織の膣内は俺の侵入を拒んでいた。
「ああぁっ…達也くんッ!」
肩を震わせ、詩織は俺の名前を呼ぶ。
俺の顔が見れないせいで、多分不安なんだろう。
「詩織……
大丈夫、俺はここにいるよ……」
俺は背中越しに詩織を抱き締めて、その揺れる胸を包む。
少しずつモノをずらして、なんとか入っていった。
そして……
「詩織……
ちょっとだけ、我慢してくれよ……?」
「うん……
我慢する…きて……」
ずちゅっと音を立てて一気に処女膜を突き破る。
なんとなく破瓜の感じはあった。
実際、詩織との結合部からは純血が流れ出していた。
「詩織…俺、詩織の初めての人になれて嬉しいよ……」
「私も…あなたが初めての人でよかった……」
少し涙を流しながら詩織も俺の言葉に肯定してくれる。
そんな詩織の純情さに愛しさを感じながらも、ゆっくりと腰を動かしはじめた。
「うっ、ふあ、はぁ…はぁっ……」
少し呻き声の混じった詩織の声。
やはり初めては痛いだけなのかな……?
俺はそんなことを考えたが、今は詩織のことだけを考えなければ。
そう自分に言い聞かせて、さらに詩織のことを強く抱き締めた。
「ひゃあっ、た、達也くんっ!や、変な、感じ…ッ!」
腰を突き上げるたびに詩織の柔らかな髪は宙を舞う。
後ろからでも、詩織の胸が大きく揺れている事が分かった。
「詩織…ッ!」
結合部から、じゅぶじゅぶと音が立つ。
「はあっ、あっあっ…うあぁ…だめ…頭がぼーっとするぅ……」
互いの肉がぶつかり合う音の中で、俺は詩織の手首の辺りを掴み、引っ張りながら俺のほうへと持ってくる。
「詩織…すごいよ……」
腰を振りながら、膝で立たせた詩織を背後から抱き締め、唇を奪う。
詩織もその白い手で俺の頭を包み込み、キスに没頭する。
結合部からは、ぽたぽたと蜜、そして少量の血が流れていた。
「んむっ…んんっ!ぷあっ…達也くん、たつやくんっ!」
「詩織…詩織ぃぃ!」
俺たちは互いの名前を呼び合い、そして……
「く、で、出るっ!」
快感と比例して、詩織に対する愛しさが俺の中で爆発する。
頭の中でもひたすらに彼女の名前を呼び・……
「お願い!な、膣内に…っああ!」
びゅっびゅっ…と、俺は底知れぬ快感に酔いしれながら、詩織の中に想いの限りを吐き出す。
「うあぁ…熱い……」
全てを出し切ったあと、俺たちはそのままベッドに倒れこみ、互いの瞳を見つめていた。
「詩織……良かったよ……」
「達也くんも……」
そして俺たちは、寄り添うようにして眠りについた。
『勇気を下さい』か……。
俺たちは多分、そんなことを言って、実は今の関係が壊れるのを拒んでいるだけなんだ。
日常は、常に変動を繰り返している。
それと同じように、人々も変動を繰り返さなければいけないんだ。
俺と詩織のその日は、多分そう遠い日の話ではないのだから……。
数ヵ月後……
「ごほっごほっ!全く、何で俺が風邪を引かなければいけないんだ?」
「私に聞かないでよ……」
今俺は、自分のベッドの中にいる。
この時期になって風邪を引くとは……。
「くそっ!今度の休日は詩織と遊びに行くっていうのに……」
「それまでには直しなさいよ?」
詩織は俺の態度に苦笑しながらも、タオルを絞り、俺の額に乗せる。
「達也くん……」
「ん?なんだ?詩織」
不意に、唇に柔らかい感触が重なった。
「こら!風邪が移ったらどうするんだ!?」
「ごめんなさぁい!」
俺たちは今はまだ、変わらずに『幼馴染』という関係を続けている。
こんな風にはしゃいでいられるのも、あと数日なんだな……。
そんな考えが頭をよぎった、卒業式間近の一日のことだった。