※この作品はR-18です。

IS(インフィニット・ストラトス) 楽しく過ごしたい転生者   作:ナハト・リコリス

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今回からサブタイトルを書こうと思います。
トーナメントですが、展開はオリジナルにしています。
それとISでは結構な長文になりました。

感想で指摘があったので、修正してみました



それとですが、お気に入り登録が600件を超えていたので、作者も驚いています


第22話 トーナメント開催。そして・・・

そしてついに学年対抗トーナメントが開始された。

私とシャルロットの第一試合の相手は『織斑春樹・篠ノ之箒』ペアだった。

ちなみにだが1年の部で一回戦第一試合というものだった。

 

だがこの第一試合、私達にとっては余裕とも言えるものだった。

何しろ白式を纏った織斑と量産型の打鉄を纏った篠ノ之なのだが、二人とも近接特化なのが理由だ。

一応篠ノ之は少しだが射撃武装を登録していたものの、全然扱えておらず、全然敵にならなかった。

 

シャルロットが織斑を、篠ノ之は私が相手にしたのだが、全然二人とも相手にならなかった。

シャルロットは自分の戦いを上手く行い、私は面倒だが『蒼天』や『隠』を使用しないで戦った。

 

実は第二回戦の相手は問題の『ラウラ・ボーデヴィッヒ』のペアだったため、追加武装を展開して戦うのはしないで置いたのだ。

シャルロットにも同様に彼女の機体に有る『切り札』を切らないように言っておいた。

 

最終的には私達は一撃も相手からダメージを貰わないで、武器等でのエネルギー消費だけで終わった。

私は篠ノ之に対しては剣術だけで相手をしてやったが、人をボコボコにするような感じの剣には私からすれば余裕で対処できた。

試合が終わった後私を思い切り憎悪を含んだ瞳で私を見ていたが、馬鹿馬鹿しいと思いながらアリーナから出て行った。

おまけにこの試合の間中織斑に関しては私達に対して不快感たっぷりで行なってきたので、それなりにボコボコにしてやった。

 

 

そしてお昼から第二試合が始まった。

ラウラのペアは織斑が原因で友人が少なくなっていた神城さんだった。

実はペアを組めない人間がいた場合抽選できます事になっているのだが、後で聞いたらこの二人だけだったらしい。

 

試合会場のアリーナで白銀を纏った私、ラファールを纏ったシャルロットのペアと、ドイツの第三世代型のIS『シュヴァルツェア・レーゲン』を纏ったラウラ、量産型のラファールを纏った神城さんが距離を開け、アリーナの中央付近で私達は開始の合図を待っていた。

 

試合開始の合図がなる前、私とラウラは開放回線(オープンチャンネル)で話をした。

 

「まさかあの程度の腕だったとは、あの程度の実力で教官の弟だとはな」

 

「まぁ仕方ないんじゃないの?ISの運用時間やそれに伴うさまざまな訓練もしてないし、あいつをコーチする人も少ないんだもの。あの程度でも仕方ないでしょ?あとは相性が悪かっただけよ」

 

私は会話をしながら、ラウラがセシリアや鈴をボコボコにした理由を思い出していた。

ラウラは当初二人は春樹の女と勘違いしたらしいのだ。だがしかし、話していて違うと分かった瞬間統夜の事を何も知らないのに、統夜を馬鹿にするように色々と言ったらしい。

その内容を聞いて私もシャルロット、そして簪や刀奈も怒っていた。

 

彼女は統夜が金持ちの養子になったボンボンだと言ったのだ。そしてセシリアや鈴を、その金と家等を目的として存在だとも言ったのだ。

同時に統夜が外出している事を、会社方面を理由に自分と戦う事から逃げた臆病者と罵ったのだ。

 

セシリアも鈴もその言葉にはキレた。

何しろ統夜はシャルロットを助ける為の処置が完了したという連絡が最近きたのだ。

だがしかし、フランス政府の要望により不動研究所のフランス支店として、デュノア社を建て直す為に今は色々とやっていると連絡を貰い、そのため帰るのが遅くなると聞いていた。

おまけに麻薬製造の部門や色々と問題とも言える部署等も調べているらしく、何日も徹夜しているとも言われた。

 

何も知らないで、ただ自分が調べた情報だけで大切な人を見下したこの子を許すつもりは無かった。

 

「それはそうと、統夜の事を何処まで知っているの、あなた?」

 

「ああ、あの男のことか?それなりに調べたら色々と出て来たぞ。それがどうした?」

 

「私にとって大切な人を侮辱した罪、絶対に許さないわよ」

 

「ふん。私と戦う事から逃げた臆病者を庇うか。貴様もあの種馬の何処がいいんだ?」

 

流石にこれでもう私と、会話を聞いていたシャルロットの頭からはラウラに対しての『容赦』の文字は完全に消えた。

私は試合開始のカウントが始まった瞬間『蒼天』を装備し、試合開始と同時に『白銀・蒼天』でラウラに向かった。

 

ラウラのISに装備されているのは『AIC』と言われるもので、これは正式名称『アクティブ・イナーシャル・キャンセラー』の略で、別名『慣性停止能力』と言われるものだ。

これはISに使われている『PIC』、正式名称『パッシブ・イナーシャル・キャンセラー』と言うものを利用し、ISは浮遊・加速・停止を行なっている。

 

『AIC』はこの原理を応用した品物で、織斑が使用している白式の『零落白夜』や、統夜のファイバードの『フレイムアップ』のようなエネルギー消滅武器とは相性が悪い。

だがしかし、それは『武器に付加されているもの』であって『使用する為の腕や足』に関しては有効なのだ。

 

私は先制攻撃を仕掛けたが、手や足をAICで止められた。だがしかし、これは元々想定範囲内なのだ。

動けない私に大型のカノン砲を発射しようとしたラウラだが、この戦いはシングルではなくタッグなので、ペアであるシャルロットが私の頭上から現れ攻撃を行い、そしてラウラの攻撃は外れ、シャルロットが追撃してきたためラウラは後退して迎撃に当たった。

 

同時に動けるようになった私が実体シールドを持った神城さんがラウラの援護でシャルロットを攻撃をしに来たが、私は素早く移動しながら蒼天の専用装備である『グラビトンライフル』をバーストモードで発射して神代さんに攻撃をし、同時に距離を開けさせた。

ラウラも私が使う武装が増えた事に驚いていたが、蒼天の武装はこれだけではない。

 

私は前でシャルロットが戦っている背中に向かって右腕を伸ばし、同時に脚を固定させた。

そしてシャルロットの背中に向けてドリルを展開した右腕を『飛ばした』。

シャルロットもすぐさまその場で宙返りをしたため、シャルロットに攻撃をしようとした神城さんは流石のこの攻撃には驚き、同時に私は右腕を飛ばした後すぐに左腕も飛ばし、最初のドリル攻撃を喰らった神代さんに追撃で来た左腕の鉄拳でシールドエネルギーを大幅に消耗させた。

 

その後素早く飛ばした両腕を回収した後、私はラウラに向かって行った。

実はラウラと戦う事になった時から最初から作戦を立てており、ラウラは私が基本相手にする事にしていたのだ。

作戦内容自体は凄く簡単で『最初にペアである神代さんを倒す』と言うものなのだ。

 

実はラウラの実力は同じ学年と言う枠にはめ込めば、上位に入るほどの強さだろう。

だがしかし、彼女の戦闘に関しての実力は軍人としてなのか『一対多数』に特化しており、今回の

ように『自分が複数の敵と戦う』事に関しては想定していない感じになっているのだ。

 

彼女の場合『共に戦う仲間=不要』と言うような感じの思考で、ペアの神代さんに関しては自分の戦闘の邪魔をしなければいい程度にしか思っていないと思ったのだ。

だからこそ、私達はラウラに対してはコンビネーションによる攻撃を選択したのだ。

そのためにはペアである神城さんを早期に試合から退場してもらう必要があったのだ。

 

私は胸のエンブレム部分から出せる剣である『グラビトンソード』を展開し、ラウラに近接戦を挑んだ。

ラウラも両腕にプラズマ手刀を出し、私達は何合も切りあいをした。

ラウラの左右から放たれる斬撃と突撃を混ぜた攻撃を、私は上手く対処しながらラウラと戦った。

 

ラウラも私とシャルロットがコンビネーションで攻めている事は分かってきているので、私に攻撃しながら装備されている六つのワイヤーブレードを上手く順番に射出と回収を上手く使い、シャルロットからの援護を邪魔をしつつ、私に攻撃をしてきていた。

 

私達はプライベート・チャンネルで当初の作戦のまま実行する事にした。

シャルロットは今回コンビを組んで分かったのだが、彼女の最大の特徴は『器用さ』が凄く高いのだ。

 

彼女は当初私も射撃関係のイメージが高かったのだが、格闘等もそれなりにこなせ、しかも『高速切替(ラビット・スイッチ)』と言われている武器の変更速度が早いため、素早く状況に応じた武器を展開するのだ。

押しても引いても一定の距離と攻撃リズムを保ち、攻守とも高いレベルであるため突破するのは容易ではなく、彼女は『砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザード)』と呼ばれる戦法を得意としているのだ。

 

シャルロットとコンビを組むにあたり模擬戦をしたら、3回ほどして彼女には1回しか勝っておらず、私の場合戦ったさい危ない部分もあったが機体性能に助けられている部分もあるため、もっと強くなりたいとも思った。

 

だがしかしだ、この戦法を取る以上私はラウラと一対一で相手をしなければいけない。

私はラウラを相手に近接での攻撃を行なうのだが、プラズマ手刀+ワイヤーブレードという多数の攻撃を一人で防がなくてはいけない。ラウラは軍人であるため近接格闘はただの一般人よりも高いし、基本一対一で挑む相手ではない。

私自身刀奈のおかげもありそれなりに近接格闘戦の技術も上がっているが、それでもキツイのがある。

 

だがしかし、彼女に勝つためにはどうしてもこれ以外の手段は無いのだ。

何しろ距離をとり過ぎれば大口径レールカノンによる攻撃が、しかもそれよりも前ならワイヤーブレードでの攻撃により、手足を絡め取られて拘束されて投げられたり、拘束されてカノン砲で撃たれれば負けに近づいていく。

そのため近接での攻撃だけが現状彼女を何とかする方法なのだ。

 

そのため零距離で私は手に持った剣や両手、両足での格闘戦術を行い、ラウラからのワイヤーブレードとプラズマ手刀による猛攻を防いでいった。私はシャルロットが何とかしてくれると信じ、勝つための時間稼ぎを何とかして稼いでいった。

だがしかし、ラウラがプラズマ手刀を消したので、危険と思って離れようとしたのだがもう遅く、私はAICによって捕まってしまった。

 

「では・・・消えろ」

 

私を捕まえた瞬間ラウラは六つのワイヤーブレードを射出し、その結果ISの装甲の三分の一くらいが削られ、最悪な事にシールドエネルギーが半分くらいにまで削られた。

さらに右手をワイヤーブレードで拘束され、そのままねじ切るように回転を加えられ、床に叩きつけるように投げられた。

 

「がはっ!」

 

流石の私もこの衝撃には耐えられず、呼吸が一瞬詰まった。

すぐに体勢を立て直さないといけないと思ったのだが、ラウラは大型レールカノンの照準を合わせ終わっていた。

レールカノンから放たれた砲弾がまるでゆっくりとスローモーションのように感じながら、放たれた砲弾の種類が対ISアーマー用特殊徹甲弾だと気付いた。

 

何しろこの砲弾は当たり所が悪ければ一発で勝負がついてしまうほどの品物である。

しかし放たれた以上回避するかどうかしなければいけないのだが、回避できるような状況でもないので、私はすぐさま脚部に有るミサイルとバルカンを使用して砲弾を迎撃した。

 

「なにぃ!?」

 

流石にこんな場所に武装が隠されているとは思っていなかったらしく、砲弾は私とラウラの中間地点で爆発した。

そのさいに発生した爆風で私達はお互いに後退し、同時にシールドエネルギーを消耗した。

 

同時に私は気付いていなかったのだが、右腕にまだ絡まっていたワイヤーブレードが一つだけ存在していたのか、さっきのラウラの攻撃を回避する為にした行為で、ワイヤーを切り裂いていたらしく、さっきまでいた場所にワイヤーが落ちていた。

 

「お待たせ!」

 

同時に私がいる隣にシャルロットがやって来た。

そして私は神代さんを聞いたところ、シャルロットの向けた視線の先を見た。

そこにはアリーナの隅でISのシールドエネルギーが『0』になり、ISの各部損傷が甚大な状態でいる神城さんが膝をついていた。

 

「流石ね、シャルル」

 

「まあね。これで心置きなく」

 

「えぇ。反撃開始よ」

 

そう言って私達はラウラに向かって行った。

 

 

その後の展開は私達二人からすれば楽なものだった。

何しろラウラは私達のどちらかをAICで止めたりするのだが、基本AICは無敵ではない。

AICには致命的な弱点が存在するのだ。

それは『停止させる対象物に意識を集中させていないと効果を維持できない』と言うものだ。

 

つまりラウラがAICを使用して私達のどちらかの動きを封じても、片方が中・遠距離でラウラを攻撃すればいいのだ。

幾らワイヤーブレードの攻撃があるといっても、どちらかが距離をとってラウラを牽制しつつ、ワイヤーブレードの攻撃で彼女までの開いた場所を教えあったりし、着実にダメージを与えていった。

 

こんなある意味コンビネーションで出来るヒット&ウェイを繰り返していたため、ラウラの大口径レールカノンはちょっと前に轟音とともに爆散している。

そのため彼女はワイヤーブレードによる近・中攻撃とAICによる拘束、プラズマ手刀による近接攻撃しかなくなったのだ。

 

そして私は勝負に出るため一度距離をとり、胸部分の一部がスライドし、武器として機能する『グラビティクレッセント』を用意し、それをシャルロットに攻撃をしていたラウラに向けて投げた。

ラウラはその攻撃をすぐさま気付いて回避し、攻撃して来たのが私だと気付いて近づいてAICで私の動きを封じた。

 

「貴様の攻撃が外れ、動けない以上貴様はこれでお仕舞いだ!!」

 

「ええ、貴方がね」

 

私がそう言った瞬間、ラウラは後ろからの攻撃を喰らい、ワイヤーブレードを発射している部分が破損した。

そして私は投げてかえって来たクレッセントを手に持ち、そのままラウラに向けて振り下ろした。

 

「くっ」

 

そう言って素早くラウラは私の攻撃範囲から逃げた。

そう、このグラビティクレッセントはブーメランとしての機能を持っているため、投げた後かえって来るのだ。

ラウラもまさか私が使用したのがブーメラン系の武器とは思わず、ダメージを追ってしまったのだ。

私はクレッセントを元に戻すと同時に、ラウラの前にシャルロットが瞬時加速(イグニッション・ブースト)でラウラに近づいた。

 

「なっ・・・・・・!瞬時加速(イグニッション・ブースト)だと!?」

 

ここに来て初めてラウラが狼狽した。私自身シャルロットに模擬戦で使用したものの、事前データには一切ないので、私もこれには驚いた。

 

「今初めて使ったからね。上手くいったよ」

 

「な、なに!?・・・・・・まさか実戦で始めて使用したというか!?」

 

流石のこれには私も驚くしかなかった。何しろここまでくればシャルロットの『器用さ』は完全に言って一つの技能、ともすればワンオフ・アビリティーに匹敵するほどの物だからだ。

まぁ同時に私はシャルロットクラスのIS操縦者を手に入れれたので、味方でよかったと思った。

敵であるならシャルロットに勝つのは私や統夜でも物凄く難しいと言えるので、ほんとによかった。

 

だがラウラもAICでシャルロットを拘束するが、私は精密射撃状態にしたグラビティライフルでラウラのAICの発生を邪魔した。

ラウラも受けるダメージと私の射撃能力で私より、先に倒す相手を第二世代の機体を使っているシャルロットにした。

ラウラはシャルロットの機体で第三世代である自分の機体は落とせないと思っているのか、私には目を向けなかった。

 

だがしかし、それこそが間違いなのだ。

 

「これで間合いに入る事ができた」

 

「それがどうした!第二世代型の攻撃力では、私のシュヴァルツェア・レーゲンを墜とすこなど―――」

 

そこまで言ってラウラはハッとした。

そう、単純な攻撃力だけなら第二世代最強と謳われた装備がある事に気付いたのだ。

 

「悪いけど、雪子から頼まれた不動研究所からの特注品だよ」

 

「たっぷりと味わいなさい、ラウラ・ボーデヴィッヒ!!」

 

シャルロットの左腕のあるシールドと一体化した腕部装甲に隠されていた存在が現れた。

 

元々シャルロットの左腕には第二世代最強と謳われた69口径パイルバンカー

『灰色の鱗殻(グレー・スケール)』、通称『盾殺し(シールド・ピアース)』が装備されていた。

だがしかし、私がそれを知ってすぐさま不動研究所に連絡をしたのだ。

 

実はこのパイルバンカーを強化発展させた存在があることを思い出したのだ。

そしてこの学年別トーナメントの二日前に届き、シャルロットに渡して装備させたのだ。

シャルロットも喜んで嬉々としてこの武装を装備していたのが今でも覚えているが、逆に渡して良かったのかと思ったくらいだ。

 

ラウラも不動研究所の武器と知り、必死の形相で攻撃を阻止しようとするが、間に合わなかった。

不動研究所はゲシュペンスト以外にもロマン系の武器でそれなりに知られているからだ。

 

「これで終わりだよ。マグナム・ビーク!!」

 

 

ズガンッ!!!

 

 

「ぐううっ・・・・・・!」

 

ラウラの腹部に三連装パイルバンカーのマグナム・ビークの強力な一撃が叩き込まれた。

ISのシールドエネルギーが集中した事もあり、絶対防御を発動して防ぐものの、エネルギー残量はごっそりと奪われた。

しかも相殺しきれない衝撃が深くラウラの身体を貫き、ラウラは苦悶の表情を浮かべた。

 

だがしかし、ラウラの不運はこれで終わらなかった。ラウラに打ち込まれたマグナム・ビークの先端部が外れ、先端部に内蔵されていた弾薬が爆発して追撃のダメージが決まった。

もうこの瞬間にはラウラが装着しているISからは紫電が走り、IS強制解除の兆しが出ていた。

ラウラ自身も前と後ろからの衝撃で思い切り苦痛の表情を浮かべていた。

 

 

・・・だが次の瞬間、異変が起きた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

(こんな・・・・・・こんなところで負けるのか、私は・・・!)

 

確かに相手の力量を見誤った。それは間違えようのないミスだ。しかし、それでも―――

 

(私は負けられない。負けるわけにはいかない・・・・・・!)

 

ラウラ・ボーデヴィッヒ。それが私の名前。識別上の名前。

 

 

一番最初につけられた記号は・・・遺伝子教化試験体C-0037。

 

 

人工合成された遺伝子から作られ、鉄の子宮から生まれた。

 

そう、私はただ戦うためだけに作られた存在。

知っているのはいかにして人体を攻撃するかと言う知識。わかっているのはどうすれば敵軍に打撃を与えられるかと言う戦術。ただそれだけの為に生まれた。

生まれて訓練され、その全てで最高レベルを出し続け、優秀であるとされた。

 

だがしかし、最強の兵器でもある『IS』が現れ、世界が一変した。

 

そして私はISの適合性向上のため行なわれた処置である『ウォーダン・オージェ』で異変が生まれた。

 

『ウォーダン・オージェ』は擬似ハイパー・センサーとも呼ぶべきそれは、脳への視覚信号の爆発的な速度上昇と、超高速戦闘状況下における動体反射の強化を目的とした、肉眼へのナノマシン処置を指す。

そしてまた、処置をした眼のことを『越界の瞳(ウォーダン・オージェ)』と呼ぶのだ。

 

危険性は全く無く、理論上の上では不適合も起きない・・・はず、だった。

 

しかし、この処置で私の左目は金色へと変貌し、常に稼動状態のままカットできない制御不能に陥った。

この『事故』により私は部隊の中でもIS訓練において後れを取る事となった。

そして部隊のトップの座から転落した私を待っていたのは、部隊員からの嘲笑と侮蔑、そして『出来損ない』の烙印だった。

 

世界は一変した。―――私は闇からより深い闇へと、止まることなく転げ落ちていった。

 

 

そんな私が、初めて目にした光。それが教官との・・・織斑千冬との出会いであった。

 

 

私だけ特別に訓練を課したということはなかったが、あの人の教えを忠実に実行しただけで、

私はIS専門へと変わった部隊の中で再び最強の座に君臨した。

 

しかし、安堵はなかった。自分を疎んでいた部隊員も気にならなかった。

それよりもずっと、強烈に、深く、あの人に・・・憧れた。

 

織斑千冬のように、こうなりたいと思った私は教官が帰国するまでの半年間、時間を見つけては話をした。

いや、話などできなくてもよかった。ただ側にいるだけで、その姿を見るだけでよかった。

 

そして私はあるとき聞いたのだ。『どうしてそこまで強いのかと』、私は聞いてしまったのだ。

 

その時あの人は鬼のような厳しさを持つ教官が、わずかに優しい笑みを浮かべた。

私はその表情に何故だが心がちくりとしたのだ。

 

その時に私は教えてもらった。

教官には弟と、そして私よりも出来損ないであった『妹』がいた事を。

 

妹の方はもう死んだらしいのだが、弟は素晴らしいと言っていた。

そしてその弟を見ていると、強さの先にあるものが見えるとも言っていた。

だがしかし、そのときの教官は私の知っている教官ではなかった。

私の知る強く、凛々しく、堂々としている教官ではなかった。

 

だからこそ、私はその弟を認める事が出来なかった。教官にそんな表情をさせるその弟を。

 

そして私はその弟がISを動かせると知りIS学園に入った。その弟を絶対に敗北させると誓ったのだ。

私の力で完膚なきまでに叩き伏せると!

 

だがその弟は、この学園にいるもう一人の男性操縦者である不動統夜と言う男の女に負けた。

もう一人のISを動かせる男性操縦者と言う事で、その男をそれなりに調べたが、どう考えてもただの金持ちの養子になった存在でしかなかった。

そのうえ私が入学してすぐに会社の仕事を理由に、この対抗トーナメントにも参加しない『臆病者』だと思った。

 

だからこそ私はそんな臆病者の女でもあるイギリスと中国のを私の力で叩きのめし、そしてこの女も叩き伏せるつもりだった。

だがしかし、結果は私が負けていると言う事実だった。

 

だからそこ、こんなところで負けるわけにはいかない。私と戦う事をしない臆病者が好きな女などに

負けるわけにはいかない。

あの女はまだ動けるのだ。動かなくなるまで、徹底的に壊さなければいけない。そのためには・・・

 

(力が、欲しい)

 

ドクン・・・・・・と、私の奥底で何かがうごめく。

そして、そいつは言った。

 

『―――願うか・・・?汝、自らの変革を望むか・・・?より強い力を欲するか・・・?』

 

言うまでもない。力があるなら、それを得られるなら、私など――空っぽの私など、何から何までくれてやる!

だから、力を・・・比類なき最強を、唯一無二の絶対を―――私によこせ!

 

 

Damage Level ・・・・・・ D.

 

Mind Condition ・・・・・・ Uplift.

 

Certification ・・・・・・ Clear.

 

 

 

《Valkyrie Trace System 》・・・・・・ boot.

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「あああああああっ!!!」

 

突如、ラウラが身が裂けんばかりの絶叫を発した。同時にシュヴァルツェア・レーゲンから激しい電撃が放たれ、シャルロットの体が大きく吹き飛ばされた。

そして私は吹く飛んだシャルロットを救助し、ラウラの方に視線を向けてみると目を疑った。

 

ラウラが・・・そのISが変形していた。

 

いや、変形などという生やさしいものではなかった。装甲をかたどっていた線は全てぐにゃりと溶け、どろどろしたものになり、ラウラの全身を包み込んでいった。

そしてラウラは黒い、深く濁った闇のような物に飲み込まれていった。

 

流石の私もこの現象が一体何なのか、判らないでいた。ISは基本『変形』はしない。

厳密には、できないと言った方が正しい。

ISがその形状を変えるのは『初期操縦者適合(スタートアップ・フィッティング)』と『形態移行(フォーム・シフト)』の二つだけしか存在しないからだ。

使用するパッケージ装備によって多少の部分的変化はあっても、基礎の形状が変化する事はまず無いのだ。

 

私達の目の前で起きている現象は、一度ぐちゃぐちゃに溶かしてから再度作り直す粘土細工のように見えた。

 

私達は武器等は展開せず、その現象が収まるまで見ていた。

そしてシュヴァルツェア・レーゲンだった物は、今は黒い全身装甲(フル・スキン)のISに似た『何か』になった。

だがしかし、私はその『何か』が持っている『武器』を見て、唖然とした。

 

その『何か』が手に持っている武器は、私が一番決して見間違うはずの無い『雪片』だったのだ。

そう、元姉である織斑千冬を最強と謳わせた武器にして、織斑春樹の白式に装備されている『雪片弐型』の原型ともいえる物。

それを装備した『何か』がアリーナの中央で微動だにしないで、立っていたのだ。

 




一回戦に関しては書くのが面倒だったのですが、基本シャルロットは切り札を使用しないでのボコりを、雪子も剣術と使用する武器の特製を上手く使用しての勝利です。

次でラウラとの戦いも終わりにする予定です。

ちなみにシャルロットの新武装マグナム・ビークですが、スパロボOG2で出たオウカ・ナギサの専用機『ラピエサージュ』に付けられている武装です。
トドメの爆発に関しては、戦闘シーンで爆発しているので使いました。

あと、戦闘描写は難しいですね
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