IS(インフィニット・ストラトス) 楽しく過ごしたい転生者 作:ナハト・リコリス
フジパンホンジコミさんからもちゃんとクロスの了承を受けて投稿しております
第26話 平行世界の住人との会合
先月の学年別トーナメントが終わり、月はもう七月になりかけていた。
俺は補習と言う名目であの織斑千冬と何度か戦闘訓練をする羽目になったのだが、人を見下した目をしているあいつと訓練するだけでもうっとしい上に、連絡もしないで簪のISの開発の手伝いにも出なかったため、結構きついのだ。
とは言っても、数日前に織斑先生との訓練と言う名の俺への虐めは終わったので、現在は簪の手伝いをしている。
だが俺自身結構精神的にも肉体的にも限界が来ていた。
何しろシャルロットを救済する為だったとは言え、そのせいで織斑先生との戦闘訓練が休憩込みで2時間ほど、そこに簪の手伝いに加え、刀奈が余りにも仕事をしていなかった為その仕事の処理、さらには不動研究所フランス支店としたデュノア社は名前を変更して、新たに『テアトル・シャノワール(フランス語で《黒猫》と言う意味)』と言う名前にしたので、それに対する書類が山のように出て来たので、溜まった物ではないのだ。
実は当初はフランスの方は日本の研究所と違い、デュノア社のビルを色々とリフォームした後、デュノア社時代からの名残であるISの兵器製造部門だけを残そうと思ったのだが、フランス政府からの要望でIS開発部門も残す羽目になったのだ。
これには当初の約束と違うと文句を言ったのだが、フランス政府も新型のIS開発が欲しいらしく、思い切り頼まれたのだ。
そのため流石の俺も書類の量関係で仕方が無いと諦め、開発部を残す事にした。
現在フランスではデュノア社が製造していた《ラファール・リヴァイブ》のデータを元に機体の設計コンセプトとアルブレードやゲシュペンストのデータを流用しつつ《ストライクインパルス》と言う名前で新型機を作成している。
とは言ってもだが、出すのは今の世の中は第3世代が主流なため出すのは後1・2年先になる予定だが、ラファールの特徴を受け継いだ物を開発している。
そうなればゲシュペンストと違ってラファールよりの機体だから受けはいいだろうと思うし。
そして今何をやっているかと言うと、俺・雪子・刀奈・簪の四人で外出し、そしてかすみと一緒に不動研究所のIS訓練施設に来ていた。
実は雪子の白銀のちょっとした強化と、簪と刀奈の二人には模擬線の相手兼簪は打鉄弐式の強化もかねておいているのだ。
それと同時にかすみに頼んで新たに新造のISコアを20個ほど作ってもらっており、現在家にあるかすみのラボで製造している最中で、現在10個ほどが研究所の俺の研究施設に置いてある。
元々ISコアの新造はするつもりは無かったのだが、織斑と一緒にいる篠ノ之、そしてデュノア社で製造されていた特殊な覚醒剤である《サタン》の発見が原因で、これ以上は俺でも周りにいる人を守れる可能性が低いと思ったからだ。
そのため今回新たに製造しているISコアに関しては10個を念のための予備として置いておき、10個を利用して俺・雪子・セシリア・鈴・シャルロット・ラウラ・刀奈・簪の計8人に対して、俺が現状考えている最強のISの特殊装備として製作しようと思っているのだ。
セシリアにはイギリス政府を通して新たに開発したビーム・実弾を切り替えて使える《オクスタンライフル》を提供しており、これに関しては不動研究所とイギリス政府が運用データを取る事ができるようにしておいた。
向こうも新兵器をくれた事を感謝しており、同時にこれを専用装備にしようかと言っていたほどだ。
それはさておき、簪の打鉄弐式は協力のかいあって機体自身はそれなりに出来たものの、プログラム方面はまだまだなのだ。
特に打鉄弐式の最大の特徴である《山嵐》によるマルチロックオンシステムによるミサイル攻撃のデータが未だに不完全なのだ。
機体の機動データに関しては俺・雪子・刀奈のデータを取り入れているためそれなりにいいのだが、プログラムに関してはまだまだなのだ。
また飛行用のデータ等の運用もあるため足りない事尽くしなのだ。
それと同時にだが、簪には事情を説明したのだが、打鉄弐式の開発・運用に対しての全権を元々開発していた倉持技研から買い取り、こちらで開発・運用をしてもいいようにしておいたのだ。
これに関しては簪が驚いていたが、元々開発しておきながら他の方面に全てを出してしまい、ISの完成を放置した倉持技研が悪いうえに、操縦者である簪に対しての支援系も余り出来ていない為、その点を追求してこちらで買い取ったのだ。
そのため現在は簪の機体を軽く運用して調べた結果、搭載している背中に搭載されている2門の連射型荷電粒子砲《春雷》を外し、他の武装で補うよう使用かと思っている。
ここには雪子と刀奈、かすみの三人は雪子の新型武装で、白銀の装甲に追加した武装を使用し、白銀の専用パッケージ使用禁止での模擬戦を別の場所で行なっている為、この場所には俺と簪しかいない。
「でもなんで春雷を外すの?攻撃力の面で言えば春雷は必要だと思うんだけど?」
「一応運用データからの算出でなんだが、山嵐の完全使用を考えたら荷電粒子砲みたいな馬鹿みたいに消費がでかいのはなぁ。だから消費の少ない武装にしようと思ってるんだ。それ用に色々と武装もあるが、それかこのデータを付加させると言うのも一つなんだ」
そう言って俺は持っている端末を簪に見せた。
そこにあるのは全身装甲型のゲシュペンストと似たフォルムをしているが、色々と違うゲシュペンストが映し出されていた。
「これは?ゲシュペンストみたいだけど?」
「俺がファイバードを使う前に使用していたゲシュペンストのカスタム機で、《ゲシュペンスト・タイプRV》だ。とは言っても、公式の試合とかには出せない武装を積んでいるから、データ流失をしないようにしたこれにしかデータは無し、機体本体も俺でなきゃ開けられない秘密の場所に隠している」
「??公式の試合に出せないってことは、まさか対IS用の武装を搭載しているの?」
「ああ。正確には操縦者を傷付ける武装じゃなくて、相手には普通のISでの戦いのダメージ与えると同時にISのシールドエネルギーを吸収し、自分のエネルギーに変換する《ヴァンピーア・レーザー》を装備してるんだ」
俺がそう言うと簪も納得した。何しろダメージと同時にシールドエネルギーを奪われるのだ。
相手からすればこれほど嫌なものはないだろうし、公式の試合では使用できるものではない。
「あぁ。でも《ヴァンピーア・レーザー》以外の武装は簪の弐式にも使えると思うし、ゲシュペンスト改も考えてあるんだが、データとして渡すのもちょっと色々あってな」
「あら、それってどういう事なの?」
顔を上げるとそこには別の場所で模擬戦をしていた雪子と刀奈、そして機体のチェックで行っていたかすみが帰って来ていた。
俺はゲシュペンスト改のデータを刀奈と簪に見せた。
ゲシュペンスト改は標準・近接特化・砲撃特化の三つの形態を持っており、しかも装備されている武装は後付ではなく機体に装備されているので、データを見た二人はこっちの方が良いかもと言ってきた。
ちなみに刀奈にもタイプRVのデータを見せた為、ゲシュペンスト改の方がいいと言った。
「でもなんで、このデータはダメなの?」
「そうねぇ。基本データを見た限りだとRVよりもこっちがいいと思うんだけど?」
「ゲシュペンスト改は新たな訓練及び国防機としての量産型として考えているんだ。おまけに一部第3世代系の武装を装備しているから、今の状況で出すのを躊躇っているんだ。簪の機体を考えるならゲシュペンスト改の方がいいんだが、後々を考えるとタイプRVのデータを使うのがいい気がすんだ。それはそうと雪子、新しい白銀の感じはどうだ?」
俺がそう言うと、雪子は微妙な顔をした。
「模擬戦の相手が楯無さんだからあれだけど、膝部分につけた『サンダーエッジ』は使え難かったけど、相手と状況によっては使えると思う。あと右手に装備した剣・銃・盾の三つの要素を持ってる『Gブレイガン』は使いやすかったわ」
それを聞いて俺は安心した。
実際白銀はパッケージを装備しなければ手持ちの武装が少ないので、白銀自身の改良しようと思っていたのだ。
そこで考えたのが白銀の所持武装案で、膝部分の《サンダーエッジ》は回転ノコギリで、右手に装備した《Gブレイガン》も雪子のIS学園での戦闘運用を考えてかすみに造ってもらっていたのだ。
前にシャルロットを連れて来た時には出来ていなかったのもあったため、簪のと一緒に強化と受領をしに来たのだ。
そして俺達は外出届を明日の晩までとっており、雪子や簪の機体調整等で三時頃になってきていた上に、すること事態はもう無いので、これでお開きにしようかと思っていたら、俺は顔を上げたとき、俺達がいる場所の1・2m先の空間が《歪んだ》。
「皆、目の前を気をつけろ!!何か空間が可笑しいぞ!?」
俺はそれに気付いた瞬間そう言い、雪子達も俺が見ているものを見て俺の周囲に来た後、かすみを除く全員がISを展開した。
簪に関しては飛行等に問題があるものの、地上で動かないで武器を放つくらいなら大丈夫なのだが、俺達は目の前の空間の歪みから何が起きるか分からないため、武器の安全解除は念のためしないでおいた。
もしも目の前の歪みに飲み込まれるような事態になった時、武装を解除していて無駄な弾薬やエネルギーの消費を避けたいからだ。
そして目の前の歪みから三人の人間が出て来た。
だがしかし、その三人を見て俺達は驚いた。
何しろそこにいるのは、IS学園服を着た刀奈と簪、そして《男》IS学園の服を着た雪子?だったのだから。
そして向こうの方の雪子?も、ISを纏っている雪子の顔を見て思い切り驚いていた。
まぁ向こうの刀奈と簪も驚いているが、一番驚いていると言う顔は男の雪子?だった。
これが俺と別の世界で生きている『亀山一夏』との最初の出会いであった。
俺達はISを一旦解除し、話しかけたところ大丈夫だったのだが、変な歪みが原因でやって来た三人と話をするため、俺は三人を連れて研究室に向かった。
その後名前を聞いたところ、刀奈と簪に関しては同じ顔をして同じ名前の人間がこの場にいる事になったが、男性姿の雪子?の名前である『亀山一夏』と聞いて俺達側の五人は唖然とした。
何しろ『一夏』というのは雪子の前の名前である為、俺はある可能性に気付いた。
流石にこれは無いだろうと思ったが、現状これ以外説明が付かなかったのだ。
「パラレルワールドからの来客者ってところか?」
「??どう言う事だよ」
「そのままだよ、亀山『一夏でいい』。じゃ、一夏。ここはお前達がいた世界じゃなくて、『もしも』つまり、『IF』の世界の一つなんだ。ちなみにだが、お前にそっくりな女の子だが、今は『風見雪子』って名前だけど、旧名は『織斑一夏』だ」
俺がそれを言った瞬間、向こう側の三人は滅茶苦茶驚いた顔になったのだが、一番がっかりしていたのは一夏だった。
しかもぶつぶつ何か言っているのだが、言っている内容が『悪夢が・・』とか『トラウマが・・』と言っていたので、罰ゲームか何かで女装でもさせられたのかと思った。
その後俺達は話を聞いたところ、IS学園で二人からIS教育を受けようとしたところ変な歪みに巻き込まれ、そしてらここに来ていたらしい。
俺自身これからどうしようかと頭を痛ませていたが。
今回は顔合わせ程度にしています。
それと『テアトル・シャノワール(フランス語で《黒猫》と言う意味)』ですが、これは作者が好きな作品から名前を拝借しました。
知っている人がいるのか実は気になります。
それと訂正しましたが、これは原作の3巻を見直したためです。
箒の誕生日を忘れてましたので