IS(インフィニット・ストラトス) 楽しく過ごしたい転生者 作:ナハト・リコリス
雪子 Sid
統夜とこの世界の私(一夏)が『ISバトルでの条件』で戦い、そして決着が付こうとしたその時、私達のいる管制室に電波妨害等が施され、同時に統夜達が戦っているアリーナのシールドを突破して『何か』が侵入して来た。
急にこんな状況になったので周りの人は一部を除いてパニックになっており、私はこれを行なった人物が誰だか分かった。
何しろこの世界の時間軸と私達の世界の時間軸は大幅に違うのと、こんな事件を起こす可能性が高い人物はこの世界では『たった一人』しかいないと思ったからだ。
「何か、知っているようだな?」
私に話しかけてきたのは、この世界の一夏の父親とも言える存在である『亀山玄武』さんだった。
だがしかし、私はその姿に精神的にというよりも、本能的に『死』に近い感じの恐怖を感じていた。
私自身が肌で感じる気配が、物凄い怒りを秘めているくらい感じているからで、同時に本能の部分でそう感じてしまうほどのものだったからだ。
私は自分に迫るかもしれない『死』の恐怖を感じながらも、私は話をした。
自分の世界でクラス対抗戦の時、IS学園のアリーナのシールドを破壊してやって来た『存在』と、そして私の世界でそんな行なったであろう存在を。
私の話を聞いて玄武さんは全てを理解した。
同時にその身に秘めていた怒気がその人に向かったので、私は冥福を祈る事にした。
それほどまでに私は目の前にいる人が恐ろしかったのだ。
「……篠ノ之束か」
「はい。理由は統夜の使っているISと、一夏が使っているIS。それと統夜が渡した20個の新造のISコアだと思います。こっちでも似たような事がありましたけど、こっちの首謀者は《GT》の可能性が高いので」
これを聞いて私達の世界とこちら側の世界の刀奈達姉妹は少し分からないと言う風な顔をしたが、それ以外の人達は分かった顔をした。
私は自分の世界で今の『かすみ』さんになる前の『篠ノ之束』の性格を知っている。
だからこそ、こんな事を起こしたあの人の理由は物凄く簡単で、そして同時に、最悪なほどに酷いものなのだ。
「なるほど。『自分以外のISコアを認めない』ですか。確かに最低ですし、まるで子供ですね」
さとりさんが頷きながらそう言ったので私は自分が思っている事を言われたので驚いたが、統夜から言われていたさとりさんの事を思い出した。
彼女はさとり妖怪と言う種族で、持っている能力は『心を読む程度の能力』といい、昔話で存在している『さとり』と同じ存在だと言われていた事を思い出したのだ。
さとりさんも私の心を読んだのか、ニコッと笑っていた。
だけど、亀山さんと紫さんは違った。
紫さんは目を瞑り、まるで何かに集中するような感じになり、亀山さんも同じように集中するような感じになった。
「飛鳥・フー・竜也、お前達は一夏達の援護に迎え。中にいる2機はあの二人で大丈夫だろうが、3体ほど同じような無人機がこっちに向かっている。簪ちゃん達はアリーナまでの道を作ってくれ」
そう言うと私は亀山さんに許可を貰って白銀・隠を展開し、二人の簪の協力のもとシステムの奪還を試みた。
時間は掛かったが管制室の扉を開放すると三人は飛び出していき、そしてそれから少しした後紫さんは亀山さん近づいて小声で何かを言った後、亀山さんは頷き『ここは任せた』と言って紫さんと一緒にスキマの中に消えて行った。
私は統夜の元に行きたいと思う反面、この世界の篠ノ之束を許さないと心に誓いながら、束さんが原因でダウンしているシステムを取り戻して統夜の元に向かう為に、今私が出来る最大の事を行なった。
何しろシステムを取り返してもすぐさま乗っ取ろうとしてくるため、統夜の元に行きたいのだが行けないのだ。
雪子 Sid
さて、その頃アリーナでいる俺達はというと、敵の攻撃を回避しつつ、チャンスを狙っていた。
「それにしてもよくもあんなに撃てるな。エネルギーは大丈夫なのか、あれ?」
「大丈夫だろ?俺達の世界で鈴の話を聞いた限りでの無人機と違って多分相手は試作機だ。エネルギーは正式採用されているのよりも多分多いし、会話してる俺達にも攻撃してるからな。本来ならカモだぞ、あいつ等」
「こっちもラストでのエネルギーの譲渡が無ければ余裕だろうけど、こっちもきついからなぁ」
俺達はISのプライベートチャンネルを使用し、お互いに情報を交換しながら敵の攻撃を回避していた。
相手は確かに強力なビーム兵器を搭載しているが、俺はISでの運用経験の多さで、一夏は実戦経験を理由に相手の攻撃を回避しつつ、チャンスを狙っていた。
実は一夏の持つ破山剣なら敵無人機ISのISコアごと一撃で破壊できるだろうが、それは一対一の状況下での話で、向こうの2機はお互いに距離をとりつつ俺達に攻撃をしてきているため、残ったエネルギーを考えても一夏の攻撃では一機は破壊は出来ない。
逆に俺の機体ではISコアのある場所を正確に攻撃しなければ破壊は出来ないうえに、これまた一機しか破壊できない。
つまり相手の一機を完全に機能停止させるにはもう一機が邪魔であるため、そのため俺達は攻め難くなっていたのだ。
本来なら一夏は虎龍王に転身し、虎龍王のスピードで片をつけれたであろう。
俺もグランバードに変更し、マックスアーマーを使用すればビーム兵器のエネルギーを吸収し、相手を破壊できただろう。
だがしかし、俺達の機体は今使っているファイバードと龍虎王以外になる事は出来ないのだ。
実は最後の決着をしようとしたせいで、俺のグランバードは起動すらできない状況で、一夏も虎龍王に転身する事も、雀武王になる事はできなくなっているのだ。
また同時に俺達は武装として展開したフレイムソードと破山剣には大量のエネルギーを収束させていた事もあり、武器に収束させたエネルギーを元に戻して還元すると言う事も出来ないため、武装を解除もできないと言う悪循環のような感じになっているのもあるのだ。
だがしかしだ、所詮は『機械』でしかなかった。
俺達は相手の攻撃を回避しつつ、2機の特性を掴んできたので、一撃でこの2機を破壊しようと思っていたのだ。
そしてそのチャンスがやってこようとしていた。
「一夏、頼むぞ」 「おう」
そう言って俺は『足』を止めた。
このような状況下で足を止めるのは自殺行為に等しく、普通はしない。
だがしかし、今の俺には頼れる存在が近くにいるため俺は足を止めたのだ。
俺が足を止めたのを見て素早く2機の銃口が俺のほうに向いたが、俺は『囮』なのだ。
「顕現!無敵青龍、龍虎王!!」
俺のちょうど反対側にいた一夏からそんな声が発せられた。
そこには龍虎王の翼が大きく広がった状態で立っており、そして落ちて来た稲妻が俺を攻撃しようとした無人機2機を捕らえた。
そう、これが俺と一夏で考えていた2機を纏めて葬る方法なのだ。
一夏の持つ能力と龍虎王の持つ技の二つを合わせて造り出した稲妻は無人機の機能を一時的であるが停止させた。
俺はそれを確認すると素早くフレイムソードを前に突き出し、動きが止まっている2機に向かって加速し、2機の中心部分を串刺しにした。
そして俺はそのまま2機を串刺しにしたまま一夏の方に向かって行った。
一夏の方も俺を待ち構えるように破山剣を構え、俺は一夏の持つ破山剣が一夏側のほうになっている無人機が刺さったと思った瞬間、剣を抜いてその場から離れた。
「龍虎王が最終奥義、龍王破山剣……逆鱗断!!!」
一夏が破山剣を巨大化させて2機を大きく自分と離した後、破山剣を振り下ろした。
その瞬間俺達を襲って来た2機の無人機は真っ二つにされたが、だが2機ともまだ俺達に攻撃をする感じになっていたのだが
「「男の戦いを邪魔すんじゃねぇ!このクソ野郎が!!」」
そう言って俺達は武装を破壊し、無人機をさらに横一文字に切り裂き、そして俺達を襲った無人機は爆発して消えた。
無人機を倒した俺達は一息ついた。
実はシールドエネルギーはお互いに一桁台で、逃げるだけでも大変だったのだ。
しかも相手を確実に倒そうとも思っていたので、結構集中していたのもあり、疲労はたっぷりしていたのだ。
俺達は無事を報告しようと通信をしようとしたら『未だにできなかった』。
俺達はそれを知った後、背後からの攻撃を知った。
だがしかし、ただでさえお互い全力勝負をし、しかもその後一発でも当たったら最後のようなビーム攻撃を回避しつつ、トドメを指した俺達の体は極端に疲労していたため、背後からの攻撃を知って回避しようとしたが、完全には回避で攻撃を喰らってしまった。
その結果俺達のISは強制解除され、そして俺達が後ろを見ると、さっき倒した無人機と似たような感じのが『3機』もそこにいたのだ。
しかも最悪な事に3機ともがISが解除された俺達に銃口を向けてきており、俺達は疲労とさっきのダメージで身体が上手く動けない状態になっていた。
そして銃口からビーム攻撃が放たれた瞬間、俺達は『死』を意識した。
だがしかし、そうはならなかった。
突如別の方向から現れた『鳥の形をした炎』がビームに当たって爆発し、俺達は生きていられた。
そしてその炎が出た方向を見てみると、飛鳥さん・フーさん・竜也さんの三人が立っていた。
そして次の瞬間、三人は無人機に向かって走ると『一撃』で3体の無人機を一瞬の内に破壊した。
しかも俺達が条件付とは言えてこずった相手を一撃で木っ端微塵に、である。
流石のこれには俺も一夏も何も言えなくなったが、逆に俺達が最初に出た2機で苦労したのは何だったのだろうかと思ってしまったほどであった。俺達はその場で『Orz』の状態になってしまい、刀奈達が来て励ましてくれるまで俺達は意気消沈していた。
逆に俺達二人が内心思っていたのは一つだけで、『次は絶対にこうならないようにしよう』と思い、俺と一夏はこれまで以上に修行に力を入れるのはまた別の話である。
束 Sid
私は最後にはなった無人機からの映像を見て、本能レベルで逃げようと思った。
「何で、何で、何であんな真似ができるの。あいつ等は『人間』じゃない。……『化物』」
ISに使われている装甲は合金でできている。
元々『宇宙開発』という名目で私が作り出したこともあり、それなりの強度を誇ってはいる。
だがしかし、あの三人はその合金を『何にも装備していない素手』で破壊したのだ。
しかもたったの一撃で木っ端微塵にしたのだ。
そんな真似は友人であるちーちゃんでも、そして私でもできない。
いや、『人間』には決して出来はしないのだ。
どんな名人や達人でも素手で合金を凹ませる事は出来てもだ、壊す事はできない。
剣や武器を持っている達人なら、合金を真っ二つにしたり、壊す事はできるだろう。
だがしかし、あの三人のような破壊は絶対に出来ないのだ。
そう思うと遠く離れているこの場所にも来ると思い、急いでこの場から逃げる準備をしようとした。
「ほう。こんな物があったとはなぁ」
「!!??」
私は声がしたのでその方向に振り向くと、一人の男がその場に立っていた。
私はそれを見て、先ほどの映像以上に在りえないと思った。
この場所は私が持っているIS開発も兼ねた移動ラボと同じくらいのステルス機能を保持し、もし近づいてくる存在があれば私にも連絡が入るし、武装はつまれていないが回避するようにはプログラミングしてある。
例えこの中に侵入できたとしても、侵入者を迎撃する為にそれなりの設備は存在しているのだ。
だがしかし、目の前の男は服も一切汚れたりボロボロになっておらず、しかも自分がいる場所に侵入したにも拘らず、『一切の警報が鳴っていない』のだ。
「……篠ノ之束、覚悟は出来ているか?」
混乱している私にその男がそう言った瞬間、私はその場からガクガク身体が震えるだけで、身体が動けなくなった。
私の脳は混乱を超えどうなっているのか分からない状況に陥った。
「少し………寝ていろ」
一瞬で私は間合いを詰められ、身体が半分になったような感じを受け、意識を失った。
そして私はこのとき初めて後悔した。
私は開けてはならない、パンドラの箱を開けてしまったのだと……
束 Sid
束に関してはどうなるか期待してください