IS(インフィニット・ストラトス) 楽しく過ごしたい転生者 作:ナハト・リコリス
春樹のはまた別で書く予定です
俺が目を覚ますと、そこは不思議な場所だった。
そして俺は何故かIS学園の制服を着ており、靴もIS学園で履いているスニーカーを履いていた。
周りは真っ暗なのだが、小さな光がちらほら見え、まるで宇宙空間のような不思議な空間にいた。
「始めましてだね、不動統夜君」
俺はその声が聞こえた方に顔を向けると、そこにいた人物に俺は唖然とした。
そこには白のジーパンと黄色いシャツ、そして赤いジャケットを着たイケメンの青年がいた。
俺はその人物が誰なのか知っていた。
「火鳥勇太郎・・・いや、ファイバード」
「そうだ。始めましてだね」
俺の目の前にはファイバードであり、地球で活動する為にアンドロイドの姿であった火鳥勇太郎がそこにいた。
俺は不思議に思いながらも彼と話をした。
「君は力を得たらどうするつもりなんだい?」
「力を得たらですか?そうですねぇ」
俺は力を得たらと言う言葉に少し考えた。俺自身転生者として神から違法かもしれないが能力を授かった。
そしてまた能力や力があれば今まで以上にできない事は消えていく。
だがしかし、俺はそう思わなかった。
「いらないです」
「いらない。本当にそうなのかい」
「ええ。確かに俺は自分が知っている物の中からファイバードの力をISにしました。けど、俺は力はいりません。もし力が要るというならば、その時俺は『大切な仲間達と一緒にいる』ため力を欲します」
「『大切な仲間達』と言ったけれど、君は堕淫の書と言う物を使って仲間を得ているんじゃないのかい?」
「確かに堕淫の書を使って仲間を得たかもしれませんが、けど俺は本当に大切な意味で仲間達を守りたいんです。これから先生きていれば無数の困難がやってきます。けど俺はそれを仲間達と一緒に乗り越えて生きたんです」
俺がこの世界で生きてきて、そう思えるようになった。
確かに俺は堕淫の書を使い当初は色々考えたかもしれないが、今は少し違う。
堕淫の書の能力で織斑みたいな奴から守るという事に使っているし、GTみたいな存在から会社の皆や俺の家族を守るために使っている。
俺にとってこの世界で生きて来た18年間色々とあったが、この世界は俺が昔思っていたような『空想』の世界ではなく、今は俺の生きている『現実』の世界なのだ。
だからこそ俺は自分の手が届く範囲で人を救いたいのだ。
偽善かもしれないのだが、それでもこの世界で生きて来た18年間で俺が思うようになった思いなのだから。
だからこそ俺は自分で身体も精神を鍛えていった。
昔の俺なら嫌になって放り捨てたかもしれない剣の修行や、この世界で俺が覚えなければいけない社長としての勉強も、俺は白騎士事件で母さんを亡くしてから俺はまじめに取り組んでいった。
昔なら2・3ページ読んだだけで放置したかもしれない科学関係の本を読むようになったのも、ISを生み出した篠ノ之束への復讐だったのもあるからだ。
転生者として貰った特典を利用し、篠ノ之束の作品を超えるISを造り上げようとも思っていたからだ。
そんな思いも父さんや剣の師匠でもあった薫さん、そして俺の周りの人々の優しさのおかげで色々な出来事があり、その結果『今の俺』という存在が存在するのだ。
復讐ではなく、誰かを守ると言う大切さを、俺は皆に教わったのだから。
「俺はこの手が届く範囲の人を救いたい。これから先も救えない命、報われない思いもあるかもしれません。けど俺は俺のできる範囲でやって行きたいんです。例えそれが後々苦難の道になっても。それが昔の俺ではなく、この世界で『不動統夜』として生きている今の俺の答えです」
そう。それが俺の持つ答えなのだ。
並行世界の一夏と関わった時、俺は関わってしまった事による弊害も恐れた。
だがしかし、同時に俺はその弊害で起きるかもしれないことで『逃げたく』は無いのだ。
「だから俺は皆と一緒に前に進みます。例えどんな苦難が待ち受けていても、大切な人達がいれば
きっと乗り越えられると俺は思っていますから」
俺がそう言うと火鳥さんは笑みを浮かべた。
「そうか。なら後『彼女』と話をすると言い」
「彼女?それって一体」
俺が火鳥さんの答えを聞く前に火鳥さんは消え、同時に周りの風景が変わり、今度は綺麗な蒼穹の空が描かれた場所になった。
そして波の音が聞こえ、砂浜がある場所に何故か俺はいた。
俺は辺りを見渡すと誰かが泣いているような声が聞こえ、その方に歩いていってみると、そこには一人の少女がいた。
白い髪と同じ色のワンピースを着た少女が俺の背を向けた姿でその場に座り込んでいて、泣いていたのだ。
そして俺が近づいたのに気付いたのか、その少女は泣くのを止めたが、座り込んだままだった。
「どうして泣いているんだ?」
「私はあなたを傷付けてしまったから」
俺はそれを言われて不思議に思った。確かに記憶にあるのでは織斑が原因であるが、彼女ではないはずだからだ。
「私があなたの元に来なければ、あなたは怪我を負う事なんて無かったから」
俺はそれを考えてみると、確かあの時ファイバードが操縦者の意思に関係なく動きを止めてしまっていた。
この子が言っている事が事実であるなら、この子がファイバードに干渉した事で俺は堕ちた事になる。
だが俺はこの子を憎むと言う事はできなかった。
「だけどそれは、君がそう思ってしまうほどの事があったからなんだろ?憎む気持ちなんてない。逆に憎むなら俺を傷付けた織斑と、それに便乗して攻撃して来た篠ノ之であって、君がやった事は偶然でしかないだろ?」
「・・・それでも、私は・・・」
「だったら、君はどうしたいんだ?」
俺の言った言葉の意味に不思議がったのか、少女は不思議そうに声を上げた。
「俺は君を憎むつもりも、恨むつもりもない。君がもし俺に力を貸すといっても、俺は火鳥さんにも言ったけど、力はいらない。俺が求める力は『仲間と一緒に生きていく力』だからだ。だから君がこの場所で好きな事をして欲しい」
「・・・好きな・・・事を・・・」
「そうだよ。君の顔は見えないけど、女の子がそんな場所に蹲っていられるよりも、俺は楽しく笑顔でいて欲しいからな」
俺が思い出したのは雪子のことだ。
雪子も織斑一夏として生きていた時、第2回モンド・グロッソの決勝戦で織斑千冬に見捨てられた時、これでもかと言うほどの絶望した顔になっていた。
もしもあの時偶然にもその現場に居合わせ、俺も一緒に誘拐されていなかったら、雪子は死んでいたか誘拐犯達の玩具にされただろう。
そしてその後は殺された可能性もあれば、今の俺と一緒にいるような笑顔も何もかも無いような存在として生きていたかもしれない。
雪子を助けた当初も他人を信じられず、自分で命を絶つ真似をする事は何度もあったが、それを止めたり、他人を信じられるようになるほどなったのは父さんや義理の母さん、プロスさんや師匠達の優しい心があったからだ。
だからこそ、雪子は今はあんな風に笑えるようになった。
「女の子なんだから、笑顔で笑って欲しいって俺は思う。そしてそこから自分の好きな事を探して欲しいって思うからな」
俺がそう言うとその子はその場から立ち上がり、歌を口ずさんだ。
とても綺麗で澄んだ感じのする、とても爽やかな歌がこの場所に響いていった。
そして歌を聴いていた俺の隣に火鳥さんがやってきて、俺に簡単に笑みを浮かべた後彼女の隣に立った。
彼女も火鳥さんが隣に立った事で歌を止めたのだが、火鳥さんが持っていたオカリナを吹くと、その音楽を聴いた後に彼女はまた歌を歌いだし、そして火鳥さんの近くで踊りだした。
俺は二人の音楽と踊りを近くにあった流木に腰を下ろし、二人の男女が奏でる調べと踊りに耳と目を傾けていった。
雪子 Sid
私は今物凄く困っていた。
私が意識を取り戻すと不思議な場所にいて、そして何故かIS学園の制服を着ていたのだが、辺りは真っ暗でただ誰かが泣いているような声がした。
私はその声の方向に行って見ると、黒髪の子供がその場に蹲って泣いていた。
私がどう聞いてもその子は泣いているだけで、何にも答えてはくれない。
その子の周りは少し明るかったのだが、周りには色々な色鉛筆と紙があるのだが、色鉛筆は絶対に使えないように叩き壊され、紙に関してもボロボロに破られており、両方ともどうやっても二度と使えないようにされていた。
この子が泣いているので自分でやった訳ではないだろうが、幾らなんでもこれは酷いと思った。
私が困っていたら、私の隣に亜麻色の髪で青を基調とした着物を着た女性が現れた。
同じ女性であってもその女性の美しさに私は見惚れてしまった。
何しろその美しさは同じ女性である私であっても、こうなりたいと思えるほどで、逆に手本にしたいと思えるほどでもあり、同時に目標にしたいと思えるほどの美しさが出ていた。
多分であるが織斑千冬のような女性よりも、彼女のような女性のほうが人気があるだろうなぁとも思ってしまった。
その女性がその泣いている子供の側にあった壊れた色鉛筆とボロボロの紙を取って光が出て輝いたと思ったら、そこには元に戻った色鉛筆と紙が存在した。
私はその光景を見て驚いたが、女性は元に戻した紙と色鉛筆を子供に見せると泣いていた子は泣き止んで、女性に笑顔を見せ、それを手にしようとしたらその手が止まった。
私は不思議に思っていると、子供の近くには黒い人の形をした者が現れ、その女性を突き飛ばすと、女性が戻した色鉛筆と紙をまたボロボロに壊したのだ。
しかもその黒い存在は手に取ろうとした子供を苛めて、その黒い存在は嗤っていたので、私はその黒い物体を思い切り殴った。
流石にここが何処だかは分からない。
だがしかしだ、子供を泣かせ、しかもその行為をして喜ぶような存在に手加減はいらないと思った。
殴られた存在は私に矛先を向けてきたが、私は泣いていた子供を女性に預けた。
殴られた存在は手に漆黒の一振りの刀を造り出し私に攻撃をして来たのだが、攻撃は余りにも単調だった。
確かに斬られたら危険な攻撃ではあるのだが、怒り任せに振られている剣の軌道は簡単に見切れるもので、私はその攻撃を回避しながらその存在を何回も殴った。
だがしかし、その攻撃も段々と苛烈になってきて避け難くなると、味を占めたのかその存在は嫌な笑みを浮かべて攻撃して来た。
流石に剣のキレが速度の上昇と共に危険な状態になり、無手の私は流石にそろそろヤバイと思っていた。
「思いなさい。あなたが思う一番の思いを」
私はその声をしたほうに一瞬だけ顔を向けると、子供を預けて庇っていた女性が頷いて答えてくれた。
子供はその女性に抱かれ、安心しているような顔になっていた。
「(思いなさいって、言われても。何を思えばいいの?)」
私は相手の攻撃を避けながらそう思った。
思う事と言うのは何を意味するのかわからないが、だが私が今思う一番の思いは・・・
「あんな子供を泣かせるあんたを倒したい。今はそれだけよ!!」
私が叫ぶように声を上げ、その思いを滾らせると、私の手には見知った武器がその手にあった。
「シャインカリバー、シャインアームズ・・・行くよ!」
統夜が私の専用機である『白銀』に装備した武装で、統夜曰く『特撮番組だが、人々を守った英雄の武器の模倣』と言ってくれた。
私もそんな武器を装備してくれた事に驚いたが、統夜は武装を考えていたらこの二つが浮かんだらしい。
私は一本だけのシャインカリバーとシャインアームズのブレードモードの二刀流で相手を追い詰めた。
流石に相手も私が二等流なのを見てもう一本同じような刀を作り出し、私達はその場で動かなかった。
そして相手が動いて来たのだが、私はその攻撃を防御して防いだ。確かに相手は凄く強いかもしれない。
だがしかし、剣を交えて感じるのは私を傷付けて楽しもうと思っている『人斬り』の感じだった。
そう、ただ人を傷付け、その過程で人を殺した感触を楽しむ、そんな感じの思いしか感じなかった。
「所詮あんたはそれだけよ。誰かを守りたいと思うことも、助けたいとも思わない。そんな剣で私に勝てると思わないで!!」
今の私の剣の師匠である薫さんに言われた。統夜も元々は復讐のために剣を振るおうとしたと。
白騎士事件のさいのミサイルの一部が原因で統夜は母親を失った。
その当時の統夜は復讐の権化とも言っていいほど荒んでいて、社長としての勉強も、剣の修行も復讐をなす為だけにしようとしていたらいい。
私も家族としての織斑一夏としてはいらないと言う風に、姉である織斑千冬にその姿を見せられ、私は他人を信じられなくなった。
だがそれを救ってくれたのは統夜であり、そして統夜の周りの人々だった。
だからこそ今の私がいるのだ。
『織斑一夏』ではなく、『風見雪子』という一人の女として今の私は存在している。
周りの人達の思いと優しさが私を救ってくれたのだから。
私は子供を守りたいと思う気持ちで黒い存在が放った斬撃を切り払うと、相手の剣は砕け散り、私はその存在を切り裂いた。
そしてその存在は消え去り、暗かった周りは青空が広がる場所になったが、壊されていた色鉛筆や紙はそのままだった。
私はそれを悲しく思っていたのだが、子供を預けていた女性が私の近くにやってきて、私の手を握った。
「一緒に思いましょ?この子の笑顔、あなたも見たいでしょ?」
「・・・はい!」
私はその女性に笑みを浮かべ、そして目を瞑って壊れた物が元に戻るように思いを込めた。
そして目を開けてみると、壊れた色鉛筆や紙は光に包まれていて、その光が消えると元に戻っていた。
子供はそれを見ると近くにあった紙で色鉛筆を使って何か描こうとしていた。
私はそんな光景を見ながらその子から遠くにある紙と色鉛筆を女性と手分けして取りながら子供の近くに持っていった。
子供もそれを知って私達に笑みを浮かべてくれた。
私はそんな子供を見ながら、女性と一緒に笑みを浮かべてみていた。
そして女性は私のほうに顔を向けた。
「もう大丈夫ね。後は『あの子』を本当の意味で『引き取ってあげる』こと。それはすぐに出来るわ」
「えっ・・・それって一体どう言う事なんですか?」
「ふふ。私はね、頼まれたの。もしものあの子が悲しい目をしていたら、私が引き取るようにって。でも、あなたの心も知りたかったの」
「・・・私の心」
「そうよ。あなたも、いえ、人は誰しもあの黒い存在のような物を持っているわ。あなたも同じほどの存在を持っていると思ってしまったから。だから私はあなたを見定めたかったのだけど、その必要は無かったみたいね」
私はそう言われてあの存在の事を思い返した。確かにあれは人が持っているものなのかもしれない。
何かを傷付けたい
何かを手に入れるために
そんな思いは誰もが持っている。
その思いの集大成があの存在であるなら、私はそうなりたくないと思った。
「私も持っているかもしれません。けど、私のこの思いは周りの人が、そして統夜がくれたものだから。だから私はあんなものに負けるつもりはありません」
私がそう答えると女性は笑みを浮かべた。私がそう言うと、その女性は私の額に指を置き、私の意識は消えかけていった。
「『息子』をお願いね」
そう言われて意識を完全に失う瞬間、その人の綺麗な笑みが私の眼には映った。
雪子 Sid
雪子があった人物ですが皆さん予想がつくと思いますが、正式に出すのはまだ先にします。
遊戯王に関しては現在ネタが詰まっていますので、もう少し待って下さい。すみません