IS(インフィニット・ストラトス) 楽しく過ごしたい転生者 作:ナハト・リコリス
序に、強化案を出して渡したら、採用されてしまいましたので、そちらも出てくる予定になります。
それは突然だった。
俺達のところに来ていた人の一部が、異形に変わった。
その異形は動物のようなものが混じったような存在達で、俺からすれば『スーパー戦隊』か『仮面ライダー』に出てきた怪人のような姿であった。
流石の事態に来ていた子供や大人達も驚いていたが、それ以上に俺は恐ろしい可能性を知ってしまった。
何しろ先程の変身と言うか、変化した存在の可能性を俺は知っているからだ。
そう、GGGの世界で存在した『バイオネット』のやっていた所業の一角である『ゾアティック・ウェポン施術』。
GGGの情報では、バイオネットが新たに考案したとされる最新の生体戦闘兵器へと至らす為の改造手術。
バイオネットはこれを使って戦争での兵器に運用しようとしていると、GGGで見させてもらった情報ではそう記載されてあった。
だがしかし、この技術に関しては、この世界にはまったくと言っていいほど存在しないはずのものである。
それなのにこの技術を採用した存在がいると言う事は・・・
俺は自分が思ってしまった可能性をISのプライベート・チャンネルで全員に報告し、この異常事態の対処に乗り出そうとしたのだが、他の皆からきた返事はとんでもないものだった。
まず刀奈に関しては、織斑がファントム・タスクのメンバーに襲われていると言う事で、織斑の援護に向かっていると言ったのだ。
そしてそれ以外の皆の場所には、俺達の目の前にいるゾアティック・ウェポン施術を受けたと思われる存在が、自分たちのところを襲撃して来たと言われたのだ。
流石のこれには俺達も驚いたのだが、それよりも更に最悪な事態に発展してしまった。
俺達のいる場所に少し腕の形や形状が違うが、同じ感じをした『3機』のISが現れたのだが、俺はその姿を見て唖然とした。
何しろそれは、俺がゲシュペンストを量産する時に考えていたもう一つの量産型に採用していた物だったのだが、ISとして運用するならどうしようなと思っていて、俺のうちの中にだけに秘めていた『リオンシリーズ』の機体だったからだ。
しかも出てきているのは、ISとしての分類であるなら、ある意味最悪の存在である『ケルベリオン』だったのだ。
「・・・ケルベリオン」
「統夜。あれ、知っているの?」
雪子がそう言ってきたので、俺は知っていると言った。
同時に俺は最初に開発するISの量産機体の一角として考えたが、採用しなかったシリーズの一角であるとも。
同時に、俺の知っている限りの最新鋭機で、俺でもISとしては所持している武器が危険すぎる可能性があるため、採用はしないと言った。
流石にこれを聞いた雪子も真夜も驚いていたが、今はそれどころではない。
何しろこちらはケルベリオン3機に、化物になってしまった数名の人間を相手にしながら、子供や大人達を庇いながら戦っているからだ。
おまけに他の場所でも戦闘しているのか、違うところで色々な戦闘音が聞こえているほどなのだ。
IS学園の先生方にも一応連絡はしたが、通信回線が上手く使えない状況で、プライベート・チャンネル以外は使えない状態であった。
とは言っても、IS学園の教師方面とのプライベート・チャンネルは存在しないので、仕方ないとしかいない。
俺は上空から攻撃してくるケルベリオンの動きに注意しながら、周りにいる人達を安全な場所に移動できるように避難させながら、この状況をどうしようかと色々と考えていたりもしたが、どう考えてもこれしか方法が無かった。
「今はケルベリオンと、この化物達の排除だ。それと、化物に関しては生体反応が存在あるが、もう『人間じゃない』と思え。こいつらを救うには、俺達が『殺してやる』しかないんだ。皆もそれでいいな」
プライベート・チャンネルでこの場にいないセシリア達に苦行かも知れないが、俺はそう言った。
多分この化物にされた人達は、元々は普通に生きていた人間達なのかも知れないが、今は人を襲うだけのおぞましい化物でしかない。
故に俺は、この人達の命を奪う事を覚悟した。
俺の近くにいた雪子や真夜をちらっと見たのだが、この化物となった人を『殺す』と言うのには忌避していたのだが、俺自身もそれ以外の方法が無いと言うのが答えなのだが、俺自身も雪子や真夜と同じく『人を殺す』というのは嫌である。
だがしかし、相手を殺さなければ俺達が殺されるし、おまけに今日はIS学園の学園祭なので、俺達の事案に関わらない無関係な人達も多数来訪しているのだ。
そんな状況でいる以上、俺達IS操縦者で専用機持ちには、『国家を、人命を護る』と言う使命が課せられる。
例えどんな理由があっても、俺達は大勢の人間を護る為に、この人達を殺さなければいけないのだ。
俺と雪子の持っている能力で、ゾアティック・ウェポン施術を受けさせられた人達を元に戻せるのかもしれないのだが、100%元に戻せると言う可能性は低い上に、仮に元に戻せたとしても、最悪の場合、元の人間の姿に戻った瞬間、ゾアティック・ウェポン施術の反動が原因で死んでしまう可能性が存在するのだ。
俺も雪子も玄武さん監修の元、俺達が持った能力をちゃんと扱う為の修行をしたが、それでもこの世には『絶対』と言う言葉は存在しない。
だからこそ、俺は最も選びたくない苦渋の決断でもあるが、『化物となった人達を殺す』という選択肢を選んだのだ。
だがしかし、その思いは消えた。
「統夜さん、雪子さん。貴方達の持っている能力なら、この場にいるこの人達を助けられます」
真夜が俺達にそう言ってくれたのだ。それを聞いて俺達は、真夜の言った言葉を信じた。
何しろ真夜が見てしまうのは『基本』が『人の死の未来』であるのだが、『それ以外の未来』を視る事もある。
つまり、真夜が視てしまった未来には、『俺達の目の前にいる人達が人間として生きている未来』だと分かったからだ。
それを聞いた俺はすぐさま行動に移した。
刀奈にはそのまま急いで織斑の援護に向かってもらい、セシリア達にはうまく化物になっている人達をこの場に誘導して欲しいと頼んだのだ。
これを聞いたセシリア達も驚いていたが、『真夜の未来で救えるのがあった』と言うと、セシリア達も納得してくれた。
とは言っても、この場に来ているゾアティック・ウェポン施術を受けた存在の何割かなのであろうが、それでも救える人がいるのであるならば、
俺は迷う気はなかった。
刀奈に関してはいる場所が俺達のいる場所から遠い上に、織斑を救助しなければいけないという条件があるので、殺すと言う方面を取る事になったが。
上空から攻撃を仕掛けてくるケルベリオンには真夜が飛んで対処しに行き、同時に俺は支援型ISの使用を許可し、雪子達も当初は驚いたものの、状況が状況なので納得し、すぐさま行動に移した。
真夜は光輝刃を、俺はアークライザーとグレートイカロスを真夜の支援に向かわせ、俺と雪子はライアンとガンキットの支援で戦った。
真夜の持つもう一つの支援型ISである天之光翼と、雪子の聖龍帝に関しては何故か起動せず、他の皆の方も同様にシャルロットの支援型ISであるガーディオン以外の全ての支援型ISが起動しないと言う報告を受けて俺も驚いたのだが、だがしかし、現状は何とか対処しなければいけないので、俺達はこれ以上の文句を言わずに戦った。
雪子のもう一つの支援型ISである黒金に関して、現状の状況で使用しても意味が無い上に危険なので、使用はしていないが、機動出来る事は聞いたので、これも原因で何故?と思ってもしまったのだ。
本来なら自分達の持っている機体性能を格段と上げるはずの支援型ISが起動しない事に俺も驚いたが、何故雪子達の支援型ISのみが動かないのか、不思議でしかたなかった。
何しろ俺の持っている支援型ISは普通に起動しているのに対し、雪子達のが起動しない事が不思議でならなかったのだ。
前に機動実験のついでに、合体させての運用も出来ていたので、何故今できないのかと思ってしまうほどであった。
俺のが先に開発されたのが原因なのかなと思ってもしまったのだが、それでは理由にならないのでどうしてだろうと思ってしまった。
だがしかし、雪子達の支援型ISが起動しないというこの事態が、後々でとんでもない事態になるとは、このときは誰も思いはしなかった。
織斑 Sid
俺は今亡国企業(ファントム・タスク)の『オータム』と言う女が操る『アラクネ』と言うクモの形をしたISと戦っていたのだが、状況は最悪であった。
初めての室内での戦闘で、おまけにこの世界の未来を知っている俺からすれば、こんな扱い易そうでクソみたいな女は簡単に倒せると思ったのに、実際は逆で、俺は苦戦していた。
こいつをどうにかする為の特訓をしたにも拘らず、攻撃を何とか回避するのが精一杯な上に、こっちからの攻撃は一切出来ないほどの慎重さだったのだ。
「(くそ!くそ!どうなってやがるんだ!!)」
「ははは!お前みたいな自分が最強だって思っているガキなんてな、私からすれば簡単に倒せるんだよ」
そう言いながら、まるで猫がネズミを遊ぶように、俺は相手がどう考えても手加減していると言う感じの攻撃を受けながら、はらわたが煮えくり返るのを我慢しながら、この状況を突破しようと我慢していた。
何しろ俺の能力を使用しようにも、相手は目を黒いバインザーで隠している上に、室内はこいつとの戦闘が原因で薄暗く、相手に触れるか、相手の目を見ないと使えない俺の能力がまったく使えない状況下なので、腹がたっていた。
だがしかし、それは突然だった。
オータムの後ろに、突如俺の『見覚えのある黒髪の女』が現れ、そして刀でオータムの心臓を一突きで殺したのだ。
そしてその手は、もう『そいつが使える筈の無いISの腕』で、しかもその色は、『血のようにどす黒い色をした紅色』で、しかも突き刺して殺した『オータムの血を啜っているようにも見えた』のだ。
その後、その女は少し離れてから、新たに出した気味の悪い感じの光を放つ刀で、『オータムの首を刎ねた』のだ。
その不気味な光を放つ刀は、まるで『血を啜って喜んでいる』ようにも見えるほど、この暗い部屋の中で、不気味な光を放っていた。
俺はその光景を目の前に目にし、そしてその黒髪の女、『篠ノ之箒そっくりの姿』に俺は唖然とした。
俺が知っている篠ノ之箒は、簡単に人を殺せるような人間ではないはずだったからだ。
だが俺は、自分の思っている人物では無いのだと思いつつ、その名前を呼んだ。
「・・・ほ、箒?なのか・・・」
俺がそう言うと、目の前にいた箒は、俺のほうに顔を向けた。だがしかし、俺の目の前にいるのが、俺の知っている篠ノ之箒なのかと思った。
そして同時に、目の前にいるのが本物の『篠ノ之箒』だと言う事を知ってしまった。
「どうだ、春樹。お前の敵を殺しておいたぞ?凄いだろ、春樹?」
俺の目の前にいる箒の目に光はあるのだが、人を殺す事に戸惑いも無く、そしてその顔に返り血が付いているにも関わらず、平気な顔をして俺に顔を向けてきたので、俺は恐怖を覚えた。
俺の知っている篠ノ之箒は、色々と嫉妬深く、暴力を振るってしまう女であったが、こんなヤンデレのような女ではなかった。
同時にこれほどまでに気味の悪い感じの女でもなかったはずだった。
そして同時に、篠ノ之束が(俺は後で知ったのだが)『篠ノ之箒は全てのISを纏えない』と言ったにも拘らず、今の箒は、何故か『纏えないはずのIS』を纏っていた。
そしてそのISの姿もある意味持っていた刀同様に、不気味な光を放っていた。
形としては箒が篠ノ之束から貰った第4世代型ISの『紅椿』と似ているのだが、色の感じが違った。
紅椿は綺麗な紅であったにも拘らず、今の箒が纏っている機体の色である紅は、まるで血のようにどす黒く、この薄暗い室内で不気味な光沢を纏っていた。
その上、殺したオータムの血を啜っているのかと思うほど、不気味な感じを出していた。
おまけに、箒が持っている二振りの刀も同じで、形状としては日本刀に近い形なのだが、この薄暗い室内の中で、オータムの血を啜っているかのような感じを持ち、おまけに不気味な光を反射させていた。
「どうだ、春樹。これが私の新しい力『紅桜(べにざくら)』だ。姉さんが造ったあんな紛い物と違い、こっちは私の思い通りに動いてくれる。お前を守れるほどに・・・」
そう俺に言う箒だったのだが、俺は今の箒に恐怖しか感じなかった。
まるで俺以外の人間は目に入っておらず、自分が殺しておいた死体にすら何も思っていない。
今の箒はまるで、恐ろしい化物のような感じであった。
そう俺も思っていたのだが、箒の言葉で、俺は迷ってしまった。
「なぁ春樹。お前も私と同じように強くならないか?」
「な、何?」
「お前の白式も、元々は姉さんが造った品物だ。だけど、私の今いる所に来れば、お前をこの世界で最強の存在に出来ると、私に力を与えた奴がそう言ったんだ。それと、神城もどうせこの学園に居場所が無いだろうから、一緒に連れて行ってやるぞ。私と同じように、お前と一緒にいられる様にして、私と同じように専用機ももてるのだから」
「お、俺がこの世界最強の存在に・・・」
この世界で最強の存在になれる。
その言葉に俺は心を揺れ動かされた。
何しろ今の俺は、IS学園でも神城を除いた全ての人間から嫌われており、1学期の時に比べて、俺に関わろうとしている女は誰もいない。
今の俺に関わろうとしているのは、蘭が連れて来た女か、神城以外いないのだ。
しかも、今俺が使っている白式以上の力を持ったISを所持する事も出来ると言われては、俺の答えは決まった。
今の箒が怖い化け物のように感じていたのも、俺が最強の存在になる為には、些細な事であると感じるほどに・・・
「ああ。一緒にいこうか、箒」
そう言って俺は箒の手を取った。
そして箒は俺にキスをして来たが、俺はそれを受け止めた。
例え相手が悪魔や邪神であろうと、関係ない。
俺は手に入れるのだ。
俺がこの世界で本来得られるはずであった全てを
もう、俺以外の男の物になったセシリア・鈴・シャルロット・ラウラ・刀奈・簪も関係無い。
あのモブ野郎が持っている全てを俺が手に入れ、そしてあいつ等の体を貪ってやる。
心がどうなろうと関係ない。
悪ければダルマにして楽しんでやる。
そう俺は思ったのだから・・・