バトルファックリーグ ~女王陥落~ <前編> 作:志邑イチロウ
今夜開催されたバトルファックの試合は、紅コーナーに【紫電の女王】の異名を持つ女性ファッカー藤堂アイリ(24歳)と白コーナー【沈黙の柔拳】の男性ファッカー孔條真琴の対戦。
藤堂アイリはSM倶楽部出身のファッカー。S嬢としてキャリアを築いてきただけあって、「攻めのBF」が巧み。
しかし、「本番NG」の風俗業界出身。この手のファッカーは挿入など「C」に該当する技術に関しては不得手、経験不足な例が多く、彼女もまたその1人であった。
確かに勝率は高いが、それらの試合は全て「B」で勝ち星を上げており、フィニッシュブローは愛撫や足コキといった技。ウィニングラウンドでも、非挿入状態のスタンディングの状態で決まるケースが殆どだった。
一方対戦相手の孔條真琴は「Ⅽ」を得意とするファッカー。
挿入後は、「スローセックス」に徹するタイプで、「打たせて取るタイプ」「(腰を)振らせて取るタイプ」とカテゴライズされてきた。
だが過去の成績はそれほどでもなく、中学からBFを始めたものの、高校を卒業するまでの間に、全国区で活躍した経験はない。
ファックスタイルの珍しさと、端正な顔立ちと怜悧なキャラクターで女性ファンは多いアイドル的なファッカーだが、実力は評価されていないのだ。
ソレを受けて、女王は自らの勝ちに全財産を賭ける、というパフォーマンスに出た。
この試合は勝てる試合。ただ試合後に新たな男のコレクションが増えるだけ―――そう考えていた。
試合当日、リングインした彼女は今まで負かした男性ファッカー達を“肉絨毯”にして踏みつけながら優雅に登場。
彼女との対戦に負けたことで、彼女に【奴隷契約】を結ばされた若い男性ファッカー達は数知れず。
「私は従順な奴隷よりも、私に従うことも出来ないおバカなオトコを飼うのが好き」「M男を歓ばせる女皇様ではなく、M傾向が無い男を悔しがらせる女皇様でいたいの」
――そう語る彼女の足元では、皆一様に「苦悶」「屈辱」「悔し涙」「怒り」……ありとあらゆるネガティブな感情を堪え切れずにいた。
そして自制の効かない奴隷――彼女前で嗚咽の一つも我慢できない不出来な奴隷は。その場で彼女のヒールを肌に突き立てられるのだ。痛みに呻いている所へさらにグリグリと爪先で踏み躙られ、「変ね。何で絨毯が声を出すのかしら」とヒュンとしなる鞭で追い打ちをかけられる。
一方、選手としての活動資金にも乏しい孔條の入場は静かなもの。セコンドを務める自身の弟と、道場の同期に付き添われて黙々とリングインした。
熱狂する会場の中心でスポットライトに照らされたリング上で、対照的な二人が対峙した。
「へぇ~……可愛らしい顔をしてるじゃない。イジメたくなってゾクゾクしてくるわね」
Kカップの胸を誇らしげに張りながら、女王が口を開く。
「あ、そうですか……。そりゃどうも」
面倒くさそうに首元を摩りながら、孔條は返事をした。
「ふふ……。生意気な男と子ね。貴男は、踏まれるのと踏むの、どちらが好き?ご褒美に、好きな方をやらせてあげようかしら……」
少年の顎を手の平で撫でまわしながら挑発的に問いかける。
「どっちも好きじゃないね」
大人しく撫でられながら、ジト眼で女王を睨みつける。
「アイドル君は、どんな声で啼いてくれるのかしら?
どんな音色の嬌声を奏でて私の鼓膜を震わせてくれるのかしら?
どんな大きい悲鳴を上げて私の足元で許しを乞うのかしら?
どれほどの断末魔を枯らして、私に屈服するのかしら?
あぁ、楽しみになってきて、もう濡れてきちゃったじゃない……」
熱く発情した自身の身体を撫で回しながら、彼女はファイティングポーズをとった。
――カーン――
ついに打ち鳴らされたゴング。
まずは女王が積極的に攻め始める。
8頭身のダイナマイトボディを活かして、言葉責めを浴びせながら強引に押し切るのが基本戦法。豊満な胸を揺らして相手の顔面を包み込むと、耳元で嗜虐的な言葉を紡ぎながら激しい玉責め・竿責めを加えていく。
「――あ……アアン……」
ところが、徐々に異変へ気づいていく。
「う……あ……」
「こ……こんなの……」
――初めて――
恐らくは蠱惑的な色彩を濃厚に艶めかせている唇で、そんな言葉を紡ごうとしたのだろう。
しかし、弛緩しきった顎はだらんとぶらさがるだけで、もう上唇と豊満な下唇が触れることはない。まともに声を発する行為は出来ない。
生まれ持ったサディスティックな気質が現れている鋭い顔は、最早惨めな雌豚の顔に成り下がっていた。
「諦めなよ。オバサン」
そんな屈辱的な文句にも、なにも反論できやしない。
ただ彼女は、完熟しつつある肉体を溶けるほど熱くさせられて、ビクビクと全身を震わせ続ける。
誰もが彼女の敗北を確信し、彼女のチケットを買った客たちは大慌てで売りに出し、彼女の【勝女券】は大幅に下落した。
このままでは強制ロスカット。選手資格を失効されてしまう。職を失うと同時に巨額な負債を抱え込む……それが、BFリーグにおける賭けの怖さだ。
せめて、せめて子宮口を閉じて奥を突かれる展開だけはさけなければ……
ついにレフェリーがスタンドダウンをカウント。
微かに残った理性を振り絞ってファイティングポーズを構えようとしたが、口から唾液の糸を太く垂らす彼女が限界を迎えているのは疑いようがない。
しかし彼女は間に入ったレフェリーを殴りつけると、そのままレフェリーの身体を押し退けて掴みかかろうとした。反則行為に訴えてまで勝利に執着した彼女。
だが――
「見苦しいんだよババぁ――」
一瞬。
それは本当に一瞬だった。
目にも止まらぬ刹那の間に、孔條の絹のように白く美しい指先が女王の秘所へ伸びると、クリトリスをキュッッと抓った
「―――!!!」
快楽で破裂寸前だった彼女の肉体は、この一瞬ですれ違いざまに決壊。
「アぁァァアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キュッと太腿を締めて内股になり、大きくエビぞりの体勢になって、潮を吹きだして後ろ向けに倒れ込んだ。
快感で痺れている彼女の身体は後方に頭から落ち込むと、リングに脳天を突き立て ブリッジの様な体制でのダウン。余りに滑稽な体勢で固まったままビクビクと痙攣し、股間からは壊れた弱地のように「ブシュ」「ビシュ」と不規則に潮を吹きだして、大きな水溜りを創っていた。
「さて、と」
コキコキと、気だるそうに手首を捻りながら目の前に倒れた“肉噴水”の前に腰を下ろす。
「女王様に奉仕をしてあげるとしますか」
「あ……っぐぅ……」
女王は涎まみれの唇に皺を寄せて必死に嬌声を殺しながら、意地の抵抗で対円相手を睨み上げるのだった。