コレデモカノジョデス 作:トクメイデス
「しょっぱい……」
ロトくじを当てた俺だが、金額がいまいちなので微妙な気持ちのまま歩いていた。
平日の放課後だが仕事も彼女と遊ぶ予定もなく、当て所なく歩いているとふと、DVDレンタル屋のロゴが眼に入った。
「ふむ……」
当てた金で何か借りていこうと、踵を返してDVDレンタルVタチバナに入ろうとすると、ぶつかる影があった。
「あがっ……って要?」
「あれ、雄一君?」
ぶつかってきたのは、なんと彼女の要さんでした。
一体何事かと聞こうとした途端、店の中から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「ねえ、要ちゃ――――ん!!」
「……おーけい、逃げよう」
「らじゃ、っス」
大方、遭遇した由崎に変なちょっかいを掛けたのだろうと察した俺は、要の腰を担いで逃亡を企てた。幸いにも由崎は追っかけてこないので、そのまま近くの公園へと駆け込んでいく。
「あ――疲れた……」
「体力落ちたっスか? 雄一君」
「アホか、軽くても人間担いで走りゃこんなもんだ」
俺がベンチにもたれかかる中、要は池の縁にしゃがみ込んで鯉を呼んでいた。この公園の池に鯉がいたかは知らんが。
「それで、由崎に何やらかしたんだよお前」
「失敬な。私は先輩の希望を叶える為におすすめのDVDをセレクトしただけですよ」
こいつのおすすめ、だと。
「……ちなみに何をすすめた?」
「風の谷でナニシタ、ってDVDっス」
「アダルトDVDじゃねえか!!」
「……何で知ってるんスか?」
やべっ、ばれた。グル白怖っ!!
「……前に、見たことがあったんだよ。一応付き合う前の話だぞ」
「私と付き合った時、確かまだ18歳じゃなかったっスよね?」
「いや、裏技があるんだよ。もう使えないけど」
裏技と言っても、昔動画共有サイトに流れてただけなんだよな。もう消されてるけれどさ。
「まったく、いけない彼氏ですね――」
「おい、こら何考えてる?」
ベンチに腰掛けている俺に覆い被さりながら、要が唇を近づけてきた。触れ合う唇の感触を楽しむのもいいのだが、俺の意識は下半身に触れた手に向けられている。
「彼女の身体の方がいいって、思い知らせてやるっスよ」
「いや、十分知ってるから。実際手持ちのDVD付き合い始めてすぐに売っぱらったから!!」
「持ってた時点で女の敵確定じゃあ――!!」
お願い要さん!!
グル白のまま股間の人参を弄らないで――!!
30分後。
「はあ……はあ…………何やってんだ俺達は?」
「いやすみません、少し暴走し過ぎたっス」
「まあ、半分は俺のせいだからいいけど……」
流石に人目のつく場所で騒ぐのもまずいと、一度公園内の森の中へと入り、手頃な木の根元に腰掛けていた。しかし腰掛けているのは俺だけで、要は俺の膝の上にちょこんと乗っている。
「まあ、男の人が興味持ってもしょうがないので、今更いいですけどね」
「理解してくれてうれしいよ」
そっと要の頭に手を回し、俺の方に押し込んで唇を重ねる。先程の強引な口づけも良かったが、こういう優しいものの方が、俺は好きだな。
ゆっくりと顔を離すと、要の目が若干潤んでいた。
「……でも一番はお前だ」
「ならいいっス……」
もたれかかってきた要を抱きしめながら、ゆっくりと根元から降りて地面に腰を下ろした。しかし時間を置いたとはいえ、未だに下半身の人参がふやけないとは……
「おやおや、未だに興奮してるんスか?」
「ああ、そうだよ。もう」
流石にばれるか。まあ下はスカートで、丁度下着の股間が俺のズボンの人参がある部分と触れ合っているからだが。
「……というか、お前だってそうだろ」
「いやいや、雄一君のたくましい人参さんが私の大事なところをこすってるんスよ。濡れちゃってもしかたないっス」
こいつ、腰動かしでこすりつけてきやがった。
服越しというのも悪くないが、ここは外だ。着替えもないのに汚すリスクなんて背負えるか。
「ちょっと待て、下だけでも脱ぐから」
「うわー彼女を外で脱がすとか変態野郎っスね――」
「服が汚れるからだ。お前まで脱がなくていいよ」
ちょっとだけ要に膝立ちさせている間にズボンを下着ごと降ろし、スカートの中に手を入れてショーツの位置をずらして袋口を露出させた。本当は下着だけでも脱がせた方がいいかもしれんが、一応外なのでずらすだけで留める。
「雄一君、まだっスか? もう我慢できないっスよ」
「待て待て、後はゴムだけだから」
財布の中から包装ゴムを取り出し、人参に手早く被せてから要の細い腰に手を回した。
「怖くない、怖くない。怯えていたんだね。でももう大丈夫」
「なに、そのセリフ」
「例のDVDのキャッチコピーっス。興奮したっスか?」
分かってないと微妙です。
しかし俺は誤魔化す様に黙って要の腰を引き、袋口に人参をあてがった。
「じゃあ入れるっスよ……んぅ」
相変わらずキツイ袋口だな、と思いながら、俺は要が腰を振るのを甘んじて受け入れていた。元々年齢だけでなく体力にも差があるので、要の好きにさせることは結構多い。
そのせいでフェラチオを上達させてしまい、たまに主導権を取られるようになってしまったのだが、まあ今気にしても仕方がない。
「んっ……んぁっ……ぁあ!」
「……っと、あんまり声出すなよ」
もう一度頭を抱えて要の口をふさぐ。
「んぐっ……んん…………」
そうしたら要の舌が口の中に入ってきやがった。どうも嬌声を上げたままキスをしてて、思わず突き入れてしまったのだろう。とはいえ声を出させるわけもいかないので、そのままディープキスに切り替える。
しかし、要の舌って結構小さいよな。
「んん、っ!!」
「アタッ!?」
勢いがついたのか、要の顔に押されて頭を木にぶつけてしまった。けれども唇が離れることはなく、逆に伸びてきた要の腕に抱き寄せられて身動きが取れない。
「ぁぅ、もっと……」
こいつ、一度スイッチが入ると主導権を奪いにくるんだよな。
しかもその間、腰の動きが一切止まらないのがすごい。
「もっと、そっ、ぉこっ!! いい……」
あっ、イキそうになってる。俺もそろそろきついし、いい頃合いか。
「ふひゃぅっ!?」
「ほら、いくぞっ!!」
俺も腰を動かし、唇を重ね合わせながら要の袋の中に人参の果汁を絞り出した。
「はあ、はあ……ノド乾いたっス…………」
「ああ、俺もだ」
「という訳で財布は借りてくっスね――!!」
止める間もなかった。
要は自分の袋口から俺の人参を抜き取ると、下着を戻してから近くに落ちていた俺の財布を持って駆け出しやがった。未だに果汁が溜まったゴム包装の人参をぶらさげた俺を置いて。
「……まあ、いっか」
どうせ換金したロトくじの賞金しか入ってないのだ。DVDをレンタルする予定さえなくせば、別に気にすることもない。
生活費用の財布は別に持っていることも、要は知っているしな。
「あいつ、俺の分も買ってきてくれるかな……」
人参からはがしたゴム包装を縛り、立ち上がって服を着直してから、俺は要の後を追おうとして、向こうから引き返してくる彼女を見つけた。
「雄一君ごめんっス!!」
「なにが?」
ロトくじ用の財布から勝手に抜き取るのはいつものことだし、俺を置いてジュースを買いに行くのもよくあることだよな。
だからなにかと身構えていると、要は俺の財布を投げ渡してから踵を返してきた。
「レンタル屋に綾姉忘れてきたんで、これから迎えに行ってくるっス!! では雄一君また!!」
そして俺の彼女は、目の前から姿を消した。
「……姉貴ほったらかして人参の袋詰めしてたんかい」
誰だそんな風に教育したのは……俺か、ハア。