コレデモカノジョデス 作:トクメイデス
いい天気だ、今日こそロトくじで高額当選しそうな気がする。
そんな気分で朝風呂から上がった時のことだった。
「あれ? 先輩、引っ越すんスか?」
「え? 由崎引っ越すの?」
なにごとかと聞いてみれば、2人で住むには狭いから寝るのも大変だから引っ越しを考えているらしい。まあたしかに、遊びに行く分には問題ないが住むとなると話が違ってくるからな。
「ふーん、てことは……手を繋いで寝たりもしてないんスね」
あれ、空気が変わった?
なにやらブツブツつぶやき出した由崎だが、突如わけのわからないことを叫び出した。
「高低差がなくなると、そんな夢のようなシチュが待っていたのか! これは計算外だ!」
「高低差?」
「高低差?」
要と一緒になって首をかしげる。
手を繋いで寝たいというのは分かるが、別に高低差は関係ないのでは?
「ただ、お嫁さんは引っ越しする気あるんスか?」
「そういえば、そのあたりはどうなってるんだ?」
「それが手狭なことを全然気にしてなくて……」
「いいお嫁さんっスね~」
たしかにいい嫁さんだな、と要と同じ意見を心の中でつぶやくだけにとどめる。
そんなことを考えていると、朝風呂に来ることがなくなるから、と由崎はしばらくこのままだと言い出した。それに要もありがたいと言ったのだが……
「ただ私は結婚して、だんなが風呂なし1DKにずっと住む気でいるならぶっ飛ばしますけどね」
やばい、要のグル白に由崎の顔が青ざめてやがる。俺ですら横で聞いているだけなのにビビっているのだ。真正面から受けているこいつの気持ちを聞くのが怖い!!
「狭い家でもまぁいっかー、とか言おうもんなら、家を燃やしてでも引っ越しさせますけどね」
やめろ由崎、こっちに目をやるな。何もできない俺を見ないでぇ!!
そして放課後、仕事はあるが別段急ぐこともないのでゆっくり帰っていると、不意に背中を大きくたたかれた。
「ってぇ~……」
「大げさっスね。そこまで強くたたいでないっスよ」
などとあきれている要だが、こいつはどうやら不意打ちの威力を知らないらしい。
今度強引に人参をぶちこもう、と内心で決意してからようやく痛みの引いた身体を持ち上げた。
「要もこれから帰りか?」
「そっスよ。だからゆっくりと……」
そう言った要の目が、別の方に釘付けになっている。
なにかと見てみれば、丁度そこでモデルハウスの見学会が催されていた。今朝方由崎と一緒に引っ越しの話をしていたので、興味が湧いたのかもしれない。
「ゆっくりできるなら、ちょっと見てくか?」
「えっ、いいんスか? いや、でも……」
言いよどむ要を連れて、モデルハウスの前にいた受付に声を掛ける。
「すみません、見学いいですか?」
「他に人がいないのでいいですよ♪」
未だに小声でモゴモゴ言う要の手を引き、中へと入っていく。
家自体はごく普通の二階建てだが、土地が狭くなる都会向けに広く感じる内装になっていた。実際は土地相応なのだろうが、見渡す限りそれを感じさせられることはない。
「ホント、雄一君って時々強引っスよね……」
「お前が変なところで素直じゃないだけだろ」
造り自体は一般的な家とそう変わりはなさそうだ。
一階は拡張効果を除けばごく普通のLDKと大差がない。若干キッチンは広々と使えるみたいだが、特に惹かれる要素はなさそうだった。
「次は二階に行ってみるか」
「そっスね」
気づけば、俺は要と手をつないだまま歩いていた。別に拒絶する理由もないのでそのままにして、並んで階段を登っていく。
「階段の幅が広いのはいいな。並んで移動できる」
「それに傾斜も緩やかだから、年で足を悪くしても過ごしやすそうっスね」
どうやら興味が出てきたらしく、今度は自分から俺の手を引いて、二階の部屋をあちこちと見て回ることに。要は時折手を離しては、一通り家具に触れてから手をつなぎ直すのを繰り返しているうちに、日当りのいい主寝室へと足を踏み入れていた。
「でかいベッドっスね……」
「これがキングサイズか……」
乗るな、という注意書きがあるので近寄るだけにとどめるが、これを見ているとつい、要と人参の袋詰めをしたい欲求に駆られてしまう。
ベッドに乗り、全裸の要とシーツを被ってイチャイチャと……しているな、いつも。
「雄一君、今エロいこと考えたっスね?」
「グル白で問い詰めないで下さい。事実だけどさ」
そして人の人参を触るな。
仕返しとばかりに制服のスカートの中に手を入れようとするが、一階からの気配に中断することに。
「要、ここまでだ。他の見学者が来た」
「しかたないっスね……じゃあカラオケ行きましょう」
そして俺達はモデルハウスを後にし、通り道にあるカラオケ屋に入った。
もちろん、目的は歌うことではない。先に腰掛けて適当に曲を入れていると、ドリンクコーナーでジュースを入れてきた要が戻ってきた。
グラスを二人分置くと、要はソファに座らずに俺の足元にしゃがみ込んでくる。
「今日は袋詰めの気分じゃないので、舐めるだけっスよ」
「いいよ。じゃあ俺にも舐めさせてくれ」
要にズボンを下着ごと降ろされてから、俺はソファの上に寝そべった。要もスカートの中に手を入れてショーツを脱いでから、反対向きになって俺の上に覆い被さってくる。
「雄一君、あんまり刺激が強いのはダメっスからね」
「噛みつかなきゃ、別に倒れこんできてもいいぞ」
少し身体を折り曲げてから、要の尻を掴み、いつも人参を詰めている袋口に唇を近づけていく。
「ぇろっ! ちゅ……じゅきゅっ!」
俺が舐め始めた頃には、要はすでに俺の人参を一舐めし、そのまま咥え込んできた。あの小さな口にどうやって入るのか未だに疑問だが、こちらも気にせず舌を袋の中へと差し込んでいく。
「ぅんっ! んん……」
俗にいうシックスナインで互いの秘部を貪っていく。
このカラオケ屋はよくあるヤリ部屋として有名で、金払いと清掃さえきちんとしていれば苦情も2報もない。とはいえ、あまり時間をかけていい場所というわけでもない。ついでにいえば俺も要も予定が詰まっている。
「んぐっ! ぬぐっ! ぬぐぬぐ……」
要がペースを上げてきた。俺もクンニリングスを激化させ、彼女を絶頂へと導こうと躍起になる。
「ぐっ!?」
要の尻を軽くタップし、合図をしてから片手を空けて指を袋口に差し込んだ。ラストスパート、と唇をすぼめて吸い込まれるままに人参の果汁を吐き出す。
「んぅ――!!」
すると要も気が抜けたのか、一啼きしてから重力に引かれるまま、俺に身体を被せてきた。
「……なあ、要」
「なんスか? 雄一君」
服を着直した俺は、先に下着を穿いていた要に声を掛けた。あと少し時間はあるので別に歌っててもいいのだが、なんとなく聞いてみたいことがあり、話しかけることにしたのだ。
「いや、今日のことを振り返ってなんだが、銭湯関係なしに家を出たいとか思ってるのかな、って」
「まあ、新しい家で住むこと自体に憧れみたいなのはあるっスけど……」
自分で持ってきたジュースを一息に飲んでから、要は俺にもたれかかってくる。
「どちらかというと、雄一君と一緒に暮らしてみたい、ってところっスかね……」
「そうか……」
要の頭を撫でつつ、俺もジュースに口をつけた。
実際、俺の家によく来るのも、そんな気持ちがあったからかもしれないな、と考えながら。
「俺も、このまま……」
ずっと付き合って結婚したい、そんな言葉は簡単には出なかった。
由崎と違って、俺はまだ親のすねをかじっているようなものだ。仕事を持っている以外は、そこらの学生と大差ない。
でも、だからこそいつか……
「……まあ私の処女を喰った以上、逃がさないっスけどね」
いつか……プロポーズする前にグル白要に刺されるかもしれないな、俺。
以下今週号(2018年53号)ネタバレ話有、注意
第41話のネタバレ
全裸を要求されたが昨晩馬鹿食いして醜い腹部と化していたことを思い出した柔道部期待のエースこと数宮君。しかしこれは絶好の好機と全裸開示延期依頼のついでに積年の想いを告白するも、有栖川要の「いや、私彼氏いるんで」発言に絶望のゴールに入りかけてしまう。そこへ通りがかった『烈火の炎』関係者にそっくりな日本史教師の「あきらめたらそこで恋愛終了ですよ」発言に再び立ち上がる。よろしい、ならば決闘だと要の彼氏に果たし状を送ろうとするも、「軟葉高の三橋とやりあった方がまだ勝算あるっスよ。仕返し含めて」と返されてしまい、客観的な実力差に今度は地獄の底まで落ちかけてしまう。逃げろ数宮君、雄一が何故か君の背後に……!
由崎ナサ
昔っから喧嘩強かったからな、雄一君……
由崎司
それよりもこれあらすじのネタバレじゃない!?
有栖川要
だからなんで私の学校生活を勝手に載っけているんスか!
有栖川綾
違うわよ! 重大なのはこれがこの小説での私の初セリフだってことよ!
江崎雄一
いや、流石に三橋相手にしたら負けるよ。喧嘩ならともかく、あいつ俺より卑怯だもん
三橋貴志
転校を機にヤンキーと化した男。卑怯で頼もしい彼の活躍は現在放送中のドラマをチェック!
トクメイデス
コレデモカノジョデス作者の疑似人格。ピンポイントなあらすじを見て「まさかこれを読んで!?」と被害妄想に陥る羽目に