この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を 作:らいじゅう
昨日より一つ、えろければ(*゜ー゜*)カッ
そんな今話、まさかのエロなしッッッッ!
盛大に水色が自称勇者を殴り飛ばして暫く。
連れの女子二人に介抱される自称勇者へ改めて事情を聞くと、やはり水色が送り出した転生者の一人だった。まぁ、当の水色は欠片も覚えていなくて、それを聞いた自称勇者が失意のズンドコに落とされのは言うまでもない。
それから転生者同士という事もあって、サトウカズマとミツルギはお互い情報交換をし始めたのだが━━━━サトウカズマの話を聞いた自称勇者のミツルギが何故だか怒り出した。
「君はっ、何を考えているのですかぁ!!女神様をこの世界に引きずりこんだ事もそうだがっ、バイトでこき使うわ、カエル退治の囮にするわ、クエストで檻に閉じ込めて湖に浸けるわ、馬小屋に寝泊まりさせるわ━━━しかも、未だに最弱職だと!そんな体たらくで女神様に何かあったら、どうするつもりなんだ!ええ!?」
サトウカズマの胸ぐらを掴みあげ怒り心頭といった様子のミツルギ。水色が宥めに掛かるが、全然聞く耳を持とうとしない。
そんなミツルギの態度に普段温厚な変態ダクネスもキレ気味に止めに入る。「礼儀知らず」だと怒りながら口にしたダクネスが少しだけまともに見えた。そう、少しだけ。所詮は礼儀うんぬんどころか、何処でも発情する超絶スーパードM変態騎士。俺は騙されない。
めぐみんもご立腹の様子で目が赤く光ってる。
撃つなよ、街中で撃つなよ。フリじゃないからな。
注意するように見ていると、めぐみんからジト目が返ってきた。
「・・・・カナデも、その手に持ったもの、振り上げないで下さいよ」
言われてそっと視線を落とす。
そこには俺の手にしっかり握られた、僕らのモーニングスターの勇姿があった。
・・・大丈夫、めぐみん。これはあれだから。ゴキブリを潰す、あれだから。対虫専用武器だから。
だからね、人を叩いても大丈夫なの。
笑顔で大丈夫アピールをしたが、怪しむような目で見られてしまった。信頼なしとは・・・くぅっ。
それにしても不思議だ。言ってる事はわりとまともなのに、こんなにムカツクなんて。変な呪いでも掛かってるんじゃないか?あいつ。
そんな事を思いながらサトウカズマ達のやり取りを眺めてると、こちらを見たミツルギと目が合った。
「クルセイダーにアークウィザード?向こうの彼女は冒険者かな?でも筋は悪くなさそうだ。・・・・それに皆、随分と綺麗な人達じゃないか。君はパーティーメンバーには恵まれているようだね。だが、それなら尚更だよ。アクア様やこんな優秀そうな人達を馬小屋に寝泊まりさせて、恥ずかしいとは思わないのか?」
・・・何言ってんだ、こいつ。
宿とるのにどんだけ金掛かると思ってんだ。連れ込み宿とるのに、幾らか掛かってると思ってんだ。俺が幾ら延長料金払ったと思ってんだ。腰に差したご立派な剣、貴様のアナルに捩じ込んでやろうか・・・・ッッ!!
━━━おっと、いけない。この間の失態を思い出してたぎってしまった。ふぅ。
てか、駆け出し冒険者がそんな事出来るわけないだろ。
念の為にめぐみんに確認をとったらやっぱり普通らしい。だよねぇ。
イライラが募る中、ミツルギは同情するような視線をこっちに向けてきた。憐れみの混じった笑顔つきで。
「君達、今まで苦労したみたいだね。これからは、僕と一緒に来るといい」
その言葉だけでもカチンときたのに、あろうことかミツルギが側に寄り俺の手を握ってきた。
背筋にそれまで体験したことのないような悪寒が走る。
「勿論馬小屋でなんか寝かせたり━━━」
「そもそも馬小屋で寝てないのでっ」
力任せにその手を振り払えば、殆んど力が入ってなかったのかミツルギの手は簡単に外れた。すると俺の行動が意外だったのかミツルギはキョトンとし━━━その後やれやれと肩を竦めて見せた。
端的に言って、殺したくなった。
なんだ、こいつ。
殴っていいのかな?サンドバッグ?
「まぁ、先程のは例えの一つだよ。そうだな、高級な装備品も買い揃えてあげるし、まだ冒険者なら好きな上級職になれるよう僕が指導してあげよう。━━とは言っても、僕が教えられる事って剣の事ぐらいしかないんだけど。でも、君が上級職になれるよう協力はさせて貰うよ。どうかな?」
その顔に嫌みはない。
恐らく善意なのだろうと思う。
かなり押し付けがましくて、イライラするけど。
ミツルギはめぐみんとダクネスに視線を移し続ける。
「それに二人は僕のパーティーと相性がいい。前衛にソードマスターの僕、僕の仲間の戦士と、そしてクルセイダーのあなた。後衛に僕の仲間の盗賊と、アークウィザードのその子にアクア様。構成的にバランスが取れてると思ったけど、改めて考えたらあつらえたみたいにピッタリなパーティー構成じゃないか!」
一人で盛り上がるミツルギの後ろ、サトウカズマの不安そうな顔が目についた。俺達の気持ちがミツルギに動いたかも知れないと思ったのだろう。金持ちそうだし、顔も悪くないしな。
だが、その心配はいらない。
なにせ俺の後ろで、女子達ドン引いてるからな。
一番脈があって然るべき水色が「ヤバイ」とか「怖い」とか言ってる始末だからね。あのダクネスでさえ「生理的に受けつけない」「寧ろ殴りたい」って呟いたからね。めぐみんなんて爆裂魔法の魔力練り始めたからね。撃つなよ。
「あ、カナデ。その手、浄化しといてあげるわ『ピュリフィケーション』」
あ、ほら。
気を利かせて触られた所を浄化してきたからね。
まさかのミツルギの目の前で。
その様子に安心したのか、サトウカズマは俺達とミツルギの間に割って入り、状況を飲み込めないナルシストを軽く一瞥した。
「そういう訳で、俺の仲間は満場一致であなたのパーティーには行きたくないみたいです。俺達はクエスト完了報告があるから、これで・・・・」
らしくなく格好よく終わった━━━━かと思ったのだが、サトウカズマの前にミツルギが立ち塞がった事で振り出しに。
・・・たまには格好よく終わらせてあげて欲しい。
「悪いが、アクア様の境遇を知った今、このままアクア様を君に任せる訳にはいかない。━━━━いいか、君には世界は救えない。魔王を倒すのはこの僕だ。それなら、アクア様は僕と一緒に来た方が絶対にいい」
水色への執着パネェ。
てか、もう俺らは良いのか。おい。
いや、また誘われても全力でお断りするけども。
しかし、水色をかぁ・・・。
「・・・・水色、今からでもあいつの所にいけば?それで全部終わる気がするんだけど。贅沢出来ると思うぞ。シュワシュワ飲み放題だぞ」
「い、いやよ!カナデ、なに言ってるの!?馬鹿なの?カナデさん、本当は馬鹿だったの?!贅沢だって、あんなのが隣にいたら安心して出来ないんですけど!?シュワシュワだって一緒に飲む人がいないと楽しくないんですけど!?止めてぇ、私を売らないでよぉ!!出荷はいやあああ!!」
水色は泣きじゃくりながらダクネスの影に隠れる。
そっと涙目でこっちを覗く姿は珍しく可愛く見えた。
「おいでーおいでー、怖くないよー」と餌をあげたい気分になる。
「・・・・君はこの世界に持ってこられるモノとして、アクア様を選んだという事だよね」
水色を女子三人で慰めていると、不穏な言葉を聞いた。
「そーだよ」と呟いたサトウカズマを見れば、いつになく恐い顔をしてる。一見するとぼやーっとしてる顔だが気配が違う。それによく見れば腰に提げた剣をいつでも抜ける体勢をとり、ミツルギが剣を抜いた時やりづらい場所に位置どりしてる。もう、やる気満々だ。
よーいドンがなったら速攻だろう。
「なら、僕と勝負しないか?アクア様を、持ってこられる『者』として指定したんだろう?僕が勝ったらアクア様を譲ってくれ。君が勝ったら、何でも一つ、言う事を聞こうじゃないか」
「よし乗った!!じゃぁ行くぞ!」
「えっ!?ちょっ!待っ・・・・!?」
やっちゃぇー。
サトウカズマが勝負を了承して一分後。
そこには無惨に打ち倒されたミツルギと、魔剣を肩にしたサトウカズマの姿があった。
「卑怯者!卑怯者卑怯者卑怯者ーっ!」
「あんた最低!最低よ、この卑怯者!正々堂々と勝負なさいよ!」
ミツルギの取り巻きがやんや言ってるが、サトウカズマは別に悪い事はしてない。
不意打ちで飛びかかったし、ミツルギの武器を窃盗スキルでパクったし、がら空きの脳天にショートソード(鞘付き)を叩き込んだし、倒れたミツルギに肘鉄で追い討ちかけたりしたが━━━━全然卑怯じゃない。
サトウカズマは自分が出来る事をして戦い、そして勝っただけだ。あえて何が悪かったかと言えば、自分のレベルの高さに胡座をかいてサトウカズマを侮り、ルールを曖昧にしたままスタートを切らせたミツルギが悪い。
そもそも、レベルの低い駆け出し冒険者に、高レベルの冒険者が賭け勝負を挑む事のほうがよっぽどだ。
流石にそのまま言ったら拗れるので、やんわりその事を伝えておこうと思う。
あのままだと、ちゃんと戦ったサトウカズマが可哀想だから。
「そこのボンクラが、頭パーなのが、一番悪いんだよ?」
「何よあんたぁ!?喧嘩売ってんの!?」
「キョウヤは頭パーじゃないわよ!!」
おっと、つい本音が。
いきり立つ二人をどうしようか考えてるとかサトウカズマが俺の前に出てきた。言葉は交わさなかったけど、任せろと言いたいのは分かったので引いとく。
「言いたい事は色々あるだろうけど、取り敢えずこれだけはハッキリさせておくぞ。俺の勝ちって事でいいな?それで、こいつ負けたら何でも一つ言う事を聞くって言ってたな?それじゃあ、この魔剣を貰っていきますねっと」
一方的な突き放した言葉に、取り巻きAが焦りを見せる。
「なっ!!?ば、バカ言ってんじゃないわよ!それにその魔剣はキョウヤにしか使いこなせないわ。魔剣は持ち主を選ぶのよ。既に━━━━━」
自信満々に語るAを無視し、水色に視線をやれば当然だと言わんばかりに頷いた。
「そうよ。残念だけど、魔剣グラムはあの痛い人専用よ。装備すると人の限界を越えた膂力が手に入り、石だろうが鉄だろうがサックリ斬れる魔剣だけれど・・・カズマが使ったって普通の剣よ」
「だってよ、サトウカズマ」
聞こえているだろうが念の為に伝えると、サトウカズマは凄く残念そうな顔をした。
そこまで未練がある訳でもなさそうだけど。
それから取り巻きAとBが煩く言ってきたが、女の子相手でもドロップキックを食らわせられる真の男女平等主義者であるサトウカズマの必殺技『厭らしい手つき』を見せる事で完封。それは見事に撤退させた。
皆引いていたけど、あのままだと二人の興奮具合から誰かが怪我をするような事になっていたので、個人的にはファインプレーだと思うので褒めておいた。
ついでに、その『厭らしい手つき』をエッチの時に使ってこいよ、とかも本気で思ったりした。
その後はギルドに檻を返却、水色にクエスト達成報告をさせてから皆でご飯食べて解散━━━━という流れになる筈だったのだが、何故だか俺はサトウカズマに捕まっている。
がっちり掴まれた手はいつもより力強く感じ、いやに熱い。
不思議に思ってどうしたのかと尋ねれば、一言だけ返ってきた。
「こここ、こ、この後、じ、時間あるか・・・?」
ほう?
ほほう?
成る程、成る程・・・・・。
エッチですね、喜んでっ!
俺は迷う事なく頷いた。
あそこをMAXに濡らして。