※この作品はR-18です。

この素晴らしい世界に居座るTSド変態野郎にも祝福を   作:らいじゅう

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流石に魔王軍幹部。
このおいらに、二話に続いてエロをさせないとは。
くっ、流石にシリアス担当はつおいなっ(;・ω・)!


取り敢えずやれるだけはやってみましょう。ふぁいとーおー。はい?勇者様が?あいつには期待するな。

「『ターンアンデット』」

「ぎゃああああああああああああー!!」

 

話し合いの結果、水色がまさかの先制攻撃を果たし見事に決裂する。穏便に終わらなくなった。

何とかお帰り願おうとサトウカズマと相談していたのだが、ダクネスの呪いを解いた事で調子こいた水色が幹部様を挑発、挑発に乗った幹部様が軽口を叩くと水色が問答無用と攻撃してしまった。

 

そんな訳で開戦。

 

水色、頭はパーだが能力の高さはパーティー随一。

当然その攻撃力の高さも言うまでもなく最強クラスなのだが、水色のアンデット特効技を受けても幹部様は沈まなかった。ダメージはありそうだけど。

 

どういう事なのかと不思議に思ってると幹部様が態々説明してくれた。魔王様の加護というものが掛かっていて、神聖魔法に対して強い抵抗力を持っているらしい。それでもかなり効いてるみたいだけど。

 

幹部様はよろめきながら不敵に笑う。

 

「ク、ククク・・・。説明は最後まで聞くものだ。この俺はベルディア。魔王軍幹部が一人、デュラハンのベルディアだ!魔王様からの特別な加護を受けた鎧と、そして俺の力により、そこら辺のプリーストのターンアンデットなど全く効かぬわ!・・・・効かぬのだが・・・・・・な、なぁお前。お前何レベルなのだ?本当に駆け出しか?駆け出しが集まる所なのだろう、この街は?」

 

前言撤回、絶対効いてるな。

ちらっとサトウカズマを見れば俺の考えに察しがついたのか頷いてくる。

なので我が家の狂犬の尻を叩いておく。やっちゃいなよゆー。

 

「・・・まぁいい。本来は、この街周辺に強い光が落ちて来ただのと、うちの占い師が騒ぐから調査にきたのだが・・・面倒だ、いっそ街ごと━━━━」

「『セイクリッド・ターンアンデット』っ!」

「━━━━ぎゃあああああああああ!!」

 

二度目の水色の攻撃に幹部様が乗っていた馬が完全消失。幹部様自身も苦しみもがきのたうち回る。

しかし耐性が高いのかまだ成仏しない。

 

その様子に心配になったのか水色がこっちを不安そうに見てきた。

 

「変よ!カズマ、カナデ!私の攻撃が効いてないわ!」

「大丈夫、効いてる効いてる。もっとやってみ」

「本当?分かったわ、やってみるわね」

 

俺の根拠もない言葉を簡単に信じた水色は幹部様に向き直り杖を構えた。

 

「『ターンアンデット』『ターンアンデット』『ターンアンデット』『ターンアンデット』『セイクリッド・ターンアンデット』っ!!」

「ぎゃああああああああああああっ!?ひああああああああ!?うぼぉあああああああ!?んんんんんんんんんん!?ぬぅふぉぉおおおおおお!!?」

 

成仏こそしないけど、やはりダメージはあるらしく、幹部様は悲鳴をあげながら地面を転げ回る。

しかし決め手には欠けてるみたい。

 

「水色、ちょっと効きづらいみたいだけど、めちゃ効果あるから続けておいて」

「そ、そうなの?『ターンアンデット』全然消えないんですけど?全然大丈夫そうなんですけど?『ターンアンデット』。ねぇねぇカナデ、私反撃されたりしないわよね『ターンアンデット』」

「大丈夫。水色の攻撃が効かない訳ないじゃない。うちのエースの攻撃が、さ」

「エース!!・・・・そうね!そうよ!カナデの言うとおり、私はエースなのよ!仕方ないわね、エースの私に任せて頂戴!!ナメクジの親戚な汚ならしいアンデットは私が葬りさるわ!『ターンアンデット』!!」

 

はい、水色が時間を稼いでる間に、どうするか本格的に考えようか。

 

取り敢えず近くにいたサトウカズマとうちのパーティー、それと比較的優秀そうな冒険者を集めて作戦会議しようと思う。号令をかければ殆ど常連さんなので凄く協力的に集まってくれた。

 

さてどうしようか。

 

幹部様の耐久力を目にした冒険者達の顔は険しい。魔王軍幹部という肩書きがなかったとしてもデュラハンというモンスター自体かなり強いやつらしく、それだけでも高レベルの冒険者がいないと討伐は難しいとの事だった。しかも今回は普通のデュラハンではなく、頭一つ抜けた魔王軍の幹部デュラハン。その耐久力を見た一番経験の長い冒険者の見解では、現在ここにいる冒険者を全投入しても討伐は難しいのでないかとの事だった。

 

尤もその戦力の中に、キチガイ染みた魔力を持つうちのアホ女神と、頭のおかしい破壊神が勘定されていないみたいなので、まだ可能性はありそうだ。

 

サトウカズマも気づいたのか頷いてくれる。

 

二人の力についてサトウカズマが軽く説明すれば、めぐみんの爆裂魔法で雑魚アンデット諸とも幹部様を一掃する作戦が決まった。しかしこれは言うは易し行うは難しといった作戦で、どちらもめぐみんの攻撃範囲に誘導しなくてはならない。事実、今幹部様と手下の間にはそれなりの距離が開いていて一撃の爆裂魔法では消し去れない状態なのだ。

 

これについて古参の冒険者達が厄介な幹部様を引き付けてくれる役を買って出てくれた。

今の所、雑魚アンデット達に動きはないので良いのだが、最悪こちらが動いてしまった場合は、俺達のパーティーを中心に他パーティーと協力し誘導する事に決まった。

 

上手くいけば一撃で殲滅。

そうならずとも爆裂魔法を受けて生き残れるのは幹部様だけだろうし、一人にさえしてしまえばタコ殴りに出来る。そうなれば水色のターンアンデットも効くようになるだろう。

 

え、まだ秘密戦力がある?

ミツルギ?ん?え?

・・・そいつは死んだ、期待するな。

 

 

「よし、それじゃ、早速作戦開始!」

 

手を打ち鳴らしてそう言えば全員が立ち上がった。

 

「「「カナデちゃんに勝利を!!」」」

 

やる気に満ちた声と共に奴等は走り出した。

その身に闘志を宿らせて。

 

「・・・・妙に新参の話を聞いてくれる良い人達だなぁと思ったら、カナデの手下か。今の」

「手下とかじゃないから。ただの常連さんだってば」

「・・・・・ふーん」

 

なんだ、その疑うような目は。こら。

私が変な事してるとか、思ってないよな?

失礼な。たまに時間がある時にお酌ぐらいはしてやるけど、それだけだからな。

まったく。

 

「まぁ、いいか。その辺は後で聞かせて貰う。アクアーもう良いぞ。戻ってこーい。作戦変更だ」

 

サトウカズマがそう叫ぶと水色が戻ってきた。

 

「なになに、カズマなんの用よ?まだ倒しきって無いんですけど?」

「言ったろ。作戦変更だ。このまま何度ターンアンデットしてもあいつは消えない」

「えっ!?本当なのカズマさん!?カナデ、倒せるって言ったじゃないの!私頑張ったのに!!私いっぱい頑張ったの!!」

 

文句を言ってくる水色の頭をよしよししていれば、幹部様の苦痛に満ちた声が聞こえてきた。

視線を向ければ右手をあげた幹部様が。

 

「このっ、この大馬鹿共!!セリフはちゃんと言わせるものだ!!調子に乗るな!!もう怒ったぞ!!お前ら━━━━━━街の連中を皆殺しにせよ!」

 

その言葉と同時に幹部様の手下が動き始めた。

背後から冒険者達の阿鼻叫喚の声が聞こえてくる。

何も準備してなかったらしい。

 

まったく心の準備くらいしとけよな。

うちのアホが頑張ってるんだから。

 

「━━まぁいいか。めぐみん、爆裂魔法いつでも撃てるようにしとけ」

「分かりました!カズマとの特訓にて身に付けた究極を越える超究極、過去最強の超絶爆裂魔法をお見せしましょう!」

 

ダクネスに叱咤はいらない。

尻を蹴りあげてやる。

 

「ダクネス、作戦聞いてたな!よし、囮になってこいっ!!」

「ああん!!な、仲間を躊躇もなく足蹴するとはっ、はぁ、はぁっ、カナデは、本当に、そこら辺を分かっているな━━━━ああ、喜んでっ!ご主人様!!」

「お前のご主人様はサトウカズマだ、よく覚えておけ。よしいけ」

 

デコイを発動しダクネスが駆けていく。

後ろ姿を見守っているとサトウカズマのジト目と目が合った。

 

「勝手にご主人様にするな。というか、割りと楽しんでるだろ」

「馬鹿言うな。俺は人の嫌がる事は極力しない主義だ。悲しんでるぞ」

「・・・・本当かぁ?」

「お前・・・あとでヒィヒィ言わせてやるから覚悟しとけよ」

 

あれがダクネスにとって一番気合いが入るのだから仕方ない。命の掛かった場面。全力で向かって貰わなければならない。出来ることなら全部やる。

予定通りならダクネスは敵を引き付け、幹部様に弾丸特攻をかける手筈だ。それは言わずとも危険な行為。下手をうてば簡単に死んでしまう。

 

けれどやらねばやられる状況。ダクネスには堪えて貰わなければならない。幹部様の攻撃力がどれほどか分からないけど、ダクネスの防御力が上である事を今は信じるしかないのだ。どのみち、出来ぬ無理と何もしないでいたら、やられるだけなのだから。

 

多少の無茶は気合いと根性で乗り越えなければ。

 

「サトウカズマっ、ダクネスが引き付け洩らした奴は、全部ここで仕留めるからなっ」

「分かってる!あんまり前に出過ぎるなよ、バーサーカー!!」

「誰がバーサーカーだ!!」

 

モーニングスターを構え、ダクネスが敵と接触する瞬間待つ。接触するまで、後5秒。

 

4━━━━3━━━━━2━━━━━1っ。

 

「サトウカズマっ!集中!」

 

ダクネスが敵の中央を突破する。

防御力と筋肉だけが取り柄のダクネスは闘牛の如く走り、目の前にあった敵の波を掻き分けて進む。これでデコイの効果があればダクネスに引き付けられて駆け出すのだが━━━━━結果はただの一人もダクネスに向かないという予想外の事態になった。

 

面白いくらいにダクネスはスルーされた。

デコイすら出来ないとは。

あいつ、いよいよなんの役に立つんだ。

 

「カナデ、あの数は流石に無理だ!下がれっ!」

「下がってどうなるもんでなし。殴り殺す」

「そういう所がバーサーカーなんだろうが!俺に考えがある、下がれ!」

 

言われた通りに下がるとサトウカズマがクリエイトウォーターを足元に撒き散らした。何をするのかと思って見ていれば、手下達がその水に足を踏み入れた瞬間を見計らいフリーズの魔法を放つ。

足を凍らせた者、氷に足を滑らせる者、手下によって受けたダメージに違いはあるものの足止めとしは完璧だった。

 

「よしっ、遠距離攻撃出来る皆さーん!!お願いしまーす!!」

 

サトウカズマの声に、後ろに控えていた冒険者達が攻撃を始めた。礫の雨が身動きの取れなくなった手下達に降り注ぐ。かなりの数が倒れたが、遠回りし氷を避け手下達がまだかなりの数残っていた。

 

「サトウカズマ、俺が殴り飛ばしてくるか?」

「戦いが始まるとお前は本当にバーサーカーだな!落ち着け、あの数は無理だろ!というか、あいつら何に向かって・・・・・ん?」

 

よく見れば遠回りして走っていた手下アンデット達は街ではなく別の方向を目指しているように見えた。それは冒険者達でもなく、それより前。

 

「え、え?ちょっと、え?なんか私に向かってるように見えるんですけど?!ちょ、えっ!?なんでよおおおおおお!!」

 

逃げる水色に釣られて手下アンデット達は列を為して走っていった。

 

「・・・・なんだあれ」

「そういや前のクエストの時も、やたらとアンデットに絡まれたな、あいつ」

「そういう事は早くいえよ」

「その後、色々あって忘れてたんだよ。大体お前のせいだぞ」

「・・・・・?」

「あ、いや忘れてくれ」

 

そうこうしてる内にダクネスが水色の様子に気づき悔しそうな声をあげた。

 

「ああっ!?ずるい!なんでアクアばっかり!」

「だったら代わってよおおお!なんで私ばっかり狙われるの!?ダクネスが囮なのに!私女神なのにい!」

 

あまりに酷い光景に送り出した幹部様から焦った声が響いてくる。冒険者達の相手をしているせいで、上手く新しい指示が出せないように見える。いや、仮に出せたとして、果たして言うことを聞くのかどうか。

しかし・・・・言うこと聞かない部下。振り回されるリーダー。あいつサトウカズマと仲良くなれるのではないだろうか。

 

水色の逃走劇を眺めているとUターンしてこっちに向かってきた。なんか言ってる。名前呼んでる。

 

「カっ、カズマ、カズマさーん!!お願い助けてええええ!!」

「げえっ!?こっちくんな!!そのままベルディアんとこいけよ!」

「いやよ!あんな危なそうな所一人でなんていやああああ!!カズマがいってよお!!」

「お前が追われてんだよ!!」

 

水色に幹部様の方へと向かう気は見られない。

真っ直ぐこちらを巻き込む為に走ってくる。

こうなっては仕方なし。

 

「サトウカズマ、水色フォローしてやれ」

「はぁぁぁ!?お前、マジか!?死んでこいってか!?」

「馬鹿言うな。ちゃんと生きて帰ってこい。そしたら、後ですんごい事してやるから」

「すんごい事・・・・!?って、おい、カナデ何処いくんだ!?」

「時間稼ぎ」

 

迫る手下アンデットに狙いを定め、モーニングスターを構えダッシュする。

 

「水色っ!死にたくなかったら、頭下げろっ!!」

「カナデさん!?私味方なんですけど━━━━ひぃ!?」

 

渾身の一振り。

水色の髪を掠めていった俺のお星様は、先頭にいた手下アンデットを始め、その背後にいた五体の手下アンデットも巻き込み吹き飛ばす。

クリーンヒットしたのか頭が二つ空に飛んでいった。

 

けれどやっぱり、手下アンデット達は俺に目もくれない。態々避けて水色の方へと駆けていく。

後続の何体かおまけにぶちのめした後、サトウカズマの無事を願ってめぐみんの元に向かう。

 

サトウカズマはやれば出来る子。

必ずやってくれる。

 

「めぐみんっ、いけるか!」

「カナデ!良いところに来ました!カズマが上手く誘導してくれました!!ぶちかましますよ!!」

 

めぐみんはいつもより詠唱を簡略化し、いつでも撃てる状態にしタイミングを見計らう。

サトウカズマ達が幹部様の接近するのを見計らい冒険者達が下がり、幹部様も何かを察したのか静かに身構えた。

 

「やれっ、めぐみん!!」

 

サトウカズマの声が響く。

それと同時にサトウカズマ達が幹部様の側を通り抜けた。ガードするように剣を構えた幹部様はただ横を通り過ぎていったサトウカズマ達に呆然とする。

そしてその直後、幹部様は迫る手下アンデット達を確認し、弾けるように顔をあげ空を眺めた。

 

空にあるのは禍々しい赤い光を放つ魔法陣。

 

 

 

「『エクスプロージョン』ッッッッ!!」

 

 

 

めぐみんの怒号と共に光が落ちた。

 

人類が扱える最強魔法。

無慈悲なまでの破壊力をもつ、全てを砕くその一撃が。

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